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トタン屋根を補修したい!メンテナンス方法や費用、業者の選び方

最終更新日: 2024年06月28日

トタン屋根は住宅でよく用いられる施工方法ですが、こまめなメンテナンスが肝心です。さびやすく傷も付きやすい性質があり、損傷が進むと雨漏りも起こします。快適な暮らしのために、メンテナンスの仕方や費用、業者の賢い選び方について解説します。

トタン屋根の基本を知ろう

赤さびの屋根 錆びたトタン屋根

「トタン屋根」は日本の住宅で採用されることの多い屋根材です。メンテナンスの仕方をより正確に理解するためにも、基本的な部分をおさらいしておきましょう。

トタン屋根とは

鋼板を亜鉛でメッキしたトタンが屋根材として国内で普及し始めたのは、大正時代に入ってからです。日本瓦よりも耐久性があり、施工も簡易なことで徐々に浸透しました。

高度経済成長期を迎え、住宅ニーズの高まりを受けて全国に広がります。特に北海道や東北などの豪雪エリアで、雪に強い屋根材として評価を得るようになった建材です。

現在よく用いられるトタン屋根には4種類あります。「瓦棒葺きトタン屋根」は45cm程の間隔で、木製の桟(さん)を設けて敷いていく屋根です。「立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根」は桟を使わずに葺いた金属屋根で、防水性に優れた素材です。

「波板トタン屋根」には大波・小波があり、使用されるのはほとんど小波タイプになります。「折板トタン屋根」は台形が整然と連なるように亜鉛メッキ鋼板を折り曲げて加工したもので、工場や体育館など大型施設でよく採用されるものです。

メリット

建築資材としてとても安価なことは、とても大きな利点です。どうしても高価になりがちな住宅の建設コストを抑えられます。

優れた耐久性も特徴です。住宅ニーズが一気に高まった1973年には、20年保証をうたうトタン建材も世に登場しました。安心・安全な暮らしの提供に大いに貢献した建材です。

軽量である点も見逃せません。屋根部分に大きな重量がかかってしまうと、それより下の部分に相応の強度が求められます。屋根を軽くできるということは、基礎や壁などにかかる負担を軽減し、その分建築コストも抑えられるのです。

継ぎ目を少なくできるという金属屋根の特性も、建築資材にうってつけといえます。緩やかな傾斜でも、ジョイント部が少ないため雨漏りを防げるのです。

デメリット

断熱性の面はやや不安が生じます。鋼板を材料としていることで、外部からの熱が伝わりやすい性質です。夏場の直射日光を浴びるとどうしても熱を蓄えてしまい、室内の気温が上昇しやすいでしょう。

遮音性も気になります。戸外の音を通しやすい素材で、道路のそばでは車の音が気になるかも知れません。降雨時には雨が屋根に打ち付ける音も響きやすくなります。

鉄を原料としているため、塗膜の剥がれやひび割れにより雨が浸み込むとさびが発生しやすい建材です。ひいては腐食にもつながってしまいます。

技術の進化とともに、トタン以外にも安価で施工しやすく、性能の高い建設資材が登場しています。

古いトタン屋根の症状と対処法

赤いトタン屋根

トタン屋根が古くなると、具体的にどのような不具合が生じるのでしょうか?よくある症状と、その対処法について解説します。

さびや色あせ

さびは最もよく見られる症状です。トタン屋根では避けられないものといってよいでしょう。

経年劣化により8年程でさびが出るといわれます。放置しておくと腐食が進み、雨漏りへと発展してしまうのです。

色あせも防ぎにくい症状になります。直射日光や降雨・降雪、気温の寒暖差などを受けることで、塗膜が劣化し、変色しやすいです。自らが蓄えた熱で素材そのものの色があせていくことも防げません。

さびや色あせが生じたら、塗装で対処することが効果的です。塗膜が厚くなる高性能塗料や遮熱効果のある塗料を用いると、住環境の向上にも期待できます。

小さな穴が開く

鋼板の劣化で屋根に穴が開くことがあります。雨漏りに直結するリスクがあるため、警戒が求められるトラブルです。

小さな穴であればシーリング(穴埋め)で対処できます。ホームセンターで購入し、穴をシーリング材でふさぎましょう。

防水テープでの処置も効果があります。損傷した部分に貼付け、雨の浸透を防ぎましょう。範囲が広ければビニールシートで覆う方法もあります。

これらのような対応は、あくまでも応急処置として考えましょう。劣化の進行を防ぎ改善を求めるならば、本格的な修理が望まれます。

経年劣化で症状が進んだ場合

軽度の劣化であれば再塗装で対処可能ですが、塗り直しで効果を得られない場合はリフォームの検討が必要です。

リフォームの方法としては、新しい屋根材に交換する「葺き替え工法」が一般的です。既存の屋根材を取り去り、場合によってはトタン屋根以外の素材に変更することもできます。

