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トタン屋根の修理方法や費用相場を詳しく解説!押さえるべきポイントは?

最終更新日: 2024年06月28日

錆や雨漏りといった症状が見られるトタン屋根は、どのような修理が必要なのでしょうか?今回はトタン屋根の修理のタイミングや方法、費用相場について詳しく解説していきます。

またDIYでの修理方法や信頼できる業者の選び方についてもご紹介しますので、トタン屋根の修理を検討している方はぜひご一読ください。

トタン屋根の修理をDIYでやってみる!

トタン屋根の状態によっては自分でDIYが可能です。
トタン屋根の状態によっては自分でDIYが可能です。

トタン屋根に雨漏りなど急を要する不具合を見つけた場合、すぐにでも修理をしておきたいですよね。トタン屋根は手順とポイントを押えれば、自分で修理することが可能です。トタン屋根をDIYで修理する方法についてご紹介しますので、業者に依頼する前に自分で修理を行っておきたいという方はぜひ目を通してみてくださいね。

1.穴を防水テープでふさぐ

トタン屋根に軽度のひび割れが見られる場合は、防水テープを使用して穴を塞ぐことで修理をすることができます。

防水テープの密着性を高めるには、修理箇所の汚れをしっかりと落としておくことが大切です。そのうえでよく乾燥させ、テープを端からゆっくりとトタン屋根に密着させていきます。手軽な方法ですが隙間があるとそこから雨水が染みこんでしまうため、丁寧に作業していくことが重要です。

使用する道具と手順は下記の通りになります。

必要な道具

紙やすり 30円~300円
中性洗剤 1,000円~
野外用防水テープ 200円~

手順

  1. 中性洗剤・紙やすりを使い修理したい箇所の汚れを落とし、よく乾燥させます。
  2. ひび割れ部分を覆うように防水テープを修理箇所に貼ります。

2.トタン屋根をブルーシートで覆う

雨漏りがどこから起こっているかわからない場合、トタン屋根をブルーシートで覆う方法が有効です。手順も屋根にブルーシートを被せ土嚢で押えるだけなので、修理方法としては簡単な部類に入ります。

ブルーシートは風に飛ばされやすいため、強い風が吹く地域や台風が多い地方にお住まいの場合は注意が必要です。ブルーシートの端に等間隔でバランス良く配置すると飛ばされにくくなりますよ。

ただしブルーシートでの修理は重い土嚢を屋根の上まで運ぶ必要があるため、危険を伴います。ブルーシートでの修理を行う際は必ず二人以上で作業するようにしましょう。

必要な道具

ブルーシート 500円~1,000円(大きさにより変動)
砂 10kg 1,000円~
土嚢袋 一枚90円~

手順

  1. 土嚢袋に砂を半分より少し多いくらいまで入れて準備しておきます。
  2. 雨漏りが疑われる場所、もしくは全体をブルーシートを使って覆います。
  3. ブルーシートの端に沿うようにして土嚢を置き、風に飛ばされないようにします。

3.穴をコーキングでふさぐ

トタン屋根の小さなひび割れ・穴は耐水性・耐熱性に優れたコーキング材を使った修理も有効です。コーキングは防水テープやブルーシートでの修理よりも防水性・耐久性が高いですが、作業には丁寧さが求められます。

コーキング材を間違った箇所に塗布してしまうと、雨漏りが悪化したり屋根のダメージが広がってしまったりする可能性が高いです。また雨水が別の場所を通るようになり、違う箇所に雨漏りが発生してしまうこともあります。十分に注意しながら、確実に作業を行うようにしましょう。

必要な道具

コーキング材 500円~2,000円
マスキングテープ 500円
プライマー 1,000円~2,000円
ヘラ 500円~1,000円
紙やすり 30円~300円

手順

  1. 紙やすりで修理したい箇所の汚れを落とします。
  2. 修理したい箇所の周りをマスキングテープで囲みます。
  3. 修理したい箇所にプライマーを塗布します。
  4. コーキング材を使ってひび割れや穴を塞ぎ、ヘラを使ったなじませます。
  5. 1~2日かけて乾燥させ、完全に乾いたのを確認してからマスキングテープを剥がします。

自分でトタン屋根を修理すると安全性・耐久性が不十分

トタン屋根の修理はDIYでも行うことが可能ですが、慣れない屋根の上で作業することは安全性のうえでも問題がありますし、プロによるメンテナンスと比べるとやはり耐久性も不十分だと言わざるを得ません。

