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外壁塗装時の臭い対策は?塗料選びや業者への相談など事前に準備を

最終更新日: 2023年03月31日

家の外壁塗装を検討する際、気になるのが塗料の臭いです。臭いによる不快感や体への悪影響が、気になる人も多いのではないでしょうか。外壁塗装の臭いは対策を施せば軽減できます。適切な対策について知り、健康被害や不快感を減らしましょう。

外壁用塗料はなぜ臭いのか?

昔ほど臭いが強くない外壁用塗料も、近頃は増えています。しかし家族や自分の健康への影響や、近隣への迷惑が気になる人もいるでしょう。外壁用塗料が臭い理由を知れば、臭いへの対策がしやすくなります。

大部分がシンナーの臭い

油性の外壁用塗料には、溶剤としてシンナー(有機溶剤)が含まれています。イソプロピルアルコールやメタノールといったシンナーの引き起こす刺激臭が、外壁用塗料の臭いの主な原因です。

臭いのほかに、シンナーには健康への悪影響もあります。吐き気や頭痛といった軽度な影響から、呼吸困難や不妊といった重度な影響まで、シンナーの健康被害は多岐に渡ります。

シンナーを含む塗料による塗装は、作業環境測定や健康診断を業者に国が義務付けるほど、危険な作業です。しかしシンナーには乾燥時間を短縮したり、塗料を薄めたりする効果があるため、多くの塗装業者が使用しています。

ホルムアルデヒドも臭いの原因

シンナー以外の臭いの原因として、ホルムアルデヒドが考えられます。ホルムアルデヒドはVOC(揮発性有機化合物)の一つで、シックハウス症候群の原因としても有名です。

ホルムアルデヒドは有機溶剤に含まれていて、塗料の粘度を保つために必要とされています。しかしホルムアルデヒドには、健康被害のリスクがあります。

ホルムアルデヒドは揮発性のため、外壁塗装におけるホルムアルデヒドを含む塗料の使用には、規制がありません。それでも有害性は同じです。

臭いを軽減するには換気が重要

外壁塗装の臭いを軽減するには、換気が重要です。とはいえ塗装作業中は好き勝手には換気できません。そこで外壁塗装中の臭い対策のポイントを、三つ紹介します。

換気は作業が終わってから

換気するのは塗料が乾いて臭いも飛びやすい作業後にしましょう。作業中に換気すると、外気によってむしろ臭いが悪化する可能性があります。

塗装作業自体は終わっていて、なかなか消えない臭いに悩んでいる人は、「ベーキングアウト」と呼ばれる換気方法を試しましょう。可能な限り暖房で室温を上げてから、換気扇や扇風機を用いて換気する方法です。

外壁塗装の臭いは低層階にこもりやすい性質があります。低層階をしっかり換気するのも、ポイントの一つです。

換気ができる養生を業者に依頼する

外壁塗装中はドアや窓を養生し、自由に開閉できないのが一般的です。しかし外壁塗装の作業期間中も、一切換気できないわけではありません。

養生作業に入る前に、外壁塗装期間中も換気したい旨を業者に伝え、換気を前提に養生してもらいましょう。そうすれば塗装期間中でも、窓を開けて空気を入れ換えられます。

換気できるように養生してもらうなら、換気してもよいタイミングを、必ず業者に確認しましょう。天候や進捗次第では、窓を開けられない日もあるからです。

業者に確認せずに窓を開けると、乾いていない塗料や水が窓から部屋に入る恐れがあります。予定と実際の進捗が異なる可能性もあるため、面倒でもその都度換気の許可を取りましょう。

先に1面だけ塗装を済ませてもらう

臭いが気になる人は、先に窓のある1面だけ塗装を済ませてもらうのがおすすめです。開けたい窓を指定して、そこだけを先に仕上げてもらえば、家を密閉する期間を短縮できます。

換気できるように窓を養生してもらえば、わざわざ窓のある1面だけ先に塗装する必要性を感じないかもしれません。しかし窓のある面の塗装を先に終えれば、その後の作業状況を気にせず、比較的自由なタイミングで換気できます。

