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社会保険の傷病手当金とは?支給日や申請方法まで徹底解説!

最終更新日: 2019年12月12日

労働者が病気やケガで休んだ場合に社会保険から給付される傷病手当金などの公的制度があります。療養中の労働者やその家族の生活費にもなる大切な給付金です。

しかしこれらの給付金制度は支給条件や支給金額の計算方法が複雑で、傷病手当金のどの制度を正確に理解できていない人も多いはずです。

この記事では、支給日や申請方法など傷病手当金について分かりやすく解説していきますので、しっかりと理解して正しく申請・受給できるようになりましょう。

社会保険の傷病手当金とは

社会保険の傷病手当金って何?

社会保険にはいくつかの種類があり、各々の保険制度から様々な保険給付が支給されます。

健康保険から支給される傷病手当金もその1つです。しかし、他の社会保険から支給される保険給付の中には、似たような名称や似たような事由で支給される給付金もあります。それらと傷病手当金を混同すると、申請手続きを間違ってしまうかもしれません。

まずは傷病手当金がどのような保険給付なのかを理解していきましょう。

社会保険としての健康保険

労働者が働けなくなったり収入がなくなったりしたときに、生活に困らないように給付金を受け取れる制度が社会保険制度です。社会保険制度には健康保険や厚生年金保険などいくつかの保険制度があり、保険料をきちんと納付するかわりに、もしもの場合に必要な補償を受けられる仕組みになっています。

そして健康保険も社会保険の1つで、「労働者又はその被扶養者の業務災害以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行う」ための制度です。

健康保険の傷病手当金

健康保険からは「病気やケガに関する給付」「死亡に関する給付」「出産に関する給付」が支給されます。このうち「病気やケガに関する給付」の1つとして支給されるものに傷病手当金があります。

病気やケガで会社を休み、十分な報酬が受けられない場合に支給されます。休業中の労働者やその家族の生活を支えてくれる大切な給付金です。

また、健康保険以外から支給される保険給付の中で、傷病手当金と混同しやすいものが2つあるので注意が必要です。

健康保険の傷病手当金と混同しやすいもの

健康保険以外でも傷病手当と支似た支給制度があります。

1つ目が労災保険の休業(補償)給付です。これは病気やケガを理由に支給される点では健康保険の傷病手当金と同じですが、病気やケガの原因が「業務災害・通勤災害」であるときに支給されます。健康保険の傷病手当金が支給されるのは、あくまで病気やケガの理由が「業務災害以外」の場合です。

病気やケガの原因が何であるかによって、健康保険と労災保険のどちらから保険給付を受けるのかが変わります。申請方法なども変わってくるので注意が必要です。

2つ目は雇用保険の傷病手当です。これは健康保険の傷病手当金と名前が似ていますが、公共職業安定所に求職の申込みをしている人が、病気やケガなどにより働けない状態となったときに、失業給付の代わりに受けることのできる保険給付です。違うものなので混同しないようにしましょう。

傷病手当金を受給するための4つの条件

傷病手当金の支給条件を確認しましょう!
傷病手当金の支給条件をチェック!

病気やケガになれば無条件で傷病手当金が支給されるわけではありません。傷病手当金を受給するためには条件があるので、全ての条件を満たしているのかを確認する必要があります。

支給条件を勘違いしていて傷病手当金をもらえなかった場合、生活設計が狂ってしまって困ることにもなりかねません。以下では傷病手当金の支給条件を1つずつ解説していきます。

業務外でのケガや病気で療養していること

健康保険の傷病手当金が支給されるのは業務外の理由で病気やケガをした場合です。業務災害や通勤災害による場合は労災保険の給付対象となるので、健康保険から傷病手当金は支給されません。

仕事に就くことができないこと

労務不能であることも傷病手当金の支給条件の1つです。例えば、営業で外回りをしている人が足を骨折して営業ができない場合などが該当します。 

仮に病気やケガの内容が全く同じでも、仕事に就ける状態かどうかの判断は仕事内容によって変わります。

同じく足を骨折した場合でも、事務職でパソコン操作が主な仕事であれば就労可能と判断されて傷病手当金が支給されない可能性があります。

つまり、普段の仕事内容と照らし合わせた上で就労の可否が判断されるということです。

連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと

病気やケガになっても1日や2日で職場に復帰した場合には傷病手当金は支給されません。「連続した3日間の待期期間」があることが条件であり、支給されるのは休業4日目からです。

