講演会・セミナー・イベントの写真撮影は会場の雰囲気、演者の魅力、来場者の賑わいなど、写真に残したいポイントがたくさんあるものです。
撮影した写真も記録用、広告用、SNS用など、用途は多岐にわたります。
一度きり、その日その場を写真として残す大切なイベントの撮影。失敗しない撮影のポイントとともに、プロに依頼した際の費用などを解説いたします。
初めてでも大丈夫!講演会・セミナーの写真の撮影方法
講演会の撮影を頼まれたけど、趣味はカメラではないし、プライベートでも写真は携帯電話でのみという人は多いのではないでしょうか。しかし会社や仕事の講演会の撮影は意外な大仕事。そんなはじめての人も分かりやすく、失敗しない講演会の撮影方法を細かくみていきましょう。
講演会・セミナーの前にしておくべき3つの撮影準備
1.講演受講者に了承を得る
講演会やセミナーで写真を撮影する際、事前に必ずやっておきたいのが参加者への確認です。ある程度、規模の大きなイベントになると、数十人以上参加者が集まるので、募集要項に写真撮影がある旨、撮影した写真をWebに掲載する旨を記載しておくとよいです。
後になって確認すると作業が煩雑になりますし、最悪の場合は、確認をとることすら困難になります。せっかく撮れた良い写真を無駄にしないためにも、必ず準備しておきたい項目です。
2.構図を考える
何も考えず適当に講演会を撮影していると、余計に撮影を難しくしてしまいます。講演会には鉄板といえる構図がいくつか存在するので、事前に予習しておきましょう。
・講師やゲストの説得力のある写真
・盛況をアピールできる参加者の写真
・参加者の表情がわかる写真
これらの構図は、講演会やセミナーの撮影において基本中の基本です。撮影テクニック云々以前に、これらの鉄板構図を外しているようでは、良い写真を撮影できないので注意しましょう。
また、セミナーの性質を理解して構図を考えることも重要です。少し堅めのセミナーなら、真剣な表情を多くする。逆に親近感やアットホームをアピールしたいなら、笑顔を多くするといった具合です。
3.当日も受付を利用して二重チェック
講演会の撮影を事前告知していても、すべての参加者がそれを確認しているわけではありません。中には、見落としている人もいるはずなので、当日は受付などを利用して、写真を撮影してWebに掲載して良いかの最終チェックを実施しましょう。
講演会・セミナー最中の3つの撮影ポイント
1.写真は高さで印象が変わる
講演会の写真では会場の様子を伝えなければなりません。被写体の様子を客観的に伝えるためにはハイアングルがおすすめだといわれます。
そのため、会場全体の様子を伝える写真では、通常のアングルよりも少し高い位置から撮影しましょう。これだけでも、ずいぶん印象が変わるものです。
また、その際におすすめのアイテムが脚立で、3段程度の物なら、数千円くらいから購入可能なので、写真撮影に備えて常備しておくと便利です。逆に講師は、水平アングルもしくは、ややローアングル気味に撮影すると、説得力や凄みをアピールできます。
2.講演会の賑わいをアピール
講演会の写真には、イベントの価値を伝える意味もあります。その尺度には、「どのくらい賑わっているか」が使われることが多いです。イベントの予定が数日に渡る場合は、その中で最も参加者が多い日を選びましょう。
また、賑わいをアピールするためには、撮影ポジションにも気を配る必要があります。例えば、一列目に空席が多いなら、一列目をあえて省き、二列目から撮影するといった具合です。さらに、多少の空席なら撮影時に自社のスタッフを利用して、埋める方法もあります。
3.講演会の講師が人気のように見せる
講演会の価値は、講師やゲストが何を伝えてくれるのかに集約されます。これを写真で表現するためには、表情を工夫するしかありません。被写体が講師の場合は、自信のある表情を狙いましょう。
また、表情プラス身振り手振りを撮影して、躍動感のある写真を目指すのもおすすめです。
被写体が参加者の場合は、参加者の真剣な表情を撮影したり、複数人の笑顔を撮影するとよいです。さらに、イベントの性質を考えて、講師の笑顔を撮影したりするのもおすすめで、これだけでも会場との一体感がグッと増します。
講演会・セミナーの4つの撮影テクニック
1.講演会は会場の後ろから撮影する
講演会やセミナーの写真を思い浮かべてみると、必ずと言ってよいほど後ろから会場全体の様子がわかる写真があるはずです。この後ろからの撮影は、会場の盛況ぶりをアピールするのにおすすめで、不思議なことに多少の空席があっても、大入りな感じが演出できます。
