ハエが発生する原因をおさえつつ、普段からできる対策方法、ハエが発生したときの駆除方法などを紹介します。予防対策6選、駆除方法4選の合計10通りの対策方法があるので、ぜひ自分にピッタリの方法を実践してみてください。
ハエが寄ってくる原因は?
ハエは腐った生ゴミや排泄物のニオイ、樹液などに寄ってきます。生ゴミやペットの排泄物などを頻繁に処分しましょう。またハッカ油やクローブなど、ハエが嫌うニオイを用いるのも有効です。
気軽にできるハエ対策は?
夜は部屋から光が漏れないようにし、窓を閉めましょう。ハエには光に向かって寄ってくる「走光性」という性質があるからです。その他の対策については記事をご覧ください。
ハエを寄せ付けないための基礎知識
ハエは人が住む環境に発生します。よく生ゴミを保管するスペースや、掃除していない部屋でみられますが、これはハエの生態から住みやすい環境に当てはまるからです。
ハエの基本生態や、発生する原因を紹介します。
家に出るハエの生態
よく家で見かけるハエは「イエバエ」と呼ばれるものです。体長約6~8mmで、人が住む環境で見られます。自然界ではあまりみかけず、家の中でも台所やトイレに寄り付くハエです。
真夏の8月ごろはあまりみかけませんが、6~7月や9~10月ごろに活動が活発になります。卵からかえってからの寿命は約1か月半。しかし1回につき50~150個もの卵をも産み、短い期間でなんと500個もの卵を産んで大量発生します。
ハエは見た目が不快であり、羽音がうっとうしいだけではありません。「O-157」などの病原菌を媒介する生物でもあります。ほかにも赤痢菌や大腸菌など人に有害な菌を運ぶため、早めの駆除が必要です。
台所などでよくみられるコバエは、イエバエとはまた別の種類になります。
ハエはどんなものに寄ってくる?
ハエは腐った生ゴミのニオイや、動物の死骸、排泄物などのニオイ、樹液などに寄ってきます。またアンモニアの成分にも寄りつく性質があるので、人の汗に含まれるニオイに反応することも。キャンプなどでハエが寄ってくるのはこのためです。
トイレでみかけるイエバエは、人の排せつ物からたんぱく源を摂取するために現れます。ニオイが強くなる夏場はハエが発生しやすくなるので、しっかり掃除しておきましょう。
ペットを飼っている家庭では、人だけでなくペットの排せつ物にも寄り付きます。またペットが残したエサにも引き寄せられるため、これらはこまめに処分してください。
ハエが嫌いなニオイは?
ハエは「ハッカ油」や「クローブ」などのニオイを嫌います。ハッカ油はペパーミントのようなスッとした香り、クローブはバニラ系の甘さのなかにスパイシーさがある香りで、どちらも人間にとってはそこまで嫌なニオイではありません。そのためハエ対策として有効です。
ちなみにハッカ油やクローブはゴキブリ対策にも有効です。化学成分を使わずに虫よけできるので、夏の防虫グッズとして備えておいてもよいでしょう。
自分で簡単にできるハエ対策6選
自分でも簡単に、普段からできるハエ対策を紹介します。基本的にはニオイや光など、ハエが好んで寄ってくるものに対策を打っておきましょう。
1.夜はなるべく光が漏れないように
蛾やハエなどの虫の多くは「走光性(そうこうせい)」という性質があり、光に向かって寄ってきます。暗い場所では月の明かりを頼りに行動するという習性が由来となっているそう。
そのため部屋の照明につられて寄ってきたり、近くの街灯に集まってきてしまいます。夜には室内から明かりが漏れないように対策しましょう。
遮光カーテンを使って窓を閉め切るのが有効です。街灯が窓やレースカーテンに反射してしまうこともあるので、夜はなるべく窓を閉めておくのがハエ予防につながります。
網戸を使って風を通したい場合は、電気を消したあとで窓を開けるとよいでしょう。スマホやテレビの光に寄ってくる可能性もあるので、注意してください。
逆にこの性質を使って、ハエを電撃するグッズもあります。
【電撃殺虫機】
2.キッチンのニオイ対策をしておこう
前述したように、ハエは生ゴミなどのニオイを好みます。調理で出た廃棄物はビニール袋で密閉して、フタ付きのゴミ箱に捨てるのがオススメ。それでもハエが寄ってくる場合には、ハッカ油スプレーを使って予防したり、重曹やクエン酸をゴミの中に混ぜて消臭したりしてみてください。
とくにリンゴやバナナなど果実の皮や野菜の切れ端は、ハエの大好物です。卵を産み付けられると大量発生してしまう恐れがあるため、生ゴミはすぐに捨てるようにしましょう。
水切りネットやゴミ袋がもったいないと感じるかもしれませんが、繁殖しはじめると厄介です。ハエは卵を産んでから半日もせずに幼虫になるので、すぐに大量発生します。
逆にニオイを利用して、すでに発生してしまったハエを駆除するなら「めんつゆトラップ」がオススメです。
【めんつゆトラップ】
カットしたペットボトルの底に、水とめんつゆを1:1の割合で混ぜ、数滴の食器用洗剤を垂らすだけで簡単に自作できます。
ただしめんつゆトラップは「ショウジョウバエ」というコバエにしか効果がないので注意しましょう。
3.植木鉢や虫かごは室外に置いておく
新しく買った植物には、ハエの卵やサナギが入っていることがあります。購入後そのまま室内で植物を育てていると、ハエが繁殖してしまう可能性があるので注意しましょう。
また家で育てた植物でも、「日光を当てるためにベランダへ出していたタイミング」などで産卵されている可能性があります。とくに腐葉土を使っている場合は要注意です。
