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ヤマコウバシの魅力とは?知っておきたい育て方と手入れ方法

最終更新日: 2024年06月28日

ヤマコウバシがどんな特徴を持つ植物か、ご存じでしょうか?葉の匂いがその名の由来であることや、秋に美しい紅葉を見せることなど多くの魅力があります。剪定や水やりなどの手入れも楽で、育てやすい植物です。そんなヤマコウバシについて紹介します。

ヤマコウバシとは?

ヤマコウバシの紅葉

ヤマコウバシという植物の名前を聞いたことはあっても、その名前の由来や、どんな花をいつ咲かせるかといった詳細については知らない人もいるでしょう。ヤマコウバシの特徴について紹介します。

ヤマコウバシの名前の由来

ヤマコウバシはクスノキ科クロモジ属の植物です。春には黄緑に近い色の花を咲かせ、秋には赤やオレンジ色の紅葉が見られます。

漢字では「山香ばし」と表記し、葉が香ばしい匂いを放つことからその名前がついたといわれています。「モチギ」という別名もありますが、これは葉を乾燥して粉末状にしたものを餅などに混ぜて食べていたことが語源です。

葉の匂いのほかに、冬になっても葉が落ちずにそのまま残るという点も特徴といえます。この「落ちない」からの連想で、合格祈願のお守りとしても用いられている植物です。

ヤマコウバシの開花時期

ヤマコウバシは3〜4月頃に花を咲かせ、長ければ5月くらいまでは花を見ることができます。花が咲くのは新芽の根元部分で、花の中心にあるのがおしべです。

花びらの長さは2mm以下のものが多く、非常に小ぶりといえます。若葉の色と似た色合いのため、遠目からは見つけるのが難しいかもしれません。

ヤマコウバシの育て方

ヤマコウバシの青い実

ヤマコウバシを育てるのであれば、植え付けの方法や剪定、害虫対策などの知識を持つことをおすすめします。その植物ならではの特徴をしっかり押さえ、健康に育てましょう。

ヤマコウバシの特徴

ヤマコウバシは場合によっては、7mほどの樹高にまで育つこともあります。もちろんそれ以下の高さで生長が止まるものもあるため、庭で育てる場合は、敷地の広さに合ったものにするとよいでしょう。

葉は5〜10cmほどのサイズで、多くが楕円形の形状です。枝は長く伸びるものもあれば短い枝もあり、枝の先に芽が確認できます。

葉を手で揉むと、ショウガのような香りがたちのぼります。ガーデニングでヤマコウバシを育てれば、景観だけでなく匂いも味わえる点が魅力です。

ヤマコウバシの植え付け方

植え付けを行う時期は冬が適しており、具体的には11〜2月頃がよいでしょう。ただし日差しが強すぎない季節であれば、それ以外の時期に植え付けてもさほど問題ありません。

強い日差しは乾燥を招き、水やりを忘れた場合のダメージが大きいため、豊富な栄養を必要とする時期は植え付けには適していないといえます。真夏のシーズンに植え付けるのは控えましょう。

同様の理由から常に日向となるような場所に植え付けるのも、好ましくありません。葉が日焼けしてしまい、紅葉の時期にきれいな色づきが楽しめなくなる恐れがあります。

土壌の質には特にこだわらなくても大丈夫ですが、午前中は日が当たり、午後には日陰になるような場所を選ぶのがよいでしょう。

ヤマコウバシの剪定方法

ヤマコウバシは生長するスピードがそこまで早くない植物です。そのため剪定も頻繁に行う必要はありません。剪定する場合には7月頃か11月以降の冬の間に行うとよいでしょう。

自然に育つだけで樹形が整っていく植物であるため、大がかりな剪定も基本的には不要です。枯れている枝や絡まっていて生長を阻害している枝があれば、それを切る程度で構いません。