そのためDIYでの修理はあくまでも応急処置と考えておくと良いでしょう。業者に修理を依頼すると一見高額な費用がかかるように思えますが、DIYでの修理が不十分だとシロアリが発生する原因となることや、短期間の内に再度修理を行わなければならないという事態に繋がります。トタン屋根の応急処置を行ったら、その後は早めにプロに依頼するようにしましょう。

トタン屋根の修理方法(雨漏り・穴・錆)

トタン屋根の修理方法(雨漏り・穴・錆)
トタン屋根の症状に適した修理方法を選択しましょう。

トタン屋根は大きく4つの方法で修理をすることができます。それぞれの修理方法がトタン屋根のどのような症状に適しているのか詳しくご紹介していきますので、ご自宅の屋根の状態と併せてチェックしてみてくださいね。

1.塗り替え(再塗装)【色褪せ・軽度の錆】

トタン屋根の塗り替えは、トタンの色褪せや軽度の錆、塗装の剥がれといった症状が見られる場合に有効な修理方法です。

費用としては葺き替えやカバー工法と比べると安価で施工ができます。しかし重度の劣化や穴あきまではカバーできませんので、修理というよりはメンテナンスの一環と考えておいた方が良いでしょう。

また塗装の前に行う高圧洗浄は塗料の密着性を高め、機能性や耐久性を最大限に引き出すために大切な工程です。見積もりの際には高圧洗浄を行ってもらえるかどうか、しっかりとチェックしておくようにしましょう。

2.部分補修【一部破損】

トタン屋根のごく一部分のみが破損している場合は部分補修が適しています。あとで紹介する葺き替えやカバー工法と違って一部分のみ屋根材を交換するだけで良いので、修理費用を大幅に抑えることが可能です。

ただし交換した部分の耐用年数は7年~10年となっています。交換から1~2年後に屋根全体の耐用年数を超えてしまうという場合などは、葺き替え工事やカバー工法での屋根材の交換を考えて方が良いかもしれません。

また屋根の下地部分にダメージがある場合は、屋根全体の工事が必要となります。修理を依頼する場合は、屋根全体の状態をプロに診断してもらったうえで行うと安心ですよ。

3.葺き替え【穴あき・重度の錆】

葺き替えはトタン屋根に穴あきや重度の錆、野地板や垂木といった下地が傷んでいる場合に有効な修理方法です。

葺き替え工事では撤去したトタンの処理費用がかかるほか、大規模な工事になるため施工期間が長く全体の費用もカバー工法に比べると高くなります。しかしその分既存のトタン屋根を全て外したうえで新しい屋根材を葺いていくので、屋根の下地までしっかりとメンテナンスを行うことが可能です。

費用は高額ですが下地も含めて屋根全体が新しくなるため、屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。下地も含めた屋根の状態に不安がある方は、施工を検討してみると良いでしょう。

4.カバー工法【穴あき・重度の錆】

トタン屋根に穴あきや重度の錆が見られても下地が丈夫である場合、カバー工法での修理を行うことができます。

カバー工法とは既存のトタン屋根の上に新しく下地を設置し、全体を新しい屋根材で覆っていく方法です。トタンを撤去する手間や費用がかからないため、葺き替え工事よりも安価なうえ短い期間で工事ができます。

ただし屋根が二重になるため、新しく使用する屋根材によっては屋根全体の重量が大幅に増してしまい使えないものがあるので、注意が必要です。使用したい屋根材がある場合は、見積もりや現地調査の時点で業者に相談するようにしましょう。

トタン屋根の修理費用・相場はいくら?

トタン屋根の修理費用・相場はいくら?
修理内容、項目ごとのおおよその費用について把握しておきましょう。

いざトタン屋根の修理を依頼しようと思っても、相場がわからなければどの業者に依頼するか迷ってしまいますよね。ここではトタン屋根の工事内容別に費用相場をご紹介していきます。作業ごとの細かな内訳や1㎡あたりの単価についてもしっかりとチェックしていきますので、ご自宅のトタン屋根の修理に必要な費用を計算する際の参考にしてください。

以下の関連記事では雨漏りの修理にかかる費用を詳しく紹介しています。各工程の費用内訳についても解説しているので参考にしてみてください。

関連記事:【場所別】雨漏り修理の費用相場・工事内容!依頼~完了までの流れや業者の選び方も|ミツモア

1.塗り替え(再塗装)

