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ヒメスズメバチの特徴と対策!危険性が低くあまり攻撃しないのは本当?生態を徹底解説

最終更新日: 2024年06月28日

この記事ではヒメスズメバチならではの特徴や生態に加え、駆除・対策についての詳細を解説していきます。「生態を知って正しく安全に対処したい」という方に役立つ内容になっているので、参考にしてくださいね。

ヒメスズメバチの特徴は?

ヒメスズメバチに特徴として、お尻の先端が黒くなっていることが挙げられます。他のスズメバチのお尻の先端は全て黄色いので、見分けるときのポイントになります。

ヒメスズメバチは危険?

日本にいる8種類のスズメバチの中で、ヒメスズメバチは最も攻撃性が低いです。毒性も比較的弱いですが、太い針を持っているため刺されたときの痛みは強烈です。

ヒメスズメバチの特徴や生態【危険性は比較的低い】

蜂と花

「ヒメスズメバチはどんなハチ?」という疑問に簡単に答えると、以下の通りになります。

  • スズメバチ科最大種「オオスズメバチ」に次ぐ、大型のスズメバチ
  • スズメバチの中では攻撃性が低い

こちらから攻撃を加えたり、巣から数メートルの距離まで近づいたりしない限りは比較的安全なハチなのです。とはいえ近づいてきた時に手で払ったり慌てて動いたりすると、刺されてしまうことも。

むやみに怖がって刺されることのないよう、まずはヒメスズメバチの性質や生態を理解しましょう。

ヒメスズメバチはハチ目スズメバチ科。概要は以下の通りです。

大きさ 25-35mm
生息地域
  • 日本
  • 東アジア
  • ロシア沿岸州
日本での分布
  • 本州
  • 四国
  • 九州
  • 対馬
  • 奄美大島
亜種
  • ツシマヒメスズメバチ
  • リュウキュウヒメスズメバチ

ヒメスズメバチは閉鎖空間を好んで巣作りをします。以下の場所は巣が作られやすいポイントです。

  • 切り株の中
  • 土の中
  • 中が空になっている植木鉢
  • 倉庫、物置
  • 床下
  • 屋根裏
  • 雨風が当たらない軒下

ヒメスズメバチをあまりにも頻繁に見る場合は、家の敷地内に巣が作られている可能性も。しかしむやみに探すのは巣に近づくことになるため避けましょう。

本当にヒメスズメバチ?他のスズメバチとの見分け方

木に住む蜂

続いてヒメスズメバチの見分け方をチェックしてみましょう。ハチの体は個体差があるため「家に来ているハチはヒメスズメバチだろうな」と安易に判断するのは危険!なぜならヒメスズメバチに似た外見をした、危険なスズメバチもいるからです。

ヒメスズメバチの外見的特徴は、以下3点です。

  1. お尻の先端が黒い(色・模様)
  2. 体長が大きい(大きさ)
  3. 巣の形状

これらの外見的特徴3点をチェックしながら、間違えやすい「似ている他のスズメバチ」との違いを比較してみましょう。似ているスズメバチはいずれも攻撃性・毒性の高い種類。

巣がある場合はハチ駆除業者による本格的な駆除作業が必要です。

関連記事:スズメバチの種類を知りたい!見分け方と危険性、駆除方法 | ミツモア

判断基準1:【色・模様をチェック】ヒメスズメバチのお尻の先は黒い

ヒメスズメバチの体色・模様の特徴を列挙します。

  • お尻の先端が黒い(ただし亜種の「ツシマヒメスズメバチ」は先端が黄色い)
  • 全体的に「飴色・べっ甲色」を思わせる茶褐色
  • 腹部のしま模様は、黒色の印象が強い

ヒメスズメバチを見分ける方法として最も一般的なのが、お尻の先端の色を見る方法。ヒメスズメバチのお尻の先端は必ず黒色と決まっているからです。

なお日本で刺傷被害が多い「オオスズメバチ」「キイロスズメバチ」「コガタスズメバチ」は体色に黄色が目立つ種類。お尻の先端も全て黄色になっています。

そしてヒメスズメバチと体色・模様が似ているスズメバチは「モンスズメバチ」です。画像を比較してみましょう。

【ヒメスズメバチ】

ヒメスズメバチ

【モンスズメバチ】

モンスズメバチ

いずれも体色に黒・褐色が目立つため、飛行している状態では判断の難しいケースもあります。静止していた場合は遠くから観察し、以下の違いで見分けましょう。

ヒメスズメバチ モンスズメバチ
お尻先端の色
しま模様の形 直線的 左右対称に波打った形状

判断基準2:【大きさをチェック】大きさは3cm超

ヒメスズメバチは大型のスズメバチなので、大きさを見ることも判断基準になります。3cm超の大きさがあるスズメバチは数種類に絞られるからです。

ヒメスズメバチと大きさの近いスズメバチを比較してみましょう。

働き蜂の大きさ 女王蜂の大きさ
ヒメスズメバチ 25~33mm 30~35mm
オオスズメバチ 27~40mm 40~55mm
モンスズメバチ 20~28mm 28~30mm

