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社会保険における扶養の条件とは? 所得税の扶養との違いなどについて解説

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最終更新日: 2019年07月22日

所得税の扶養とは、扶養親族の数に応じて所得控除を受けることができる制度です。

一方、社会保険の扶養とは、被保険者の扶養親族が自身の社会保険料を負担することなく保険の給付を受けられる制度です。それぞれの制度で扶養親族となる条件が異なるため、103万や130万円の壁といった複数の壁が存在し、皆様も混乱してしまうのではないでしょうか。

ここでは所得税と社会保険の扶養についての違いをイチからご説明しますので、是非ご覧ください。

社会保険の扶養の条件

社会保険 扶養 条件
社会保険の扶養の条件

社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険、介護保険の5種類の保険のことを指します。このうち扶養の要件があるのは健康保険と厚生年金保険です。

社会保険の扶養を説明するうえで、いくつか聞きなれないワードがあるかもしれませんので、最初にそれらをご紹介します。

被保険者…家族を養う人。ここでは会社勤めの夫(妻)を想定しています。
被扶養者…養われている人。ここでは、主婦(夫)やパート勤務者を想定しています。
保険者…保険の契約主体のこと。健康保険制度では、全国健康保険協会と健康保険組合が運営主体です。

社会保険の扶養となる範囲

日本は国民皆保険制度といってすべての国民は、なんらかの社会保険制度に加入することが義務付けられており、これは毎月の保険料支払いと引き換えに万一の保障を受けられる関係性により成り立っています。その中で自ら保険料を納付せず、扶養により社会保険制度に加入できるのが社会保険の被扶養者です。被扶養者となるためには、

①被保険者の家族である
②生計維持関係にある
③(一定の親族は)同一世帯であること

の三つの条件をクリアしなければなりません。ただし後期高齢者医療制度等に加入している親族は既に保険制度に加入しているため被扶養者になることはできませんのでご注意ください。

被保険者の家族とは

社会保険 扶養 範囲
被保険者の家族とは 出典:協会けんぽ

被保険者の3親等内の親族が、被扶養者としての家族として認められます。ちなみに「親等」とは親族関係の遠近を表す単位です。例えばご自身からみて配偶者は自分と同じ位置にいるとして0親等、両親や子は1親等、祖父母や孫は2親等にあたります。

生計維持関係にあるとは

社会保険 扶養 生計維持
生計維持関係にあるとは

生計維持関係は、被保険者と被扶養者の収入により判断します。原則被扶養者の年間収入が130万円未満であること、そして年間収入が被保険者の収入の1/2未満であれば生計維持関係にあるとみなされます。。

同一世帯であることとは

住居と家計を共同にすることが求められます。ここでいう共同とは、戸籍が同一であることや世帯主であることではなく、実態として住居と家計が一緒か否かで判断します。例えば出張や入院により住居が別々になっても、家計のやりくりが一緒であれば同一世帯と認められます。一方で二世帯住宅のように住所が同一であっても、収支が別々といったように家計が異なる場合は同一世帯とはみなされません。

また、同一世帯要件が不要な家族と必要な家族がいますので、まとめておきましょう。

①同一世帯要件が不要な家族

  1. 直系尊属
  2. 配偶者
  3. 子、孫、兄弟姉妹

②同一世帯要件が必要な家族

  1. ①以外の3親等内の親族
  2. 内縁関係の配偶者の父母、子
  3. 内縁関係の配偶者の死亡後における父母、子

収入要件

被扶養者となるには、年間収入が130万円未満(月収108,334円未満)でなければなりません。これが一般的に言われる「130万円の壁」です。ここでは収入要件について説明していきます。

年間収入とは

社会保険制度における年間収入とは、今後一年間に見込まれる収入のことを指します。

注意点としては、被扶養者の年間収入は直近3ヶ月の月の収入ベースで判断されることです。例えば、9月から扶養に入ろうと思っている人の場合、6~8月の収入の平均額に12をかけた額が130万円を超えないようにしなくてはいけません。

また、収入には雇用保険の失業等給付、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれますので注意が必要です。

130万円以上でも被扶養者に該当する条件

60歳以上の方または概ね障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障がい者の方は、年間収入の要件が緩和され、年間収入が180万円未満であれば被扶養者になることができます。