トタン屋根の塗り替え費用の相場は30万~40万円程度です。

金額は使用する塗料の種類によって大きく変動します。そのため予算や耐用年数、次回のメンテナンス時期とライフサイクルによる出費といった点から、総合的に考えて塗料を決めると良いでしょう。

塗り替えの費用概算

項目 価格(施工面積82.5㎡) 1㎡あたりの価格
足場設置費用 150,000円
高圧洗浄費 165,00円 200円
養生費 165,00円 200円
下地処理費 41,250円 500円
塗料 シリコン系:165,000円

ウレタン系:123,750円

シリコン系:2,000円

ウレタン系:1,500円

合計 シリコン系塗料:389,250円

ウレタン系塗料:348,000円

塗料別の価格相場

塗料の種類 価格(1㎡あたり) 耐用年数 特徴
アクリル樹脂 1,400円~1,600円 4年~6年 ・耐候性、耐水性に優れている

・屋根の塗り替えに使用されることは少ない

ウレタン樹脂 1,500円~2,200円 6年~8年 ・塗膜表面のひび割れが広がりにくい

・防水性に優れている

シリコン樹脂 2,300円~3,000円 8年~12年 ・コストパフォーマンスが良い

・耐熱性に優れている

ラジカル塗料 2,500円~3,000円 10年~15年 ・防カビ、防汚、防藻に優れている

・シリコン樹脂と同価格帯で耐用年数が高く、コストパフォーマンスに優れている

フッ素樹脂 3,800円~4,800円 15年~20年 ・耐候性、耐熱性、防水性、防カビ、防藻に優れている
光触媒塗料 4,200円~5,000円 15年~20年 ・防藻、防カビに優れている

・太陽の光に当たることで汚れのセルフクリーニングが可能

無機塗料 4,500円~5,000円 20年~25年 ・防汚、耐候性に優れている

・燃えにくい

2.部分補修

部分補修の費用相場は1万円~7万円です。補修箇所の劣化具合によって価格設定が変わってくるため、金額に大きく幅があります。

下記の表は部分葺き替えを行った際の費用相場です。急勾配の屋根や3階などの高所での作業となる場合は別途足場代がかかる可能性がありますので、事前に業者に確認しておくと良いでしょう。

部分補修の費用概算

項目 価格(10㎡あたり) 1㎡あたりの価格
足場設置費用 7,000円 700円
養生費 2,000円 200円
下地処理費 5,000円 500円
屋根の撤去費 12,000円 1,200円
新しいトタン屋根の費用 20,000円 2,000円
合計 48,000円

3.葺き替え

葺き替え工事の費用相場は100万~140万円です。カバー工法での工事と違い、既存のトタン屋根の撤去費用がかかるためその分施工費用も高くなっています。

しかし屋根全体をメンテナンスし、新しい屋根材に葺き替えることができるため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良い場合も少なくありません。今後のメンテナンス周期や屋根の耐用年数を考慮したうえで検討するようにしましょう。

葺き替え工事の費用概算

項目 価格(82.5㎡あたり) 1㎡あたりの価格
足場設置費用 150,000円
屋根の撤去費用 99,000円 1,200円
下地処理費用 218,625円 2,650円
屋根材の費用(ガルバリウム鋼板) 495,000円 6,000円
軒先板金加工費(25㎡) 37,500円 1,500円
合計 1,000,125円

4.カバー工法

カバー工法の費用相場は約50万~90万円となっており、葺き替えと比べると約10~15%ほど安価で施工が可能です。

葺き替えよりも施工費用を抑えたい場合や短い施工期間をご希望の場合は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか?

カバー工法の費用概算

項目 価格(82.5㎡あたり) 1㎡あたりの価格
足場設置費用 150,000円
下地処理費用 218,625円 2,650円
屋根材の費用(ガルバリウム鋼板) 495,000円 6,000円
軒先板金加工費(25㎡) 37,500円 1,500円
合計 901,125円

トタン屋根の修理するタイミングは?