1度屋根を解体するので下地の状態を確認できるメリットもあります。

「カバー工法」もひとつの選択肢です。現状に新しい屋根を被せる方法ですが、あまりおすすめはできません。劣化し損傷した部分の状態はそのままなので、根本的な課題解消とは言いがたい面があります。

下地を作ってカバー工法で施行する場合もありますが、そうなると費用もかさみ、結局は葺き替え工法を施工することになるでしょう。

トタン屋根を塗装で修復する場合の注意点

トタン屋根の上でくつろぐ野良猫

塗装はトタン屋根のメンテナンスにおいて、大いに力を発揮する作業です。塗装によって修復する際の注意点について解説します。

さびや古い塗膜を落とす

再塗装するにあたっては、既存のトタン屋根の表面にあるさびや古い塗膜をしっかり除去することが大切です。異物を取り除ききれいな状態にしてから塗装しましょう。

塗装は通常、下塗りをしてから上塗りを重ねます。一般的に上塗り用の塗料は定着力が高くありません。仕上がりをよくするためには、下塗りが欠かせないのです。

下塗り用の塗料の定着力も、表面が汚れていたら大きく低下してしまいます。塗装の仕上がりをよくするために、表面のさび・塗膜はきれいに取り除いておく必要があるのです。

転落事故

屋根の塗装を自分で行う場合は、当然屋根に登って作業しなければなりません。そこで最も注意すべきことが転落事故です。

プロの職人でも誤って落下してしまう事故は後を絶ちません。高所での作業には、突風や突然の降雨の可能性もあり、常に危険がともないます。

素人が高い所で塗装を行う場合は、極めて慎重な対応が求められます。

トタン屋根の塗装や修理は業者が安心

錆びた波トタン

「DIYで塗装は慣れているから自分でもできるだろう」と考える人は少なくありません。危険性や仕上がりの完成度を考えると、やはり専門業者に依頼することが無難です。

費用の相場や、上手な業者選びの方法について紹介します。

自分できれいに直すのは難しい

トタン屋根の多くは表面が平坦で、一見すると素人でも塗装しやすそうに思えます。しかし塗装技術を備えていなければ、仕上がりをよくすることはできません。

塗料においては均一に塗ることがとても重要です。下塗りにムラがあると、上塗りを重ねていっても、よい塗膜を作れません。

塗料の定着が悪く、塗膜が荒れてしまうと、塗装の耐久性は大きく低下します。すぐに剥がれたりひび割れたりしてしまうでしょう。

効果をしっかりと生むためにも、専門業者への依頼が妥当です。

修理・交換にかかる値段の相場

塗装や修理、交換にかかる費用の相場について、以下の表にまとめました。

概算については全て、足場の組み立てや下地処理を含んだ費用です。使用する材料によって金額は変動します。

施行内容 費用の相場
塗装 50~80万円
葺き替え 140~200万円
カバー工法 100~120万円
部分的な修理 トタン板の張り替え 5~50万円
棟板金の交換 10~20万円
軒先・雨どいの交換 10~40万円

複数の見積もりを取って比較しよう

作業を依頼する前には必ず見積もりを取ります。その際には1社だけでなく、複数の業者から見積もりをもらう「相見積もり」を取るようにしましょう。

塗装にせよ修理・交換にせよ、業者によって金額は異なります。どのような材料と工法で行うべきかはそれぞれ違うのです。

ケースによっては相手が素人だからと、意図的に不要に高い金額を提示する、悪徳業者もいるかもしれません。

適正な価格で発注するために、相見積もりはとても大切です。

傷んだトタン屋根は葺き替えも視野に

赤いトタン屋根

安価・丈夫・軽いといった利点があるトタン屋根は、日本の建物作りで活躍してきた建材です。利点も多い一方で、傷みやすい性質もあります。

安心・安全な住環境を守るためにもメンテナンスは欠かせません。劣化が進行していたら葺き替えも視野に入れつつ対処しましょう。

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