ネットや通販で洋服を探している時に知りたいことはなんでしょうか。
私は色、形、素材の三つだと思っています。当然使用シーンがわかりやすい写真もあっていいとは思いますが、基本はその3つではないかと思います。
その3つを伝えるにはどのように撮ればいいのでしょうか。
そのコツを、ファッション撮影にはかかせない平置きとハンガー吊りで解説します。
アパレル写真の基本【平置き】の上手な見せ方
平置きとは、床などに平らに置いた状態のことです。
洋服の平置き写真はweb上でもたくさん見かけますね。
インスタなどのSNSや、ネットショップまたはフリマ等によくある平置き写真。
「簡単そうだから自分でも撮ってみたい」と思う方や「アパレル商品を写真に撮って売ってみたい」という方へ、置き撮りの基本を教えます。
平置きで気をつけるポイント
平置きでまず気をつけるのが光の方向です。
方向としては左上から右下へ。服の上から光が降りて、服の下に影が落ちる。
そして人間の目は左から右へ流れる習性があるので、光もその方向に流しましょう。
これはアパレルに限ったことではないのですが、光の方向は大切です。
平置き写真を並べた時に、光の方向が統一してあると一体感が出ます。
統一感はブランディングの側面から見ても、重要です。
ポイント
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着用感のあるシワや膨らみの作り方
さて、続いては着用感のあるシワやふくらみの作り方です。着用時のシワは縦にできるので、シワの流れは横ではなく縦にしましょう。
そして衣類の胴体部分は少し折り曲げてラインを作り、着用感を出しましょう。チュニックなどのゆとりがある服の場合は、ゆったりとした曲線を意識します。
服がペタッとしてしまう場合は、服の中にフェルトなどの材料を仕込ませて膨らませるのもポイントです。その時は入れすぎないようにしましょう。少し入っているだけで全然違います。
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小物、靴、アクセサリーの配置のコツ
平置きのアパレル撮影では、靴や小物、アクセサリーを小道具として使うことがあります。その時は、実際に着用している時の配置を意識することが大切です。
ネックレスなら首元に置いたり、ブレスレットであれば手元におきましょう。靴はあえてラフに肩足は寝かしてもOKです。
季節感や素材感を合わせたコーデを意識しましょう。
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おしゃれな置き画でスタイリング
まずは床部分、つまり下地をどうするのかを考えましょう。フローリングや畳で撮るわけにはいかないので、下地を用意します。
白いセットペーパーは基本ですが、木目やアーバン系の壁紙などもおしゃれに決まります。ほかにはサテン系の布で高級感を出したり、アンティークなシック系でもOKです。
下地をきめたら、洋服は少しラフに置いたように見せましょう。実際にはラフではなく計算されたラフさが必要です。
そのためには汚いシワをまずはアイロンで取り除きます。
次に片手は流れるように広げたり、ポケットに手を入れているようにしまったり、袖をまくったりして、洋服をスタイリングしましょう。そして気持ちのいいシワを作っていきます。
わざとクシャッとさせる部分を作り、あえて適当感を演出します。
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モデル撮影もいいですが、平置きのブツ撮りも決まればとてもかっこいいのです!
アパレル写真の基本【ハンガー】で立体的な見せ方
平置きとは違いハンガー吊りの撮影は、ストンと下に洋服の裾が落ちます。その重力のおかげで着ている状態に近く見えてきます。
しかしトルソーとは違って立体感を出すにはコツがいります。その際の立体的な見せ方の基本について、お話しします。
ハンガーの選び方
ハンガー込みで撮影するので、ハンガーも一つのアイテムです。木目のハンガーなど、写ってもオシャレに見えるものを選びましょう。
幅が広いハンガーを使うと肩に丸みができて立体的になるのでオススメです。
背景の選び方、作り方
背景は白い壁を利用しましょう。壁紙を貼り付けてもいいのですが、あまり柄が目立ちすぎるものは控えます。
また、ハンガー撮影はテグスで釣るのが一般的です。テグスをテープで固定し、そこから垂らしてハンガーにくくりつけます。
ですのでその作業ができる背景にしましょう。
肩、袖、襟を立体的に見せる方法
肩はハンガーの形が出るところです。ハンガーが細いと肩も細くなってしまいますが、
丁寧に手で肩の線にきちっと合わせてセットすると、気にならないこともあります。袖と襟も同じです。手で丸みを作りましょう。
ウエスト部分は虫ピンで止めて少しキュッと絞るとスタイルが立体的になります。
さらに裾部分の裏をテープで止めて、裾の広がりを作ります。
ラフな洋服の場合は袖まくりをするとスタイリングもでき立体的にもなるのでおすすめです。
どうしてもペタッと気になる場合は、厚紙を丸めて肩、袖、襟に仕込みましょう。
※ただ透ける素材の洋服の場合は、仕込みがバレてしまうので注意が必要です。
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そして立体的に見せる方法としては、やはり光と影でしょう。陰影がはっきりつくと素材感と立体感が出てきます。