2.高い位置から講演会を撮影する
講演会の全体像を撮影したい場合は、後ろ撮影すると共に、高い位置から撮影するというテクニックがあります。これも大入りな感じを演出するのに役立つので覚えておきましょう。
逆に低い位置から撮影してしまうと、ある程度会場が広い場合、奥まで見渡すことができません。ここに不安感を覚える人もいるため注意してください。
3.講演会の部屋全体を撮影する
上で紹介したテクニックは、会場の全体像を見る人に伝えるためのものでもあります。そのため、講演会の撮影の際には、なるべく部屋全体を撮影するように心がけましょう。また、部屋全体を撮影する場合は、空席の塊を作らないように、開始前に上手く席を誘導しておくとよいです。
4.講演者は色々なアングルから撮影
人の顔は千差万別です。そのため、ベストアングルは人によってまったく異なってきます。講演者は、イベントの顔でもありますので、それぞれの場面で、色々なアングルから撮影しておきましょう。
左右、上半身など、いくつかのアングルから撮影して、その中からベストアングルを選びます。ちなみに、接写気味でローアングルから上半身をメインに撮影すると、説得力や臨場感を演出できます。
Q:500人規模のセミナーのスナップ撮影の場合、カメラは何台くらい必要ですか。
A:このような規模になりますとカメラを手持ちで二台、三脚で望遠レンズを200mmを固定し合計3台使っています。手持ちカメラの一台のうちズームレンズを付け、記録的に逃すことがないように撮影をします。手持ちのもう一台は単焦点レンズを付けこの日一番のいい写真を狙う。このような撮影でやっています。(回答:井村写真事務所 y-miura 三重県)
井村カメラマンは、伊勢志摩を拠点に井村写真事務所を経営。撮影仕事として30年の経験と実績を持つカメラマンです。地元の大手有名ホテルや有力企業などの販促撮影に現在も携わり、スタジオ撮影、建築や雑誌取材、和装やドレスの経験はもちろんの事、VIPの随行カメラマンとしての業務も多方面から支持を得ています。人物、料理、雑誌広告、ネイチャー作品やスポーツ他、とにかく幅広く被写体に対応できる写真家です。
講演会・セミナー撮影で押さえておきたいポイント
ここまでは、講演会の講師と参加者という視点からの撮影のポイントやテクニックを紹介してきました。ここからは撮影方法や構図以外について説明していきます。
講演会・セミナー以外で撮影すべきポイント6つ
1.乾杯の場面などもおさえる
会場全体の写真や講師の写真だけでは、なんとも味気ないものになってしまいます。講演会に加えて、会食があるイベントでは、必ず乾杯の場面などを撮影しましょう。
2.歓談タイムは、楽しい様子もおさえる
歓談タイムが用意されているなら、その様子を撮影しましょう。真剣に聞き入る写真の他に、笑顔で談笑する写真が加われば、イベントのバリエーションをアピールでき、より「楽しそう」「楽しめそう」と思ってもらいやすいはずです。
3.看板や受付も忘れずに
講演会の看板や受付の写真があれば撮影しましょう。いかにも大々的なイベントという感じをアピールできます。ホテルなどの会場を貸し切って開催するなら、かなり豪華な看板や受付を設営してくれたりもします。看板や受付は講演会やセミナーのワンポイント写真として、お決まりなので絶対に忘れないようにしましょう。さらに、イベント準備を進めるスタッフの様子がわかるような写真をプラスするのもよいかもしれません。
4.ホワイトボードの内容
ホワイトボードなど講演会に関連する特定のアイテムを撮影するのもおすすめです。ホワイトボードに書かれたタイトルや見出し+講師のセットも良いでしょう。逆に、内容が事細かく書かれたホワイトボードの文字をアピールする方法もあります。文字の他に、図式やグラフなどで説明する場面も加えると、内容の充実度を演出できます。
5.来場者の手元
講演会では資料を配り、手元を確認しながら進行していくことも多いです。そんな来場者の手元を撮影するのもおすすめです。資料を撮影したり、参加者がメモする姿を捉えるのもよいでしょう。
6.記念品など
講演会ではノベルティグッズを配ることもあるでしょう。これらの小物の撮影もおすすめです。他にも、記念の花束などもおすすめで、記念品は一通りおさえておきましょう。
講演会・セミナーの記録は、写真だけでなくビデオでも!
