除草剤をまくのはいつがいい?
液体タイプは4月~10月、粒剤タイプは2月~3月と9月~10月の年2回まくとよいでしょう。
除草剤は液体タイプと粒剤タイプどちらがいい?
すでに雑草が生えている場合は液体タイプを、生え始めや予防に使いたい場合は粒剤タイプを使うとよいでしょう。
液体タイプは4月~10月、粒剤タイプは2月~3月と9月~10月の年2回まくとよいでしょう。
すでに雑草が生えている場合は液体タイプを、生え始めや予防に使いたい場合は粒剤タイプを使うとよいでしょう。
除草剤と一口に言っても、液体タイプや粒剤タイプなどの種類に分かれており、効果も異なります。どんな効果を期待しているのかによって除草剤を使い分ける必要があり、適切な選び方が大事です。
液体タイプの除草剤は「今雑草が多くて困っている」という悩みを持った人に最適。除草効果が現れるのが早い点が特徴だからです。
この液体タイプの除草剤はさらに「接触型」と「移行型」に細かく分類されます。
薬剤がかかった部分だけ枯れるタイプは接触型、雑草全体を枯らすのは移行型です。特定の場所をピンポイントですぐに枯らしたいときは接触型を、広範囲を枯らしたいときは移行型を使うとよいでしょう。
また液体タイプは雑草に直接作用することから「茎葉処理型」と呼ばれています。
粒剤タイプの除草剤は「これから雑草が伸びてくるのを止めたい」という場合に適しています。効き目が直ちに現れるわけではありませんが、効果が長持ちするのです。
効果の持続期間は、短いものでも3ヵ月、長くて半年ほどが目安です。ちなみに効果が現れるまでは、1週間ほどかかります。
また粒剤タイプは土壌に作用することから「土壌処理型」と呼ばれています。
除草剤には大きくわけて「液体」と「粒剤」の2種類があり、それぞれ使い方が少し異なります。
用法用量や撒く手順が違うので、それぞれのタイプに分けて説明していきます。
除草剤を撒く場所は除草剤のタイプによって異なります。効果を正しく発揮するためにも、使用場所には注意しましょう。
液体タイプの除草剤は浸透が早く効果も高いので「この場所だけ除草したい!」というところにピンポイントで撒きましょう。
液体タイプは雑草に直接作用するため、場所を限定して使えることが大きな特徴です。枯らしたい植物の葉に振りかけて染み込ませることで、その植物だけに影響を与えられます。
粒剤タイプは土に染み込むことで、長時間かけてじっくりと効果を発揮するものです。雨に流されて思いもよらぬ場所まで影響することがあります。そのため、撒くのに適した場所は、建物の隙間や駐車場・周囲に畑がない庭などです。
また、粒剤タイプは雑草の予防をしたいところに撒くのも効果的です。雑草が生える前に散布しておけば、除草効果が持続的に作用して発芽を防いでくれます。
除草剤の散布量は除草効果を発揮するために大切なポイントです。無駄なく使用するためにも、散布量を事前に把握しておきましょう。
液体タイプの散布量は、葉の表面が軽く濡れる程度でOKです。土に落ちたものは成分が分解される性質があるため、土を濡らしても効果はありません。緑色の葉部分にしっかりかかるように散布しましょう。
粒剤タイプは大体1㎡に対し10~40g撒きます(雑草の種類や量によっても変わります)。計量容器がついていなければ、自分の手ではかりましょう。個人差はありますが、成人が手袋をした両手でお椀を作ると20g~30g程度。処理する場所に必要な量をはかり、ボウルなどの容器に入れておきます。
粒剤・粉タイプの除草剤は、最初から丁寧に撒くと途中で薬剤が不足してしまうこともあります。少量でも効果がある商品が多数ですので、処理する範囲全てに除草剤が行き渡るように考えながら撒きましょう。
液体で原液タイプの除草剤は、希釈して使います。一般的には50倍に薄めて使いますが、振りかける植物によって希釈濃度が変わります。「これを枯らしたい」という対象の植物があれば、何倍に希釈すべきかを先に調べておきましょう。さまざまな植物が生えている場所を、全面的に除草したいというときは50倍にするのがおすすめです。
希釈するときには、噴射機があればそれに原液と水を入れましょう。なければジョウロやバケツで代用するのがおすすめです。50倍に希釈するのであれば、原液の50倍の量に当たる水道水を入れます。ただしこのとき、水が多めになると効果が減ってしまいます。心配であれば、ちょっと濃い目に水と原液を混ぜ合わせてください。
ちなみに、用水路の水や泥水は使わないようにしてくださいね。濁った水では成分が上手に混ざらず、効果にムラが出るからです。
粒剤・粉タイプの場合は、希釈せずにそのまま撒いてしまって大丈夫ですよ。
除草剤の撒き方の手順は以下の通りです。
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枯らしたい植物が狭い範囲内に生えている場合、全体が濡れるように撒きましょう。また広い範囲に生えている場合はムラが出ないように「S」の字型に撒くのがおすすめです。
横に移動しながら撒いたら一歩後ろへ下がり、また端から端まで移動しながら撒くのを繰り返すイメージです。撒いた箇所はできるだけ踏まないようにしましょう。