どのような場合に「連続した3日間」として判断されるのか、この点を正しく理解しておかなければいけません。以下では具体的なケースを用いて確認していきたいと思います。

傷病手当金の待期期間の考え方(引用:協会けんぽ)

1番上のケースでは、連続して3日間休んだ日がないため待期期間は完成していません。傷病手当金を受給することはできないケースです。

2番目と3番目のケースはともに連続した3日間の待期期間があるので、傷病手当金が支給されることになります。ただし、傷病手当金の支給対象になるのは「労務不能の期間」であり、出勤した日は支給されません。待期期間が完成した後に1度出勤している2番目のようなケースでは、その後に就労できず仕事を休んだ日から傷病手当金が支給されることになります。

なお、待期期間は報酬の有無は問われないので有給休暇も含みますし、公休日も含めてカウントします。これらも含めて連続した3日間があれば待期期間が完成します。 また労務不能の期間はその状態になった日から計算されますが、業務終了後からその状態になった場合には翌日起算となります。 

同一の傷病に対して待期期間は1回で良いことになっています。待期期間が完成した後に1度労務に服して再度その傷病を理由に休業した場合でも、再び待期期間を完成させる必要はありません。 

休業期間中の給与の支払いがないこと

働けなくて十分な収入がない場合に生活に困ることがないように支給されるのが傷病手当金です。そのため療養期間中に会社から給料をもらっている場合には傷病手当金は支給されません。

ただし、会社から支払われた給料の金額が傷病手当金の金額よりも少ない場合は、その差額が支給されることになります。

傷病手当金の支給額

傷病手当金 支給額
傷病手当金の支給額を計算

支給される傷病手当金の金額は、病気やケガで療養している労働者の給料の額や療養期間中の給与支払の有無などによって変わってきます。

支給額を計算する上では様々な要素を考慮する必要があるので、原則となる計算式はもちろんのこと、傷病手当金の額が減額されるケースも含めて理解しておくことが大切です。以下では具体的な計算事例も交えながら、傷病手当金の支給額の計算方法を解説していきます。

支給額の計算方法

支給開始日以前12ヵ月間の各標準報酬月額の平均額」の30分の1に相当する額(10円未満四捨五入)を3分の2(1円未満四捨五入)した金額が1日につき支給されます。

標準報酬月額に関しては以下の協会けんぽのホームページから確認できます。

参考:平成31年度保険料額表(平成31年4月分から)|協会けんぽ

支給開始前の期間が12ヵ月に満たない場合

勤務してから1年経っていない労働者が療養した場合など、支給開始日前に標準報酬月額の定められた月が12ヵ月に満たない場合は、次の2つの金額のうち少ない額の3分の2に相当する金額が支給されます。

・支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均額の30分の1

・支給開始日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を基準にして定めた額の30分の1

2つ目の「全被保険者の同月の標準報酬月額を基準にして定めた額」は、協会けんぽのホームページで確認できます。支給開始日が2019年度の場合は、「基準にして定めた額」が30万円なので、1日に支給される傷病手当金の額は、

