玄関に付ける電子錠は、防犯性を高めてくれるアイテムです。一概に電子錠と言ってもさまざまな種類があり、どれを選べばよいのか分からない人もいるのではないでしょうか?電子錠の種類やメリット・デメリット、後付けの方法を解説します。
玄関に使う電子錠の種類
電子錠には大きく分けて5種類あり、それぞれ特徴が異なります。一つ一つの電子錠の特徴を把握し、好みのものを選びましょう。電子錠の種類と特徴を解説します。
暗証番号式
暗証番号式の電子錠は、通常の鍵穴ではなく暗証番号を入力するタッチパネルが付いています。あらかじめ決めておいた暗証番号を入力して解錠します。
鍵を持ち歩く必要がないため、紛失の心配がありません。暗証番号を何度か間違えて入力すると、ロックしたりアラームが鳴ったりする機能もあり、不法侵入を防止できます。
ただし何らかの形で暗証番号が漏れてしまうと、誰でも鍵を開けられます。また、タッチパネルの擦れ具合から暗証番号を予測される危険もあるので、定期的に暗証番号を変えるとよいでしょう。
リモコン式
リモコン式は鍵にセンサーが付いており、車のキーのように離れた場所からでも解錠できます。近づくと自動で解錠するものもあり、鍵をかばんに入れたままでも反応するためスムーズです。
車の鍵の開け閉めと同じ感覚で使用できるので、普段から車を使う人は違和感がないでしょう。ただし、紛失すると再購入には高い費用がかかるため、注意が必要です。通常の鍵屋では対応できず、メーカーなどに依頼することになります。
子どもには持たせない、大きいキーホルダーを付けて目立たせるなど、紛失しないための工夫が必要です。
カード式
カード式の電子錠には、差し込み口にカードを差し込むタイプと、専用の機器にカードをかざすタイプの2種類があります。解錠に使うカードは財布に入れられるので、紛失の心配が少なく、外出時の持ち出しを忘れることも少ないでしょう。
またカード1枚で複数の鍵に対応できる場合もあり、家や建物を複数所有している人には便利です。
ただしカードは薄く変形しやすい素材を使っていることも多く、破損しやすいデメリットがあります。常に財布に入れておき、破損しないように注意しましょう。
指紋認証式
指紋認証式の電子錠は専用のセンサーに指をタッチし、事前に登録した指紋と一致すれば解錠できます。暗証番号を忘れたり、鍵を紛失したりする心配がありません。
複数の指を登録できることも多く、家族はもちろん友達や仕事仲間などの指紋も登録できます。また、非常時に使える通常の鍵も付いているため、指をケガして指紋が読めないときや、電池切れで反応しないときも解錠が可能です。
日常ではあまり見かけない電子錠ですが、自宅のドアにも取り付けられます。最近の機器は指紋を読み取る精度も向上しており、ストレスフリーで使用できるでしょう。
スマートロック式
スマートロック式の電子錠は、専用のアプリをスマホにダウンロードし、スマホを鍵代わりに使用します。位置情報やBluetoothでスマホと電子錠を接続し、鍵を出さずに施錠・解錠ができます。
鍵の開け閉めの履歴をスマホで確認できるので、不正な侵入がないか分かるのも特徴です。スマホをなくしてしまっても、代替機や買い換えたスマホにアプリをダウンロードし、IDとパスワードを入力すれば使用できます。IDやパスワードは忘れないようにしましょう。
ただし、スマホが充電切れを起こしてしまうと、解錠ができなくなります。充電を100%にして外出する、モバイルバッテリーを持ち歩くなど、スマホの充電には注意しましょう。
玄関の鍵を電子錠に交換するメリット
玄関の鍵を電子錠にすれば、通常の鍵より施錠・解錠の手間が減ったり、防犯性能が向上したりするメリットがあり、交換する価値は十分にあるといえます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
施錠・解錠の手間が減る
電子錠に変えると、施錠・解錠をスムーズに行えるようになります。電子錠は「かざす」「ボタンを押す」「タッチする」などの簡単な動作で鍵の開け閉めができ、「鍵を差し込んで回す」といった手間がかかりません。
オートロック機能が付いたものや、近づくと自動で解錠するものもあります。朝急いでいるときや疲れて帰宅したときでも、電子錠であればストレスフリーで使用できるでしょう。
防犯性能の向上が見込める
防犯性が向上するのも電子錠のメリットです。通常の鍵は鍵穴に工具を差し込む「ピッキング」により、不正解錠される危険性があります。
通常の鍵は普及率も高いため、何度も犯行を繰り返している空き巣であれば簡単に開けてしまうでしょう。電子錠の場合、鍵穴がないのでピッキングされる心配はありません。
また室内側の鍵も特殊な構造になっているので、外側から内側のつまみを回して不正解錠する「サムターン回し」も防止できます。
オートロック機能が付いているものも多く、鍵の閉め忘れの心配がないのもポイントです。外出中に鍵を閉めたかどうか不安になることもありません。
玄関の鍵を電子錠に交換するデメリット
