シャクナゲの栽培は難しい?
園芸用として流通しているシャクナゲは、ほとんどが育てやすいように品種改良されたものです。植える場所さえ気をつければ、丈夫に育って毎年花を見られるでしょう。
シャクナゲの花が咲かない原因は?
肥料不足・花がらの摘み忘れ・剪定時期のミスなどが考えられます。年3回の施肥、花後すぐの花がら摘みを忘れないようにしましょう。夏以降は剪定しないようにしましょう。
園芸用として流通しているシャクナゲは、ほとんどが育てやすいように品種改良されたものです。植える場所さえ気をつければ、丈夫に育って毎年花を見られるでしょう。
肥料不足・花がらの摘み忘れ・剪定時期のミスなどが考えられます。年3回の施肥、花後すぐの花がら摘みを忘れないようにしましょう。夏以降は剪定しないようにしましょう。
きれいな花をつけるシャクナゲは鑑賞を楽しめる植物です。さまざまな品種があり、それぞれに個性的な美しさを備えています。
しかし美しい見た目に反し、実は有毒成分を含む花でもあるので注意する必要もあります。
シャクナゲの特徴 |
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シャクナゲは一度植え付けてしまえば、あまり手入れをしなくても育ってくれます。
詳しい育て方は、後ほど解説していきますね。
「シャクナゲを育てるのは難しい」という話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
しかし現在一般的に出回っている「西洋シャクナゲ」に分類される品種の栽培は、さほど難しくありません。
栽培が難しいと言われているのは、高山地帯に自生している日本シャクナゲです。
西洋シャクナゲは環境さえ整えれば、丈夫に育って毎年美しい花を咲かせてくれますよ。
シャクナゲの葉には「ロドトキシン」という有毒成分が含まれています。
ロドトキシンは誤って体内に入れてしまうと、呼吸中枢を麻痺させるといった中毒症状が出る危険性のある成分です。
シャクナゲを庭で育てて鑑賞する分には問題ありませんが、小さな子どもやペットがいる場合は、誤って口に入れないように注意しましょう。
上手にシャクナゲを育てるためには、育てる環境、肥料、土が大切です。適切な準備をし健やかに育てましょう。
シャクナゲは基本的に西日の当たらない半日陰で育てましょう。
【暑さに弱いので夏場は日当たりに注意】 |
鉢植えで育てている場合は、朝日が当たる程度の涼しい場所へ移動させましょう。
地植えで育てている場合は、寒冷紗などで日光を50%程度遮光します。 |
【寒さには強いが冬場は雪や乾燥に注意】 |
寒さに強いシャクナゲですが、雪や冷たい乾燥した風にさらされると傷むことがあります。
鉢植えであれば、風の当たらない場所か家の中に移動させるのが良いでしょう。 地植えの場合は、寒冷紗や防風ネットなどで風よけをし、傷まないよう気を付けます。 |
土をビニールや腐葉土で覆うマルチングを行うと、効果的に土の乾燥を防いでくれます。
▼マルチングの詳しいメリットややり方はこちらの記事をご覧ください。
肥料は1年に3回ほど与えるのが基本です。
1回目:4~6月頃の花が咲き終わった後 |
この肥料は「お礼肥」といわれるもので、植物が健康を維持するために大切な肥料です。 |
2回目:9月下旬から10月の涼しくなる頃 |
この時期の肥料によって、新芽や花芽が増加したり、根をしっかり張ることができたりします。 |
3回目:2月頃 |
この時期に与える肥料は「寒肥」と呼ばれます。寒肥も健康を維持して新芽や花芽をたくさんつけるために大切な肥料です。 |
肥料は1回目から3回目まで共通して「有機肥料」か「緩効性肥料」を与えるのが良いでしょう。
ツツジ、アザレア、ブルーベリー、シャクナゲに対応している肥料です。
シャクナゲは水はけが良く、水持ちも良い酸性土を好みます。用土は鹿沼土や腐葉土、シャクナゲ用の培養土を混ぜたものが良いでしょう。