10,000円×2/3=6666.6…円

6,667円となります。

傷病手当金の金額

それでは具体的な事例を使って傷病手当金の金額を計算します。ここでは支給開始日が平成28年6月1日で、支給開始日以前に12ヵ月の標準報酬月額がある場合を考えます。

傷病手当金 支給額 計算
傷病手当金支給額の計算例

この場合には12ヵ月の各月の標準報酬月額を合算して計算することで、次のように計算できます。

(26万円×2ヵ月+30万円×10ヵ月)÷12ヵ月×1/30×2/3=6,520円  ※1/30したときに10円未満で四捨五入して計算

つまり支給開始日以降に1日あたり6,520円の傷病手当金を受け取ることができるということです。

報酬の一部を受けた場合の傷病手当金

療養期間中に報酬が支給された場合には、その分だけ傷病手当金が減額されることになります。このようなケースについても具体的な事例を使って確認してみましょう。

例えば、支給開始日が平成28年6月1日の先程の事例において、休業した場合でも1日あたり3,000円の給料を支給することが会社で規定されていたとします。

その場合には傷病手当金がその分だけ減額されることになるので、傷病手当金の支給額は以下のように計算できます。

6,520円-3,000円=3,520円

また、休業期間中に通勤定期代などの手当が支給された場合も、傷病手当金は減額されます。この場合には1日あたりの通勤定期代を計算した上で傷病手当金から引くことになっていて、暦日数に関わらず30で割って計算します。

通勤定期代として15,000円/月が支給された場合、1日あたり500円なので傷病手当金も500円減額されることになります。 

傷病手当金の支給日

傷病手当金はいつからいつまでもらえる?
傷病手当金はいつからいつまでもらえる?

ここまで社会保険の健康保険から支給される傷病手当金について詳しく解説してきました。

ではこの傷病手当金は、申請から支給までどれくらいかかるのでしょうか。仕事に就けない期間の生活の安定をはかるためにも、支給に関するスケジュールをきちんと知っておきたいですよね。

本章では傷病手当金の支給日と支給スケジュール、支給が遅れる場合の理由と対応方法について詳しく解説します。

傷病手当金の支給日はいつから?

社会保険である健康保険の傷病手当金の申請は、賃金の締日ごとに行います。これは、申請書の事業主が証明する勤務状況と関係しており、土日・休日を含む賃金計算期間の状況を証明して申請するからです。未来の日については医師が労務不能と証明していても申請できません。数カ月分をまとめて申請することもできますが、基本的に毎月申請します。

【例えば賃金締日が末日の会社の場合】

20日から翌月10日まで就労不能であったなら、翌月1日以降に20日から末日までを申請し、翌月1日から10日までの分は翌々月1日以降に申請。

申請してから支給されるまでは、審査があるため一概には言えませんが最短で10日ほどで指定した口座に振込まれてきます。

傷病手当金が支給されるスケジュール   

傷病手当金が支給されるスケジュールは基本パターンが決まっていて日々振込まれるものではありません。振込日は平日の10日・20日・末日です。支払日が休日であれば直前の金曜日となります。振込前には金額と振込日が記載されている支給決定通知書(振込通知書)が届くほか、通知書が届かない場合は個別に問い合わせることもできます。

健康保険給付の年内支払いについて(宮城支部)
健康保険給付の年内支払いについて|宮城支部(引用:けんぽ協会宮城支部)

年末のように休日が続く場合は、金融機関の最終営業日となります。けんぽ協会では、都道府県の支部によりサイトで傷病手当金の支払についての案内をしている場合もあり確認することができます。他にもメルマガで案内している支部もあります。

健康保険給付金のお支払について
健康保険給付金のお支払について|岡山支部(引用:けんぽ協会岡山支部)

傷病手当金の支給が遅れる理由

傷病手当金は申請し審査を受けて支給が決定されます。けんぽ協会の支部によっては申請から支給日までを10日以内としている場合もありますが、審査が長引けば1カ月から2カ月かかることもあります。

審査が長引く理由は書類の不備や内容についての確認が主です。私が事業主証明欄について過去に問い合わせを受けただけでも以下のような内容があります。

  •  事業主が証明した勤務状況の内容確認
  • 賃金計算期間内の支払額についての確認(日割給与について)
  • 通勤費の支給について(欠勤などを勤務確定後翌月精算するため勤務実績がないのに給与がマイナスとなったなど)

他にも、本人記入欄の振込先記入もれや医師の証明した労務不能期間と申請期間の不一致などがありました。申請前に確認してから提出すれば審査が長引く可能性は低くなるでしょう。

