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塩化カルシウムを使った除草の問題点とは?安全な対策も紹介

最終更新日: 2024年06月28日

融雪剤として使用される塩化カルシウムは除草剤としても使えます。しかし多くの弊害があるため、雑草の除去方法としては推奨されません。塩化カルシウムでの除草にはどのような問題点があるのでしょうか?代わりに使える安全な雑草対策も紹介します。

除草に使える?塩化カルシウムとは

塩化カルシウム

塩化カルシウムが除草剤としても使われる場合があるのは、なぜなのでしょうか?まずは塩化カルシウムの特徴や代表的な用途を理解しておきましょう。どのような仕組みで植物を枯らすのかも解説します。

融雪剤として使われる化合物

塩化カルシウムはカルシウムとナトリウムでできた化合物です。水に溶けるときに大量の熱を発するため、融雪剤として広く使用されています。

水が凍る温度を下げるのも塩化カルシウムが持つ働きのひとつです。30%の濃度で塩化カルシウムが混ざった水は-55℃の温度になるまで凍結しません。この現象は「凝固点降下」と呼ばれており、塩化カルシウムが凍結防止剤としても使われる理由です。

塩化カルシウムは人体に無害で、食品添加物としても利用されています。薬剤での除草に不安がある人の間で、除草効果も期待できる物質として注目を集めるようになりました。

植物を枯らす効果が高い

塩化カルシウムと植物を接触させると、塩をまいたときと同じような現象が起こります。塩にも塩化カルシウムにも植物の水分をなくす作用があり、これが植物を枯らす原因です。

水は浸透圧によって濃度の高い方へ移動する性質があります。塩や塩化カルシウムが植物に触れたとき、細胞の中にある水分が外に出て行ってしまうため枯れるのです。

しかし塩化カルシウムを庭にまくと、雑草だけでなく塩化カルシウムに接触したすべての植物が枯れてしまいます。除草に使いたいと考えている人は、起こりうる弊害も知っておかなければなりません。

塩化カルシウムで除草するリスク

塩化カルシウムを除草剤として使うとき心配なリスクは、雑草以外も枯らしてしまう性質だけではありません。どのような弊害が起こるのかをよく知って、雑草対策の方法を考えましょう。

植物が生えない土壌になる

塩化カルシウムを除草剤に使うときの大きな問題点は、植物を枯らす作用が土壌に残ってしまうことです。塩化カルシウムは土の中で分解されないため、植物の根から水分を奪う効果が半永久的に続いてしまいます。

雑草が生えてこなくなるのは大きなメリットですが、ほかの植物にも影響がおよんでしまう点には注意しなければなりません。一度まいた塩化カルシウムは庭木や作物・花など、あらゆる植物が生えない土壌を作ってしまうのです。

とくに長く植物を育てたい畑や庭で、作物や花が生えなくなるデメリットは大きいでしょう。

住宅や配管にダメージを与える

塩化カルシウムを除草に使うデメリットのなかでも、住宅や配管に影響を与えるのが「塩害」です。塩(塩化ナトリウム)が付着すると酸化して設備にサビがついたり、腐食したりといった劣化を引き起こします。

鉄筋コンクリートのように強度がある材質でも、塩害に遭うと劣化してしまう点に注意しなければなりません。塩害は塩素イオン(Cl-)があれば起こるため、塩化カルシウムも塩害の原因になります。

庭の除草に塩化カルシウムをまくと、住宅の基礎や地中の配管を劣化させてしまう恐れもあるのです。

近隣にも影響が出る

塩化ナトリウムの量が多ければ周囲の土地にも流れだし、影響を与えてしまう可能性があります。雨水とともに塩化カルシウムの成分が流れ出て、近隣の庭や畑の植物を枯らすケースもあるでしょう。

塩化カルシウムを含む水が流れ込んだ田畑では、作物が健康に育ちません。河川や地下水に入り込んだ場合は、さらに影響をおよぼす範囲が広がります。

近隣トラブルの原因にもなるため、塩化カルシウムを使った除草は特別な理由がない限り避けるのが賢明です。

塩化カルシウム以外の安全な除草対策

塩化カルシウムで雑草対策をしたいと考える場合、除草剤の化学成分に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?塩化カルシウムの散布以外も除草剤を使わない方法があります。代表的な雑草対策を二つ押さえておきましょう。

熱湯をかける

薬剤を使わない除草方法としてあげられるのが、熱湯で雑草を枯らす方法です。熱湯をかけるだけで雑草を枯死させられるため、手軽に取り入れられます。できるだけ高温の状態でかけられるよう、直前に沸騰させておきましょう。

作業をするときはやけどに注意します。地面に広がって足に熱湯がかかる可能性もありますので、雑草がある場所の状態をあらかじめ確認しておくと安心です。

熱湯で表面の雑草が枯れても、根が地中に残ってしまうのは難点です。しばらくたつとまた雑草が生えてきます。何度もお湯をかけなければならず面倒という人は、どうしても避けたい理由がない限り除草剤を使ったほうがよいでしょう。

防草シートを使う

植物が成長するには「光」「空気」「水」の3要素が必要です。ひとつでも欠けると生命力の強い雑草も育ちません。雑草の成長をおさえたいなら「防草シート」を活用しましょう。

防草シートとは雑草を生やしたくない場所に張って、光を遮断するシートです。光が届かない場所ではもちろん雑草は育たないため、庭をきれいな状態に保てます。

最初から雑草が生えにくい状態を作っておけば、草むしりや除草剤の散布に手間をかける必要もありません。

塩化カルシウムを使った除草は避けよう

融雪剤として活躍する塩化カルシウムは、塩と同じように雑草から水分を奪って枯らす効果がある化合物です。しかし他の植物も枯らしてしまうほか植物の生えない土壌に変える、住宅を塩害で劣化させるといったデメリットがあります。

塩化カルシウムの成分が雨水で流れ出すと、近隣にまで被害をおよぼす事態になりかねません。熱湯を使った除草や防草シートを活用した雑草予防など、塩化カルシウム以外の雑草対策を考えましょう。

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