さまざまな場面で必要になるプロフィールは、自分のことを知ってもらう大切なものです。自己紹介を済ませればよい、必要なことだけを伝えられていれば問題ないと考える人も多いのではないでしょうか。
プロフィールの書き方ひとつで相手への印象が大きく変わり、ビジネスチャンスや出会いのチャンスが舞い込む可能性もあります。
プロフィールの役割とは?項目はどうする?
ビジネスや出会いの機会を得るためには、プロフィールをどのように工夫すべきなのでしょうか。自己紹介文、プロフィール写真、実績など、色々な項目があります。まずは、プロフィールの役割を確認したうえで、工夫すべき部分を加筆していきましょう。
プロフィールは自身を売り出す「広告」のようなもの
プロフィールとは、自分の「広告」であるといえます。自分の略歴や実績、趣味、人物像などを誰かに知ってもらうために書くものだからです。
自分を商品に見立て、ターゲットにアピールポイントを伝えることを意識してみましょう。ただ自分の経歴などをつらつら書くのではなく、「自己PR」と考えて書いてみるのが大切です。
プロフィールを見せる相手があなたについて知りたい情報を想像して、セルフプロデュースをする意識を持つことがポイントとなります。
プロフィールの基本的な項目
プロフィールを使う場面はさまざまですが、基本的な項目は共通しています。
- 自分の名前、ハンドルネーム
- 学歴、出身校
- 出身地
- 趣味
- これまでの経歴、職歴
- 自分の強み、専門分野
- 自分が今やっていること
- これからやってみたいこと、目指すビジョン
4つめの「趣味」までは、自分のこれまでの略歴をカンタンにまとめるのが一般的です。ここで字数を増やしすぎても、あまり自己PRにつながるプロフィールにはなりません。箇条書き程度で大丈夫です。
相手にセルフプロデュースする場面では、5つめ以降の部分に注力してプロフィールを書きましょう。ビジネス取引にプロフィールを使う場合は、「相手とどういう関係性を築きたいと考えているか」などに置き換えてもよいかもしれません。
プロフィール写真
意外と抜けがちなポイントですが、「プロフィール写真」はかなり大切です。
人間関係について、脳科学や心理学でさまざまな研究がされてきましたが、「相手の第一印象は、顔を見てから2~3秒で決まる」というのが通説です。
そして「初頭効果」と呼ばれる心理効果によって、最初に受けた印象はかなり浸透しやすく、その後の評価にも大きな影響を与えます。
そのため不愛想で態度が悪いような印象を与える顔写真よりも、笑顔で清潔感あふれる顔写真のほうが、自分を相手に知ってもらいたい場面では想像以上に有利に働くということを覚えておきましょう。
読み手を意識して、もっといいプロフィールにするコツ
プロフィールの項目をつらつらと埋めるだけでなく、「読み手がどのように感じるか」「読み手が欲しい情報は盛り込まれているのか」を意識しましょう。少しの工夫だけで、もっといいプロフィールを作ることができます。
読み手(ターゲット)を意識し、言葉や情報を盛り込む
読み手は誰なのかを明確に意識しておくと、「ターゲッティング」ができます。読者を絞り込むことでより明確なメッセージになり、内容にも一貫性が出るという意味です。
たとえばSNSなどの場では、読者は「趣味が似ていそう」などの情報からあなたのプロフィールにたどり着いているのではないでしょうか。そこからフォローしてもらうことが目的であれば、自分の趣味を具体的に記載しておき、くだけた言葉で親しみやすいプロフィールを書いてもよいでしょう。
しかしビジネスシーンであなたのプロフィールを見る人は、「パートナーとして問題ないか」「信頼できるかどうか」を見極めているはずです。「です」「ます」など丁寧語を使い、業務実績や自分のスキルを具体的に書くようにしましょう。
このように読み手を絞り込むことで、プロフィールの書き方や語調が変わってきます。
「どう見せたいか」が的確に伝わるように
とくにビジネスや広報などの場面では、自分が見せたい情報が的確に伝わるかどうかを意識しましょう。
自分をよく見せようとするあまり、「自分がやったことを全部書く」というのは逆効果です。実績を羅列してしすぎることで、いちばん伝わってほしい「大きな実績」が埋もれてしまいます。
そこでターゲットとなる読者に「自分が知ってほしいイチバンのポイント」を絞りましょう。
たとえば自分がWEBメディアの編集者なら、「1ヶ月で50記事書きました」という情報よりも「1ヶ月で50万PV増大しました」のほうがより具体的かつ相手の知りたい情報にリーチできます。
ただしあくまで「正直に書く」ということは忘れないでください。誇張するのではなく、「知ってほしいことを効果的に知ってもらう」ことが大切です。
必要に応じてストーリー仕立てにするのもオススメ
プロフィールを読んだ相手が、自分の人物像を想像できるように意識しましょう。プロフィールにストーリー性を持たせることで、人生が垣間見えるので共感しやすくなります。
