ミツモアメディア

初心者でも男性ポートレートをバッチリ撮影するテクニック集

最終更新日: 2020年11月25日

カメラをはじめたのであれば、風景や動物だけでなく人物を主体としたポートレートにもチャレンジしたいものです。

とくに男性ポートレートはチャレンジする人も少ないので、Instagramでたくさんの「いいね!」が期待できます。

この記事では、初心者でもプロに負けない男性ポートレートが撮れるようになるためのコツやテクニックを解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まずは被写体の特徴を捉えることから

男性ポートレートは被写体の特徴を捉えることから
まずは被写体の特徴を捉えることから

男性向けのポートレートを撮影するにあたって必要となるポイントと言えば、被写体の把握です。入念な観察によってモデルの特徴を知らなければ、かっこよく撮ることはできません。

被写体をいかに観察し、いかにその特徴を知るかというプロカメラマンでも意外と忘れがちな事柄について、この項目にて解説を行っていきます。

かっこいい角度、逆に良くない角度を把握しておく

プロモデルのすごいところは、自分のどういったところがかっこいいのかということをよく把握しているということです。だから、あらゆるポーズをとろうともその部分がなるべく強調されるようにします。

これはプロでないアマチュアモデル、はたまたモデルでない素人も同様で、誰であっても必ず「かっこいい顔の角度」と「そうでない角度」があるはずです。

アマチュアモデルと仕事をする場合、カメラマン自身が撮影前の観察によってそれを把握し、的確なポーズ指示が出せるようにしておきましょう。

事前に過去の撮影写真を見せてもらう

最近はInstagramなどのSNSやブログでカメラマンの募集をしているモデルもたくさん存在しています。メッセージで声をかければ無料、あるいは有料でお願いすることができるでしょう。

その場合、モデルが過去に被写体となって撮影した写真(ポートフォリオ)には必ず目を通し、そのモデルがいったいどのような人なのかを把握しておくようにしましょう。

一見顔立ちが整っていても、撮影に対する考え方や得意な顔の角度、ポーズなどが自分の感性と合わないということもよくある話。モデルとのミスマッチをできる限り避け、出来のよいポートレートを行いたいならば必須といってもよいです。

できれば撮影前に一度会っておきたい

過去の写真に加え、できれば撮影前に一度はモデルと会って打ち合わせを行っておきたいところです。

ポートレート撮影にあたってはコミュニケーションが非常に重要。初対面でいきなり撮影をはじめるのではなく、事前に少し話をして緊張を解くだけでもかなりスムーズな撮影が行えるようになります。

撮影の前日に時間が取れなくとも、たとえば当日の撮影開始一時間前に待ち合わせし、カフェでコーヒーを飲みながら撮影のことについて話してみるのもよいでしょう。そうすれば、モデルの特徴や性格についてもよりよく理解できるはずです。

光の向きがとても重要!

男性ポートレートは光が大事
光の向きがとても重要!

ポートレート撮影にあたっては、カメラやレンズの品質、モデルのスキルや容姿ももちろん大事ですが、それらよりもさらに重要なものがあります。

それは「光」です。光がどこから注ぎ、モデルの顔のどの部分を照らしているかでポートレートの出来は驚くほど変化します。「光を制するものはポートレートを制す」といっても過言ではありません。

サイドからの光によって陰影を作り上げる

ポートレートの経験がほとんどない方は必ずといってよいほど被写体の真正面から光を当てようとしますが、このやり方では被写体の顔から立体感が失われ、見映えが悪くなります。

おすすめなのは、被写体の左あるいは右から前方斜め45°に光を当てる方法です。これは「レンブラント・ライティング」と呼ばれており、被写体に適度な陰影と立体感を与える方法としてプロの現場でもしばしば用いられています。

また、汗や皮脂、皺が目立ちすぎるのを抑えるため、強すぎる光は当てないようにしましょう。これに気を付けるだけでも見映えは大きく変わります。

屋内であれば窓際がベスト!