働き蜂と女王蜂の大きさには差があります。「オオスズメバチの働き蜂」や「モンスズメバチの女王蜂」のサイズは、ヒメスズメバチと同じくらい。見分ける際には注意が必要です。

ハチ本体の外観から見分けるには、判断基準1「色・模様」と判断基準2「大きさ」両方を組み合わせて判断してみましょう。

判断基準3:【巣をチェック】大きさと形状に特徴あり

ハチ本体では見分けるのが難しい場合、巣の形状や大きさから見分けることもできます。既に巣が発見できているのであれば、以下の特徴に当てはまるかをチェックしてみましょう。

  • ドーム型の半円の中にシャワーヘッドが取り付けられたような見た目をしている
  • 下からのぞくと「目」のような形状をしている
  • 幼虫や卵がいる六角形の部屋がむき出しになっている
  • 大きさは直径20cm程度

ただし巣に近づくことは危険が伴うため、10m程度の距離を取って観察して下さい。距離が取れない場合は絶対に近づかず駆除業者に確認を依頼しましょう。

関連記事:蜂の巣の種類と見分け方!形状をみて一目で危険性を判断 | ミツモア

ヒメスズメバチは攻撃性が低い?

アシナガバチの巣

ヒメスズメバチは大型であることから威圧感がありますが、「ヒメ」の名にふさわしい控えめな性格をしています。その理由は食性に関係しています。

ヒメスズメバチが餌としているのは主に「アシナガバチ」のみ。餌として食べるものがアシナガバチに限られているので、ヒメスズメバチのコロニーは小規模なのです。働き蜂の数も少ないため「余計な威嚇や闘いを好まない」という性質があります。

ヒメスズメバチの巣にいる働き蜂はせいぜい数十匹ほどで、日本にいるスズメバチの中でも巣の規模は最小です。

ちなみに他のスズメバチ同様、ヒメスズメバチも花の蜜や樹液を好みます。そのため花壇や庭木がある家では姿を見かけやすい傾向にあります。

ヒメスズメバチの毒は比較的弱いが、油断は禁物

ヒメスズメバチには他のスズメバチと同様に毒があります。毒性はほかのスズメバチよりは弱めですが、針が太いため強烈な痛みも伴います。

また刺された場合はアナフィラキシーショックにより命の危険にさらされることも。そのため比較的穏やかな性格をしているからといって、油断してはいけません。

万が一刺されてしまった場合は患部を流水に当て毒を絞り出しましょう。その後すぐに皮膚科を受診してください。

ヒメスズメバチの攻撃性が上がるのはいつ?活動時期を解説

蜂と花

ヒメスズメバチは攻撃性が比較的低いため、被害件数の最も少ないスズメバチです。しかし毒針を持っており人を刺す危険性があることには変わりありません。

ヒメスズメバチによる被害を避けるためには、以下の情報を知っておくことが大切です。

  • 活動サイクルや最も攻撃的な時期
  • ヒメスズメバチが発する警戒のサインについて

具体的に確認していきましょう。

ヒメスズメバチの活動サイクル・危険な時期を知ろう

ヒメスズメバチの活動時期は5~9月にかけてです。

活動内容 危険度
5~6月
  • 女王蜂1匹が巣作りを開始する
  • 巣が大きくなると、女王蜂が産卵を開始する
低い
6~8月
  • 働き蜂が羽化する
  • 働き蜂が巣を大きくしていく
  • 巣が急激に大きくなる
8~9月
  • 新しい女王蜂が生まれる
  • 働き蜂が攻撃的になる
  • 新女王蜂は交尾後、巣を離れ越冬する
高い

  • 巣から5m以内に近づいてはいけない

普通のスズメバチは11月頃まで活動を続けるのに対し、ヒメスズメバチの活動時期は短めです。

なぜ活動時期が短いのかというと、餌であるアシナガバチの活動時期と連動しているから。

アシナガバチの活動時期は、4~5月から始まり10~11月まで続きます。つまりアシナガバチの活動が活発になる頃にヒメスズメバチが活動を開始。そしてアシナガバチが少なくなる前にヒメスズメバチは活動を終える、というサイクルになっているのです。