ストーリー性を加えるときには、「過去:今の仕事に就くまで」「現在:自分の強み、実績」「未来:これから達成したい目標、伸ばしたい能力」というように、時系列を意識しましょう。
ただあまり字数がかさみすぎると、読み手が疲れてしまいます。見出し分けや字数調整をして、あくまで「相手が読みやすく、わかりやすい文章」にすることを忘れずに。
学生時代の話・夢・こだわり・挫折・仕事のやりがい・理想像・夢や目標を順序立てて考えてみると、一貫性のあるストーリーが作りやすいでしょう。
書くべき項目や内容、字数もチェックしてみよう
誰にたいして自分を売り込むのかによって、必要な字数や内容は変わります。
ビジネスプロフィールは、一般的に350文字がよいとされています。端的に自分の情報を伝えることが大切なのです。
その少ない字数のなかで、自分の趣味などを長ったらしく書くのはあまり効果的ではありません。実績や経歴、職歴に多くの字数を割くほうがよいでしょう。
ブログやホームページであれば、プロフィールに字数制限はありません。しかし「読みやすいかどうか」に焦点をあてれば、こちらも350文字前後を意識することがポイントです。
SNSなど不特定多数の人に自分をアピールするのであれば、自分の性格や趣味の項目に力を入れます。しかしあくまでメインコンテンツの閲覧につなげるために、プロフィールの字数は少なくすべきです。
良いプロフィール、悪いプロフィール
多くのプロフィールには、以下のようにまとめられていることが多いです。
- 氏名
- 生年月日
- 出身地
- 取得した資格
- 経歴
必要最低限の情報が盛り込まれており、「良いプロフィール」のようにも見えますが、重要なことが書かれていないケースが多いです。
必要最低限の情報では、相手に興味を持つきっかけが極めて少なくなり、事務的な印象を与える「悪いプロフィール」になります。
良いプロフィールにするためには、箇条書きだけではなく文章を加えると良いでしょう。
たとえば資格の下には、「なぜ取得しようと思ったのか」「資格をどのように活かせたか」を数行追加するのがおすすめ。
また経歴についても「その仕事に就こうと思ったきっかけ」「仕事で得たもの」などを書くことで、相手に興味を持ってもらえる可能性を増やすことにつながります。
プロフィールの記入例を紹介
プロフィールの書き方によって、印象がどのくらい変わるのかを実際に見てみましょう。「ブログ」と「ビジネス」との2つのケースについて紹介します。
ブログのプロフィールの例
ブログのプロフィールは、実際に会ったことのない人物から「信頼」と「共感」を得られるかがポイントです。
ブログの記事を書くときは、読者が初見の人であることを想定して書くのがセオリー。「誰が書いているんだろう」とプロフィールを見たときに、ファンになってもらえるかどうかを考えましょう。
【漫画紹介のブログ】
△:「おもに少年漫画が大好きで、普通の人よりは多くの作品を読んでいると自負しています。」 〇:「1ヶ月に100冊の漫画を読んでいます!いちばん好きなのは少年漫画で、とくに『〇〇』という作品は、僕のなかでベスト3に入ります。」 |
【家事系のブログ】
△:「いつも料理をしているので、アレンジレシピには詳しいです。掃除や洗濯も、ちょっとひと工夫くわえるのが好きです」 〇:「忙しい朝でも美味しいものを食べたい、けど時短したい、と工夫しているうちにアレンジレシピに詳しくなりました。掃除や洗濯も、スキマ時間でもばっちりキレイにできるように、ひと工夫しています。ブログではそのコツを皆さんにお伝えしていくつもりです!」 |
このように、ブログで取り扱うジャンルにたいして「自分がどのくらい専門的な知識を持っているか」という専門性を強調するのが大切です。
広報・ビジネスのプロフィールの例
ビジネスの場面では、「スキル」「専門分野」「自分の強み」を知ってもらうことが大切です。ただ企業のリクルートページなどに乗せるプロフィールなら、あくまで「企業について知ってもらう」ことを意識しましょう。
基本的には、以下の項目は必須で記載しましょう。
- 現職の会社名と所属部署
- 現職に至った背景
- これまでの実績
- 現在の業務内容と、専門分野
- とくに印象的な実績例
- 今後やってみたいこと、目指すビジョン
このほか「出身地」「趣味」なども記載しておくと、読み手との共通点があったときに好印象を持たれやすくなります。
実績や専門分野について書くときは、「どの業界にアピールしたいのか」「その業界に響く経歴は何なのか」を意識して書きましょう。
ビジネスプロフィールは、感情を盛り込んだりニュアンスで伝えたりせず、事実のみを書きます。また形容詞や形容動詞を使用すると、読み手によって捉え方が変わってしまうため注意しましょう。
字数を無駄に増やし、まとまりのないプロフィールになる可能性があるため、接続詞を多用しないことも大切です。
実際に同一人物のプロフィールも場面によってかなり違う!