先に1面だけ塗装を済ませてもらいたい場合は、なるべく早い段階で業者に意向を伝えましょう。

ほかにもある外壁塗装の臭い対策

換気以外の方法でも外壁塗装の臭いは対策できます。塗料選びを工夫すれば、外壁塗装用の塗料から発する臭いそのものを軽減可能です。

水性塗料を選ぶ

臭い対策では「水性塗料」を選ぶとよいでしょう。外壁塗装で使う塗料には、油性と水性があります。両者の違いは塗料に使う溶媒です。油性塗料は溶媒に有機溶剤を、水性塗料は溶媒に水を使います。

外壁用塗料の臭いの原因であるシンナーも、有機溶剤の一種です。臭いが強い有機溶剤ではなく、無臭の水を使う分、水性塗料の臭いは軽減されます

ただし塗装する家がある地域の気候や、塗装する素材との相性もあります。水性塗料を希望する場合は、業者に相談しましょう。一般的に耐久性は油性塗料の方が勝っているため、塗装する箇所に応じて使い分けるのも選択肢の一つです。

「F☆☆☆☆」の塗料を使う

塗料を選ぶときにチェックしたいのが、「F☆☆☆☆(Fフォースター)」と呼ばれる規格です。F☆☆☆☆はホルムアルデヒド(Formaldehyde)の、放散度の等級を示します。

この規格には、F☆からF☆☆☆☆までがあります。☆が多いほど、ホルムアルデヒドの放散量が少なく安全です。

建築基準法では塗料の☆の数に応じて、内壁塗装での使用に制限を設けています。F☆☆☆☆の塗料は制限がありません。F☆☆☆とF☆☆では使用面積が制限され、F☆は使用禁止です。

臭いに対する敏感さには、個人差があります。臭いが少ない塗料を選ぶなら、F☆☆☆☆の水性塗料がよいでしょう。

妊婦や赤ちゃん、ペットはできれば外泊を

妊娠中の家族や赤ちゃん、ペットがいる家庭は、外壁塗装中は外泊するのが理想的です。臭い以外にも作業中の大きな音は、赤ちゃんやペットを驚かせる可能性があります。

ウィークリーマンションを借りたり実家に帰ったりして、できるだけ塗料の臭いや刺激から離れましょう。外泊が難しければ臭いの出る作業中は外出し、作業が終わる頃に帰宅して、すぐ換気するのがおすすめです。

ペットがいる場合は、ペットホテルに預けるのも手段の一つです。ただし人間にはただの外泊でも、環境が変わって飼い主とも離れると、ペットには予想以上のストレスがかかります。

ペットホテルを利用する場合は、できるだけ利用期間を短くしましょう。

外壁塗装の臭いについての疑問を解消

一般的に外壁塗装はさほど頻繁に行わないため、初めて塗装を考えている人もいるでしょう。外壁塗装の臭いについての疑問で、多くの人が気になっている点を紹介します。

臭いを我慢するのは何日?

特に臭いが強いのは、「中塗り」「上塗り」と呼ばれる塗装作業と、上塗りを終えて塗装を乾燥させる日です。中塗りと上塗り、乾燥で1日ずつ工期を設けるため、特に臭いが強いのはこの3日間といえるでしょう。

一般的な戸建て住宅の外壁塗装では、全体の工期は約10日~2週間です。順調に作業が進んだ場合に約10日で、作業の遅れや悪天候による作業中断も含めて、2週間かそれ以上を見ておきましょう。

エアコンを使うと臭いは入ってくる?

エアコンの使用によって、塗料の臭いが室内に入る心配はありません。エアコンの仕組みにその理由があります。

エアコンは室内で取り込んだ空気を循環させ、温度調節します。つまりエアコンから放出される空気は、直接取り込まれた外気ではありません。

もし室外機が養生されたままエアコンを使うと、故障の原因になります。エアコンを使いたいときは、使ってよいか業者に確認しましょう。塗装前に外壁の汚れを落とす「高圧洗浄」の日も、エアコンは使えないため注意が必要です。

対策次第で不快な臭いや健康被害は防げる

外壁用塗料に含まれるVOCによる不快な臭いや健康被害は、対策次第で防げます。塗料選びや換気する窓の指定など、業者とのやり取りが必要な対策もあります

ミツモアで塗装業者を探せば、契約前に臭い対策について細かく相談が可能です。またいくつかの質問に答えるだけで最大5件の見積もりが届きます。相談をすることでサービス内容が明確になり、さらにあらかじめ費用もわかるため安心です。また自ら調べて比較する手間が省けるので非常に便利ですよね。外壁塗装を検討し始めたら、早めに臭い対策の準備に着手しましょう。

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