「トイレがつまったけど、ラバーカップ(すっぽん)がない！」
最終更新日: 2023年09月06日
すぐに直したいのに……。そんなときは、家庭にある「食品用ラップ」でつまりを解消できるかもしれません。
この記事では、ラップで解消できるつまり・トイレの種類を解説しつつ、具体的な手順を紹介します。
食品用ラップでトイレのつまりを解消できる？
ラップが効果的なのはどんなとき？
食品用ラップを使ってつまりを解消しようと思ったとき、効果があるかどうかを判断する基準は、ラバーカップ(すっぽん)を使うときと同じです。
- 水に溶けるものがつまっているとき
- 壁内や床下の排水管が原因ではないとき
- 温水便座ではないとき
ラップを使ったつまり解消法は、便器を水で満たして、水圧で押し引きする原理です。そのため、効果を発揮できるのは「水溶性のモノがつまったときだけ」だと覚えておきましょう。
大量のトイレットペーパー、大きめもしくは硬めの排泄物・嘔吐物など、水溶性のものであれば除去できるケースが多いです。
またトイレの配水管は、壁内や床下で、家全体の排水管と合流しています。この排水管の方につまりの原因があるときも、ラバーカップや食品用ラップでは解消できません。
温水便座の場合には、便器の形状が特殊なのでラップを密着させることが難しいです。便座を分解すればラップの取り付けが可能ですが、わざわざ分解するくらいなら業者に依頼したり、専用道具を利用するほうがラクです。
トイレつまりの原因の見分け方は、以下の記事を参考にしてみてください。
ラップでつまり解消できる原理
食品用ラップを使ってつまりを解消できる原理をおさえて、的確に対処できるようにしましょう。
先に軽く触れたように、原理はラバーカップ(すっぽん)と一緒です。
ラバーカップの仕組みをまとめると、以下。
- 排水口をカップでふさぎ、真空状態になる
- 真空状態で押し引きするので、水が動く
- 水が動くので、つまりの原因が引っ張られる
カンタンに言えば、排水口を密閉することで生まれる圧力によって、つまりの原因を水ごと動かすという仕組み。
ラップの場合には、排水口だけでなく便器全体を密閉することで、水圧が生まれる状態を作ります。
ラップでつまりを解消する方法・手順
※画像はイメージです。実際には便座を上げておく必要があります。
食品用ラップを使ってトイレのつまりを解消する方法・手順を以下にまとめます。ちなみに次の見出しでデメリットと注意点についても解説しているので、実践するときにはそこまで把握しておくのがオススメです。
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トイレのフタと便座を上げ、便器全体を隙間なくラップでおおいます。ラップを惜しまずに、隙間なく重ねて巻きつけることが重要です。
便器の大きさにもよりますが、10枚以上を重ねるのが目安です。圧力の効果を最大限にするため、たるまないよう「ピンッ」と貼りましょう。
もし水が漏れる不安があれば、ラップを取り付けた部分を養生テープなどで補強しておきましょう。とにかく便器内を密閉するのが大切です。
そして水を流し、ラップが膨らむので、その中央を手でグーッとゆっくり押しましょう。つまりが解消されるまでこれを繰り返します。このとき水位が下がってきたら、またレバーを回し、水を流しましょう。
作業終了後は、ラップをトイレに流してはいけません。必ずゴミとして捨てましょう。
ラップを使うデメリット・注意点
ラップを使ってトイレつまりを解消するときは、以下の点に注意しましょう。
- ラップと便器との隙間を作らない
- ラップ同士の隙間を作らない
- 温水便座(ウォシュレットつき)の場合には、便座を取り外す
- 水溶性でない異物には使わない
ラップでつまりを解消するときの最大のデメリットは、隙間から水が漏れてしまう危険性があることです。ラップが膨らむまで水を溜めるので、ラップが外れたり、ラップ同士の隙間があいたりすると大惨事に。
また温水便座の場合には、ウォシュレットが付いている部分に出っ張りがあります。この部分のせいでラップを密着させるのが難しいので、別の方法を試すのがよいでしょう。ただし、便座ごと取り外せるのであればラップでの解消もできます。
水溶性でないつまり原因への使用も控えましょう。たとえば子どものおもちゃなどの異物は、圧をかけることでトイレの排水管に押し付けられ、損傷させてしまうのです。
問題なさそうにも思えますが、生理用品やオムツなどの吸水性が高いものにもラップを使うのはNGです。これらに水圧を使うと、奥に押し込められて、逆に取り出すのが大変になってしまいます。
専門業者に依頼したほうが安心・安全
ラバーカップなどの専門の道具がないから「仕方なくラップを使う」という方がほとんどだと思います。
しかし上記で紹介したようなリスクを冒すよりは、「仕方なく業者に依頼する」というほうが安心・安全ではないでしょうか？
トイレのつまりを業者に依頼するときは「所要時間30分、1万円程度の費用」が目安です。費用はかかりまうが、素早く、そして的確に直してくれるのは大きなメリットです。
