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役員の社会保険への加入条件とは 保険ごとの加入条件を解説

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最終更新日: 2019年07月12日

社会保険への加入条件は、事業所が法人か否か、役員か否か、短時間勤務かフルタイム勤務か等によって様々なパターンがあります。

特に役員の社会保険への加入条件については、明文化されていない部分もあり、わかりにくくなっています。

この記事では、役員の社会保険加入について、特に必要な部分に絞って解説していきます。

役員の社会保険の加入条件

役員 社会保険 加入条件
報酬から見る役員の社会保険の加入条件

役員の社会保険への加入条件は健康保険・厚生年金保険と雇用保険で以下のように異なります。

健康保険・厚生年金保険雇用保険
原則加入
無報酬であったり、非常勤役員であったりする場合は加入できない
原則加入できない
実態として労働者性の強い兼務役員であれば加入

健康保険・厚生年金保険の加入条件

法人、または常時5人以上の従業員が働く個人事業所(適用除外事業は除く)の事業主や役員は、労務の対象として報酬が支払われている場合、原則、健康保険と厚生年金保険(40歳以上65歳未満であれば介護保険も)に加入することになります。

加入義務が発生しない場合としては、報酬が「0円」の場合であり、極論ですが、1円でも報酬があれば、社会保険の加入義務が発生します

しかし、極端に低報酬の場合、年金事務所からその役員報酬が社会通念上労務の内容に相当したものであるのか否か、疑念を持たれる可能性もあります。

また、非常勤役員の場合にも加入義務は発生しません。

ドラフト労務管理事務所 - 大阪府大阪市東成区

常勤の役員報酬が低いため社会保険料を控除できない場合は、不足分を役員から別途徴収もしくは立て替える必要があります。納付義務は会社側にあるためです。納付が遅れれば、催促を受けてしまう恐れもありますので注意しましょう。 【例】2019年度 東京都の事業所の常勤の役員(48歳)で役員報酬「1万円」の場合 健康保険料・介護保険料(労働者負担分):3,372.7円 厚生年金保険料(労働者負担分):8,052円 上記の場合、社会保険料(労働者負担分)は、11,424円となり役員報酬から控除すると1,424円不足となります。この不足分を別途徴収等することになってしまいます。
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役員は無報酬でも法令違反にならない?

労働基準法で規定する「労働者」には最低賃金法が適用され、賃金の最低額が法律で保障されています。会社の役員は無報酬でも法違反にならないのか?を判断するにあたっては、その役員が労働基準法上の「労働者」に該当するか否かが重要になります。

結論から言うと、役員であっても業務執行権や代表権をもたず、工場長、部長などの職務を行って報酬を受けている場合(名ばかり取締役)は労働基準法上の労働者とされ、最低賃金法が適用されます。つまり最低賃金以上の報酬の支払いが必要です。

一方、業務執行権や代表権のある役員は、「労働者」とはならず、極論として無報酬であっても最低賃金法違反とはなりえません。

また、同居の親族のみを使用する事業所も労働基準法の適用が除外されており、労働基準法上の労働者とは扱われません。

雇用保険の加入条件

取締役などの役員や同居親族は労働者ではないため、労働保険(労災保険と雇用保険)対象にはならず、雇用保険への加入もできません。

しかし、一般の従業員としての肩書を持つ兼務役員や個人事業所における他の労働者と同様の就業実態の親族であれば労働保険の対象となり、雇用保険への加入も可能となります。

上記のような兼務役員が雇用保険に加入する場合、「兼務役員雇用実態証明書」を添付書類と共に管轄のハローワークへ提出します。

また、雇用保険に加入している兼務役員の「雇用保険の徴収時の賃金額」、「労働保険の申告時の賃金額」、「退職時の離職票に記載する賃金額」については役員報酬を除いた額であることに注意が必要です。

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兼務役員の要件は、業務執行権を有さず、労働者的性格が強いことです。具体的には、 ①役員報酬と賃金を比べ賃金のほうが多く支払われている ②他の労働者と同じ取扱(勤怠を管理される、就業規則等の適用が他の労働者と同じ等) といった基準があり、基準を満たしているかどうかは添付書類等により総合的に判断されます。 なお、代表取締役・監査役・合同会社の社員等は兼務役員にはなれません。
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兼務役員雇用実態証明書