『僕は君たちに武器を配りたい』などの著書で知られる瀧本哲史氏のプロフィール例を見ていきましょう。
A:Schooに記載されたプロフィール
「東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用されるも、自分の人生を自分で決断できるような生き方を追求するという観点から、マッキンゼーに転職。3年で独立し、企業の再建などを手がける。京都大学では「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気 授業になっている。NPO法人全日本ディベート連盟代表理事。星海社新書の「軍事顧問」も務める。」
「学べる生放送コミュニケーションサービス」と紹介されるサイト「Schoo」に掲載されているプロフィールです。「授業」の経験とそれを裏打ちする経歴が記されています。このプロフィールには、著書は明記されていません。
参考:瀧本哲史 | Schoo |
B:新潮社の紹介プロフィール
「京都大学産官学連携本部イノベーション・マネジメント・サイエンス研究部門客員准教授。エンジェル投資家。東京大学法学部卒業。マッキンゼー&カンパニーでコンサルティング業に従事し、独立。著書に『僕は君たちに武器を配りたい』(「ビジネス書大賞」受賞)など。」
このプロフィールは新潮社が紹介している瀧本哲史氏のプロフィールです。出版社のプロフィールなので、経歴の最後に著書を紹介しており、アピールポイントが分かりやすくなっています。
C:アカデミーヒルズ
「東京大学法学部卒業。東京大学大学院法学政治学研究科助手を経て、マッキンゼー&カンパニーにて、主にエレクトロニクス業界のコンサルティングに従事。内外の半導体、通信、エレクトロニクスメーカーの新規事業立ち上げ、投資プログラムの策定を行う。独立後は、企業再生やエンジェル投資家としての活動をしながら、京都大学で教育、研究、産官学連携活動を行っている。全日本ディベート連盟代表理事、全国教室ディベート連盟事務局長、星海社新書軍事顧問などもつとめる。」
この紹介文は、セミナーや会員制ライブラリを運営する「アカデミーヒルズ」のもの。専門用語が多く含まれており、ビジネスパーソンを意識したプロフィールになっていることがわかります。
このように、読み手に伝えたいこと、伝わりやすい言葉を考えて書くことを意識しましょう。
プロフィールの写真を撮影しよう
プロフィール写真では、身分を証明するだけではなく、自分のキャラクターも伝えなければなりません。さまざまな役割があるため、品質にもこだわる必要があるでしょう。また、服装、撮影方法などは、プロフィールの種類によって異なります。撮影のポイントや、高品質のプロフィール写真を撮影する方法を見ていきましょう。
写真も大切!ターゲットを意識した撮影を
クライアントやユーザーに自分を売り込む大切なプロフィール写真は、ターゲットを明確にすることが大切です。
ターゲットによって、私服で良いのかスーツでなければならないのかなど、服装も変わり、表情や写真の背景まで異なります。
ビジネスプロフィール用の写真を撮影するなら
ビジネスプロフィールは、信頼できる人物か、好印象を持てるか、落ち着きがあるかが大切です。ポーズや表情で印象がきまります。
背筋を伸ばし、まっすぐにカメラを見るのが基本です。接しやすいイメージにするために、口元は軽くゆるめておきましょう。かといって口角を上げすぎると、ヘラヘラしているように見えてしまいます。
またなるべく等身大な写真を選ぶのもコツ。格好良い写真をプロフィールに使うのは大いに結構ですが、実際に会ったときの印象がかけ離れていると、かえってネガティブイメージを与えてしまいます。
SNS用のプロフィール写真を撮影するなら
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笑顔で撮影することはもちろん、背景も無地や自室などではなく、屋外で撮影すると、明るく好印象を持てる写真になるでしょう。
また、斜めから撮影すると体や顔に立体感を出す効果があります。好きなことをしている瞬間の写真を使って、躍動感を演出するのも良いでしょう。
しかし、自分で勝負写真をきれいに撮るのは難しいものです。特にビジネスプロフィールはお客様からの安心感、信頼感を得るために大切です。
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