玄関に旧式の鍵を使用している場合などは、空き巣に侵入される可能性が高くなります。侵入するための巧妙な手口が増えているため、防犯対策は重要です。空き巣の手口や対策方法を解説します。おすすめの鍵やグッズも紹介します。
最終更新日: 2023年03月31日
玄関引戸から侵入する空き巣の手口
空き巣は鍵がかかっていても、特別な手法を用いて家屋内に浸入してしまいます。やり口は一つだけでなく、複数あるため注意が必要です。玄関引戸から侵入する空き巣の手口を紹介します。
ガラス破り
空き巣の手口として多いものが「ガラス破り」です。これは窓ガラスなどを割って、鍵を解錠し中に侵入します。
一般的に窓を割る際は大きな音が鳴ってしまいますが、ほとんど音を立てずに割る巧妙な工夫をしている空き巣もいます。仮に音を立てたとしても、工場や工事現場などが近くにあれば音が目立ちません。
ガラス破りにはハンマーなどでたたき割る方法だけでなく、引き違い窓の鍵部分をドライバーでこじ開ける、「こじ破り」などがあります。
またライタやバーナーなどで窓を焼いた後に水をかけて、温度差で窓を割る「焼き破り」など、ガラス破りにもさまざまな手法が存在します。
ピッキング
「ピッキング」とは鍵穴に特殊な工具を差し込み解錠する手法です。もともと犯罪の手段として使用されていた訳ではなく、鍵屋が依頼主のために使っていた方法でした。
ピッキング用のツールが世に出回るようになり、犯罪件数が増えてきているのです。
この手法は大きな音を立てずに素早く解錠できてしまうため、窃盗団に好まれるなど広く普及してしまいました。一度やり方を覚えてしまうと、素人でも簡単に解錠できてしまう恐れがあります。
鍵ごとにピッキング方法は異なりますが、これらを修得してしまえば広く利用できてしまい、被害に遭いやすい手法です。
サムターン回し
ドアの内側にあるつまみのことをサムターンといいます。内側から鍵をかける際は、このつまみを回転させて施錠します。
「サムターン回し」とは、外側からなんらかの方法で内側のサムターンを回して解錠する方法です。
例えばドアノブ付近に、ドリルで小さな穴を空けます。そこに特殊な工具を入れ、外側からサムターンを回してしまうのです。ドアの隙間から工具を入れることもあります。
ドアに穴を空けなくても、ドアスコープを外せば簡単に穴が空いてしまうのです。郵便受けがあれば、それを壊して手で回すこともできてしまいます。
玄関引戸におすすめの防犯対策
玄関から空き巣に入られないためには、手法に合った防犯対策があります。空き巣に効果的な、これらの方法を紹介します。
玄関の引戸に取り付けられる鍵の種類
玄関引戸に取り付けられる鍵の種類はさまざまです。これらを使い分けて対策するのも一つの手段でしょう。
まず一般的な鍵の種類といえば「戸先錠」です。メインの鍵として使用される場合が多く、こじ開けに強い特徴があります。
続いてメインの鍵とは別に取り付ける「補助錠」があります。いくつか種類がありますが、引戸用を選択するとよいでしょう。
鍵を持たない「電子錠」もおすすめです。暗証番号などで解錠でき、一般的に高額ですが防犯性は高くなります。
「召し合わせ錠」は引き違い戸で使用します。戸が重なる中心部に取り付け、戸先錠と組み合わせて利用すると効果が高いでしょう。
ピッキングに強いディンプルキーに交換
玄関口の鍵が旧式であれば、ピッキング被害に遭う確率が高くなります。「ディンプルキー」に交換すれば、ピッキングで開錠されることはほとんどないでしょう。
ディンプルキーはピッキングに強い鍵です。差し込む鍵は、表面に大小のくぼみが付いている特徴があります。
鍵のピンとこのくぼみの形状が一致することで開錠できる仕組みですが、ピッキングで開けようとするとピンの数が多く開錠までに時間がかかってしまいます。
さらに複製が難しく、第三者が同じ鍵を複製するためには暗証番号が必要になる場合もあるのです。
脱着式サムターンで回されない鍵にする
サムターンには、防犯性を向上させた「脱着式」もあります。これは見た目は通常のサムターンと同じですが、鍵をかけた後につまみを回して取り外せるようになっています。
サムターンがなくなるため、これでサムターン回しを回避できるようになるでしょう。また内側から外に出られなくなるため、小さな子供が誤って外に出てしまうことも防げます。
防犯性を向上させる効果だけでなく、家族を保護するためにも利用されています。つまみを外した後は、保管場所を家族と共有しておきましょう。
補助錠を取り付ける
