マダニにかまれると炎症が起き、場合によっては感染症などで死に至る危険性があります。適切にマダニから身を守る行動をし、被害に遭わないようにするのが大切です。
万が一かまれてしまった時は自分で無理に取り除かずに病院へ行くようにしましょう。
この記事ではマダニの予防方法やかまれたときの対処法などを紹介します。
マダニの生態、生息地
例年被害が報告されるマダニですが、一般的な家庭のダニと何が違うのでしょうか。
マダニの生態や生息地域を紹介します。
マダニの生態
マダニは家庭にいるダニとは異なる種類です。
マダニは吸血前の体長が約3~4mmの、比較的大きなダニです。家庭内にいるイエダニなどは0.2~0.4mm程度なので、その大きさは約8~10倍にもなります。
体は硬い外皮に覆われており、脚は節の付いた8本からなります。昆虫よりもクモやサソリに近い動物です。主に土があるところに生息しています。
マダニは犬や猫だけでなく、人間にも飛び乗り吸血します。活発に活動するのは春から夏にかけての暖かい季節です。
特別な感覚器官を持ち、体温や匂いだけでなく振動や二酸化炭素までもを感知し、動物に飛び乗る機会をうかがっています。
またマダニと、ダニや大きさが似ているトコジラミとの違いは以下の表の通りです。
害虫名 | 大きさ | さされやすい部分 | 症状が出るまでの期間 | 特徴 |
マダニ | 約3~8mm | 肌を露出している部分 | 2~3日後 | 吸血前は3㎜程度だが吸血後は1cm程度になる |
ダニ | 1mm以下 | 肌を露出していない部分 | 1~2週間後 | くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こす |
トコジラミ | 5~8㎜ | 肌を露出している部分 | 1~2週間後 | 赤っぽいふんにより、赤黒いシミができる |
マダニの生息地
マダニはどんな気候や場所にも対応できるため日本全国で発見されています。
しかし特にマダニがどこにいるのかを知っておくことで刺されないように対策をしやすくなります。
以下のような場所にはマダニが生息している可能性が高いでしょう。
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マダニは森林や草むらなど野生動物(イノシシ、シカなど)が出没する環境に生息していることが多いです。家の近くに森林がある方や林業に携わっている方などはマダニにかまれる可能性が高いため、予防を忘れないようにしましょう。
また近所の公園や河川敷の草むらに生息していることもあり、気づいたら吸血されていたということも少なくありません。普通に生活している中でもマダニにかまれる可能性があるので注意しましょう。
マダニが家の中にいることもあるの?
マダニは基本的に森林や草むらにいるものですが、人やペットなどにくっついて家の中に持ち込まれてしまう場合があります。
またネズミに寄生して家の中に入ってきてしまうケースもあるでしょう。そのため家でネズミを見つけた場合は駆除することが必要です。
家の中でマダニを発見した場合は、かまれると危険ですのですぐに駆除しましょう。ソファやクッションなど普段身近に使用するものには速乾性の駆除スプレーを利用するのがおすすめです。
マダニにかまれたらどうなる?
マダニにかまれても痛みやかゆみを感じることがほとんどないため、気づかないうちに被害にあっていることもあります。しかしマダニは感染症を引き起こすこともあるため注意が必要です。
ここではかまれた時の症状と危険性を確認していきましょう。
マダニにかまれた時の症状
吸血期間 | 数日〜2週間 |
かまれやすい場所 | 肌が露出した部分、脇腹、太もも |
症状 |
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マダニは露出した皮膚にとりつき、脇腹や太ももなどに移動して数日〜2週間にわたって吸血します。
また頭皮や背中をかまれた場合は自分で確認することは難しいです。登山後などに皮膚にポコッとした膨らみがみられる場合は、マダニにかまれた可能性もあるため身近な人に確認してもらうことをおすすめします。
マダニにかまれてもかゆみや痛みを感じないことが多いです。しかし2~3日たってからかゆみや軽度の痛みを感じ、かまれたところが赤く腫れる場合もあります。
またマダニの吸血は感染症を引き起こすウイルスや微生物などを媒介し、命に関わるほどの危険性をもたらすため注意しましょう。
例えば「重症熱性血小板減少症候群」や「日本紅斑熱」などを引き起こし、重症化すると死に至る場合もあります。症状はかまれてから6日〜2週間後に現れることが多いです。
感染症については次の項目で詳しく解説します。
マダニに吸血されると感染症にかかる危険性も
マダニにさされた時に1番気をつけなければならないのが感染症です。
頭痛や発熱などの症状がみられた時にはすぐに病院へ行くようにしましょう。ただの風邪だと思って放っておくと重症化し死に至る危険性もあります。
マダニにかまれた時に起こる感染症としては以下のようなものが挙げられます。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
潜伏期間 | 6日~2週間程度 |
症状 |
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- 日本紅斑熱・つつが虫病
潜伏期間 |
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症状 |
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- ライム病
潜伏期間 | 1~3週間後 |
症状 |
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- マダニ媒介性の回帰熱
潜伏期間 | 12~16 日程度(平均15 日) |
症状 |
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マダニにかまれてから2~3週間程度は身体に異常がないか注意して過ごすようにしましょう。
マダニにかまれた場合の対処法
マダニにかまれてしまったら、単純に自分でつかんではがすのは避けましょう。かえって傷が悪化してしまう恐れがあるからです。ここではマダニにかまれた際の対処方法を紹介します。
被害にあったらすぐに病院へ行こう
マダニにかまれたら、すぐに皮膚科や外科などの病院を受診するようにしましょう。