屋内で男性ポートレートを撮影される際は、窓際を有効活用されることをおすすめいたします。窓際から差し込む日光は強すぎず弱すぎず、なおかつ柔らかいポートレート向きの光なのです。

カメラマンとして、これを利用しない手はありません。窓際付近(先述した通り、顔の前斜めが照らされる位置)でモデルにさまざまなポーズをとってもらい、ベストな構図を見つけましょう。

また、窓際で撮影をされる際は、あらかじめ部屋の照明を消しておくことをおすすめします。それによって室内に影ができ、窓際から指す日光との明暗差(コントラスト)を作り出すことができるからです。

「オフカメラストロボ」で人工の光を作り出そう

ポートレートを撮影するなら自然の光だけではなく、「オフカメラストロボ」を使ってみましょう。自分の好みの光を作り出すことで、ポートレートのクオリティは格段に向上します。

この形式のライティングに必要なのは、「スピードライト(ストロボ)」と遠隔操作用の「ラジオスレーブ」、そして「ライトスタンド」に「アンブレラ」「ソフトボックス」などです。

オフカメラストロボを使いこなすには若干の慣れが必要ですが、習得できれば表現力は大幅に広がりますので、ぜひチャレンジしてみてください。

気にするべき表情のポイント

男性ポートレートの表情
気にするべき表情のポイント

モデルの表情もまた、ポートレートの良し悪しを決める大きな要素です。とくに男性の場合、ささいな表情の違いによって印象がかなり変わってきます。

表情は口角を上げるか、無表情

ポートレートにありがちなミスとして、モデルに大げさなスマイルをさせ、違和感を覚える表情の写真になってしまうというものがあります。

プロのモデルとは異なり、アマチュアモデルは笑顔の作り方になれていない場合が多く、とくに男性の場合は無理やりな笑顔は不気味な印象を抱かせやすいです。

男性ポートレートでは、ほんのすこし口角をあげている「余裕の笑み」といった感じの表情、あるいはあえての無表情がおすすめです。

無理にに笑顔を作らせるよりも、キリッとした無表情の方が適度な緊張感を生んで写真の良さをアップさせてくれます。

目線を外すとクールなイメージに

証明写真や集合写真を見慣れている人の場合、モデルがカメラの方をまっすぐ見つめている構図ばかりを作ってしまいがちです。

しかし、それでは幅の広がりがないのであえて目線を外してもらいましょう。たとえば、遠くの風景を眺めているところを真横や斜めから撮影するといった感じです。

目線を外すことで、日常を切り取ったかのような深みある画を作り出すことができます。それに加え、被写体に対しても「思慮深い」「頭がよさそう」といったポジティブな印象を持たれやすいのです。

目に輝きを入れる

先の項目で光について解説しましたが、「目の中の光(キャッチライト)」についても気を配っておかなければなりません。

目に輝きがなければいわゆる「死んだ目」となり、暗くて不気味な印象を持たれてしまいます。そうならないようプロカメラマンはキャッチライトをうまく作り出し、被写体を輝かせるのです。

キャッチライトは、レフ板やオフカメラストロボによって目の周辺を適度な光を照らすことによって作り出すことができます。

背景を考える

男性ポートレートの背景
背景を考える

ポートレートの良し悪しを決めるのは、モデルとなる人物だけではありません。周囲の風景もまた重要な要素となり得るのです。

モデルがイケメンでも背景がよくなければ、たちまちポートレートの質は落ちてしまいます。そうならないよう、これから説明する事柄に関してこだわりを持っていただけるとうれしく思います。

背景をぼかす

ポートレートの基本は、構図内において被写体以外の情報を最小限に抑えることです。それによって被写体の存在はより一層きわだち、さらに魅力が高まります。

そのためには、一眼レフの強みである「ボケ」を豊富に発生させることが重要となります。F値(絞り)の数値を低くして背景をぼかし、被写体が目立つようにしましょう。

きれいで確かなボケを作り出したいのであれば、最小F値の低い単焦点レンズの使用がおすすめです。

シンプルな背景でも良い

ポートレート向きの背景とは、すなわち「騒がしさ」のない場所です。たとえば人混みでにぎわっていたり、看板がところどころに立てられているようなところは相性がよくありません。

背景がごった返していればそれらは「ノイズ」となり、被写体への意識をそらし、ポートレートの質を低下させてしまいます。ですので、静かで落ち着いた場所を背景として選ぶようにしましょう。