水はけを良くするために、鉢植えの場合は鉢底に軽石やパールライトを敷き、地植えの場合は植穴の底に軽石を混ぜておきます。
特に地植えの場合は、アルカリ性になりやすいコンクリートの近くには植えない方が良いでしょう。難しい場合は鉢に植え、鉢ごと埋めるとうまく育ちます。
無選別の鹿沼土、中粒の軽石、特号のピートモスが2:2:1で配合されています。
植え付けや植え替えも、時期を守って行うことが大切です。
苗は傷つけないよう、丁寧に扱いながら植えていきましょう。
シャクナゲの植え付けや植え替えに適した時期は、3~5月上旬、9月中旬~10月頃です。
特に春の植え付けや植え替えは、遅くても5月中には終わらせるようにしましょう。
6月に入る頃には生育期に差し掛かり、この時期に植え替えをすると翌年に花をつけなくなる可能性があります。
できるだけ芽が伸び始める前に行うことが望ましいでしょう。
苗木の根を傷めないように、根についた土を3分の1ほど払い落します。
植えるための穴を掘り、鹿沼土と腐葉土を混ぜて苗木を植えます。シャクナゲは根が浅いため、周りに盛り土をして高植えにするとよいでしょう。
またツツジやシャクナゲが生えていた場所にシャクナゲを植えてしまうと、連作障害を起こして枯れてしまうことがあります。そのような場所は避けましょう。
シャクナゲを鉢植えで育てる場合には、深型の駄温鉢を使うのがおすすめです。
苗木の根についた土を3分の1ほど落とし、根を傷めないようほぐして植えます。
用土は鹿沼土4:腐葉土2:ピートモス4の割合で用意してあげるとよいでしょう。
植え終わったら、鉢底から流れるくらいたっぷりと水を与えてあげてください。
シャクナゲの根は乾燥に弱く、適度な水分が必要です。
鉢植えの場合は、土が乾いたことを確認したらしっかり水を与えましょう。
シャクナゲの根は浅いところで張り、あまり乾燥に耐えることができません。
特に夏場や冬場の乾燥しやすい時期には、水枯れしないよう十分に水を与えましょう。
ただし与えすぎは禁物で、過度に与えると根腐れを起こす可能性があります。天候と鉢の土の状態を確認しながら、適度に水を与えることが大切です。
地植えの場合は、夏と冬の乾燥シーズンを除いて、基本的に水やりをする必要はありません。
ただし真夏の高温期には、早朝や夕方の比較的涼しい時間帯に水やりをします。
また冬の乾燥する時期にも、暖かい日の午前中に水やりをして乾燥を防ぎましょう。
株元をビニールなどで覆うマルチングも、乾燥防止対策として有効です。
花をたくさん咲かせるために大切なのは「芽かき」と「花がら摘み」です。
剪定は何もしなくても樹形が乱れることはあまりないので、他の植物ほど重要ではありません。
シャクナゲは枝の数が少ないため基本的に剪定は行わず、代わりに芽かきを行って樹形を整えます。
春になっても1枝から1本しか新芽が出てこない場合は、芽が柔らかいうちに付け根から手で新芽を取る芽かきを行いましょう。
芽かきをすることで、複数のわき目が出てきて、こんもりとした樹形にすることができます。
ただし、あまりにたくさんのわき芽が出て数が増えすぎると花つきが悪くなってしまうことがあります。
育てる芽は2~3本にして残りは取り除くことが、きれいな花をつけさせるコツです。
花が終わったら、花がら摘みを行います。
花が咲き終わった後もそのままにしておくと種をつけてしまい、その分新しい枝の成長が抑制されてしまうためです。
花がら部分を取り除くことでわき芽が育ち、翌年の花つきが良くなるのです。
花がしおれ始めたら、できるだけ早く花がら部分を取り除いてしまいましょう。
花がらは早いうちなら手で簡単に摘み取れますが、遅れると摘み取るのにハサミが必要なほど硬くなります。
シャクナゲは樹形がほとんど乱れることがないので、あまり剪定は必要ありません。
むしろ、シャクナゲは剪定に弱い植物です。そのため、強く剪定をすると枯れてしまう恐れがあります。
剪定に適した時期は、4~7月の花が咲き終わった後です。
