ホームセンターではシリンダーや錠前などの鍵のパーツが、8,000円~18,000円ほどの価格で販売されています。


一部のホームセンターでは玄関ドアの鍵の交換を依頼でき、必要な道具を揃えばDIYでも交換が可能です。
鍵交換をホームセンターに依頼したときの費用相場やDIYで鍵交換をする費用などについて確認してみましょう。
鍵交換をホームセンターに依頼する費用相場
著名なホームセンターに玄関ドアの鍵交換を依頼したときの費用相場を表形式でまとめました。以下の表では工賃のみを記載しているので、実際に依頼する際は工賃に加えて鍵の本体価格もかかる点に注意してください。
※ミツモア調べ(2025年6月時点)
コメリやロイヤルホームセンター、コーナンでは、鍵本体は売っているものの取り付け作業に関しては受け付けていないので注意しましょう。
ホームセンターで買える鍵の種類と選び方
ホームセンターでは以下に挙げる鍵が購入できることが多いです。特徴とどのような鍵に適しているかをチェックしましょう。
刻みキー

刻みキーは、鍵の片側または両側がギザギザした形状になっている鍵です。ピンシリンダーやディスクシリンダーがこのタイプにあたります。
刻みキーのシリンダーは製品価格が数千円からと比較的安価な点が特徴です。ただし構造が単純なためピッキングに弱く、防犯性が低いという欠点があります。玄関ドアの鍵として採用するにはリスクが高い点に注意しましょう。
刻みキーの鍵を取り付けるのであれば、物置などあまり高い防犯性が求められない場所にすることをおすすめします。
ディンプルシリンダー

ディンプルシリンダーは表面に大きさや深さが異なる複数のくぼみがある鍵を使用して施錠・解錠をします。
ディンプルシリンダーは、表面に大きさや深さの異なる複数のくぼみ(ディンプル)がある鍵を使用します。
内部構造が非常に複雑で、ピッキングによる不正開錠が極めて困難なため、高い防犯性を誇ります。ホームセンターでも、交換用シリンダーの主流として多くの製品が販売されています。
価格は10,000円前後からと刻みキーに比べて高価ですが、玄関の防犯性を高めるためには最もおすすめの選択肢です。
製品によってピンの数や配列が異なり、さらに防犯性の高いモデルも選べます。
インテグラル錠

インテグラル錠は、ドアノブの中心に鍵穴があり、施錠するとドアノブごと固定されるタイプの錠前です。
古い団地やアパートの玄関、室内の間仕切りドアに使われるケースが多いです。ホームセンターでは、このインテグラル錠の交換用として、ドアノブとシリンダーがセットになった製品が販売されています。
インテグラル錠はこじ開けやドアノブの物理破壊に弱いなど、構造的に防犯性が高いとはいえないため、より防犯性能が高い別のタイプの錠前に変更することを検討しましょう。
装飾錠