単純に補助錠で鍵を増やすことで、防犯効果が大きく上がります。空き巣にとって、解錠するのにかかる時間は重要です。簡単に中に入れない家であれば、敬遠して被害に遭うことを回避できるでしょう。
補助錠は取り付ける位置や個数によって、防犯効果が異なります。例えばドアの上下に付けておくと、ガラス破り対策になります。戸先に付けると、こじ開け対策として効果を発揮するのです。
ただし補助錠を多く取り付けると、通常時の開け閉めに手間がかかってしまいます。利便性も考慮し、補助錠の数や取り付け位置を調整しましょう。
自分で取り付けられる防犯対策グッズ
防犯対策は大掛かりな工事などを施すだけでなく、ちょっと工夫するだけでも効果があります。自分で簡単に取り付けられる、防犯対策グッズを紹介します。
ノムラテック「サムターン回し防止具」
防犯性が高くなるサムターンには脱着式もありますが、これは通常のサムターンにカバーを取り付ける商品です。両面テープで貼るだけなので、誰でも簡単に取り付けられます。
この商品でサムターンをカバーすれば、外部からのサムターン回しを回避できるでしょう。
ただしサムターンの大きさや形状によっては、取り付けられない可能性があります。サムターンとドアの間に十分なスペースがない場合も同様です。
商品を購入する際に、サムターン周辺の寸法を測り取り付けられるか確認しておきましょう。
- 商品名：サムターン回し防止具 スモーク 2072
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日本ロックサービス「インサイドロック」
ガラス付きのドアであれば、ガラス破りで内側の鍵を開けられてしまう場合があります。この商品は、そんなガラス破りに効果を発揮する補助錠です。
アルミ板用のドリルネジが付いているため、ドライバーが1本あれば素人でも取り付けられます。タイプの異なる受け金具が3種類付属しているため、一般的なドアであれば取り付けられるでしょう。
いたずら防止の観点から、内側から鍵をかけられないようにするアンプッシュ装置も備わっています。
- 商品名：日本ロックサービス DS-IN-1U インサイドロック
- Amazon：商品ページ
鍵の交換や取り付けはプロへ依頼しよう
しっかりした防犯対策をしたい人は、鍵の交換や取り付けが効果的です。自力でするとドアの開閉ができなくなる可能性もあるため、業者に依頼するとよいでしょう。
鍵業者に依頼する際の費用相場や、業者選びのポイントを紹介します。
鍵業者に依頼した場合の費用相場
鍵業者に鍵交換を依頼した場合は、ディンプルキー錠であれば約15,000～25,000円が費用の相場となっています。補助錠の取り付けは約9,000～18,000円です。
費用は交換する鍵の種類やメーカーによって異なります。防犯性の高い鍵になるほど、費用相場が上がる傾向があります。
例えば電子錠など特殊な鍵への交換となると、種類によって差があり約25,000～100,000円と大きく変動するのです。
ただしこれらは一般的な費用相場であり、実際の費用を知りたい場合は業者から見積書を取得するのが一番です。
業者選びは一括見積もりが便利
一般的な費用で業者を選択する際は、相見積もりを取得するのがよいでしょう。これは複数の業者に見積依頼をかけ、見積書を集める方法が一般的です。
見積一括サービスのある「ミツモア」を利用すれば、一つの見積依頼で最大5社の業者から迅速に見積もりを集められます。見積取得にかかる手間や時間を軽減できるため、積極的に活用しましょう。
集めた見積もりは金額だけでなく、明細内容も比較します。業者によってはアフターフォローを明記していることがあるため、そのような業者であれば安心といえます。
玄関の引戸に防犯対策を検討しよう
玄関引戸に対する空き巣の手口はさまざまです。ピッキングやガラス破り、サムターン回しなどさまざまな手口があるため、これらの防犯対策が重要です。
対策にはディンプルキー錠に交換したり、補助錠を取り付けたりする方法があります。簡単な対策であればホームセンターで防犯グッズを購入し、自分で取り付けるのも一つの手段です。
しかし鍵を交換するとなると、業者に依頼した方が安全といえます。業者選びには相見積もりを取得し、金額やサービス内容を比較して選択しましょう。
玄関の状況に応じ、引戸の防犯対策を施してみてはいかがでしょうか。
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