自分でピンセットを使ってマダニを無理やり取り除くのは絶対にやめましょう。
以下のようなリスクがあります。
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デリケートな対処が求められるため、自力で除去するよりは病院に相談した方が安心です。
特に頭痛や発熱などは、感染症の初期症状です。重症化すると死に至る可能性もあるので、これらの症状が表れた場合は必ず病院へ行ってください。
受診の際には「マダニにいつどこでかまれたのか」を伝えるようにしましょう。
すぐに病院へ行けない場合の対処法
基本的にはマダニにかまれたら病院に行くべきですが、すぐに受診できない場合は「ワセリン法」を試してみるとよいでしょう。
マダニにかまれて1〜2日以内であれば、有効な方法です。
ワセリン法の手順は以下の通りです。
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この方法ならダニを窒息させて簡単に取り除くことができます。しかし効果がないケースもあるので、除去できなかった場合は病院へ行きましょう。ワセリンはドラッグストアや薬局、スーパーなどで購入可能です。
また酢やアルコール、塩を代わりに用いる方法もあるようですが、安全かつ確実に除去するためにも病院へ行くことをおすすめします。
参考:マダニのとり方|田中医院 |
出かける前のマダニ対策
マダニの被害に遭わないためには、かまれないようにする対策が必要です。特に長く野外に滞在する場合は、しっかり予防しましょう。
肌を露出しない
マダニが活発に動く夏場は、つい肌を露出したかっこうが多くなってしまいます。薄着で外出すると、マダニにかまれる機会が増えてしまうのです。
山中でBBQをしたり緑の多い公園に行く際は、長袖・長ズボンを着用して肌を露出しないようにしましょう。靴もサンダルではなく、なるべくスニーカーを選ぶと効果的です。
登山の際はマダニだけでなく、スズメバチなど他の危険な虫に遭遇する可能性が高くなります。長袖・長ズボンを着用し、身を守るようにしましょう。
肌を露出しない服装のコツ
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虫よけ剤を使う
虫よけ剤を使用すると、マダニを寄せ付けない効果があります。山や草むらの多い公園に行く際は、虫よけ剤を持って行きましょう。
特に虫よけ剤に含まれる「ディート」と「イカリジン」という成分は、マダニにとって忌避効果があります。これらの成分が多く含まれる虫よけ剤を選ぶと効果に期待が持てます。
ただし虫よけ剤を使用したからといって、完璧に被害を避けられるものではありません。他の対策と組み合わせ、マダニにかまれないようにしましょう。
外から帰ってきた際のマダニ対策
屋外から帰ってきた後もマダニ対策を行い、マダニを家の中に入れないようにしましょう。
衣服のマダニをチェックする
農作業や登山などから帰ってきた後は、家に入る前に服にマダニがついていないかを確認することが大切です。
また着ていた服はすぐに洗濯して長時間、家の中に放置しないように気をつけましょう。
服にマダニがついているのを発見した場合は、洋服を叩いて払いおとしましょう。またガムテープを用いて取り除く方法もおすすめです。
お風呂に入ってマダニがついていないか確認する
屋外で活動した後にはすぐにお風呂に入ったりシャワーを浴びたりして、マダニが身体についていないかを確認しましょう。
マダニを発見した場合は自分で取り除くことは避けて、病院で取ってもらうのがベストです。無理にひきはがそうとするとマダニの身体の一部が皮膚内に残ってしまうこともあります。
ペットの犬についたマダニにも注意!
犬や猫などのペットは室外にいる時間が多いため、マダニに寄生されやすいです。
大切なペットを守るためにも、マダニかまれた際の対処法や予防方法を確認していきましょう。
犬がマダニに寄生されるとどうなる?
犬がマダニにかまれると皮膚炎や貧血、栄養障害を引き起こします。
また人間と同じく感染症にかかり命に関わる危険性もあるのです。食欲不振や発熱、黄疸などの異常がみられたら注意が必要です。
他にも、毒性物質をもつマダニに吸血されると神経障害(弛緩性麻痺)が引き起こされます。
マダニをみつけた場合の対処法
もし飼っている愛犬にマダニがついているのを発見した場合は、マダニには触れずすぐに動物病院へ行くようにしましょう。
中にはペットについているマダニを手でつぶしてしまい、感染症にかかってしまった方もいます。
また自分で無理に取ろうとするとマダニの身体の一部がペットの体内に残ってしまい、化膿やウイルス感染を引き起こしてしまう可能性があるでしょう。
ペットのマダニ予防方法
ペットがマダニを外から持ち帰って家の中に入ると、人がマダニの被害に遭う可能性が生まれます。そのため以下のような予防方法を実践するとよいでしょう。
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散歩から帰ってきた際は動物用のくしでブラッシングしてマダニがいないか確認してください。
マダニは毛の少ない部位に寄生することが多いので以下のような場所をチェックしてみましょう。
チェックポイント
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またペットのマダニ予防として、定期的な予防薬の投与が大切です。これらには体に薬剤を垂らすスポットオンタイプや、スプレータイプがあります。
上記はスポットオンタイプの薬剤です。体重制限や投与前後2日間はシャンプーを行わないというように決まりがあるので説明をよく読んで使用しましょう。
草むらではマダニに気を付けよう
マダニは家庭にいるイエダニなどとは異なり、一般的に土のある外にいます。公園の草むらや河川敷など緑の多い場所に潜み、哺乳類に飛び乗る機会をうかがっているのです。
マダニにかまれると感染症を引き起こす恐れがあります。そのため登山などをする場合は長袖・長ズボンを着用し、マダニから身を守るようにしましょう。虫よけ剤を使用するのも効果的です。
マダニにかまれたら、すぐに病院に行ってください。かまれて間もなければ自力で剥がせますが、時間が経過して無理に剥がすとマダニの一部が残り、炎症や感染症を引き起こす場合があります。
草むらに行く際は、マダニに気を付けましょう。
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