マットレスは大きいため、掃除を後回しにしてしまいがちです。休日を使ってきれいにしたい、と思っている人も多いかもしれません。マットレスの掃除のやり方や、素材や汚れ別の手入れ方法を解説します。マットレスを掃除して、清潔な状態を保ちましょう。
マットレスの掃除は必要?
マットレスは清潔に保つべきですが、掃除をする必要があるのか、疑問に思う人もいるかもしれません。マットレスは定期的に掃除した方がよい理由を見ていきましょう。
カビや雑菌の繁殖で不衛生に
マットレスは一見きれいに見えても、毎日使っていると汚れが溜まっていきます。人は寝ている間に、コップ1杯分の汗をかくといわれています。マットレスは日々汗を吸い、湿気を溜めているのです。
湿気はカビや雑菌が繁殖する原因になります。汗の他にも、皮脂やアカもマットレスに溜まっていきます。ダニやカビを放置すると、ぜんそくやアレルギーの原因になる可能性があるので、マットレスは定期的に掃除する必要があるのです。
マットレスが劣化する原因に
汚れをきれいにするだけでなく、マットレスを長持ちさせるためにも掃除は必要です。理由はマットレスが汚れや湿気を溜めると、へたりやすくなるためです。
マットレスがへたると、就寝時の姿勢が悪くなり、体が痛くなったり疲れが取れなかったりと、睡眠の質の低下につながる場合があります。
睡眠不足になれば、日中の活動にも支障を来してしまうかもしれません。自分や家族の体調を守るためにも、マットレス掃除は必須です。
マットレスの基本の手入れ方法
まずはマットレスの基本的な手入れ方法を押さえましょう。毎日実践できる簡単なことから、手軽にできる掃除の方法まで解説します。自分で掃除するのが難しい場合は、クリーニング屋に依頼する方法もあります。どういった場合に依頼するとよいのか、併せて見ていきましょう。
マットレスを乾燥させる
毎日実践できるのは、マットレスを乾燥させることです。具体的には、毎朝起きたら掛け布団をめくり、さらにはたまにマットレスを縦に置いて空気を送って乾燥させましょう。
起きた後のマットレスに溜まった湿気は、ダニやカビが繁殖する原因になります。掛け布団をめくって湿気を逃がし、雑菌の繁殖を防ぎましょう。これは毎日行うのがおすすめです。
マットレスの縦置きは、2週間に1回程度の頻度で行いましょう。マットレスが重くて持ち上げられない場合は、片側に本などを挟み、隙間に扇風機で空気を送る方法もあります。
シーツや枕カバー、パッドを洗濯する
シーツや枕カバーも、週に1回を目安に洗濯するのがおすすめです。洗濯して汗や皮脂を落とすことで、ダニやカビにエサを与えなくできます。
シーツや枕カバーは薄いので、自宅の洗濯機で洗いましょう。乾燥器が使えるシーツ類を買うと、より手入れが楽になります。
敷きパッドは、2~3カ月に1回程度の頻度で洗濯するのが望ましいとされています。シーツを上に敷いている分、汗や汚れの染み込みは、大きく警戒するほどではありませんが、時々洗う必要があることを覚えておきましょう。
マットレスに掃除機をかける
月に1回程度は、マットレスに掃除機をかけます。アカや髪の毛だけでなく、ダニの死骸などの汚れも溜まっているためです。
特に汚れが溜まりやすいのは、上半身周りと縫い目の間、ベッドとマットレスの隙間といわれています。
掃除機のかけ方は、まずマットレスの上から表裏まんべんなくかけましょう。縫い目やベッドとの隙間は、ヘッドをつけ替えて、隅々までかけるのがおすすめです。
ベッドクリーナーがあると便利ですが、普通の掃除機でも問題ありません。普通の掃除機の場合は、床にかけるときとは別のヘッドにつけ替えると衛生的です。
マットレスの向きを変える
両面仕様のマットレスを使っているなら、定期的に向きを入れ替えましょう。これをローテーションといいます。
マットレスに負荷がかかりやすい部分は、頭や腰の部分です。特定の箇所ばかりに負荷がかかると、へたりの原因になります。
ローテーションの目安は3カ月~半年に1度程度、マットレスの上下左右を入れ替えて、バランスよく負荷を分散させることが大切です。三つ折りのウレタンマットレスを使っている場合は、腰と足の部分を入れ替えることで、同様の効果を得られます。
プロにクリーニングを依頼
自宅での手入れで取り除けるのは表面的な汚れであり、マットレス内部の汚れまでを落とすのは難しいでしょう。
全体的に汚れを落としたい場合、定期的にプロにクリーニングを依頼するのがおすすめです。普段から手入れをしている人は2~3年に1回、あまりしない人は1年に1回程度の頻度で、クリーニングに出すのがおすすめです。
ただしクリーニングでできるのは汚れの除去であり、へたりの復活はできません。マットレス自体が劣化している場合は、買い替えを検討しましょう。