装飾錠はサムラッチ錠ともいい、ドアの室外側に親指で押すレバーであるサムラッチがついている、デザイン性の高い錠前です。
洋風の玄関ドアなどに使われることが多く、見た目に高級感があります。
ホームセンターでも交換用の製品が購入できることがあるものの、種類は限られるので注意してください。
装飾錠は錠前のサイズやドアの加工が製品ごとに大きく異なります。交換はシリンダー部分に留めるか、既存の製品とまったく同じ型番のものを選ぶことをおすすめします。
鍵交換の費用を安くする方法
鍵交換にかかる費用を安くするには2つ方法があります。
① ホームセンターで鍵を購入しDIYで交換する
ホームセンターで購入した鍵は、ホームセンターで取り付けを依頼するほかにも、DIYで鍵の交換が可能です。
DIYで鍵を交換するときにかかる費用は部品代と工具代のみで、業者に支払う数万円の作業工賃を節約できます。
鍵の中にはドライバーが1本あれば交換できる簡単なタイプも多く、はじめて交換する場合も安心して作業ができます。
ただし適合する鍵の選定ミスや取り付け不良のリスクも伴います。DIYをするかどうかは慎重に判断しましょう。
② 鍵屋に鍵交換を依頼する
鍵屋は鍵に関するプロフェッショナルです。豊富な知識と経験から予算と要望にあった最適な鍵を提案してくれます。
鍵屋を探すときは一括見積もりサイトを活用し、相見積もりを取りましょう。一括見積もりをすることで価格競争が起こり、安い工賃で高品質な作業をしてもらえる可能性が高くなります。
ホームセンターで売っている鍵を取り付けるときの注意点
ホームセンターで売っている鍵を取り付けるときには3つの注意点があります。
DIYはシリンダーの交換だけにとどめる
鍵交換はDIYでも可能ではあるものの、どんなときもDIYでできるわけではありません。鍵穴部分であるシリンダーの交換は比較的簡単にできますが、錠前ごと交換するときはプロに依頼しましょう。
錠前ごと交換する場合は、ドア本体を傷つけたり、部品の位置がずれて正常に施錠できなくなったりするリスクがある点に注意してください。
錠前全体の取り換えが必要かどうか確認する
鍵の不具合の原因がシリンダーではなく、ドア内部の錠前の故障である場合は、シリンダーを交換しても問題は解決しません。
以下の場合は錠前の交換が必要なことが多いです。
- ラッチ(ドアの側面から出てくる三角形の部品)の動きが悪い
- デッドボルト(かんぬき)がスムーズに出ない
- ドアノブがぐらつく
錠前の交換が必要なときは、DIYでの対応は難しいです。必ずプロの鍵屋に修理や交換を依頼しましょう。
DIYの鍵交換が向かないケース
DIYでの鍵交換が向いていないケースもあります。以下の2パターンのうちどちらかに当てはまる鍵交換をする場合は鍵屋に鍵交換を依頼しましょう。
- 鍵をなくした場合
- 鍵の施錠・解錠に具合が生じている場合
鍵をなくした場合
鍵を紛失した場合は、すぐに鍵屋に連絡して鍵の交換をしましょう。紛失した鍵を拾われて、不正解錠をされてしまうリスクがあるためです。
また勝手に合鍵を作られてしまうリスクもあり、防犯上のリスクが非常に高くなってしまいます。
鍵屋に直接依頼をすれば、即日に鍵交換をしてもらえるケースがほとんどです。鍵を無くしたときは空き巣などの犯罪に巻き込まれやすくなってしまうため、即時の鍵交換を行いましょう。
鍵の施錠・解錠に不具合が生じている場合
鍵をかける際に力を込めないといけないなど、解錠・施錠に不具合が生じている場合はすぐに鍵を交換しましょう。
無理に解錠と施錠を繰り返すと、シリンダーが破損したり、鍵が鍵穴の中で折れたりするトラブルが発生する可能性があります。
また施錠したきり、解錠できなくなることもありえるので、なるべくすぐに鍵屋に鍵交換を依頼してください。
ホームセンターで買った鍵をDIYで取り付ける方法
ホームセンターで鍵を購入し、DIYで取り付けるには以下のステップで行います。
DIYで鍵を取り付けるには注意点がいくつかあるので、手順をよく確認してから臨みましょう。
必要な道具をそろえる
DIYでシリンダーを交換する場合、必要な道具を準備しましょう。特殊な工具は不要なことが多く、工具もホームセンターで買えるものが多いです。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- メジャーまたは定規
- ペンチまたはプライヤー
- 養生テープ
- パーツクリーナーまたは潤滑剤
必要な工具をすべて購入した場合、5,000円~10,000円ほどかかるケースが多いです。
手順を確認する
鍵交換は以下の手順で行います。
- ドアを開け、作業の準備をする
- フロントプレートのネジを外す
- シリンダーを固定しているピンを抜く
- 古いシリンダーを取り外す
- 新しいシリンダーを取り付ける
- 動作を確認する
DIYでする鍵交換の手順について、さらに詳しく知りたい方は関連記事もご覧ください。
鍵を間違えて購入したら返品できる?
DIYで最も多い失敗が、ドアに適合しないサイズの鍵を購入することです。しかし防犯性の観点から、一度購入した鍵は未開封であっても返品できないことが多いです。
取り付けできない鍵を買ってしまった場合、廃棄するしかないため、その鍵は無駄になってしまいます。無駄な出費をしないためにも、購入前の正確なサイズ計測が重要です。
玄関の鍵交換は専門業者に依頼するのがおすすめ

玄関の鍵は住宅全体の防犯性能に関わります。玄関ドアの鍵を交換するのであれば、専門業者に依頼することをおすすめします。
鍵交換費用は業者によって異なるので、一括見積もりで作業費用の安い業者を見つけましょう。
見積もりを取得したら、作業費用と作業内容、保証の有無、口コミなどをチェックして、コストパフォーマンスが高い業者に依頼してください。
