突然、イベントの撮影をお願いされてしまったら?
普段、気軽に身の回りのことを撮影しているあなたでも、イベントの記録としての撮影となると、どうしよう、と不安になるのは自然なことかもしれません。あらかじめ注意を払うべきポイントさえ押さえておけば、納得のいく撮影ができるはずです。
そのためのコツを伝授します!
イベント撮影の事前準備のポイント
イベントやセミナーなど、当日の風景をレポートとして記録撮影する機会は多いもの。
参加者だけでなく、現場にいなかった人にも当日の様子がイキイキと伝わるような写真を撮影するコツとは?
イベントの前にどのような準備をするかによって、当日の撮影もスムーズになりますし、伝わりやすく見やすい写真にすることができるはずです。
写真撮影の許可をとろう
「肖像権」という言葉をご存じでしょうか?
イベントの撮影をする際、参加している方々の許可を得ないで写真を撮影すると「肖像権の侵害」となるケースがあります。そうした写真を印刷したりネット上で公開することも避けなければなりません。
まず、イベントの始まる前に講師やスタッフに事前に撮影する旨を伝え、撮影許可をとりましょう。
「肖像権」があるのはイベントの中心となる講演者やスピーカーといった主役だけではありません。
会場には聴衆、参加者もいます。意図しなくてもいろいろな人が映り込むことがありえますので、撮影について事前に告知することが必要になります。
イベントが始まる前にすべきこととして、まずは参加者全員に「カメラによる撮影がありますのでご了承ください。もし不許可という方がいたらお知らせください」ということを知らせましょう。
遅れてくる人がいたり人数が多くて全員の意思を確認できないような場合もあるかもしません。そのような場合を想定し、受付にて「撮影しないでほしい人」を確認できるようにしておくことも一案です。具体的には、受付時に撮影してよいかを確認し、会場内で撮影されたくない人が一目で判別できるよう、腕章や名札等を渡して表示してもらいます。
撮影不許可の人がいる場合、その撮影方法としては、現場での撮影はできるだけ聴衆の背後に回って、スピーカー中心に撮影するよう心がけること。
顔を映さないようにするだけでなく、撮影後に改めて映像を点検し、必要であればトリミングなどの処置をすることも大切になります。
写真撮影をする前の準備しよう
イベントの概要を把握することによって、撮影プランも立てやすくなります。当日のスケジュールについて段取りを確認しておきましょう。
撮影の会場はどれくらいの広さか。どの程度、明るいのか。椅子、テーブルなどの配置はどうか。
当日の自分の動線をイメージしておきましょう。
カメラの位置どり、どこから撮影するといいのかといったことも、ざっくりと定めておくと楽です。もし可能であれば、事前に現地視察・ロケハンしておくと安心ですね。
記録以外にも役立つ撮影のポイント
いよいよイベント当日。イベント撮影の開始です。良い写真を撮るために押さえておくとよいポイントがいくつかあります。
主役をひきたてる写真を撮影しよう
イベントの記録にもなる撮影ですから、何よりもイキイキとした会場の雰囲気が伝わる写真を残すことが大切です。
まず、中心となる主役スピーカーや講師の表情を捉えるところから撮影を始めましょう。
正面からだけではなく自分が移動して斜めから、あるいは真横からなど、バリエーションをつけて撮影しておくと、記録としてまとめる時にも変化が生まれます。
カメラにズームレンズがついているのであれば、さまざまな画角を使って撮っておきましょう。
主役の表情のアップを撮るだけでなく、手の動き、マイクを持つ様子なども含めて全身のカット、身振り等が映り込んだ写真もあると臨場感が生まれます。
ズームレンズを使うと、広角から望遠までいろいろな撮影をすることができます。
例えば広い範囲を画面に収めたい時には、広角にします。遠くにいる対象を大きく写したい時は、望遠にします。ズームレンズには数字がついていて、小さい数字が広角、大きい数字が望遠となります。
壇上の主役だけを撮るのではなく、会場の人々と組み合わせ撮るカットなどもあるとよいでしょう。
会場の雰囲気を伝える撮影を
イベントの開始直後はスピーカーも会場の参加者も緊張しがちで、表情も硬くなります。
少し時間が経つと雰囲気に慣れてきて、にこやかな表情が出たり、笑いがこぼれたりしますので、慌てずじっくり待ちながら、たくさんのカットを撮影することを心がけましょう。長時間のイベントなどではつい冒頭の方でたくさん撮影してしまい、後半はあまり撮らないといったケースになりがちですが、会場の雰囲気や表情は刻々と変化していくので、まんべんなく撮っておくと、仕上がりに違いが出てきます。
カメラマンの役割をする時には、遠慮せずに最前線に出て撮影することも大切です。
同時に、他の人の迷惑にならないよう、撮影時以外は身をかがめたりしてできるだけ他の参加者の視線を遮らないようにしたいものです。
撮影者が配慮していることが伝われば、「カメラが邪魔」というクレーム等もなくなりますし、参加者の人たちがむしろ自分たちの記録のために苦労してくれている、という理解につながります。
流れがわかるような写真の撮影を
イベント当日のスケジュール、流れがわかるように、要所シーンの写真をおさえておくことも、後日記録として整理する際に役立ちます。