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マットレスの素材別の洗い方
マットレスによっては洗濯できないものもあるため、洗濯表示の確認が必要です。低反発ウレタンやラテックスは、水洗いもクリーニングもNGとされていることが多く見られます。マットレスの素材ごとに、適した洗い方を解説します。
ウレタンフォーム
ウレタンフォームのマットレスは、洗濯ができないものが多いですが、中には洗濯できるものもあります。
洗濯ができるウレタンフォームの掃除方法は、押し洗いが原則です。ウレタンは濡れるともろくなる性質があり、こすったり絞ったりすると、ちぎれてしまう可能性があります。
具体的な洗い方は、中性洗剤を薄めた水で濡らしたタオルで、汚れている箇所を汚れがなくなるまでたたきます。汚れが取れたら、きれいな水を含ませたタオルでたたいて洗剤を落とし、風通しのよい場所で乾かしましょう。
ファイバー
ファイバーはマットレスの素材の中でも、洗いやすい部類に入ります。手入れがしやすく、毎日でも掃除できる耐久性もあります。
洗い方は水またはお湯のシャワーで汚れを洗い落すだけです。もしくは中性洗剤を溶かした水に、つけ置きすることもできます。
ファイバーマットレスは中身の空洞が多いため、風が通りやすく乾きやすい特徴もあります。風通しのよい場所に置いておけば、比較的早く乾くでしょう。
洗えないマットレスの手入れ方法
洗濯表示で水洗いがNGとなっているマットレスは、どのように手入れすればよいのでしょうか。水洗いができないマットレスを、自分で手入れするためのアイデアを紹介します。
部分洗いや陰干しをする
内部に金属を含むコイルやスプリングマットレスは、カバーは洗濯できるものの、本体は原則水洗いができません。自分でできる手入れ方法は、部分洗いか陰干しです。
汚れた部分を洗う方法は、基本的にウレタンフォームと同じです。中性洗剤を薄めた水を含ませたタオルで、押し洗いをしましょう。
またウレタンやラテックスは熱に弱いため、原則クリーニングに出せません。その場合も部分洗いで対応しましょう。熱に弱い素材の場合、直射日光に当てずに陰干しすることもポイントです。
汚れ別の掃除方法
種類別にマットレスについた汚れの掃除方法を解説します。それぞれで使う道具は、他の掃除でも使えるので、この機会にそろえてみるのも、よいかもしれません。
黄ばみやシミ
マットレスの黄ばみやシミには、重曹が効果的です。心当たりがない黄ばみの原因は、寝汗であるケースがほとんどです。
寝汗による黄ばみを取るには、まず小さじ1杯の重曹を水100mLに薄め、重曹水を作ります。重曹水を汚れた箇所に吹きかけ、5分程度待ちましょう。次にタオルで水分をしっかりと拭き取り、それを汚れがなくなるまで繰り返します。
飲み物をこぼしてしまった場合は、中性洗剤を薄めた水を含ませたタオルで押し洗いをしましょう。
カビ
マットレスにカビが生えてしまったときは、消毒用エタノールで除菌できます。消毒用エタノールは、ドラッグストアで入手可能です。
まず消毒用エタノールをカビが生えた箇所に吹きかけ、1時間ほど放置します。その後乾いたタオルで水分をしっかりと拭き取り、その作業をカビがなくなるまで繰り返します。
こするように拭くとカビが広がってしまうため、たたくように拭き取るのがポイントです。また風呂用のカビ取り剤はマットレスを傷めてしまうため、使わないよう注意しましょう。
おねしょ
おねしょはクエン酸を使って掃除します。おねしょをして時間が経つと、アンモニアが発生し臭いの原因になります。アンモニアはアルカリ性のため、酸性のクエン酸で中和して臭いが取れる仕組みです。
まずは小さじ1杯のクエン酸を100mLの水に溶かし、クエン酸水を作ります。クエン酸水をおねしょをした箇所に吹きかけ、5分ほど放置しましょう。
その後は乾いたタオルで水分を拭き取り、それを臭いが消えるまで繰り返します。何回やっても臭いが取れない場合は、クリーニングに出した方がよいでしょう。
血液
血液がついて間もない場合は、重曹を使えば比較的簡単にシミ抜きができます。
まずは30℃以下の、体温より低い温度のぬるま湯をタオルに含ませ、表面の血液を拭き取ります。人の体温より高い温度に血液をさらすと、固まってしまい取りにくくなるので、注意が必要です。
次に重曹と水を3:1の割合で混ぜ、ペーストを作りましょう。ペーストを血液がついた箇所に塗り、30分程度放置します。
その後歯ブラシなどで優しくこすり、水を含ませたスポンジで血液の箇所をポンポンとたたきます。最後に乾いたタオルで、水分をしっかりと拭き取りましょう。