ポーズはなるべくシンプルに

男性ポートレートのポーズ
ポーズはなるべくシンプルに

ポートレートを撮影する上での大きな悩みごとのひとつが、ポーズをどうつけるかということ。とくに男性の場合、女性的なかわいらしいポーズが似合わず、苦戦しがちです。

でも大丈夫。この項目で男性ポートレートを撮影するうえでのポーズのつけ方について解説を行いますので、ご参考になさってください。

あくまでもさりげなく、自然体で

あたかもハリウッドスターのように派手なポーズをとらせてしまうと、不自然でぎこちないポートレートとなっています。

それよりむしろあえて身体を大きく動かさずふだん自然にとっているさりげない姿勢の方が、よほどよい写真が撮れるでしょう。

それに加え、たとえば太い腕や大きな肩幅、骨ばった手をさりげなく構図に収めれば、男性的なイメージを自然に醸し出すことができます。

また、服装に関しても特別なものを用意する必要はありません。普段着や仕事着(スーツ)で臨んだ方が、そのモデルの持ち味を引き出せます。

年輩の男性モデルならあえてクローズアップ

極端な顔のクローズアップは、女性ポートレートの場合はあまり好まれませんが、男性ポートレートの場合はむしろポジティブな評価を得られる可能性があります。

とくに40代以上の比較的年輩モデルならば、顔に刻まれたシワをある種の「魅力」として活用することができます。その場合、モノクロで撮影を行うとより深みのあるポートレートとなるでしょう。

「静止」だけでなく「動き」あるポーズを

ポーズと聞くと、どうしても止まった状態をイメージしがちです。しかしそれでは、いかんせん単調な構図のポートレートになってしまいます。

そこで、モデルにある程度の「動き」をしてもらいましょう。歩いているところ、髪をかき分けているところ、話しているところなど、なにか動作をしている場面でシャッターを切ってみましょう。

そうすれば、より動きがあり、見ごたえのある男性ポートレートが撮れるはずです。

とにかく「たくさん撮る」から始めよう!

男性ポートレートはたくさん撮る
とにかく「たくさん撮る」から始めよう!

ここまで男性ポートレートに関するさまざまなコツやテクニックについて解説いたしましたが、この項目ではそれらよりもっと大事なことについてお話します。

それは「数を撮ること」です。

「二つの矢を持つことなかれ」ということばがありますが、少なくともポートレートにおいてこれはあてはまらず、むしろたくさん撮影を行うことが非常に重要です。

たった1度でベストショットが撮れることはまずない

どのようなプロであったとしても、わずか一回シャッターを押しただけで満足のゆくポートレートが撮影できるということはありません。

よい構図が他にあるかもしれませんし、あるいはモデルがまばたきをしてミスになってしまうかもしれません。1枚目でベストな写真が撮れるかどうかはプロにもわからないのです。

よい写真を撮ろうと思うならば、何枚も撮影を行ってその中から一枚を選ぶということを行う必要があるのです。「一度で決めよう」とは思わないでください。

構図はバシバシ変えていく

とは言え、いつまでも同じ構図やアングルで撮り続けていても進歩はありません。ある程度撮影をすれば、モデルのポーズや顔の向き、背景などを積極的に変えていくことがとても大事です。

それによって、前に撮ったものよりもさらによい構図のポートレートを生み出せるかもしれません。自分が予期しなかった会心の写真が撮れるということも案外少なくないのです。

構図の崩れを恐れず変化を面倒くさがらず積極的に構図の練り直しを行い、最高のアングルを見つけ出しましょう。

ミツモアでカメラマンの撮影を依頼しよう!

ミツモア
ミツモアで見積もりを依頼しよう!

いかがでしたでしょうか。

この記事では男性のポートレート写真の撮影のコツについてご紹介しました。

ポートレート初心者の型でもポイントを抑えることで魅力ある写真を撮影することが出来ることは分かりました。

しかし、真に本人が納得のいくポートレート写真撮影は経験と技術を併せ持ったプロのカメラマンに撮影をお願いすることがおすすめです。

ミツモアでは日本最大級のカメラマン登録数を誇っています。それぞれの撮影に特化したカメラマンや地域でのご紹介が可能ですので、カメラマンの撮影はミツモアに依頼してみてください。

ミツモアで簡単な質問に答えて無料で見積もり依頼

ミツモアなら簡単な質問に答えていただくだけで2分で見積もり依頼が完了です。多数のカメラマンに無料で見積もりを取ることが可能です。

最大5件の見積りが届く

見積もり依頼をすると、プロカメラマンより最大5件の見積もりが届きます。その見積もりを参考に、より条件にあったカメラマンを探してみましょう。カメラマンによって料金や条件など異なるので、比較できるのもメリットです。

チャットで見積り内容の相談ができる

お気に入りのカメラマンがみつかったら、詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。

ポートレート撮影をプロカメラマンに依頼するなら是非ミツモアで見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか?

ミツモアでカメラマンにポートレート写真の見積もりを依頼する >>

岩崎 隼人 - 大阪府守口市南寺方中通

関西にてカメラマンとして主にポートレート等人物撮影案件に携わっています。 私自身はじめたてのころはいろいろと苦労させられましたので、これからカメラを使うという方にはしっかりわかりやすく、難しいことばをできる限り使わず解説を行わせていただきます。