アオダモはすらりとした自然樹形が魅力の樹木ですが、この美しい樹形を長く楽しむためには定期的な剪定が欠かせません。
「アオダモの剪定時期はいつがベスト?」「自分で剪定したいと考えているが、可能だろうか」
このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事ではアオダモの剪定について、タイミングや頻度、剪定方法などをわかりやすくまとめました。
アオダモの剪定時期と頻度は?
アオダモの剪定時期と頻度において、押さえるべきポイントは以下の通りです。
夏を避けて剪定する
一般的に、1月から3月の落葉期が一番おすすめのタイミングです。アオダモの剪定は、夏を避けることが重要です。
「透かし剪定」なら花が咲き終わった時期、「間引き剪定」なら冬の時期に行いましょう。
この時期に剪定を行うことで、木にかかる負担を最小限に留めつつ、不要な枝を取り除くことで健やかな成長を促すことができます。
年1回の剪定がおすすめ
年に1回、適切な時期に剪定を行うことで、アオダモは美しい形を保ちやすくなります。
基本的に軽い剪定であればいつでも実施可能ですが、葉のついている時期に強めの剪定をするのは避けるべきでしょう。
アオダモの剪定に必要なアイテム
ここからは、アオダモの剪定に必要なアイテムについて解説していきます。アオダモの剪定では、以下のアイテムがあると便利です。
それぞれ1つずつ見ていきましょう。
剪定用手袋
アオダモの剪定時には作業用の手袋が欠かせません。剪定場所によっては鋭い枝もあるため、手に刺さらないように剪定用手袋を用意しましょう。
普通の軍手では保護が不十分な可能性があるため、できれば剪定用のものを準備するようにしてください。
また、アオダモの樹皮を触ると青い色素が付着することがあるため、樹脂コーティングされた滑りにくい手袋だと扱いやすいです。
剪定ばさみ
庭木の剪定には切れ味の良い刃物を使うと作業効率が上がり、仕上がりも美しくなります。そのため、専用のハサミを使用するのがおすすめです。
剪定ばさみは、細めの枝を切る際に使用するハサミです。直径1.5㎝くらいまでの枝を切り落とすことができ、アオダモだけでなくどんな植物にも使えます。
自分で剪定する場合、手にフィットする軽量なタイプのものを選ぶと疲れにくく作業がスムーズになります。ホームセンターやネットショップで購入可能で、サイズがいくつか用意されているため、自分に合ったものを選びましょう。
ハサミを選ぶ際、手のひらのサイズ(=手長)を測るときは、「中指のてっぺんから手首のシワの長さ」で測ります。また、右利き用と左利き用があるので注意しましょう。
庭木ばさみ
庭木ばさみは剪定ばさみよりも刃先が細くなっているハサミです。小回りが利きやすく、剪定ばさみでは入りにくいような場所での作業に重宝します。
太い枝は切ることが難しいですが、細い枝や仕上げ作業に適しています。親指と中指から小指までの指を、それぞれ取っ手の輪に入れて扱います。また、庭木ばさみにも右利き用と左利き用があります。
脚立
背の高いアオダモを剪定する場合、脚立があると便利です。ただし自分で剪定する場合は転落の危険があるため、不安な場合は高枝切りばさみを使うこともおすすめです。
脚立は手軽にホームセンターやネットで購入可能で、費用は約4,000円です。
癒合剤
アオダモの太い枝を剪定した際は、回復をサポートするために癒合剤を使用します。切り落とした後は傷口から病気が入りやすくなるため、癒合剤で保護しましょう。
軽めの剪定の場合は必須ではありませんが、アオダモは切り口の治りが遅い傾向にあるため、用意しておくと心強いです。
アオダモで剪定するべき忌み枝の見分け方
以下に、剪定するべき枝(忌み枝)の種類と特徴を以下にまとめました。剪定上級者になるとあえて忌み枝を残すケースもなくはありませんが、基本的には剪定が必要です。ただし、切りすぎには注意しましょう。
また、もしも枯れてしまった枝や腐っている枝があれば、あわせて切り落とすようにしていきます。
枝の種類 | 特徴 |
---|---|
立ち枝 | 真上に向かって伸びた枝 |
絡み枝 | 近くの主枝に、つるのように絡まりついている枝 |
逆さ枝 | 主枝の向きに逆らって、幹に向かって生えている枝 |
ひこばえ | 樹木の根元から生えている枝で、ヤゴとも呼ばれる 養分が樹の上まで届かずに衰弱したり、見栄えが悪くなったりする |
下がり枝 | 主枝から分かれて、下に向かって伸びる枝 |
かんぬき枝 | 幹を中心として、左右対称に伸びた2本の枝 |
ふところ枝 | 幹付近から伸びた枝 風通しや日当たりが悪くなりやすい |
平行枝 | ほかの枝の近くに平行に伸びている枝で、「重なり枝」とも呼ばれる |
車枝 | 1か所から何本も生えた枝 |
胴吹き枝 | 幹から直接伸びた枝 |
アオダモの剪定方法
ここからは、アオダモの剪定方法について解説します。アオダモの剪定方法で着目すべきポイントとしては、以下の2つです。
それぞれわかりやすく解説していきます。
基本は「透かし剪定」
アオダモの剪定で基本となるのは「透かし剪定」です。特に徒長枝、絡み枝を剪定することがポイントとなります。樹形を乱す忌み枝を切り落として、全体の枝の数を減らしましょう。
風通しを確保し光合成しやすいように、込み入った枝を最低限透かしていくイメージです。枝の一つひとつだけでなく、全体のバランスも見ながら自然な形に整えることを心がけてください。
太い枝の剪定は避け、混み合っている枝や明らかに不自然な方向に生えている枝を切り落とすようにしましょう。これを「弱剪定(小透かし)」といいます。
大きく育ちすぎたアオダモを低くしたい場合は?