次はその話をしていきます。
アパレル写真の基本【ライティング】の光のあて方
やはり陰影は、とても重要です。服の素材感も立体感も出すことができます。それは平置きでも、ハンガー吊りでも共通のことです。
そんな大事なアパレル撮影のライティングについて見ていきましょう。
基本は自然光です。ここでは屋外ではなく、飽くまで室内での自然光ライティング方法についてお伝えします。
ストロボなどのライトのセットについてもお話ししますね。
アパレル撮影のライティングはここがポイント
洋服は商品撮影の中でも大きい部類の被写体です。シャツならまだしもコートとかワンピースにまでなってくると、大きさはかなりのものになります。
その大きな被写体を商品撮影する場合はライトも大きくなければいけません。まずはライトの大きさに注意しましょう。
自然光の場合は、ベランダの窓くらいの大きさが必要です。ワンピースの上から下まで光があたるようにしましょう。
ハンガー撮影で、下が暗くなってしまう場合は床に白い紙を敷きましょう。レフ版になって、下から光を反射してくれます。
それとレースのカーテンは外して固い光にしましょう。固い光の方が、陰影がでて素材感や立体感を出してくれます。
夏の晴れの日など、はじめから固い太陽光の日はレースのカーテンをディフューザー代わりにして光の固さを調整します。
準備しておくと良いもの
ライティング | ・ストロボ二灯 |
レフ版 | ・大きいレフ版(A2サイズ程度) ・レフ版を立てかけるスタンド代わりになるもの |
ディフューザー | ・ストロボにつけるボックスライトのようなもの2つ |
スタイリング関係 | ・虫ピン ・フェルト ・テープ ・テグス ・丸められる厚紙 ・はさみ ・クリップ(服の後ろを止めたりまとめたりできる) |
最後に撮影セットの作り方
最後に撮影セットの作り方についてお話しします。
まず基本的にシーリングライト、スポットライト、蛍光灯は消します。
色温度がそれぞれ違うので、太陽光もしくはストロボなどのライトの色と混ざらないように消します。ただ、白色蛍光灯など太陽の色温度と同じ場合は使っても大丈夫です。
※ストロボはデイライトです。(ストロボは太陽光と同じ色温度の光を放ちますので、ストロボと自然光は混ざってもOK。アイランプなどの撮影用の定常光はデイライトを選びましょう。)
置き撮りでストロボ撮影の場合
なるべくライトを離して光が大きくなるようにしましょう。ストロボの場合は光が固すぎるのでボックスライトなど、ディフューザーをつけましょう。レフ版を置いて影の濃さを調整しましょう。
ハンガー吊りでストロボ撮影の場合
ストロボにボックスライトをつけて縦に並べましょう。縦長のライトにするイメージです。
ある程度大きくないと、洋服全体に均等な明るさを確保できなくなります。
反対側をレフ版で抑えます。これも二枚を縦に並べて大きく使いましょう。
これで陰影を調節しましょう。
ライティングセットがあれば、自宅をスタジオのようにすることができますよ!
アパレル撮影の基本【撮影代行】の依頼のポイント
今お話した【アパレル撮影の基本】はいかがでしたでしょうか。
ここからは「自分では撮らない」という方、撮影代行をお考えの方に、依頼の際のポイントをお話します。
撮影代行業者や、写真スタジオ、またはカメラマンに自分のイメージを伝えて、スピーディーにクオリティの高い写真に仕上げましょう。
スタジオ撮影と出張撮影の価格相場
商品撮影・物撮りの相場
40,000円
標準相場
26,000円
リーズナブル
65,400円
プレミアム
アパレル 商品撮影・価格相場
1商品/1カット(切り抜きなし、アイロンなし) | 200円~ |
1商品/4カット(部分と生地アップ、全体、バリエーション違い) | 1,000〜3,000円 |
1時間 | 10,000〜30,000円 ※単品商品平均所要時間 1点/10〜20分 ※イメージカット所要時間 1カット/ 20〜60分 |
アイロンや、色合わせの画像補正、または切り抜きなどのオプションにより幅があります。こういった幅はもうどうしようもないといいますか、作業量が全く変わってきますので料金も当然変わります。
変動が激しいのが撮影の商品撮影の特徴でもあります。まずは各業者に問い合わせて見積もりを出してみるのが一番早いでしょう。
カメラマンにショップコンセプトと商品イメージを伝える方法
まずは撮影計画書を作りましょう。すべてが正確でなくても大丈夫です。
時間、場所、ロケもしくはスタジオなのか、白バックの切り抜きなのか、イメージ写真で小道具を入れるのか、など、おおまかなビジョンをカメラマンに伝えましょう。
撮影計画書(例)
撮影計画書によって、事前に用意するものを把握できます。
カメラマンによっては撮れるものと撮れないものがあるので、おおまかな内容だとしても事前に伝えることは大切なことです。
カメラマン選びのコツ
カメラマンには得意分野があります。それはカメラマンのホームページやポートフォリオを見れば大体わかります。
例えば同じアパレルでもスーツなどのかっちりしているものと、デニムのラフなものとでは違があります。
服のスタイリングも、ライティングも、小道具やバックの壁紙なども変わってきます。ですので、先ほどの方法で確認するか、直接問い合わせて確認しましょう。
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