ネズミの駆除に正露丸は効果があるの？忌避剤として使える理由と注意点

内服薬として知られる正露丸ですが、ネズミを近づけない効果があると聞いた人もいるのではないでしょうか。

正露丸がなぜネズミの忌避剤として効果が期待できるのか紹介します。正露丸を使った際のメリット・デメリットもみていきましょう。

ネズミに正露丸が効くって本当？

正露丸は歴史の長い医薬品ですが、ネズミにも効果があるといわれています。正露丸がネズミに効くとされている理由などを紹介します。

正露丸の主原料と歴史

 おなかを壊した際に服用する正露丸は、主成分が「木クレオソート」です。腸の働きを止めずに水分量を調整してくれる特徴があります。

水あたり・食あたりの下痢に効果を発揮し、おなかの調子を整えてくれる内服薬です。

すでに100年以上前から販売されており、1904年にはじまった日露戦争の頃から服用されていました。衛生環境の悪い戦場では、戦死より病死が多かったため重宝されていたのです。

戦争に行く兵隊に持たせていたことから「征露丸」と呼ばれていましたが、その後改名されて「正露丸」になりました。

ネズミが独特の臭いを嫌うとされる

正露丸に含まれている木クレオソートの成分は、「山火事が起きたときの臭いに似ている」といわれています。

焦げついた臭いはネズミにとって恐怖の対象であり、危険を察知して逃げるとされているのです。

ネズミは嗅覚が優れているため、正露丸をネズミの通り道に複数バラまくだけで忌避剤の効果が期待されます。ただし正露丸の販売会社が、ネズミに効果があると言っているわけではありません。

ネズミ専用の忌避剤がないのであれば利用してみるのもひとつの手段ですが、効果を保証するものではないため注意が必要です。

正露丸を使うメリット・デメリット

正露丸は内服薬として利用できるうえ、ネズミの忌避剤としても効果が期待できます。正露丸をネズミ対策で使うメリット・デメリットをみていきましょう。

入手しやすく手軽に利用できる

正露丸はとても入手しやすく、手軽にネズミ対策として利用できます。たとえばドラッグストアに行けば、ほとんどの店舗で販売しています。

一部のコンビニエンスストアや、ホームセンターなどでも入手できるでしょう。外出が難しかったり、家の近くに店がない場合でもネットショップで購入できます。

忌避剤としての正露丸の利用方法は、ネズミの通り道に5～6個まくだけです。ネズミは冷蔵庫の裏や天井裏、食器棚、床下収納庫によく出没します。食糧を保存している倉庫などは要注意です。

ただし長い期間そのままにしておくと、臭いが飛んで効果が薄まる可能性があります。定期的に新しい正露丸に換えて様子をみましょう。取り換えの目安は1週間程度です。

人体に悪影響がない成分

 ネズミよけとしてよく利用されるものが、毒餌です。ネズミの好きな食べ物に毒を混ぜて設置するものですが、小さな子どもやペットが口に入れないよう注意が必要です。

正露丸は人体に悪影響をおよぼさない成分でできています。そのため、子どもが誤って口に入れてしまっても安心です。毒餌と違い、ネズミの死体を処理する必要もありません。

ただしペットを飼っている場合は、ネズミと同様にペットも不快な思いをしてしまうでしょう。動物は鼻が利くため、人間よりも強烈に臭いを感じることで健康に害を与える可能性があります。

確実に効果があるかは不明

正露丸はあくまでも医薬品であり、食あたりや水あたりに効果を発揮する製品です。

ネズミに効果があるのかは正式に証明されておらず、確実にネズミの被害を予防したい人には向いていない可能性があります。

正露丸をネズミの忌避剤として購入した場合、1週間程度での交換が理想なのでコストパフォーマンスはあまりよくはありません。

1カ月程度様子を見て、効果が期待できなければ専用の薬剤を購入したほうが無難です。手元にネズミ対策グッズがない場合の応急処置として利用するとよいでしょう。

正露丸以外の天然のネズミ忌避剤

正露丸以外にも、安心して利用できるネズミ対策グッズがあります。天然の成分でネズミ忌避剤として利用できるものを紹介します。

忌避剤として利用されるハッカ油

 ネズミの通り道に「ハッカ油」を含んだコットンなどを置いておくと、ネズミの忌避剤として利用できます。人間にとってはスッキリした匂いですが、ネズミにとってはかなり苦手な臭いといわれています。

ハッカ油は天然成分であるため、手や口に触れても人体に害を与えません。ネズミだけでなく、ゴキブリや蚊などの害虫にも効果を発揮します。

しかしペットを飼っている家庭では、利用を控えたほうがよいでしょう。犬や猫などの動物は、ネズミと同じくハッカがとても苦手です。特に猫にとってハッカは肝臓に深刻な害を与えてしまう恐れがあります。

ペットがいる家でハッカ油を使う際は、取り扱いに注意が必要です。

クスノキ系の香りがする防虫剤

 防虫目的でタンスに防虫剤を設置しますが、クスノキ系のものであればネズミの忌避剤代わりになります。余った防虫剤があれば、ネズミよけとして利用するとよいでしょう。

市販されている防虫剤の成分を確認すると、クスノキという表示はなく「樟脳(しょうのう)」と明記されている可能性があります。

ネズミや虫に効果のある樟脳ですが、こちらも動物にとっては刺激の強い臭いであるためペットも被害を受けてしまいます。

臭いの強い忌避剤を使用する場合、犬や猫を飼っている家庭は場所などをよく検討しましょう。

ネズミに困ったら専門業者に相談がベスト

正露丸は私たちの身近にある医薬品です。含まれている成分により、ネズミの忌避剤として一定の効果が期待できます。

しかし本来の用途はおなかの調子を整えるもので、必ずネズミを寄せ付けないとは限りません。

ネズミ専用の忌避剤がない場合に、応急処置として利用するとよいでしょう。

正露丸を使用する際は、定期的に新しいものに取り換えましょう。ペットがいればネズミと同じように臭いを嫌うため、使用する際は注意が必要です。

確実にネズミの被害をなくしたい場合は、専門業者に相談するとよいでしょう。