この時期に枝の込み合った部分や枯れた枝、弱っている枝を、下の図のように根元から剪定します。
剪定の回数は年に1~2回行えば十分で、何度も行う必要はありません。
▼シャクナゲの剪定方法は、こちらの動画で実演とともに詳しく解説されています。具体的にイメージを掴みたい人は見てみてください。
シャクナゲの増やし方には、接ぎ木をする方法と、挿し木をする方法があります。
挿し木は発根しにくく時間がかかるため、接ぎ木をして増やすのが一般的です。
シャクナゲの接ぎ木は、2~4月に行うのが適しています。台木にはアカボシシャクナゲを用いることが多いです。接ぎ木は以下の手順で行います。
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シャクナゲは挿し木をしても発根しにくく、時間がかかることがほとんどです。
挿し木をするなら、若い枝が硬くなり始め湿度の高い6月か、完全に硬くなった9月頃が良いでしょう。シャクナゲの挿し木は次の手順で行います。
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「シャクナゲの元気がない」「花が咲かない」など上手く育っていないときには、どうしたらよいのか不安になるのではないでしょうか。
ここでは考えられる原因と、その対処法をご紹介します。当てはまるものがないか照らし合わせてみてくださいね。
植えてから肥料をあげていない、花が咲かないのはここ数年だけ、といった場合ならば肥料不足が考えられます。
花を咲かせるためにはたくさんのエネルギーがいります。土の栄養素が十分でないと、花付きが悪くなってしまうのです。
1年に3回、有機肥料か緩効性の化成肥料を与えましょう。
花が咲き終わった後に花がらをそのまま残しておくと、実をつけるためにエネルギーを消費してしまいます。
花が終わったらできるだけ早く、花の根元の実になる部分(子房)までをきちんと摘み取るようにしましょう。
シャクナゲは4~7月に新芽がつき始め、7~8月には花芽がつきます。
夏についた花芽は翌年の春に咲くので、夏以降に花芽のついた枝を剪定してしまうと花が咲かなくなってしまうのです。
剪定をする場合は、花が咲き終わったらすぐにしましょう。
シャクナゲには「隔年開花」といって、花をたくさん咲かせると疲労してしまい、翌年の花が咲かなくなってしまう現象が起きます。
これを回避して毎年花を楽しむためには、つぼみが大きくなる7~翌年3月のあいだに、花芽を半分ほど落としてみましょう。
花を咲かせるエネルギーをその年に使い切ってしまうことはなくなるはずです。
シャクナゲにはかかりやすい病気があり、これらに感染すると枯れてしまうことがあります。感染している箇所を見つけたら、適切に対処しましょう。
また害虫がつきやすく、被害に遭うと翌年花をつけなくなってしまう恐れがあるため、薬剤を使って防除することが大切です。
シャクナゲがかかりやすい病気として「灰色かび病」と「褐斑病」が挙げられます。
灰色かび病は花期に花やつぼみに発生しやすい病気です。
感染すると淡褐色の斑点が現れた後に枯れ始め、やがて灰色や灰褐色のカビに覆われます。
写真を見ると、花のところどろが白っぽい茶色に変色しているのが分かると思います。
感染した部分を発見したら、速やかに摘み取りましょう。
くわえてカビに効果のある薬剤を1週間おきに数回散布し、さらなる感染を予防します。
褐斑病は7月頃によく見られる病気です。
葉焼けを起こしたところから細菌が侵入し、褐色の斑点が現れます。
症状が進むと、斑点が現れる範囲が広がり、やがて斑点の中に黒い粒が見られるようになります。
さらに進むと、斑点の周辺から徐々に黄色く変色し、全体が枯れてしまうこともあるでしょう。
病気にかかった葉は取り除き、殺菌剤を散布します。
地植えをしていて症状のある葉を切り落とした場合は、切り落とした葉に病原菌が残っているため、全て集めて処分しましょう。
シャクナゲにはいくつかつきやすい害虫がいます。