カブトムシやクワガタ虫を育てている場合も要注意。土にはハエの卵やサナギが含まれる可能性があります。また昆虫にとって住みやすい環境はハエにとっても絶好の住処です。
基本的には植木鉢は室外に置いておくのがオススメ。もし室内に移動させるなら、植木鉢の近くにハエ取り紙などを設置しておきましょう。
SHIMADAの「ハエとりリボン」
4.網戸やドア、窓のスキマを作らない
ハエが室内に侵入してくる経路は、網戸やドアなどのスキマが代表的です。開けっ放しにしないことはもちろん、大きなスキマがあればふさいでおきましょう。
網戸の正しい閉め方は、上画像を参考にしてみてください。網戸は完全に右側に寄せ、窓は2枚とも左にピッタリ寄せるのがポイント。窓を半開きにしたいときは、室内側の窓を閉めましょう。
ドアや窓を閉めていてもスキマがあいてしまう場合は、隙間テープやモヘアシールなどを使うのがオススメです。もしエアコン配管の穴が気になる場合は、パテ埋めが有効手段となります。
【隙間テープ】
【モヘアシール】
【パテ】
パテとは粘土状の部材です。壁にあいた穴を埋めるのに使います。エアコン横の壁にあいている配管穴にスキマがあれば、パテ埋めしましょう。賃貸の場合は、パテ埋めしていいかどうかあらかじめ管理会社に問い合わせてください。
5.ハッカ油やクローブのニオイでハエを寄せ付けない
前述したように、ハエはハッカ油やクローブのニオイが苦手です。部屋に吹きかけておけば、住人にとってはいい香り、虫にとっては苦手な香りが充満することになります。
例としてハッカ油スプレーの作り方を紹介します。
<ハッカ油スプレーの作り方>
|
網戸にかけたり、部屋の隅にかけたりすることで、防虫効果を得ることができます。
ハッカ油スプレーを入れるスプレー容器は、ガラス製がオススメです。それ以外の素材を使う場合、「PS(ポリスチレン)」と記載してある容器は使わないようにしましょう。ポリスチレンはハッカ油の成分によって溶けてしまいます。
【ハッカ油】
【無水エタノール】
【スプレー容器】
6.こまめに部屋を掃除しておく
部屋にホコリが溜まっていたり、小さい無地の死骸が増えたりしていると、ハエが卵を産みやすくなります。こまめに掃除して、ハエの繁殖を防ぎましょう。
ハエが出やすいキッチンはもちろん、お風呂や洗面台の排水口、洗濯機の排水口、トイレ(ペット用トイレも)など、隅々までチェックしてみてください。とくに水分や油汚れが多い場所にはハエが寄りつきやすくなります。
見つけたハエを駆除する方法4選
ハエを駆除するための道具としてすぐ思い浮かぶのはハエ叩きですよね。しかしハエはすばしっこく飛び回るので、たたき落とすのは困難な場合があります。
1.殺虫スプレーを使って退治する
スプレータイプの殺虫剤を使用すれば、離れた場所からジェット噴射でハエを簡単に駆除できるでしょう。とくにハエが複数匹いる場合は、広範囲に噴射できるため退治しやすくなります。
しかし小さな子供やペットがいる家庭では、薬品をばらまくのに抵抗を感じる人もいるかもしれません。その場合は天然の除虫菊成分を使った殺虫スプレーを使うのがオススメです。ハエにとって有毒ですが、人間などの哺乳類や鳥類にとっては安全性の高い物質になります。
【ハエ駆除スプレー】
【防虫菊スプレー】
2.消臭スプレーやアルコールスプレーを使って退治する
消臭スプレーやアルコールスプレーには殺虫成分が入っているわけではありません。しかし消臭スプレーに含まれる界面活性剤やアルコールは、ハエの気門(呼吸する穴)に入り込むので、窒息させることができます。
消臭スプレーは普段つかっているファブリーズやリセッシュなどで大丈夫です。
キッチンなどの食品を扱う場所であれば、消毒もかねてアルコールスプレーを使うのがオススメ。消毒用として販売されている50%以上の濃度のアルコールでOKです。
3.熱湯で殺虫
キッチンシンクなどにハエが止まっている場合に限りますが、熱湯をかけることで殺虫することが可能です。
ハエに熱湯をかけるとわずか1秒で死滅するので、確実に対処できます。昆虫は急激な温度変化に弱いからです。
ただし火傷にはくれぐれも気をつけてください。
4.ドライヤーの風で押さえつけて対処
ハエに対して垂直に風を当てると、ハエは飛ばされないようにジッと壁につかまる習性があります。それを利用して、ドライヤーで風を当てているうちに対処することが可能です。
熱風だとかえってハエが逃げる可能性があるので、冷風の設定にしておきましょう。風を当てている間にスリッパやハエ叩きでつぶすことができます。
もしくは掃除機で吸いとってもよいでしょう。衛生面に配慮するため、ノズルを外した掃除機の先端に布やペーパータオルを敷いておくと、掃除機の中までハエが入ってしまうことはありません。
ただしドライヤーを当てながら殺虫スプレーをかけるのは避けてください。風に乗って殺虫成分が舞ってしまうので、不要に吸い込んだり、目や口などに入ったりする恐れがあります。
ミツモアでハエ駆除の無料見積もりができます
ハエが大量発生してしまい、自分の力では対処しきれないときには、害虫駆除業者に依頼するという方法もあります。
ミツモアならサイト上で予算、スケジュールなどの簡単な質問に答えるだけで、無料で最大5件の見積もりを比較することが可能です。レビューや実績も確認して、自分に合った業者を選ぶことができますよ。
気になった業者とはチャットで相談することができます。チャットなら時間や場所を気にせずに相談ができるので忙しい人にもぴったりです。