剪定の際は枝が分かれている箇所よりも上の部分を切ることを意識します。芽が出ている部分の上を、剪定バサミで切ると覚えてもよいでしょう。

ヤマコウバシの害虫対策

剪定を行うと風通しがよくなるため、植物が害虫の被害に遭いにくくなります。もちろんヤマコウバシも剪定することで、害虫対策を施すことができます。

しかしヤマコウバシはもともと害虫がつきにくい植物です。そのため適切な頻度で剪定を行ってさえいれば、それほど害虫を警戒しなくてもよいでしょう。その点ではガーデニング初心者や、虫が苦手な人でも育てやすい植物であるといえます。

ヤマコウバシの管理方法

ヤマコウバシ 冬でも葉が“落ちない”縁起のいい落葉樹

害虫には強いヤマコウバシですが、管理する上で気を付けた方がよいポイントもあります。直射日光がその代表的な例です。日当たりや水やりなど、日々の管理の方法について解説します。

水やりに手間がかからない

水やりは地植えの場合と鉢植えの場合で、その方法が異なります。鉢植えの場合には、土の表面が乾いてきたというタイミングで適宜水を与えてください。

庭などの地面に直接植える場合には、雨が降った際の水分で充分まかなえるため、水やりは基本的に不要です。ただし夏の暑い時期に土が乾燥しきっているときや、雨が降らない日が長く続くときなどには、朝や夕方に水をあげましょう。

また植え付けからすぐのタイミングにも、しっかり生長できるよう水を与える必要があります。最初の年だけ水やりを行えば、その翌年以降は自然の降雨だけで充分です。

強すぎる直射日光は避ける

害虫にも強いヤマコウバシは、気温の変化に対してもある程度の耐性があります。そのため多少寒かったり暑かったりする場所でも育ってくれるでしょう。

ただし直射日光が強く当たる場所は避けるという点については、気を付けた方がよいでしょう。日に当たりすぎた葉は黒く変色し、葉の色づきを楽しめなくなってしまいます。長時間にわたりずっと日光が当たり続ける場所は避けてください。

インテリアに最適!ヤマコウバシの活用方法

ヤマコウバシ紅葉

きれいに育てることができたら、ヤマコウバシを存分に楽しみましょう。盆栽として楽しむ方法もあり、活用の仕方はアイデア次第で広がります。インテリアとしても適しているヤマコウバシの楽しみ方を、購入方法などの情報とあわせて解説します。

ヤマコウバシは盆栽に向いている

ヤマコウバシは盆栽として楽しむことも可能です。針金を枝に巻いて飾ることで、形をより美しく見せられるでしょう。外見上のメリットだけでなく、剪定を施したのと同じように風通しがよくなるというメリットも生まれます。

針金を使わない方法で行う場合は、より自然に近いヤマコウバシの樹形を楽しめます。どちらを選ぶのかは個人の好みにもよりますが、幅広い楽しみ方が可能なのがヤマコウバシの魅力ともいえるでしょう。

ヤマコウバシはどこで購入する?

ヤマコウバシは主に園芸店やホームセンターで購入できます。苗木であればオンラインでも注文できるため、まずはインターネットでチェックしてみるのもよいでしょう。たくさんの品種を見たい場合は、オンラインがおすすめです。

あまり高く育ちすぎるものは避けたいという場合には、1本の茎の根元から複数の茎が伸びる「株立ち」のものを選びましょう。これにより高さを抑えられます。

一般的なヤマコウバシであれば、苗木の状態のものは3万円以下で購入できるケースもあります。木の高さや種類により価格は変動するため、希望するタイプの価格の相場を販売サイトなどであらかじめ比較しましょう。

ヤマコウバシを自宅で育ててみよう

ヤマコウバシ

ヤマコウバシは害虫に強く、水やりも手間がかからない植物です。植え付け時期や長時間の直射日光に気を付ければ、順調に育ってくれます。

生長スピードも遅いため、育てる過程を長く楽しめます。ガーデニング初心者に向いている植物といえるでしょう。

容易に購入でき、葉の香りを楽しむこともできるヤマコウバシを、自宅の庭で育ててみてはいかがでしょうか。

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