傷病手当金の支給が遅れた時の対応方法

傷病手当金の支給が遅れた時の対応としては申請した協会に確認することです。しかし実務的には、けんぽ協会から内容の確認の連絡が入ることが多いように思います。

申請した社員に代わって問い合わせをいれたこともありますが、申請が多く順次処理しているという回答で不備や確認事項があれば連絡しますという返答でした。

逆にけんぽ協会から問い合わせの連絡が入った場合は早急に対応しましょう。対応が遅れた分だけ支給が遅くなってしまいます。

傷病手当金の支給期間

待期期間が完成した後の支給開始日から最長で1年6ヵ月間支給されます。1年6ヵ月が経過すると、引き続き仕事に就くことができない状態だとしても支給されなくなるので注意が必要です。 

また、途中で職場に復帰して出勤した後に同じ病気で再び休んだ場合でも、途中の出勤期間も含めて1年6ヵ月となります。再度休み始めた日を基準にして1年6ヵ月受給できるわけではありません。

傷病手当金の申請手続き

傷病手当金の申請方法をチェック
傷病手当金の申請方法をチェック

病気やケガで休んで傷病手当金を受け取りたい場合には色々と手続きが必要です。単に休んで待っていれば傷病手当金が勝手に振り込まれるわけではないので、申請の手続きや流れを知っておかなければいけません。 

会社への報告や各種必要書類の準備・作成・提出など、実際に傷病手当金の支給を受けるまでの流れを紹介していきます。

勤務先への報告

まずは勤務先へ報告する必要があります。病気やケガで休む報告だけでなく、傷病手当金の申請をする際の事業主による証明書を依頼する必要があります。 

また、傷病手当金を申請するため待期期間をいつから作るのか有給をどのように使うのかどうかなど、こういった点を会社側と相談して決める必要もあります。

書類の作成

傷病手当金の支給を受けようとするときは、「傷病手当金支給申請書」を作成し、提出する必要があります。 

受給者自身が記入・作成する書類だけでなく、事業主や医師に作成を依頼しなければいけない書類もあります。依頼をしてから作成までに1週間以上かかる場合もあるので、早めに依頼することが大切です。 

傷病手当金支給申請書は以下の協会けんぽのホームページからダウンロード可能です。

参考:健康保険傷病手当金支給申請書|協会けんぽ

さらに、ケースによっては他の書類も必要になる場合があります。例えば、交通事故など第三者行為によってケガをした場合には「第三者の行為による傷病届」も提出しなければいけません。ケースごとの必要書類も上記の協会けんぽのホームページで確認することができますが、書類の記入の仕方や必要書類が分からない場合には、社会保険の専門家である社会保険労務士に相談すると良いでしょう。

書類の提出

必要書類が揃ったら会社を経由して協会けんぽ又は健康保険組合に提出することになります。その後、支給・不支給が決定されると支給決定通知書又は不支給決定通知書が届きます。 

実際に傷病手当金が指定口座に入金されるまでには2~3週間かかることが多いようです。書類を郵送して数日で傷病手当金が振り込まれるわけではありません。早めに提出することが大切です。

療養が長期にわたる場合の手続き

傷病手当金の支給申請には、事業主による給与の支払状況の証明書の添付が必要です。療養期間が経過した後に事業主に証明してもらって書類を作成・提出する流れになりますが、療養が長期にわたる場合、期間を全て終えてからまとめて申請すると実際に支給されるのが相当遅くなってしまいます。 

そのため、1ヵ月単位で給与の締切日ごとに申請すると良いでしょう。そうすれば、1ヵ月ごとに傷病手当金が振り込まれ、生活設計がしやすいので安心です。 

保険給付を受けられる権利の時効

健康保険から受けられる保険給付の時効は2年と定められています。傷病手当金の場合には1日ごとに時効が計算され、労務不能だった日ごとにその翌日が時効の起算日となります。

例えば、労務不能だった期間が2018年8月15日~同年8月31日のケースであれば、この期間中の8月20日の傷病手当金の時効の起算日は8月21日、時効を迎えるのはその2年後なので2020年8月20日です。この日までに請求する必要があります。 

逆に言えば過去に請求し忘れていた場合でも、時効を迎えていなければ請求できる可能性があります。過去に病気やケガで休んだことがあり、傷病手当金の受給条件を満たしているのに申請していなかったケースがあれば、申請してみるとよいでしょう。 

