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サイディング塗料のおすすめは?メンテナンスのサインと注意点も解説

最終更新日: 2023年03月31日

外壁に使われるサイディングを長持ちさせるためには、塗装などの定期的なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンスに使う塗料には、どのような種類があるのでしょうか?ニーズ別におすすめのサイディング塗料、補修が必要なサインを紹介します。

サイディングの基礎知識

壁を塗る人

そもそも「サイディング」とはどのような外壁材なのでしょうか?サイディングの特徴や種類を詳しく紹介します。

建物の外壁に使用するパネル

サイディングは建物の外壁に使われる板材です。外壁のサイズにカットしたパネルを貼り付け、つなぎ目を埋めながら施工していきます。

以前は外壁の施工はモルタルを利用して仕上げる「湿式」が一般的でしたが、工事に時間がかかるというデメリットがありました。

「乾式」とも呼ばれるサイディングであれば、施工の時間や手間を大幅に削減できます。サイディングが登場してからは一気に普及して、現在では新築戸建の7〜8割に採用されるほど主流になっています。

特別な施工技術を必要としないため、導入費用がリーズナブルな点もメリットです。また耐水性や耐候性に優れており、デザインのバリエーションも豊富なため住宅環境に合わせて最適なサイディングを選べます。

サイディングには4種類ある

サイディングは次の4種類に分類されます。それぞれの特徴を押さえて、メンテナンスや外壁の張り替えに役立てましょう。

  • 窯業(ようぎょう)系サイディング
  • 金属系サイディング
  • 木質系サイディング
  • 樹脂系サイディング

75%という高いシェア率を誇る「窯業系」は、原料としてセメントと繊維質が混ぜ込まれているサイディングです。リーズナブルな価格でありながら重厚な外観を実現できます。

「金属系」は金属メッキで表面を塗装した上で断熱材を裏打ちしており、断熱性・耐久性・耐凍害性に優れる点が特徴です。窯業系サイディングと比べると、価格はやや高めといえるでしょう。

天然木を利用した「木質系」は、デザイン性と耐熱性が高いサイディングです。ただし導入にかかるコストは高く、防水性が低いため小まめなメンテナンスを要します。

「樹脂系」は塩化ビニール製を加工したサイディングです。耐久性があり変色しにくい上に、安価なのも利点といえるでしょう。ただ日本では普及していないため、扱える業者がほとんどいません。

定期的な補修が必要

サイディングには40年ほどの耐用年数があるものの、経年劣化によって雨漏りやヒビ割れ・腐食などのトラブルが発生します。放置しておくと外壁に大きなダメージを与えてしまう可能性もあるため、定期的な補修メンテナンスが重要です。

メンテナンスに最適なタイミングは、サイディングの種類によっても若干異なります。おおよその目安としては、窯業系が7〜8年・金属系が10〜15年・木質系が8〜12年・樹脂系が10〜20年ごとです。

メンテナンスが必要なサイン

ボロボロになった壁

経年劣化の目安となる年数に達していなくても、サイディングに劣化サインが現れたらできるだけ早めにメンテナンスを行いましょう。補修や塗装が必要なサインを紹介します。

色あせや汚れ、サビの発生

サイディングが色あせて艶を失っているときは、塗り替えが必要です。色あせは日光が当たる場所に部分的に発生することもあるため、定期的に外壁全体をチェックするようにしましょう。

また外壁の表面に汚れが目立つ場合も、塗装が落ちてしまっている可能性があります。特にコケやカビ・藻などが付着している場合は、撥水性のある塗料に塗り替えるのがおすすめです。

金属系サイディングは塩害や酸性雨・傷の影響で、表面がサビてしまうケースも少なくありません。放置しておくと外壁が腐食する原因になるため、サビ止めの効果がある塗料で補修を行いましょう。

チョーキング現象

外壁表面に顔料が吹き出てくる「チョーキング現象」も、サイディングの劣化を示す兆候の一つです。雨や紫外線などの影響でサイディングの耐久性が落ちると、塗料の結合力が低下して生じます。

チョーキング現象は塗料の保護機能が弱まっているサインであり、表面が雨や太陽光のダメージを受けやすい状態です。外壁を触ったとき手に白い粉のようなものが付く場合には、サイディングの塗り替えを検討した方がよいでしょう。

塗膜の剥がれやコーキングの劣化

サイディングが劣化すると、塗膜の表面が膨れたり剥がれたりする場合があります。剥がれたすき間から雨水などが侵入すれば、雨もりや腐食に発展するかもしれません。

剥がれや膨れが大きくなるほど補修が大変になるため、見つけ次第できるだけ迅速に再塗装をしましょう。

またサイディングのつなぎ目を補填しているコーキング材にも、経年劣化によって亀裂や剥離・痩せ・破断といった症状が出ます。コーキングが劣化すると防水性や耐震性・気密性などの重要な性能が低下してしまうため、定期的なチェックと補修が重要です。

初期コストを抑えたい人におすすめの塗料

緑の壁

サイディングの塗料は種類によって価格も性能も異なります。用途に合わせて適した塗料を選びましょう。初期費用をかけたくない人には、塗料自体の値段が安いものがおすすめです。

