ゴムの木は部屋に置くだけでおしゃれな印象にしてくれる、人気の観葉植物です。園芸初心者にも育てやすい植物ですが、健やかできれいな状態を保つには正しい時期に正しい方法で剪定することが大切です。この記事ではゴムの木の基本的な育て方を解説します。
ゴムの木の挿し木はいつすればいい?
挿し木は5月から7月の間で行うとよいでしょう。
ゴムの木の寿命は何年?
ゴムの木の寿命は長く、鉢植えで育てても適切に植え替えを行えば数十年生きます。
ゴムの木の基礎知識
鮮やかな緑が印象的なゴムの木は、ひとつ置くだけで部屋が明るい印象になるうえ、育てやすいので人気の観葉植物です。個性的な樹形のものを選べば、ハイセンスな部屋を演出することもできるでしょう。
おしゃれで育てやすい人気の観葉植物
ゴムの木は緑色の葉が鮮やかで美しく、おしゃれなインテリアとして室内に置かれることも多い観葉植物です。また樹液が天然ゴムの材料になる特徴を持っています。
元々熱帯や温帯などの温暖な地域の植物であるため、暑さに強く日当たりのよい場所を好みます。また耐陰性も備えているので、室内での鑑賞に最適です。
ゴムの木はクワ科イチジク属に分類され、学名にはイチジクを表すラテン語であるフィカス(Ficus)が付きます。日本でよく見かけるゴムの木は「インドゴムノキ」であることが多く、その学名は「フィカス・エラスティカ(Ficus elastica)」です。
品種は全部で800種類以上
ゴムの木の種類は全部で800種類以上あり、代表的な品種として「インドゴム」「フランスゴム」「ベンガレンシス」「ウンベラータ」が挙げられます。
インドゴムは日本で最もよく見かける品種です。原産地はインド北西部で、地植えで育てると高さが60mに届くほど成長します。葉は厚みのある楕円形で深い緑色をしており、室内にて鉢植えで育てる場合は30cmほどの高さのものが多いです。
フランスゴムは他のゴムの木よりもやや小ぶりな葉と、他種よりも細くて柔らかい幹が特徴です。独特の形と少量の葉がすっきりした印象を与えます。
ベンガレンシスは「ベンガルゴムの木」とも呼ばれ、特に人気の高い品種。くっきりとした葉脈や光沢のある美しい葉が特徴です。また葉も大きいので、大鉢のものをリビングなど広い部屋に置くとよく映えるでしょう。
ウンベラータはハート形をした葉と、枝分かれや湾曲した幹が作る樹形がおしゃれな品種です。特徴的な見た目からインテリアとしても最適で、新築祝いや開店祝いに贈るのもおすすめです。
基本的な育て方を確認
園芸初心者でも育てやすいゴムの木ですが、誤った水のやり方をしたり、適さない場所に置いたりすると弱ってしまうことがあります。まずは基本的な育て方をしっかり確認しておきましょう。
水やりは土が乾いてから
ゴムの木を育てるにあたって、特に注意したいのは水やりです。ゴムの木は元々乾燥に強いため、水を与えすぎてしまうと根腐れを起こしてしまいます。そのため水やりは、基本的に土が乾いたことを確認してから行うようにしましょう。
また時期によって水やりの仕方は異なります。特に休眠期である冬の間に水をやりすぎてしまうのは禁物なので、水やりは控えめにしましょう。暖かくなる4〜6月ごろは、土の中に指を入れてみて、乾燥していることを確認したら水を与えます。
なお水の乾きの早い夏は毎日水やりをしてもよいですが、暑い昼間にすると地中にこもった熱で水が温まり、根を痛める原因になります。そのため夏の間は、涼しい朝の早い時間帯にあげるようにしましょう。
日当たりのよい場所に置く
ゴムの木は日光を好むので、基本的に日当たりのよい場所に置いて育てましょう。耐陰性があるので、日の当たらない場所に置いても育ちますが、長い期間日光に当てないと、色が悪くなったり落葉してしまったりなど弱ってしまいます。
また季節によっても注意が必要です。ゴムの木は直射日光には弱いので、特に日光が強い真夏にはレースカーテンなどで遮光します。
さらに暑さには強いですが寒さには弱いため、冬場の管理も大切です。ゴムの木の耐寒温度は約5℃で、霜に当たれば枯れてしまいます。そのため冬には、室内の日当たりがよい場所に置きましょう。
肥料を与える頻度は?