健康保険傷病手当金支給申請書の書き方

申請書の記入方法

続いて傷病手当金支給申請書の記入方法について解説します。申請書の書き方を間違えると傷病手当金を受け取るまでに時間がかかることがあります。少しでも早く受け取るには正しい記入方法への理解が欠かせません。 

支給申請書は協会けんぽのホームページからダウンロードできます。

参考:健康保険傷病手当金支給申請書|協会けんぽ

従業員・事業主・医師がそれぞれ記入する箇所に分かれているので、受給者本人だけでなく経営者・人事担当者も含めて記入方法を理解しておくことが大切です。

従業員が記入する箇所

従業員が記入すべき用紙は2枚あります。

1枚目は従業員自身の情報を主に記入する用紙になります。

傷病手当金支給申請書 書き方
傷病手当金支給申請書(1枚目)

「被保険者証の記号・番号」:保険証に記載された番号を左詰めで記入します。

「振込先指定口座」:本人名義の口座を記入します。ゆうちょ銀行の場合は振込専用の店名(漢数字3文字)・預金種目・7桁の口座番号を記入します。

「受取代理人の欄」:受取代理人が会社の場合など、振込先指定口座の名義が被保険者のものではないときに記入します。

「マイナンバー」:①で被保険者証の記号・番号を記入した場合、マイナンバーの記入は必要ありません。記号・番号の代わりにマイナンバーを記入する場合、本人確認書類及び番号確認書類の添付が必要となります。

なお、被保険者が亡くなり相続人が申請する場合は氏名欄には相続人の氏名を記入します。住所と振込口座についても同様で、相続人の住所・振込口座を記入します。

2枚目は病名や療養期間など、支給の理由となる病気やケガについて具体的に記入する用紙になります。

傷病手当金支給申請書 書き方
傷病手当金支給申請書(2枚目)

⑤:ケガの場合は「負傷原因届」の添付が必要です。

「療養のため休んだ期間」:休日や有給休暇等も含めて療養のために会社を休んだ期間を記入します。記入の際には事業主と医師にも確認し、認識相違がないようにしましょう。

「仕事の内容」:なるべく具体的に仕事内容を記入します(例えば、事務員ではなく「経理担当事務」や「プログラマー」など)。

⑧:精算されなかった通勤定期代等も含まれるので注意しましょう。

事業主が記入する箇所

3枚目の事業主記入用と記載された用紙は、勤務状況や賃金の支給有無について事業主が記入する用紙になります。

傷病手当支給申請書 書き方
傷病手当金支給申請書(3枚目)

「勤務状況」:労務に服すことができなかった期間を含む賃金計算期間について、出勤した場合は「◯」、欠勤の場合は「/」、有給の場合は「△」、公休日の場合は「公」と記入します

「給与の種類」:該当する種類を選択して記入。正社員などで固定給かつ欠勤によって給与がひかれる場合は、「日給月給」を選択します。

「単価」:基本給や諸手当の通常単価を記入します。

「支給額」:その賃金計算期間内に実際に払われた賃金(休業によって減った額)を基本給や諸手当ごとに記入します。

「賃金計算方法」:⑫で記入した賃金の支給状況がわかるように、賃金の計算方法や欠勤控除の計算方法を記入します。

医師に記入してもらう箇所

4枚目の療養担当者記入用と記載された用紙は、医師に記入を依頼する用紙になります。

傷病手当支給申請書 書き方
傷病手当支給申請書(4枚目)

病名や初診日、治療内容など、病気やケガに関する詳しい内容を医師に記入してもらうことになります。受診日からあまりに経過してから依頼すると労務不能の判断をしてもらえない場合があるので、早めに依頼することが大切です。 

退職後に傷病手当金を受給する場合

傷病手当金 退職
退職した後でも傷病手当金はもらえる?