年間収入に含まれるもの

年間収入とは、今後一年間で見込まれる収入のことを指すと申し上げましたが、その収入の対象となるものの一覧が以下の表となります。

このように、継続的な収入は基本的に年間収入に含まれると解釈してよいでしょう。ただし、個別的な事案もありますので、不明な場合は専門家への確認をお勧めします。

年間収入の対象となるもの 出典:日本電気健康保険組合

2020年以降の扶養の条件

2020年から扶養要件に国内居住要件が追加となります。国内居住要件とは、日本国内に住所を要しなければならないとのことで、これは外国人労働者の受け入れに対応したためです。ただし短期間の出張や留学等については例外的に免除となりますので、該当する場合は手続き等をするとよいでしょう。

所得税の扶養控除対象となる条件

所得税 扶養 条件
所得税の扶養控除対象となる条件

所得税は所得に一定の税率を掛けて算出されます。扶養控除とは扶養している家族の人数に応じて所得から一定の金額を控除できる制度なので、支払う所得税の額を抑えることができます。

所得税の扶養控除は、親族への控除である扶養控除と、配偶者に対する配偶者控除配偶者特別控除の三種類があります。

所得税の扶養控除対象者の範囲

所得税上の扶養に当てはまるためには、以下の要件が必要です。

①16歳以上の親族または配偶者であること

親族とは、その年の12月31日現在で16歳以上かつ6親等内の血族または3親等内の姻族であることです。また、配偶者は婚姻届を提出して受理されなければならないので、内縁関係では対象になりません。

②納税者と生計を一にしていること

家族で同じ財布を共有していることが求められます。基本的には同居し養われていることで生計を一にするものと認められますが、大学生の子どもが別居していたとしても、生活費や学費等が送金されているのであれば生計を一にすると認められます。

③年間の合計所得金額一定以下であること

合計所得金額とは収入から一定の経費を差し引いたもので、この金額は親族と配偶者の違いにより異なります。詳細な額については後述していきます。

④青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

端的にいうと自営業者の配偶者でないことです。自営業者の配偶者には別途所得控除の仕組みがあるので、二重適用にならないように、この要件が設けられています。

収入基準と控除額

先述したように、配偶者かその他の親族であるかによって、合計所得金額の上限は変わります。

配偶者控除と配偶者特別控除

配偶者の所得額が一定以下の場合に納税者が所得控除を受けることができる制度として配偶者控除と配偶者特別控除の2種類があります。

両者の違いは、配偶者控除であれば合計所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合103万円以下)、配偶者特別控除であれば合計所得金額が38万円を超え123万円以下(給与収入のみの場合103万円を超え201万6千円未満)であることが求められます。

配偶者控除と配偶者特別控除は、納税者本人の所得も要件に含まれ合計所得金額が900万円(給与所得のみの場合1120万円)を超えると段階的に控除額が少なくなっていきます。

以下の図表は、配偶者控除と配偶者特別控除それぞれの控除額について表しています。例えば一般の配偶者で所得が38万円かつ納税者本人の所得が920万円とすると配偶者控除額は26万円となります。

配偶者控除額
配偶者控除額の金額 出典:国税庁ホームページ
配偶者特別控除
配偶者特別控除の控除額 出典:国税庁ホームページ

その他の親族が対象の扶養控除

一方、その他の親族が対象の扶養控除には、納税者本人の所得要件はないため、親族の合計所得金額が38万円以下(給与収入のみの場合は103万円以下)の場合は扶養控除の対象となります。

扶養控除額
扶養控除額の金額 出典:国税庁ホームページ

パートやアルバイトの社会保険の加入条件

社会保険 パート 加入条件
パートやアルバイトの社会保険の加入条件

上記で述べた条件を満たしていても、パートやアルバイトなどの勤め先で社会保険への加入条件を満たした場合、扶養から外れて社会保険に加入する必要が出てきます。

パートやアルバイトが社会保険に加入する条件と扶養から外れて社会保険に加入するメリット・デメリットについて説明していきます。

社会保険に加入するための条件

社会保険に加入するための原則についてみていきましょう。

①一週間の所定労働時間が常時雇用者(正社員)の4分の3以上であること
②一ヶ月の所定労働日数が常時雇用者(正社員)の4分の3以上であること

①、②のいずれも満たす場合は、原則として社会保険に加入しなければなりません。例えば週の労働時間が40時間で月20日勤務の会社の場合であれば、30時間/週かつ15日/月以上の勤務で加入ということになります。4分の3以上か否かの判断は、就業規則や労働契約等の定めによってなされますので、たとえ単月の実態で条件を満たさなくても、問題なく加入し続けることができます。一方で原則の基準に達しなくとも一定の条件を満たせば、社会保険に加入できることがあります。