トタン屋根の修理するタイミングは?
トタン屋根は適切なタイミングで修理を行う必要があります。

トタン屋根の修理に適したタイミングをご存じですか?トタン屋根は適切なタイミングで修理を行うことで、寿命がくるまでしっかりと屋根を守ってくれます。ここではトタン屋根の特徴や耐用年数、修理のタイミングについて解説してきます。トタン屋根のメンテナンスをお考えの方は参考にしてくださいね。

トタン屋根の特徴

トタンとは鋼板に亜鉛でメッキを施したもののことを言い、安価で雨漏りがしにくく軽いといった特徴を持っています。トタン屋根は大きく4種類に分けることができ、それぞれの特徴は下記の通りです。

一般的にイメージされるのは波板トタン屋根ですが、波板の素材にはトタンの他に塩ビやポリカ材、アルミ材などがあり、カーポートやベランダ、倉庫などに使用されています。

またトタン屋根とよく似たガルバリウム鋼板は、重さ・価格はトタンと変わりませんが、耐用年数がトタンの3倍以上です。そのため現在ではガルバリウム鋼板が金属屋根材の主流となっています

トタン屋根の種類と特徴

種類 特徴
瓦棒葺きトタン屋根 ・木製の桟を設置し傾斜をつけてトタンを敷く

・5.9°の緩い勾配にも対応可能

立平葺き(縦ハゼ葺き)トタン屋根 ・桟を使用しない

・防水性に優れている

・5.9°の緩い勾配にも対応可能

波板トタン屋根(大波・小波) ・波上に加工されたトタンを使用した屋根

・トタンを波形に加工し強度を高めている

折板トタン屋根 ・台形が並んでいるような波形

・体育館や工場といった大きな建物に使用されることが多い

・勾配がない屋根にも使用できる

トタン屋根の耐用年数と修理するタイミング

トタン屋根の耐用年数は、7年~10年ごとに塗装によるメンテナンスを行った場合、おおよそ10年から最長で20年と言われています。

トタン屋根は塗装を繰り返していると、ひび割れや剥がれが発生し鋼板が雨にさらされてしまうことがあります。そのためトタンの状態により塗装が難しくなった場合も修理のタイミングとなります。

またトタンの耐用年数である20年を超えて使用している場合、屋根材の下に設置してあるルーフィングと呼ばれる防水シートも寿命を迎えている可能性が高いです。雨漏りなど不具合がある場合はもちろん、建物が築20年以上となる場合は下地材も合わせて点検・修理してもらうようにしましょう。

トタン屋根修理を業者に依頼する際のポイント2つ

トタン屋根修理を業者に依頼する際のポイント2つ
ポイントを押さえて信頼できる業者に依頼しましょう。

トタン屋根の修理を依頼する業者の選び方には2つのポイントがあります。業者選びのポイントを押えておくと、高額な見積もりや工事内容がよくわからないまま施工してしまうといったリスクを減らすことができます。施工業者に依頼するのが不慣れという方や信頼できる業者を見抜けるか不安という方はしっかりとチェックしておきましょう。

1.複数の業者から見積もりをとること【必須】

トタン屋根の施工業者から見積もりを取る際は、必ず3社以上の業者に依頼するようにしましょう。2社のみだと、双方の見積もり金額に差があってもどちらが適正価格か判断が付きづらくなってしまいます。そのため見積もりは3社以上から取るようにしておくと、おおよその施工費用の相場がわかり安心です。

また見積もりが丁寧に記載されているかという点も見比べておく必要があります。明細が「一式」といった曖昧な書き方ではなく、各項目や金額が明確になっているかという点は重要です。各業者の見積もりを比較して、納得のいくものを選ぶようにしましょう。

2.ガルバリウム鋼板の屋根への交換を検討すること【推奨】

トタン屋根の修理を業者に依頼する場合、塗装や一部補修だけでなくガルバリウム鋼板への葺き替えも併せて検討するようにしましょう。

トタン屋根の寿命や今後不具合が出た場合のメンテナンス費用を考えると、思い切って葺き替え工事を行った方がコストパフォーマンスが良いことがあります。ガルバリウム鋼板であればトタン屋根と重さがさほど変わらないので建築物の耐震強度を心配する必要がなく、価格も比較的安価で施工が可能です。修理の見積もりと一緒にガルバリウム鋼板への葺き替え工事についても一度相談してみると良いでしょう。

ミツモアでプロに見積りを依頼しよう!

ミツモアでプロに見積りを依頼しよう!
気になる症状があったらまずはプロに見積もりを依頼しましょう。

トタン屋根は屋根材の状態や使用年数に合わせて定期的に修繕を行うことが大切です。屋根の不具合を放っておくと、ダメージや修繕費用が更に大きくなってしまうことにも繋がります。ミツモアでは経験豊富なプロに無料で見積もりを依頼することができます。トタン屋根の修理をご検討の方は、屋根のダメージが広がる前にぜひ一度プロに見積もりを依頼してみてくださいね。

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