電子錠に交換した際には、どのようなデメリットが生じるのでしょうか?メリットと併せて把握して、電子錠への理解をより深め、交換するかどうかの判断材料にしてください。
定期的に電池交換を行う必要がある
電子錠は基本的に電池式のため、定期的に電池交換を行う必要があります。電池が切れてしまうと機械が作動せず、解錠や施錠ができません。電池の交換時期を知らせるアラームが鳴ったら、すぐに電池を交換するようにしましょう。
また、中にはアラームが鳴らないものもあるため、半年に1回程度の期間で定期的に電池の交換をしておくと安心です。
電気で動く「電気錠」は電池が不要です。ただし、電気を通すための配線工事が必要になるので、一般的な電子錠より費用が高額になります。停電時は使用できないため、鍵穴に入れる通常タイプの鍵も付いています。
鍵を忘れた場合に閉め出しの恐れも
電子錠はドアを閉めると自動で施錠されたり、一定時間が経過すると施錠されたりする「オートロック機能」が付いたものがほとんどです。
リモコン式やカード式、スマートロック式は、家の中に鍵やスマホを忘れて外出すると、閉め出されてしまう可能性があります。
鍵やスマホを玄関の分かりやすい位置に置いておくなど、外出時に忘れないよう工夫しましょう。忘れっぽく不安な人は、暗証番号式や指紋認証式を選ぶのも一つの手です。
電子錠を自分で後付けする方法
自力で後付けできる電子錠は、費用を抑えつつ防犯性を高めることができます。どのような手順で、電子錠を後付けすればよいのでしょうか。後付けの手順や、取り付ける際の注意点を見ていきましょう。
両面テープで取り付ける手順
電子錠に両面テープが付いているタイプは、フィルムを外して直接ドアに貼り付けます。貼る場所を間違えてしまうと正常に作動しないため、説明書をよく読み正しい位置に貼り付けましょう。
取り付ける場所のホコリやゴミをしっかり拭き取り、きれいな状態にしておくのが上手に貼り付けるコツです。両面テープのフィルムを剥がした電子錠を取り付け場所に1~2分押し付け、しっかり接着させましょう。
特殊な工具は不要で、女性やお年寄りでも比較的簡単に作業を行うことができます。剥がれ落ちを防ぐためには、最初から丁寧に貼り付けておくことが大切です。
穴を開けて取り付ける手順
穴を開けて取り付けるタイプの電子錠は、両面テープで貼る場合に比べてやや難易度は高めです。まず、電子錠に同こんされている型紙を使用して、取り付ける位置を決めます。
次に取り付け位置に合わせて穴を開けましょう。穴を開けるには電動ドリルが必要なため、持っていない場合は別途購入が必要です。開けた穴からコードを通し、扉を挟むように電子錠を設置します。
扉の素材によっては、自力で穴を開けるのが難しい場合があります。その場合は業者への依頼を検討しましょう。
電子錠への交換を業者へ依頼する費用
自力で電子錠を後付けするのが難しい場合は、専門の鍵業者への依頼が必要です。その際、料金をできるだけ抑えたい人も多いでしょう。電子錠の取り付けにかかる費用相場と、料金を抑えるためのコツを紹介します。
電子錠の取り付けにかかる費用の相場
電子錠の取り付けにかかる費用は25,000~100,000円程度で、付ける電子錠の種類によって大きく変わります。最も安いものはスマートロック式で、最も高いものは指紋認証式と考えておきましょう。
取り付け費用はやや高めに感じるかもしれませんが、取り付け後は防犯性が高まり、鍵の開け閉めも楽になります。特殊なメンテナンスも必要ありません。安心して生活できるようになると考えると、意味のある出費といえるでしょう。
電子錠の種類だけでなく、依頼した業者やどんな工事が必要かによっても料金は変動するため、まずは見積もりを取るのがおすすめです。
費用を抑えるなら相見積もりを取ろう
専門の鍵業者に電子錠の取り付けを依頼する際は、必ず複数の鍵業者から見積もりを取りましょう。鍵業者は開業に特別な資格を必要とせず、中には対応がひどかったり、法外な料金を要求してきたりする業者もいます。
1社だけに依頼をすると、悪徳業者に引っかかる可能性が高まるため危険です。複数の業者に依頼することで費用相場が把握でき、高すぎる業者を回避できます。電話対応や見積もりを取る際の現場対応などでも、質の悪い業者が分かるでしょう。
複数の業者に依頼する際に便利なサービスが、見積もりのプラットフォーム「ミツモア」です。いくつかの簡単な質問に答えるだけで、最大5社から見積もりがもらえます。業者の実績やレビューも確認できるため、優良業者を見つけやすいことも魅力です。
電子錠はデメリットも把握して取り付けよう
電子錠は「施錠・解錠の手間が減る」「防犯性が高まる」などのメリットがある一方、「電池交換が必要」「閉め出しの恐れがある」などのデメリットもあります。
電子錠に交換してから後悔しないように、あらかじめデメリットを把握しておき、交換するかどうかを決めましょう。
専門の業者に依頼する際は、必ず複数の業者から見積もりを取ってください。複数の業者に個別で依頼するのが面倒な人は、「ミツモア」を使って一括見積もりを取るのがおすすめです。