スピーカーや出し物が変わったりする局面では一カットずつ撮影し、流れがわかるようにしておくとよいと思います。
あわせてイベント会場全体を含めた写真も忘れずに撮影しておきましょう。
受付のイベント看板や参加者、主催者の概要など、記録のための情報もあわせてメモ撮影しておくと便利です。行事などイベントのテーマがはっきりしている場合は、その要素も写り込むようにします。飾り付けや参加者の服装、テーブルセッティング、看板のメッセージなど、写真を見たら一目でそのイベントの意味や様子が伝わる、という点が重要です。
イベントの規模、会場への誘導の様子、当日の天候、周囲の環境といったこともメモ写真としておさえておくと、例えば翌年同じイベントを準備する時に、会場設定について参考になったり、記憶を振り返る道具として役立ちます。
イベントの写真撮影のポイント
撮影に「自信が無い」という人に特に心がけていただきたいのは、「とにかくたくさん撮る」ということです。
どうしてもシャッターを押す時に手ぶれしたり、話す方が動いたりするものなので、上手く撮影できたと思っても、必ずしもそうなっていないことがありえます。
しかし、たくさんシャッターを押しておけば、偶然撮ったつもりのカットが想像以上に素晴らしい写真になっているといったことも起こります。遠慮しないでたくさん撮りましょう。
イベントの撮影中にはカメラで写真の削除はしないようにしたいものです。間違って必要な写真を削除しまうリスクも無いとはいえません。また、削除している間にシャッターチャンスが到来し、タイミングを逃してしまうリスクもあります。
写真の選別は急がず、イベントが終わってから行う方が安全です。そのためにも記録用のメモリーは容量の大きいものを事前に準備するとよいでしょう。
ストロボ撮影については、好天候時の屋外ではあまり必要ではありませんが、顔が帽子などで影になってしまう状態なら、日中シンクロ(ストロボ強制発光)にするときれいに撮影できます。
屋内でも、照明があればフラッシュを使わなくても撮影できます。
会場内に明かりが少なく暗いなど心配な時は、フラッシュを活用します。その際に、目前からフラッシュを人に当ててしまうと、背後に影ができたり、赤目になったり、不自然に色が白く飛んでしまうことがありますので、壁から少し離れた位置に立ってもらい、少し斜めの角度から光らせましょう。ある程度影を消すことができます。状態をカメラのモニターで確認しながら撮るとよいかもしれません。
また、外付けフラッシュがあれば活用して、光を壁などに当ててバウンドさせると柔らかい光となり、影もできずに撮影できます。
角度を工夫しよう
イベント会場がぎっしり埋まっていることもあれば、時には空席が目立つイベントもあるでしょう。
空席部分が映らないように画面を切り取る工夫をすれば、賑やかな満席の雰囲気に見せることも可能です。
常に角度を考えながら、撮影することが大事になります。
できあがった画像を思い浮かべ、「何をどのように見せたいのか」「どんなアウトプットにしたいのか」を考えつつ角度や構図を決めるとよいでしょう。
イベントの写真撮影をプロに任せるなら!
いかがでしたか。やってみたいけれど自信がない、時間的な余裕がない、人材がいない、といった事情があるかもしれません。イベント撮影をプロカメラマンに頼むこともあわせて考えておきたいという方のために、 以下、プロに頼むための情報も紹介します。
プロカメラマンに頼む時の相場
イベント・パーティー写真撮影の相場
35,000円
標準相場
22,800円
リーズナブル
55,300円
プレミアム
プロカメラマンに撮影を頼む場合、1時間単位、半日、1日などさまざまなケースがありますが、例えば都内であれば1時間15000円~20000円あたりが一応の相場と言えるでしょう。
しかし、撮影の点数やかかる時間によっても料金に幅が出てくることが考えられます。アシスタントの有無、持ち込み機材、アウトプットする写真の点数や加工によっても料金は変わってきますので、事前に見積もりをとることが必要です。
依頼する時のポイント
見積もりを出してもらう際に、具体的にどんな撮影を希望するのかの要点を具体的に、そして正確に伝えることが大事になってきます。
なんとなくイメージしたことが伝わっていると思っていたら、想定とは違う写真があがってきてしまったりすることもありうるからです。
そうしたトラブルを避けるには、できるだけ依頼者が抱いているイメージをカメラマンに正確に伝えましょう。そのためには主たる撮影対象は何か。写真の用途は。必要な点数は。納期は……といったボイントを、 具体的に列挙するとよいと思います。
また、ラフなイメージ図を描いて見せたり、こんな写真が欲しいといった例を見せる、というのも互いのイメージのズレを修正するには有効です。
費用ついて心配がある時は、あらかじめ予算を提示して、その中でどのような撮影ができるのか、といった相談の仕方もあります。
ミツモアでカメラマンに撮影を依頼しよう!
会社の式典や記念イベント、セミナー・講演会・シンポジウム、コンサート・ショー・展示会、学生団体のパーティーや友人との誕生日会… 記録に残しておきたい瞬間はたくさんあります。
ミツモアでイベント撮影のカメラマンに依頼してみてはいかがでしょうか。