また非選択性の除草剤を使っている場合は、大切な植物の周辺には撒かないことをおすすめします。
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粒剤タイプを使用する場合は草を刈ってからか、まだ雑草が生えていない状態で除草剤を撒きましょう。表面に雑草が茂っていると、地中に効果がうまく届かず、効果を最大限に発揮できなくなってしまいます。
1度目は縦方向に除草剤を撒き、終われば次は横方向から撒くようにすればムラなくできますよ。
粒剤はボトルから直接撒けるものもあります。キャップを外してボトルを逆さにし、ボトルを左右(もしくは上下)に振って粒剤を撒きましょう。手で行う場合は必ずビニール手袋をしてくださいね。
せっかく除草剤を買ってまき方を覚えても、いつ使えばよいのかを知らないと効果を最大に発揮させることはできません。散布するタイミングはいつが適切なのでしょうか。
除草剤を散布するタイミングはタイプごとに異なります。正しい時期に散布すれば、除草剤の効果を最大限に発揮することができます。
液体タイプの散布時期は春から秋、4月から10月あたりが適期です。
この時期は雑草が大きく成長するタイミングです。液体タイプの除草剤の場合、葉っぱや茎から薬剤が吸収されて作用するため、雑草がある程度育ってから使用する方が高い効果が期待できます。
1度の散布では処理しきれない場合もあるため、4月~10月の間で2回程度の散布を繰り返すとよいでしょう。
粒剤タイプの散布時期は2月~3月と9月~10月の年2回です。
粒剤タイプであれば、逆に雑草が生えていない状態での散布が最も効果的です。土壌に成分が作用して雑草を枯らすため、雑草が生えている状態だと効果が十分に発揮できません。
雑草が生えている場合は、草刈りを終えてから使用するようにしましょう。
除草剤は、晴れているときにまきましょう。「除草剤をまくのに天気が関係あるの?」と不思議に思う人もいるかもしれません。しかし、雨の日に除草剤を使うと、せっかくの除草剤が浸透しないまま雨水で流れてしまう恐れがあります。液体タイプの場合は、散布した後6時間ほど日光に当てて乾かすことが望ましいです。
また「作業前日の天気も気をつけた方がよいか」という疑問も浮かぶでしょう。基本的には、雨上がりに散布しても効果を得られます。粒剤タイプを使用する場合、前日に雨が降って地面が湿っていれば、薬剤が吸収されやすくなりむしろ効果的です。
除草剤の効果がいつからいつまで出るかを見ていきましょう。
タイプ | いつから | いつまで |
液体 | 約2~3日後 | すぐに終わる |
粒剤・粉 | 約2週間後 | 3カ月~半年程度 |
液体タイプは即効性が高いのが特徴です。散布後染み込むまでは1時間~6時間。その後効果が出てから切れるまでが早いので、同じ場所に別の植物を植えることも可能です。
液体タイプは振りかけた植物のみを枯らし、土の中の種子までは枯らしません。そのため掘り起こさずに放置しておけば、2週間程度でその種子からまた雑草が生えることもあります。
粒剤タイプは即効性はないものの、持続時間が長いのが特徴です。散布後染み込むまでは10日前後。撒いた後の除草効果は、長いと半年くらい持続します。ちなみに、その周辺にある植物にまで効果が影響するので、注意してくださいね。
除草剤の間違った使い方も紹介します。
除草剤を使用する際にはこれらの注意点を意識して、効果を最大限に発揮できるようにしましょう。
用途に合わない除草剤を使うと、効果がうまく出ない可能性があります。
液体タイプ (茎葉処理型) |
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粒剤タイプ (土壌処理型) |
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液体タイプは現在生えている雑草の葉の表面に振りかけることで効果を発揮。土に触れると効果がなくなるため、これから生える雑草には効果がありません。予防には適さないので、注意してくださいね。
一方で粒剤タイプは雑草ではなく土に振りかけて使用します。雑草に振りかけても効果を発揮しないので注意しましょう。また持続時間が長いため、予防目的での使用に適しています。
撒いた後に効果が出ないからと言って、何度も撒き直すのはNGです。除草剤は商品によって効果が現れる時間が異なることもよくあります。
例えば即効性がある液体タイプの除草剤でも、今日撒いて明日枯れるものもあれば、数日間はかかるというものもあります。パッと見は葉に何の変化もなく、まだ青々としているという場合でも、植物の中にはしっかりと薬剤が染み込んでいるはずです。1週間程度は待ちましょう。
効果が見えないからと何度も除草剤を撒き直すと、除草剤が無駄になるだけでなく土に負担がかかります。
除草剤は大変便利な道具ですが、安全対策が取れているかどうかや近隣への配慮ができているかなど、使用する時に注意しなければいけない点がいくつかあります。
除草剤を使用する時は、なるべく皮膚を晒さないようにすることが安全対策の第一歩です。必ず長袖の服を着るようにしましょう。暑くなるからといって、半袖で作業するのは推奨できません。