最も厄介なのは「ベニモンアオリンガ」です。
5~7月に発生しやすく、幼虫によってつぼみや新芽が食害を受けると、翌年ほとんど花が咲かなくなってしまうかもしれません。
オルトランやカルホス乳剤などの土に撒く殺虫剤を散布して対策しましょう。
ただし幼虫がつぼみに入ってしまった場合は効果があまりないので、何度も薬剤を散布して防除します。
花芽ができる7月頃から、ベニモンアオリンガがさなぎになる10月頃まで2週間おきに散布することが望ましいでしょう。
植物名 | シャクナゲ(石楠花) |
学名 | Rhododendron subg. Hymenanthes |
科名 / 属名 | ツツジ科ツツジ属 |
原産地 | ヨーロッパ、アジア、北アメリカ |
開花期 | 4月下旬~5月中旬 |
花の色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、黄、紫など |
樹高 | 50㎝~5ⅿ |
艶やかな色の大きな花をつけるシャクナゲは「庭木の王様」や「花木の女王」と呼ばれるほど、その美しさを称えられている花です。
漢字では「石楠花」と書きます。
円形に並んだ大きな花弁をつけた花が房状に集まって咲く様子は、見応えがあるでしょう。
基本的に常緑で一部落葉することはあるものの、寒さにも強い植物です。
元々アジア原産の花でしたが、19世紀中頃に中国から西ヨーロッパに渡りました。その美しさに魅了されたヨーロッパの人々によって品種改良が盛んに行われ、さまざまな品種が誕生したのです。
ヨーロッパで生まれた品種は、日本では「西洋シャクナゲ」として親しまれています。
シャクナゲにはたくさんの品種があり、大きく日本シャクナゲと西洋シャクナゲに分けられます。
ヒマラヤ地方を原産地とする日本シャクナゲは高山植物そのままの性質のため、家庭園芸では栽培や管理が困難です。
日本で園芸用として出回っているシャクナゲは、高山地帯の自生品種や盆栽などを除いて、ほとんど西洋シャクナゲです。
西洋シャクナゲはヒマラヤ山脈沿いの原産地からイギリスなどへ伝えられた原種をもとに、18世紀以降にヨーロッパ各地で改良されました。
園芸用として流通しており、その品種の数は現在1000種にもなります。
薄いピンク色の花をたくさん咲かせる園芸品種です。
1つのつぼみに10輪以上もの花をつけます。
桜狩の花色の濃さは、日当たりや花のつき具合によって変化することがあります。
西洋シャクナゲに分類されますが、古くから日本で栽培されていて「清涼殿」とも呼ばれます。
白い花弁に黄色の斑点が入っているのが特徴の品種です。
その美しさと育てやすさからとても人気で、評価が高い品種です。
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花弁の縁がストロベリーレッドで彩られ、中心から内側にかけては白色と、とても華やかな花が特徴の西洋シャクナゲです。
葉に黄色の斑点が入るのも特徴で、3月末から4月半ばに開花します。
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日本にも数多くのシャクナゲが自生していますが、その多くは変種です。
それゆえ、あまり園芸用には向きません。
日本原産のシャクナゲで、高さは1mから、大きいものだと6mまで成長することがあります。ピンクの花をつけることが多いでしょう。
園芸品種にはアズマシャクナゲを基礎にしたものが多数あります。
黄色味がかった花が名前の由来ですが、実際の花は白に近いクリーム色をしています。
高さは10~60cmとシャクナゲの中では低めです。
暑さに弱く高地に自生していることが多い品種になります。
屋久島に自生する日本原産のシャクナゲです。
つぼみは赤に近いピンクをしていますが、開花が進むにつれて淡い色になっていき、最終的には白に近くなります。
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