ゴムの木への肥料は、観葉植物用の液体肥料を10日から2週間に1回の頻度で与えましょう。ただし肥料を与えるのは4〜9月ごろにかけての成長期に限ります。
特に休眠期にあたる12〜2月にかけては、肥料を与えるのは控えましょう。肥料をやりすぎると、細い幹がひょろひょろと長く伸びてしまい、支柱が必要になるなど不格好になってしまいます。
時期や頻度を守って、適量を与えるようにしましょう。
定期的に剪定して形を整えよう
生育のよいゴムの木は放っておくとどんどん伸びてしまい、見た目の美しさが保てません。そのため定期的に剪定する必要があります。また成長した分、栄養や水をたくさん吸い上げなければならなくなるため、根の負担が増えてしまいます。
さらに葉が増えすぎると、効率よく光合成をできなくなりますので、長く健やかに育てるためにも剪定は大切です。
剪定に適した時期
ゴムの木の剪定には3~6月、9~10月ごろが適しています。特に成長期にあたる春先は新芽が形成されやすく、葉や枝も伸びやすいので最適な時期です。
真夏の剪定はダメージが大きいため避けた方がよく、休眠期である冬の剪定も弱ってしまうので避けるのが無難です。この時期に剪定を行うと、その後の成長にまで影響が出てしまうため注意しましょう。
切るべきなのはどんな枝?
剪定をする際、まずは不要な部分から切っていきましょう。主に以下の枝を切ります。
- 傷んだ枝
- 枯れた枝
- 内向きに伸びた枝
- 重なりあっている部分の枝葉
- 黄色くなった古い葉
これらの枝葉を間引くことで風通しや日当たりがよくなり、より元気に育ちます。また剪定を始める際は、どのような樹形にしたいかイメージを固めてから行うこともポイントです。
剪定箇所は成長点の少し上
不要な部分を除いたら、全体の形を整えるべく剪定していきます。剪定する際は「成長点」を意識しながら行いましょう。
成長点とは枝や幹から少し出っぱっている部分のことで、ここから新しい枝や葉が生えてきます。ゴムの木の剪定箇所は、成長点の少し上が目安です。
成長点を切ってしまうと枝が伸びなくなり、樹形が崩れる原因にもなります。そのため成長点を切ってしまわないよう注意しながら剪定を行いましょう。
剪定時に気を付けたいポイント
剪定するときに気を付けたいポイントは3つあります。
1つ目はゴムの木の樹液には触らないことです。切り口から出る白い樹液にはラテックスが含まれており、触れるとかぶれてしまう恐れがあります。そのため剪定の際は素手で直接触らないように気を付けましょう。
またゴムの木の樹液は、服や絨毯に付いてしまうと落ちにくいです。エプロンをしたり、床に新聞紙を敷いたりするなど樹液が付かないように対策をしてから剪定しましょう。
2つ目のポイントは、清潔で切れ味のよいハサミでためらわずに剪定することです。切れ味の悪いハサミで切ったり、ためらいながら切ったりすると、切り口の細胞を傷めてしまい、その後の成長に悪影響を及ぼします。
さらに不衛生なハサミを使うと、切り口から雑菌が入って病気になることもあります。
3つ目は、剪定する日はよく晴れた日を選ぶことです。湿度の高い日に剪定すると、切り口から病気にかかりやすくなったり、害虫の被害に遭いやすくなったりしてしまいます。リスクを回避するためにも、湿度の低い晴れた日に剪定しましょう。
剪定時に病気や害虫を見つけたら
剪定をする際は、病気にかかったり害虫が付いたりしていないか確認することも大切です。早期に発見し適切に対処することで、被害を最小限に抑えることができます。
病気の葉は必ず取り除いて処分
ゴムの木がかかりやすい病気として「炭そ病」と「斑点病」が挙げられます。いずれも放っておくと、感染が全体に広がってしまいます。そのため剪定しているときに病気の葉を見つけたら、必ず取り除いて処分しましょう。