兼務役員雇用実態証明書
兼務役員雇用実態証明書

提出先:管轄のハローワーク

期日:速やかに

添付書類:出勤簿、賃金台帳、労働者名簿、登記簿謄本のコピー、役員就任時の議事録、定款、就業規則、給与規定、人事組織図

社労士コメント:役員の社会保険への加入条件

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「法人から、労働の対象として報酬を受けている者は、法人に使用されるものとして被保険者の資格を取得」するものとされており、法人の役員の場合は、法人との使用関係の実態次第ということになります。使用関係の有無に関する具体的な判断材料として以下のように疑義照会に示されています <判断材料> ①当該法人の事業所に定期的に出勤しているかどうか。 ②当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか。 ③当該法人の役員会等に出席しているかどうか。 ④当該法人の役員への連絡調整又は職員に対する指揮監督に従事しているかどうか ⑤当該法人において求めに応じて意見を述べる立場にとどまっていないかどうか。 ⑥当該法人等により支払いを受ける報酬が、社会通念上労務の内容に相当したものであって実費弁償金程度の水準にとどまっていないかどうか。 以上から、総合的に判断されます。 一概にこの場合であれば社会保険に加入する必要はないとは言えませんが、非常勤の場合や報酬が0円の場合は加入する必要はないでしょう。
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アドバイザーや同居親族の役員報酬と社会保険

役員 社会保険
アドバイザーや同居親族の役員報酬と社会保険

特殊スキルや豊かな経験からアドバイスをくれる顧問的役員やアドバイザーと契約をすることもあると思います。また固定費をできる限り抑えるため、親族に仕事を手伝ってもらうことも多いでしょう。ここではそれらの顧問的役員やアドバイザー、そして家族の社会保険についてお話していきます。

アドバイザー役員の報酬と社会保険は?

報酬が支払われている役員は、原則、社会保険へ加入することになりますが、アドバイザーのような、非常勤の役員については、社会保険の加入対象となりません。定期的に出勤しているかどうか、当該法人における職以外に多くの職を兼ねていないかどうか等が判断材料となります。

同居親族の報酬と社会保険

親族であっても、常用的に就労し、報酬を受けているならば、健康保険と厚生年金保険(、介護保険)の被保険者になります。

従業員が同居の親族のみである場合や、家族が役員となっている場合、上記でも述べたように報酬額に対する法的規制はなく、極論1円でも問題ありません。しかし、報酬を極端に低くすると、社会保険料の控除ができないばかりか、本当に常用的就労をしているのだろうか? その報酬は労務の内容に相当したものなのか? と年金事務所に疑念を持たれてしまう可能性もあります。親族であっても、ある程度の報酬は支払っておく方がよいと思います。

親族が非常勤の役員である場合には、社会保険の加入対象とはなりません。その場合、報酬が年間130万円未満(月収10万8千円未満)で、かつ事業主(世帯主)の収入の2分の1未満であれば、被扶養者になることができます。被扶養者であれば本人の保険料は0円で済むうえに、必要な保険給付を受けることができます。ただし、被扶養者の場合は、傷病手当金は受給できません。

ちなみに、親族であっても、事業所に家族以外の従業員もおり、事業主の指揮命令のもとに他の従業員と同じように働いている場合は、その親族は労基法上の労働者とされ、最低賃金法で定める最低賃金以上の支払いが必要になりますので注意が必要です。

役員に就任する顧問や、親族(親など)が70歳以上の場合

70歳以上になると、原則、厚生年金の被保険者ではなくなります。健康保険は、75歳まではそのまま加入でき、75歳以上になると、後期高齢者医療制度に加入することになります。

役員等が70歳になった場合の手続きとしては、これまでは「70歳以上被用者該当届及び70歳到達時の被保険者資格喪失届」の提出が必要でしたが、2019年4月より、この届出は省略できるようになりました。ただし、70歳到達日前後で、標準報酬月額が異なる場合は提出が必要です

新たに70歳以上の方を雇用する場合は、「健康保険被保険者資格取得届 / 厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を提出します。

また、70歳到達時に老齢年金の受給権がない場合(国民年金の保険料納付済み期間と保険料免除期間を合算した期間が10年に満たない場合等)には、高齢任意加入被保険者となることができます。その場合は「厚生年金保険高齢任意加入被保険者資格取得申出申請書」を提出します。

まとめ

今回は役員の社会保険への加入条件について解説してきましたが、他にもパートや日雇い労働者など、社会保険の加入条件は様々で、少し複雑です。ホームページなどである程度はわかりますが、本業で忙しいなか、調べるのに使える時間は限られると思います。そういう場合は、社会保険の専門家である社労士(社会保険労務士)に依頼するのも一手です。

この記事を監修した社労士

ドラフト労務管理事務所 - 大阪府大阪市東成区

関西弁で丁寧に対応する社会保険労務士事務所です。 ●重点取扱分野 労務相談/過労等の疾病・過労死の労災申請・障害年金申請代理 派遣元責任者講習講師/労働局・労働基準監督署等の監査立会業務 派遣業・職業紹介業の許可申請業務 ●働き方改革推進支援センターアドバイザー/教えて!goo・Yahoo!知恵袋 認定専門家/経済産業省後援ドリームゲートアドバイザー。 ●ドラフト労務管理事務所 代表社会保険労務士 鈴木圭史 JR玉造駅から東へ徒歩3分
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