血液が付着して時間が経っており、上記の手順では汚れが取れない場合は、クリーニングに出すのが無難です。
ダニ
ダニは熱に弱いため、布団乾燥機を使って退治できます。ダニは退治するだけでなく、エサとなる死骸も除去することが大切です。
まずはダニが布団の奥に逃げないよう、部屋を暗くして1時間程度放置しましょう。ダニは夜行性のため、布団の表面に出てきやすくなります。
次に布団乾燥器を使い、ダニを退治します。1回だけでは効果が薄いため、3日間朝晩と続けることがポイントです。ダニを退治した後は、掃除機を使って死骸もしっかりと除去しましょう。
ただしウレタンやファイバー素材は熱に弱いため、布団乾燥機の代わりにクリーニングに出すか、ダニ防止グッズを使うなどの対策をするのがおすすめです。
マットレス掃除の注意点
マットレスを掃除する際の注意点を、3つ紹介します。誤った手入れ方法によって、マットレスが使えなくなってしまったら本末転倒のため、しっかりと把握しておきましょう。
コインランドリー、洗濯機はNG
水洗いが可能だからといって、コインランドリーや洗濯機でマットレスを洗ってはいけません。洗濯機にかけると、マットレスが劣化する原因になります。
そもそもマットレスはサイズが大きいため、重量に耐え切れず、洗濯機自体が故障する恐れもあります。マットレスは手洗いをするか、クリーニングに出すかのどちらかにしましょう。
洗った後はしっかりと乾燥させる
マットレスを掃除した後は、しっかりと乾燥させる必要があります。湿気を残したままにしておくと、カビや雑菌が繁殖し、かえって不衛生になるためです。
マットをよく乾かすコツは、壁に立てかけたり、本などで隙間を作って空気を送り込んだりすることです。風通しのよい部屋で乾かし、必要に応じて扇風機やドライヤーを使って乾かしましょう。
また濡れたタオルでマットレスを掃除する場合は、タオルをできるだけ絞ることも重要です。それはマットレスだけでなく、ベッドフレームを掃除する際にも同じことがいえます。
天日干しをしない
マットレスを乾かす際に、天日干しは避けた方が無難です。
天日干しは乾燥やダニ防止の観点から、有効だと思うかもしれません。しかし実際は、かなり晴れた日でないと効果が薄いことに加え、直射日光でないと天日干しをする意味はないためです。
マットレスをベランダまで運ぶのは重労働です。しかし天日干しをするメリットはあまりないため、陰干しをする方が得策といえます。
その代わり、乾かす部屋は通気性をよくし、マットレスに湿気を溜めないことが大切です。
マットレスを清潔に保つには
マットレスが汚れたら掃除をすることも大切ですが、普段からできるだけ汚れないように、対策することも重要です。マットレスをできるだけきれいに保つために、できることを2つ紹介します。
パッドやプロテクターなどを使う
マットレスを寝汗などの水分から守るためには、シーツの他に、パッドやプロテクターを敷くことが有効です。具体的には防水シーツや敷きパッド・ベッドパッドなどが挙げられます。
シーツだけでは寝汗がシーツを容易に通り越して、マットレス本体へ侵入してしまいます。マットレスまで何層にも敷物を敷くことで、水分がマットレスに届かないようにできるのです。
特にプロテクターは防水機能があり、マットレスをきれいに使いやすくしてくれます。また防水機能があるパッドやプロテクターは、おねしょの不安があるときにも活躍するでしょう。
除湿シートで湿気対策をする
除湿シートとはマットレスと床の間に敷くシートです。その名の通りマットレスを除湿し、カビや雑菌の発生を防いでくれます。
マットレスが大きく、壁に立てかけるのが困難な場合は、除湿の手段として有効です。ただし除湿シートも時間が経てば、湿気を溜めてしまうため、2週間から1、2カ月に1回程度は乾かしましょう。
なお除湿シートは固めの素材でできているため、マットレスの上に敷くと寝心地を損なってしまう可能性があります。どれだけの敷物を使うかにもよりますが、基本的には床に近い部分に使いましょう。
マットレスは定期的に掃除をしよう
マットレスは大きいので、掃除が大変だと思うかもしれません。しかし人は毎日コップ1杯分の汗をかき、マットレスには汗がどんどん染みていきます。
湿気を溜めると、カビや雑菌が繁殖してしまうため、マットレスは定期的に掃除する必要があります。
素材にもよりますが、マットレスは基本的に水に弱いため、水洗いが可能かどうかは、洗濯表示を必ず確認しましょう。水洗いがNGの場合は部分洗いで対応するか、クリーニングに出すのが無難です。
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毎日快適に寝るためにも、マットレスのメンテナンスを怠らないようにしましょう。