炭そ病は炭措そ病菌というカビが原因で起こる病気です。炭そ病にかかると、葉や茎の表面に灰白色の円形をした斑点ができます。放っておくと穴が開き、さらに進行すると枯れてしまうでしょう。
また斑点病もカビの一種が原因で発生する病気です。斑点病にかかると葉や枝に黒色や褐色の斑点ができ、進行すると枯れてしまいます。
いずれも高温多湿でカビが生えやすい環境で発生しやすく、特に梅雨の時期などは要注意です。病気にかかってしまった部分を取り除いたら殺菌剤をまき、葉や茎の風通しをよくしましょう。
なお水やりをする際は、葉に水をかけないよう根元部分にあげるように気を付けます。雨の当たる場所に置くことは禁物です。
害虫はシャワーや殺虫剤で駆除
ゴムの木に付きやすい害虫として「カイガラムシ」や「コナジラミ」が挙げられます。
カイガラムシは葉や枝に付き、体長は1~3mmほどの小さい害虫です。風通しの悪い場所に発生しやすく、植物から栄養を吸い取ります。カイガラムシの排泄物によって病気にかかるため、見つけたらすぐに駆除しましょう。
幼虫であれば水で洗い流したり、殺虫剤で駆除したりできます。成虫になると、丈夫な殻により殺虫剤が効かなくなるので、歯ブラシでこすり落としたり、爪楊枝で落としたりしましょう。
一方コナジラミは夏に発生しやすい害虫です。白く平らな形をしており、成虫になると羽が生え、葉を揺らすと粉のように飛びます。
幼虫は葉の裏に寄生して植物の栄養を吸い取り、成虫になるとその排泄物が病気の原因になります。見つけたらオルトラン粒剤を散布するか、シャワーをかける方法で駆除しましょう。
剪定した枝でゴムの木を増やしてみよう
剪定した枝を使って簡単にゴムの木を増やすことができます。「挿し木」と「取り木」の2つの方法があり、初心者には簡単な挿し木がおすすめです。
初心者にも挑戦しやすい挿し木
ゴムの木の挿し木をする時期は4〜10月ごろが適しています。用意するものは新しい鉢と土、水を入れる容器、ミズゴケ、ポットです。
挿し木は以下の手順で行います。
- 枝を長さ10cmほどにカットし、葉は1~2枚だけ残します
- 葉から水分を出し、株の乾燥を予防するために葉を横に半分に切ります
- 水を入れた容器に半日ほど挿しておきます
- 水を含ませたミズゴケで切り口を覆い、ポットに入れておきます
- 根が生えたら土を入れた鉢へ植え替えます
根が生えるまでは、ミズゴケが乾燥しないように気を付け、日陰の涼しい場所で管理しましょう。
成功率が高い取り木
ゴムの木を増やすには取り木という方法もあります。取り木は枝や幹の1カ所に傷を付け、そこから根を生えさせる方法です。親株に付いたまま育てるので、枯れたりすることもあまりなく、成功率が高い方法でしょう。
取り木をする方法は以下のとおりです。
- 切り取りたい枝を決めます
- カッターナイフなどで1~2mmくらいの深さの帯状の切り込みを上下2カ所に入れます。二つの切り込みの間は3~4cmくらいが目安です
- 切り込みを入れたら樹皮を剥がします
- 樹皮を剥がした部分に軽く湿らせたミズゴケをまき、ビニールや黒ポットで覆います
- ミズゴケが乾燥しないように気を付けながら、1~2カ月ほど発根するまで待ちます
- 根が確認できたら、根を傷付けないように切り取り、土に植え替えれば完了です
剪定する際に枝を決め、あらかじめ取り木の処理をしておくと効率的でしょう。
上手に剪定して美しい外観を保とう
ゴムの木は上手に剪定することで、美しい外観と健やかな状態を保つことができます。剪定は正しい時期に適した方法で行いましょう。また剪定する際には病気にかかっていないか、害虫が付いていないかも確認します。
正しい方法で上手に剪定し、おしゃれなインテリアとして長く楽しみましょう。
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