逆に、自分で対処した結果としてつまりが悪化すると、相場以上に費用がかかってしまうことになりかねません。
ラップ以外に、代用品になるものは？
ラップはラバーカップの代用品として使うことができます。これ以外にはどんな方法があるのか、以下にまとめます。
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ペットボトルも、ラバーカップの代用品として使うことができます。底の部分をカットすることでラバーカップと同じ形状にして、排水口で押し引きするという使い方です。
また針金のハンガーは「ワイヤーブラシ」の代用品になります。伸ばして排水口の奥に入れ、つまりを削り取ることが可能です。
クエン酸と重曹は、どちらかと言えば普段のお掃除に便利です。軽いつまり程度なら、解消できるかもしれません。
また酸性の薬剤は、「尿石除去剤」というものを使います。これは、つまりの原因が尿石などの汚れの蓄積のときにしか効果がないので、注意する必要があります。
これら代用品の詳しい内容は、以下の記事で解説しています。
ラバーカップやワイヤーブラシなど、専門道具がイチバン
代用品になるグッズはありますが、やはりイチバンいいのはつまり解消専用の道具を使うことです。水圧で押し引きするにしろ、ブラシで除去するにしろ、代用品よりもかなり強力な効果を得ることができます。
【ラバーカップ】
ゴムのカップ部分を真上から排水口に当てて、隙間なくおおいます。そのままゆっくりと押し、勢いよく引くことで、つまりの原因を引っ張りだすことができます。
水が飛び散らないように、ビニール袋などで便座を養生するのがポイントです。
また洋式用や和式用などの種類があるので、購入する際にも要注意。詳しくは以下の記事で解説しています。
【ワイヤーブラシ】
ワイヤーブラシは、可動式のワイヤーを排水口の中へ挿しこんでいき、先端の細いブラシでつまりを除去する道具です。
ブラシの長さは調整でき、10m以上になるタイプもありますが、家庭用に購入するなら5m以内のもので十分でしょう。
つまりに到達した感覚があったら、持ち手をグリグリと回転させるのがコツです。
トイレがつまる原因を知って、予防しよう
トイレがつまる原因のうち、よくあるケースを紹介します。トイレで流すべきと思っていたものが、実はNGだったというパターンも珍しくありません。
水に溶けないものを流してしまった
ティッシュペーパー・おむつ・生理用のナプキンなどの水に溶けないものを流してしまうと、トイレはつまります。
特にティッシュペーパーは、トイレットペーパーを切らしている場合に代用品として使われがちです。しかし水に溶けにくい加工がしてあるため、排水パイプにつまってしまいます。
ティッシュペーパーを使った際は、トイレに流さずにゴミ箱に捨てるようにしましょう。トイレには「小便」「大便」「トイレットペーパー」以外は流さないようにするのが基本です。
トイレットペーパーの使い過ぎ
トイレットペーパーは、水に溶けやすい仕様にはなっていますが、一度に大量のペーパーを流すと固まってしまいます。
もし自分がトイレットペーパーをたくさん使うという自覚があるなら、意識してこまめに水を流しましょう。3～4回捨てるごとに1回流せば、問題になりにくいです。
質の悪いトイレットペーパーを使っている
そもそもトイレットペーパーの質に原因があるケースも。海外製などの商品は、水に溶けにくい紙を使っていることがあるので、注意が必要です。
トイレットペーパーを選ぶ際は「JIS規格」のものか確認しましょう。JIS規格をクリアしたものであれば、水に浸けてから100秒以内でほぐれます。
ドラッグストアなどで市販されているトイレットペーパーなら、ほぼJIS規格に対応しているはずです。
尿石や嘔吐物が原因でつまることも
「尿石」とは尿に含まれているカルシウムイオンが固形化した物質です。とくに小便器にたまりやすく、掃除をせずに長期間放置しているとつまりの原因に。黄ばみの原因にもなるので、こまめに清掃しましょう。尿石除去剤という、酸性の薬剤を使うのがオススメです。
また嘔吐物もトイレがつまる原因です。嘔吐物は排泄物に比べると、未消化の固形物が多く混ざっています。
基本的にはトイレに流さないようにしたいところですが、緊急の場合は何度も水を流してケアしましょう。
ミツモアで水のトラブル解消の無料見積もりを依頼
この記事では、ラップを使ってトイレのつまりを解消する方法を解説しました。要点をまとめると以下。
- 水溶性のつまりだけにラップを使用できる
- 基本は専門道具を使うのがオススメ
- 自分で対処できないときは業者に依頼
大量のトイレットペーパーや便などが原因でトイレがつまった場合には、ラップが活躍します。専用の道具がなくても、トイレのつまりを解消できるかもしれません。
しかし、基本的にはラバーカップやワイヤーブラシなど、専門道具を使ったほうが効率的です。
また、誤った対処をしてしまうと悪化させてしまう可能性があるので、難しいと思ったらすぐに業者に相談してみましょう。
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