安く手に入る「アクリル」

1㎡あたりの価格が約1,400〜1,800円と安価な「アクリル」は、外壁塗装に高い予算をかけられない場合に重宝する塗料です。

外壁材を選ばないだけでなく、変色しにくく耐候性にも優れています。施工がしやすいため業者の技術に大きく左右されず、なめらかで艶のある仕上がりを実現できるでしょう。

ただし他の塗料と比べて耐久性や耐候性は低めで、少なくとも6年に1度ほどのメンテナンスが欠かせません。手間がかかる上にランニングコストがやや高くつきます。

密着性が高い「ウレタン」

ウレタン系の合成樹脂を主成分とするウレタン塗料も、コストパフォーマンスに優れています。できるだけ初期費用を抑えたい人におすすめの塗料です。

密着性が高く柔らかい塗膜はさまざまな外壁材にフィットして、ヒビ割れの発生を防ぎます。光沢感のある仕上がりとカラーリングの豊富さも人気の理由です。

アクリルと比べると耐久性が高く、傷が付きにくいという特徴もあります。利用状況によっては、8年ほどメンテナンスが必要ない場合もあります。予算と性能のバランスを取りたい人向きの塗料といえるでしょう。

長期的なコスト重視派におすすめの塗料

壁を塗るローラー

長期的なコストを重視するなら、耐用年数が長くメンテナンスの頻度を比較的少なく抑えられる塗料がおすすめです。ランニングコストの低い塗料と、特殊な機能で外壁の劣化を防ぐタイプもチェックしておきましょう。

コスパ抜群で主流の「シリコン」

外壁塗装で最も多く使われている塗料とされています。耐用年数が7〜15年と長いたく、メンテナンスの施工費用や手間もあまりかかりません。

耐熱性や防水性に優れており、性能面でも非常に優秀です。施工後は外壁に光沢が出るため、高級感のある仕上がりを期待できるでしょう。

初期コストも1㎡あたり1,800〜3,500円と比較的安価で、コストパフォーマンスを重視したい人におすすめの塗料です。

耐久性に優れた「フッ素」

1㎡あたり3,800~4,800円と初期コストは高めではありますが、15~20年ほどもつためメンテナンスの手間をかなり削減できます。サイディングの寿命が基本的に40年である点を考えると、長期スパンではコストパフォーマンスも優秀といえるでしょう。

耐候性・耐熱性に優れているため、雨風や日差しによる外壁表面へのダメージや色あせを軽減できます。艶のあるきれいな仕上がりも人気の理由です。

導入時にまとまった費用を出せるのであれば、フッ素塗料を選ぶことで長期的な出費を抑えられます。

高機能な特殊塗料もある

各機能に特化した「特殊塗料」はいずれも耐用年数が15年以上と長く、中には25年ほどメンテナンスが不要なものもあります。代表的な特殊塗料は次の通りです。

  • 無機塗料
  • 光触媒塗料
  • 遮熱・断熱塗料
  • 高耐候塗料

「無機塗料」にはセラミックやケイ素などの自然成分が含まれており、高い耐久性と防汚性・防カビ性を備えています。

「光触媒塗料」は外壁の汚れを雨水で洗い流すセルフクリーニング機能を持ち、きれいな外観が長続きする塗料です。

「遮熱・断熱塗料」は太陽光などの熱に、「高耐候塗料」は天候から受ける影響にそれぞれ優れた耐性があります。

いずれも初期コストはやや高めですが、環境に合わせて最適なものを選択すればランニングコストをかなり抑えられるでしょう。

塗装する際の注意点

塗装する道具

サイディングの塗装メンテナンスをする際に、知っておくと役立つポイントがあります。思い通りの塗装ができない・価格が高くなってしまうなどの問題を防ぐためにも、注意点を押さえておきましょう。

人気のクリア塗装ができない壁もある

サイディングの劣化状態によっては、無色透明な塗料を塗布する「クリア塗装」ができないケースもあります。

クリア塗装ができない場合は単色で塗りつぶすか2~3色での塗装を行う必要があるため、サイディングの本来の模様やデザインを生かせません。

どうしてもクリア塗装がしたいのであれば、サイディングが劣化する前の小まめな塗り替えがおすすめです。またクリア塗装に不向きな金属系サイディングや、フッ素・光触媒・無機といった塗料は避けるのが無難でしょう。

弾性系塗料はサイディングに向かない

サイディングの塗装に向かない塗料として、伸びる性質を持ちモルタルに使われることの多い「弾性系塗料」が挙げられます。

表面温度が上昇しやすく吸水性の高いサイディングは、熱で柔らかくなった弾性系塗料の塗膜を水分の蒸発によって膨張・剥離させてしまうのです。

弾性系塗料は一度伸びると元には戻らないため、隙間から雨水などが侵入してさらなる劣化を引き起こしかねません。サイディングの塗装には伸びる性質のある塗料は避けましょう。

シーリングも一緒に補修する

サイディングの塗装工事を行う際には、高所の作業をするために足場を組む必要があります。工事費用に足場台が加算されると高くついてしまいますので、タイミングが合うならシーリングの補修と同時に頼むのがおすすめです。

シーリング(コーキング)が劣化したまま放置すると雨漏りや腐食を引き起こすため、7〜10年を目安に補修が必要になります。新築で多く使われる窯業系サイディングの補修も7〜8年が目安ですので、同時にメンテナンスできる可能性が高いでしょう。

外壁塗装でサイディングの美観をキープ

青い壁

安価で施工しやすいサイディングは、高いシェア率を誇る外壁材です。ただし長持ちさせるためには、塗装やシーリング補修といった定期的なメンテナンスが必要になります。

サイディングの塗装は、どの塗料を選ぶかによって得られる性能や費用が大きく異なります。初期コストが安い塗料は頻繁な再塗装が必要な場合も多く、長期的な視点で考えるとむしろメンテナンスの費用が高くつくかもしれません。

サイディングには不向きな塗料、劣化すると使用できない塗料も存在するため注意が必要です。用途と予算に合う塗料を選んで外壁の美しさを保ちましょう。

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