樹形を整え、枝の成長方向をコントロールしたい場合は強剪定を行います。幹から直接生えている太い枝(主枝)から順に、バランスを考えながら剪定し、枝の数を大幅に減らしていきます。
ただし切り落とす枝が多くなるため、庭木にかかる負担は大きくなります。そのため、強剪定を行う場合は休眠期である冬の時期に行いましょう。
アオダモを剪定するときの注意点
続いて、アオダモを剪定するときの注意点を解説します。
それぞれ見ていきましょう。
花芽を切らないように注意
アオダモを剪定する際は、花芽を切らないように細心の注意が必要です。花芽を切ってしまうと、翌年の花が咲かなくなってしまうおそれがあるためです。
花芽はふっくらと丸みを帯びた形状をしています。この特徴で花芽かどうかを見分けましょう。
樹形の回復が遅いため失敗に注意
アオダモは成長が緩やかで、剪定に失敗すると簡単には元に戻りません。切りすぎてしまった場合も回復するのに時間がかかります。そのため、剪定作業はほかの庭木以上に慎重に行う必要があります。
アオダモを剪定しないとどうなる?
毎年適切な時期に剪定を行えば樹高を抑えることができますが、手入れをせず放任するとアオダモは大木に育ち、手に負えない大きさに成長してしまうケースも珍しくありません。
アオダモの枝葉は大きく広がるため、植えている場所によっては近隣に迷惑となる可能性もあります。また、日当たりが悪くなり、他の植物が育たなくなる可能性もあるため、定期的に剪定してお手入れするようにしましょう。
アオダモを美しく保つには業者への依頼もおすすめ
アオダモは自分で剪定することも可能ですが、不安な場合はプロに任せるのがおすすめです。特にアオダモは回復が遅く、大木に育つこともあるため、剪定時のリスクが大きいです。
アオダモを長く美しく楽しみたいなら、業者への依頼も検討してみましょう。以下では、剪定をプロに任せるメリットとおおよその費用について解説していきます。
業者への依頼がおすすめな理由
自力で剪定すればコストを抑えられますが、失敗するとかえって手間暇がかかってしまい、修復のためのコストがかさむ場合もあります。自信がない場合やアオダモの成長を最優先に考える場合は、プロへの依頼がおすすめです。
業者に頼めば、経験豊富なスタッフが適切な方法で剪定してくれます。アオダモのストレスも最小限に抑えられて、ケガや失敗のリスクもありません。
また、業者によっては、剪定後のごみの処理まで依頼できたり、庭木についてアドバイスをしてくれたりするところもあります。
アオダモの剪定にかかる費用相場
アオダモの剪定にかかる費用相場は、剪定した本数ベースで決まる単価制であれば高さに応じて2,500~25,000円/本、日給制であれば20,000~30,000円/日ほどです。
ただし、上記はあくまで目安です。依頼するエリアや実際の工数、アオダモのサイズなどによって実際の金額は異なるので、正確な料金を知るためには事前に見積もりを取得しましょう。
適正価格で依頼するために、1社だけでなく複数の業者から相見積もりを取得することをおすすめします。
アオダモを正しい方法で剪定しよう!
アオダモが持つ独特の魅力を最大限に引き出すためには、正しい剪定が欠かせません。適切な時期と方法でアオダモを剪定して美しい樹形を保ち、健やかな成長を促しましょう。
なおアオダモは大木に育ちやすく、回復が遅いことから自分での手入れが難しい場合もあります。そのような場合は、業者に依頼することも考えてみてください。
アオダモをはじめとした庭木の選定を専門の業者に任せたい場合は、「ミツモア」を利用するのがおすすめです。簡単な質問に答えるだけで、複数の専門の業者から見積もりをもらえます。見積もりの内容を比較して、希望する条件にぴったり合ったプロを手軽に探せます。