社会保険加入者の適用拡大

2016年10月より、4分の3以上の加入条件が緩和され、2017年4月からはその条件の一つである企業規模要件の緩和も労使間の合意で柔軟に対応できるようになりました。

社会保険 加入条件
出典:厚生労働省

(2)の「1ヶ月あたりの決まった賃金が88,000円以上であること」の月収88,000円を年収にすると約106万円となります。これが一般的に言われる「106万円の壁」です。

また、501人以上の会社で勤務するパートやアルバイトの方は、より社会保険に加入しやすくなっていますので、入社前に確認することをお勧めします。

扶養から外れて社会保険に加入するメリット・デメリット

扶養から外れて社会保険に加入することには、メリットとデメリットの両方があります。加入者に最もよいと思える選択ができるように、例を用いてご説明します。

<例>会社勤めの夫とパートの妻で、妻が社会保険の被扶養者となった場合

〇メリット1 将来もらえる老齢年金が増える

扶養のままだと最低限の年金しか受給できませんが、加入することで収入に比例した老齢厚生年金を受給することができます。

〇メリット2 妻が傷病により会社を休む場合に手当金が出る

加入することで、妻が自身の傷病によって出社できない場合には、月給の約2/3が保険によりカバーされます。

×デメリット1 妻の手取り収入が減る

扶養から外れて社会保険に加入した場合、支払う社会保険料の分手取りが減ります。社会保険に加入する場合、総支給額のおおよそ20%が控除されるものと思っておくとよいでしょう。

×デメリット2 夫が勤める会社によっては手当が減らされる可能性がある

扶養する配偶者には〇円の手当を支給すると規定で定められている場合は、社会保険等に加入することでその手当が減額され、夫の収入が減ることが予想されます。

×デメリット3 夫の納税額が増える可能性がある

所得税には配偶者控除の制度がありますが、収入上限を上回ると控除対象から外れ、結果として夫が支払う所得税が増えます。

社会保険の被扶養者となる手続き

社会保険 扶養 手続き
社会保険の被扶養者となる手続き

家族を社会保険の被扶養者とするには、「被扶養者(異動)届」を提出して、被扶養者として保険者に認定されなければなりません。

2018年10月から健康保険の被扶養者の認定手続きが厳格化されました。従来は被保険者が申し立てをすることで、認定されましたが、現在では「続柄確認」「収入確認」をするための書類添付が必要となります。続柄確認のための書類としては、戸籍謄本、戸籍抄本もしくは住民票など収入確認のための書類としては課税証明書などがあります。また、被扶養者が別居していて仕送りや送金を行っている場合には、仕送り額が明記されている通帳等のコピー現金書留のコピーあるいはその証明書類も必要です。

「被扶養者(異動)届」の手続きに関しては、被保険者が勤めている会社の方で行うので、実際に提出が必要なのは「続柄確認」と「収入確認」をする書類のみです。

※続柄確認の書類はマイナンバーが届出書に記載されており、事業主が扶養認定を受ける方の続柄を確認した旨を記載していれば添付は不要です。

目的必要な書類
提出書類社会保険被扶養者(異動)届
国民年金第三号被保険者該当届
続柄の確認戸籍謄本、戸籍妙本または住民票
収入の確認課税証明書(年間収入が130万円未満と確認できるもの)
別居の確認仕送りの事実と仕送り額が確認できる書類

上記の書類は被保険者が勤める会社経由で協会健保に所属している場合は日本年金機構に、それ以外は組合健保へ提出し認定されることとなります。

なお、上記書類の提出期限は事実発生から5日以内となっています。提出が遅れると更に追加の書類の提出も求められる可能性もありますので、条件の確認や提出書類の準備などは事前から行っておくといいでしょう。

まとめ

扶養と一口にいっても社会保険や、所得税で考え方や扶養に入るための条件が異なることがお分かりいただけましたでしょうか。とはいえ実務の世界では、都度条件を確認する手間は大変なものと思われます。そこは社会保険労務士等の専門家に依頼することで、その煩雑な作業から解放されますので、一度ご相談されてはいかがでしょうか。

この記事を監修した社労士

野村社会保険労務士・行政書士事務所 - 東京都新宿区新宿

野村社会保険労務士・行政書士事務所 代表の野村 篤史と申します。 当事務所では、業務に当たってはフットワークを軽くし、同業・他士業との提携による迅速なワンストップサービスをご提供させていただきます。 会社を新設したい方には定款の作成からその後に必要となる許認可、社会保険・労働保険の手続きや助成金まで、幅広くサポートいたします。 まずはお気軽にお問合せ・ご相談下さい。
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