関連記事:アシナガバチの巣への対処方法!ハチの生態や被害が増える時期も解説 | ミツモア

ヒメスズメバチが警戒サインを出していたら要注意

ヒメスズメバチの巣に近づくと働き蜂がやってきて警戒サインを出します。わざと羽音が聞こえるように人の近くを飛んだり、顎を「カチカチ」と打ち鳴らしたりするのが警戒している証しです。

警戒しているヒメスズメバチは5mほどの距離まで近づいてくることも。この時に手で払ったり急な動きをしたりせず、ゆっくりと巣から遠ざかることが大切です。

ヒメスズメバチの駆除・対策【温厚でも油断は禁物】

蜂の巣駆除

ヒメスズメバチに巣を作られてしまったら、なるべく早く駆除しましょう。また巣が作られていなかったとしても、以下の場合は対策を講じなければいけません。

  • 毎日のようにヒメスズメバチが飛んでいるのを見かける
  • ヒメスズメバチかどうか判別は付かないが、毎日何らかのスズメバチが飛んでいる

巣がある、またはあるかもしれない場合は、基本的に専門のハチ駆除業者に依頼するのがおすすめです。自分でやろうとすると刺されてしまう危険性があり、以下のようなケースでは周りに被害が及ぶことも考えられます。

  • 小さい子供がいる
  • 頻繁に通る場所に巣がある
  • 隣家や通行人に被害が及ぶ可能性がある

ハチ駆除専門業者の費用相場は以下のようになっています。

  • スズメバチ:9,000円~
  • アシナガバチ:5,000円~

※巣の規模などの危険性を総合的に判断して金額が決まります。

ヒメスズメバチの場合は大体1万円程度はかかると考えておきましょう。

ちなみに自治体によっては駆除費用の補助制度があることも。制度の有無や制度内容は自治体によって異なるため、駆除業者との契約前に確認することが大切です。

関連記事:蜂の巣駆除にかかる料金はどのくらい?費用相場や、安く済ませるポイントをチェック|ミツモア

自力でヒメスズメバチを駆除するときの対策

危険性を考慮した上で自力で駆除したい方は、刺されないように対策をしっかりし、身なりを整えたうえで駆除に当たりましょう。7月以降は比較的温厚なヒメスズメバチでも攻撃的になるので、自力で駆除を行うのであれば、6月までに行ってください。

駆除するときに最低限揃えておきたい装備は以下のとおりです。

  1. 殺虫剤
  2. 長袖・長ズボン
  3. 手袋
  4. タオル
  5. 帽子
  6. ゴミ袋
  7. メガネまたはゴーグル
  8. 虫取りあみ、または長い棒

殺虫剤

殺虫剤はスズメバチを駆除するときに必要不可欠です。スズメバチ専用の殺虫剤を使いましょう。おすすめの殺虫剤は上画像の「スズメバチマグナムジェット」です。

長袖・長ズボン

一番大切なのはなるべく肌を露出しないことです。シャツをズボンにタックインすることも忘れないようにしましょう。

スズメバチ全般に言えることなのですが、黒い服を着ると攻撃対象とみなされてしまうので、なるべく白い服を着用してください。

手袋・タオル・帽子

こちらも長袖・長ズボンと同じ理由で、白い生地のものでなるべく肌を出さないように覆ってください。タオルは首を守るだけでなく、汗を拭くときにも大いに役立ちますよ。

ゴミ袋

蜂の巣を駆除するときに欠かせないのがゴミ袋です。蜂の巣の大きさに合わせて、なるべく大きいものを選択しましょう。袋はたとえ新品でも穴が空いていることがあるので、最低でも二重に重ねることをおすすめします。

メガネまたはゴーグル

意外と忘れがちなのがメガネやゴーグル。こちらも目を保護するために欠かせません。なるべく視野を広く持てるものを使用しましょう。スキーゴーグルは視野が広い上に隙間もなく使いやすいですよ。

虫取りあみまたは、または長い棒

スズメバチの巣は身長より高い位置にあることも多く。手が届かないことが考えられます。

理想的なのは脚立や椅子を使って届きやすい位置まで持ってくることですが、脚立や外で使える椅子がない場合は、虫取りあみや長い棒が役立ちます。

蜂の巣をゴミ箱に入れる動作もスムーズに行えるので、なるべく巣に触れたくない方にもおすすめです。

駆除後はヒメスズメバチに巣を作られないように予防しよう

巣の駆除後は以下の対策を実施しましょう。

  • 4月ごろから定期的にハチよけスプレーをまいておく
  • 花壇や庭木は定期的に手入れを行う

イモムシなどがいる庭にはアシナガバチが来やすいので、ヒメスズメバチもつられて来やすいのです。そのため殺虫スプレーをまくだけでなく、花壇や庭木の手入れも予防に有効な手段となります。

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