健康保険から支給される給付金は、被保険者として保険料を支払っている期間に給付されるのが原則です。しかし、退職などで被保険者としての資格を喪失した後でも傷病手当金を受給できる場合があります。

どのような場合に受給可能なのか、以下で分かりやすく解説していきます。

在職中から引き続き給付を受けられる場合

社会保険 傷病手当金 退職
資格喪失後の傷病手当金の給付(引用:協会けんぽ)

次の2つの条件を満たしていると退職後も引き続き傷病手当金を受給できます。

・資格を喪失した日の前日(退職日など)まで引き続き1年以上被保険者(任意継続被保険者を除く)であったこと

・資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていること

上記の条件を満たしていれば支給日から最長で1年6ヵ月までは受給することができます。ただし、資格喪失後に仕事ができる状態になった場合、その後に再度労務不能の状態になったとしても再び傷病手当金の支給を受けることはできません。また、退職日に挨拶や身辺整理などで数時間出勤する方がいますが、この行為により退職時には就業可能であると判断され、退職後の継続給付が受けられなくなるケースがあります。どうしてもという場合は、会社に欠勤や有給扱いにしてもらうようにしましょう。

退職後に給付を受け始める場合

「資格を喪失した際に傷病手当金の支給を受けていること」が条件の1つであると書きましたが、これには「労務不能で傷病手当金を受給する権利があるが、会社から報酬が支払われていて傷病手当金の支給が全額ストップしていた場合」も含まれます。

つまり、たとえ在職中に傷病手当金が支給されていなかったとしても、支給要件を満たしていた場合には退職後も支給の条件を満たしているものとされます。

この場合には在職中には傷病手当金は支給されていないため、退職日の翌日から傷病手当金が支給されることになります。

退職日以降の期間について傷病手当金を申請するときは事業主の証明は必要ありません。しかし、退職後の初回申請には退職日を含む在職期間が含まれているため事業主の証明が必要となります。そのため初回申請は会社を経由して(協会けんぽ・健康保険組合などに)申請するのが一般的ですが、会社に事業主の証明をしてもらい、本人が手続きすることも可能です。

任意継続被保険者の場合

任意継続被保険者の期間中にケガを負ったり、病気になったりしたとしても、傷病手当金の支給申請を行うことはできません。

ただし、退職等で資格喪失した際に傷病手当金を受給していた、もしくは受給できる要件を満たしていた場合には傷病手当金を引き続き受給することができます。

傷病手当金の支給調整

傷病手当金と他の給付金が調整されるケース
傷病手当金と他の給付金が調整されるケース

これまで傷病手当金の支給条件について基本的な仕組みを説明してきました。しかし健康保険から傷病手当金以外の給付金をもらっている場合や、他の社会保険制度から何らかの給付を受けている場合には、もらい過ぎを防ぐため支給額の調整が行われることがあります。

具体的には以下で紹介するような給付金を支給されている場合が調整の対象となります。全ての給付金を全額もらえるわけではないので注意が必要です。 

出産手当金を受けている時

健康保険の出産手当金を支給されている場合には傷病手当金は支給されません。ただし出産手当金の額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。

障害厚生年金または障害手当金を受けている時

同一の疾病又は負傷を理由として厚生年金保険法の障害厚生年金を支給されている場合には傷病手当金は支給されません。 ただし障害厚生年金の額を360で除した額が傷病手当金の額より少ないときは、その差額が支給されます。 

また同一の疾病又は負傷を理由として厚生年金保険法の障害手当金を支給されている場合には、その者がその日以後に傷病手当金の支給を受けるとした場合の傷病手当金の合計額が障害手当金の金額に達する日までの間、傷病手当金は支給されません。 

労災保険から休業補償給付を受けている時

同一の疾病又は負傷を理由として労災保険の休業補償給付を支給されている場合には傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の額が傷病の額より少ないときは、その差額が支給されます。

社会保険の傷病手当金について:まとめ

社会保険 傷病手当
社会保険の傷病手当金についてのまとめ

傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に生活を保障してくれる大切な給付金です。制度内容や申請手続きについて正しく理解しておくことをおすすめします。

もちろん療養し始めたばかりの期間は有給扱いにすることで会社から給料をもらうことができる場合もあります。しかし有給の日数は限られており、療養が長期に渡った場合には、傷病手当金が生活を支える唯一の収入になる可能性も高くなります。

協会けんぽの調査によれば、平成29年10月時点で協会けんぽから傷病手当金を受給している人の平均支給期間は162日です。病気やケガになると療養期間が長期になることも多く、傷病手当金がいかに大切な給付金であるかも分かると思います。

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