見ている人を参加する気にさせる講演会の写真の撮り方を確認してきました。しかし、いくら基本をおさえた写真を撮影しても、ライバルに競り負けてしまうこともあります。その理由のひとつがビデオ撮影で、実際の講演会の様子を動画で紹介されてしまっては、説得力で負けてしまうのです。そのため、講演会やセミナーの撮影を考えるなら、ビデオ撮影も選択肢として考えておく必要があるでしょう。
説得力がある
静止画と動画では、どちらが説得力があるか。これを考えてみれば、セミナーをビデオ撮影するメリットも理解できるはずです。思い切って講演内容の一部を収録してしまえば、見た人に続きを気にしてもらえます。講師や参加者の雰囲気も、写真に比べ、より鮮明に伝わるでしょう。
興味をひきやすい
現代人は、動画から情報を得るのに慣れているので、単純に写真よりビデオの方が見ている人の興味をひきやすいです。また、撮影した動画を動画共有サイトに投稿して、そこからの流入を狙えるというメリットもあります。
講演会・セミナーで撮影した映像をDVDにできる
講演会は、参加料で利益を上げる方法があります。さらに、内容を動画で撮影している場合は、それをDVD化して販売する方法も考えられるでしょう。このため、画像ではなく動画で残すことにより、選択肢を広げられます。
プロに頼む!講演会・セミナーの撮影費用相場
より質の高い映像、写真を残したいと思い、プロのカメラマンに撮影依頼する方もいるかもしれません。
そんな方のために実際どれくらいの費用がかかり、何にお金がかかっているのかを簡単に解説していきます。
またミツモアでプロのカメラマンに見積もりしてもらった事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
撮影を依頼した時の料金相場
内訳・追加オプション | 費用相場 |
---|---|
2時間撮影(タイトルテロップ、シーンカット込) | 30,000~60,000円 |
動画編集 | 10,000~40,000円 |
ワイヤレスマイク追加 | 5,000円~ |
ナレーション追加 | 30,000円~ |
カメラマン追加 | 20,000〜30,000円 |
BGM追加(1曲) | 10,000円 |
1時間追加毎 | 5,000~15,000円 |
この表がおおよその講演会・セミナー撮影費用の相場になっています。
オプション次第では料金が高くなりますが、撮影と簡単な編集のみであれば安く抑えることができます。
また性能の良いカメラでの撮影だったり、編集レベルによってはプラスで費用がかかるのでしっかりと見積もりを出してもらい予算に抑える必要があります。
ミツモアでの見積もり例1: 28,000円
見積もり金額:28,000円 | |
ゲスト人数 | 21~50人 |
撮影時間 | 1時間 |
内訳 | 撮影料、出張費、照明機材費、データ料 |
こちらの見積もりは比較的規模の小さいセミナーでの撮影費用になります。
もし編集だったり、オプションを追加することになると、追加で費用が必要になります。
ミツモアでの見積もり例2: 73,000円
見積もり金額:73,000円 | |
ゲスト人数 | 101~150人 |
撮影時間 | 9時間 |
内訳 | 撮影料、出張費、照明機材費、データ料、静止画 |
こちらはさきほどの見積もりのケースよりも規模が大きくなります。
この規模になってくるとカメラ台数だったり、カメラマンの人数を増やすオプションを進められる可能性がありますね。
より全体的に撮りたい場合はカメラや人数の追加の可能性も頭に入れておきましょう。
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