また、メーカーによっては安全性の高さをうたっている除草剤もありますが、全ての除草剤が高い安全性を持っているわけではありません。そもそも、雑草というのは生命力に長けている植物ですので、その雑草を枯らすことができる薬剤だと考えれば、その成分が強力であることは容易に想像できます。
除草剤が皮膚にかからないよう注意を払い、万が一皮膚に除草剤がかかってしまった場合には直ちに洗い流すことが大切です。
除草剤は便利な道具ですが、使い方によっては近隣に影響を及ぼす可能性があるため、使用の際には配慮が重要です。隣の家の草木を枯らしてしまったり、洗濯物を汚してしまったりといったトラブルが起きないよう、散布方法や天候に注意しなければいけません。
また、仮に安全性の高さを売りにしている除草剤を使った場合でも、人によっては「近隣に害があるのではないか」と心配するかもしれません。風邪やウイルスが流行しているときに咳き込んでいると、マスクをしていても警戒されるのと同じです。事前に除草剤を使うことを伝え、了承を得ておくと安心でしょう。
トラブルを防ぎ、除草剤の効果をしっかり発揮させるためには、使う場所や環境を確認することも大事です。
たとえば、急な斜面で除草剤を使うとどうなるかをイメージしてみましょう。平坦な土地であれば薬剤がその場に留まりやすいですが、土地の傾きが大きいほど、薬剤が下の方へ流れやすいため、周囲への影響を考える必要があります。
除草剤を扱う際におすすめの服装や、作業に役立つ道具を解説します。特に除草剤を均一に散布するのに使用する機械は、除草剤の種類によって異なるため、よく確認しましょう。
作業時にはどのような服装をすればよいのでしょうか。ポイントを簡潔にまとめると「なるべく肌を出さない」の一言に尽きます。前述の通り、薬剤が皮膚に直接触れるのを防ぐため、長袖の服を身に着けるようにしましょう。
他に準備が必要な小物として、手袋やマスクなどが挙げられます。首にまきつけたり、時には汗を拭いたりするときにも使えるので、タオルがあるとなおよいでしょう。作業時は思っている以上に体を動かすため、汗をかくことも少なくありません。作業後の着替えをあらかじめ用意しておくとさらにスムーズです。
靴は動きやすければ特に縛りはありませんが、足首が出やすいローカットのスニーカーなどは避け、長靴のような足をしっかり覆うタイプの靴を履いた方が安心です。作業後の衣類や靴には薬剤が付着しているため、しっかり洗濯をしましょう。
除草剤を均一に散布したい時に便利な道具として、噴霧器と散粒機の2つがあります。
噴霧器には、安価ですが自力でハンドルを回す必要がある「手動式」、軽くて体への負担が少ない「電池式」、電池や燃料が不要な「充電式」、そしてコンセントにコードを差して動かす「電動式」などの種類があります。
散粒機にも同様に「手動式」「電動式」がある他、手で振ることで散布するタイプの「ハンディ式」もあります。噴霧器と散粒機いずれも、電動の方が楽ですが手動よりも高価で一長一短です。
用途やタイミングに問題がないにもかかわらずあまり効果が現れないという場合は、他の原因が考えられます。
原因の1つとして挙げられるのが、散布がしっかりとできていないということです。
たとえば、場所にマッチしていない薬剤を使っているケースです。液体タイプは葉っぱの部分に使うことで効果が得られるのに対して、地面に使っているパターンがこれに当てはまります。反対に粒剤タイプは地面にまくことを想定して作られたものですが、葉っぱに使っている場合は効果が得られません。
除草剤の種類に合った場所に散布するということを意識しましょう。
2つ目に考えられるのが、除草剤を薄める水や、除草剤をまく葉っぱや土の汚れです。
不衛生な水や濁りのある水を使った場合、葉っぱや土が埃で汚れている場合は、薬剤がその汚れに吸着してしまうため、十分に枯れさせることができないケースがあります。
最後におすすめの除草剤をそれぞれのタイプで紹介しておきます。
希釈する必要がなく、そのまま使えるシャワータイプ。手間がかからないため初心者には特におすすめです。
また、雨との相性が良いのも嬉しい点。効果が出るのが早く、散布した翌日から枯れ始めます。根までもしっかりと枯らしますが、土への悪影響はほぼありません。
さまざまな雑草に効果があり、効果持続は約半年と長めです。1㎡あたり30gが適量。つまり少量で済むため、広範囲に撒くのに向いています。
既に生えている場所のみならず、予防目的にも有効です。
また次の記事では、おすすめの除草剤をタイプ別に9種類紹介しています。除草剤選びの際にはあわせて参考にしてみてくださいね。
除草剤を使うときは、まず用途に合ったタイプの除草剤を選ぶことが大切です。今茂っている雑草を枯らせたいのか、これから生える雑草を防ぎたいのかという目的によって液体タイプ・粒剤タイプを使い分けましょう。散布時期や場所も考えつつ、適切な濃度で均一になるよう散布すれば、望んだ効果が得られるはずです。
庭の手入れに困っている方や、除草剤を使ったことがない方は、ぜひ参考にしてみてください。