もみの木は日本でもクリスマスツリーとして12月に飾り付けがなされる人気の庭木です。もみの木は暑弱で夏に枯れやすいですが、剪定や手入れをしっかりと行えれば初心者でも栽培できる植物です。
本記事では剪定の時期や高さを抑える芯止めの方法、お手入れの仕方などを紹介します。
もみの木の剪定時期は10~3月
もみの木は寒さにとても強く、剪定にかかる負荷にも耐えられる余力があるため、剪定する際は10~3月の冬の時期に行いましょう。気温が高い時期に剪定をすると光合成の量が減り、剪定で与えてしまったダメージに耐えられず枯れてしまうことがあります。
クリスマスツリーとして利用するのあれば、10~12月に剪定し、鉢植えで育てているならパーティの日だけ室内に飾るようにしておきましょう。
もみの木の剪定に必要な道具
- 剪定用手袋
- 剪定ばさみ
- 剪定用ノコギリ
- 脚立
- 癒合剤
剪定用手袋
もみの木を剪定する際は剪定用の手袋を着用することをオススメします。風通しを良くするために剪定を行うとき、針葉樹特有の細い葉や枝が刺さりケガをしてしまう可能性があるからです。また毛虫などの害虫もいるため、手袋など肌が露出しない状態にするのはやはり重要でしょう。
剪定ばさみ
もみの木の樹形を整えるなら剪定ばさみが便利です。ペンチのような形をしており、切る際に握りこんで使う形状が多く、力が伝わりやすいように設計されているので、女性の方でも軽く握るだけで剪定できます。
握りの部分やサイズは多種多様にあるため、手の大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。
剪定用ノコギリ
鉢植えで育てているもみの木であれば剪定ばさみで事足りますが、庭木として地植えしている場合は剪定用ノコギリが必要になるかもしれません。剪定バサミでは切れないような太い枝を切りって樹形を整えたい場合は剪定用ノコギリを使いましょう。
剪定用のノコギリは角材を切るような大きいノコギリではなく、軽量で持ち運びがしやすいので、脚立に乗りながら太い枝を切るときにも役立ちます。また折り畳み式や電動式、ピストル式といった剪定ノコギリもあるので、自分にあったものを探すと良いでしょう。
脚立
もみの木は大きくなると40mを超えてきます。鉢植えや芯止めを使って高さを数mに抑えていれば脚立を使って剪定することが可能です。
ただし、脚立を使った剪定は滑落の危険があります。使う前には月台には乗らないことや、ロックをしっかり確認するなど注意事項を見ておくことが大切です。慣れていない場合はプロに依頼して剪定してもらった方が安全でしょう。
また7mを超えてくるとプロに頼む際も高所作業車などが必要になり高額になってしまうので、そもそも大きくしすぎないことが重要です。
癒合剤
もみの木の枝を切ったら必ず癒合剤を塗って、枝の断面から侵入する細菌などを防ぎ回復を早めましょう。特に太い枝を多く切る強い剪定を行った後などは忘れないように塗ることが大切です。
もみの木の剪定方法
もみの木は生長が早く、剪定しないでいると数十m以上の大きさにまでなり、手入れが困難になります。樹形自体は基本的に想像するクリスマスツリーの形へとなっていきますが、不要な枝も成長に伴いたくさん生えてくるため適切に管理しましょう。
不要な枝を切り落とす透かし剪定のやり方
透かし剪定ではもみの木の生長や風通しを邪魔している枝を取り除いていきます。不要な枝を取り除くと、栄養を行きわたらせたり、風通しを良好にすることで害虫対策になったりします。例えば上方向に勢いよく伸びた徒長枝や交差枝、ひこばえなど、以下のような枝があった場合は優先して切り落とします。
不要枝の種類 | 見分け方 |
---|---|
①腹切枝 | 幹と交差する太い枝。 |
②交差枝 | 他の枝と交差してしまっている枝。 |
③平行枝 | 複数の枝が平行に伸びてしまっているもの。 |
④車枝 | 枝の一部から多数の枝が出ているもの。 |
⑤懐(ふところ)枝 | 幹付近から伸びた弱々しい枝。害虫の温床になりやすい。 |
⑥ヤゴ・ひこばえ | 樹木の根元から生えてくる枝。 |
⑦下がり枝 | |
⑧からみ枝 | 枝が絡み合ってしまっているもの。 |
⑨徒長(とちょう)枝 | 真上に伸びすぎてしまった枝。雨風で折れやすい。害虫の温床にもなりやすい。 |
⑩かんぬき枝 | 主幹を挟んで左右対称に生えている枝。樹形のバランスを考え、どちらか一つを剪定する。 |
⑪逆さ枝 | 幹に向かって生えているもの。 |
クリスマスツリーのように下から上と先細りになる円錐形に整えると美しく見えます。ときどき遠くから眺めてバランスを調整しながら剪定をしていきましょう。
背を一定の高さに保つ芯止めのやり方
芯止めは最も高い幹を切り、高さを抑える剪定方法です。もみの木は放置していると高さが40mを超える巨木へと成長します。7mを超えると普段、剪定している人でも管理が困難になるため、大きくても3、4m程度になるよう定期的に芯止めを行いましょう。
主幹を切るときは、なるべく枝分かれしている部分で切ります。枝の途中で切ると、その枝が枯れやすくなります。
芯止めはもみの木の先端を切らなければならないので、剪定の経験があまりない人には危険な作業です。あまり剪定に自信がない場合は、剪定のプロに依頼して芯止めをしてもらう方が安全でオススメできます。
もみの木のお手入れ方法
もみの木を枯らさないためには水やりや遮光など基本的なお手入れが欠かせません。特に暑さに弱い植物なので、夏場のお手入れを丁寧に行いましょう。
乾燥に弱いため地植えでも水をやる
もみの木は乾燥にも弱く、地植えでも土が乾いていれば適宜、水やりをしましょう。また鉢植えの場合は腐葉土、バーク堆肥、ピートモスなどの資材を使って水持ちが良い土で育てると枯れる可能性が減ります。
日差しが強い場合は遮光ネットで保護する
日差しが強すぎる場合は遮光ネットを使って強い光や高温からもみの木を守りましょう。鉢植えの場合は風通しの良い影に移し直射日光を避けるように置くのがオススメです。
もみの木が枯れる原因の大半は夏の暑さや強い日光によるものなので、遮光ネットはもちろん、剪定や水やりなどを最適に行い枯れないように管理しましょう。
もみの木の病気・害虫対策
もみの木は庭木の中でも害虫や病気に強い植物です。ただし何も対策をしていないと毛虫やアブラムシなどが大量発生することがあります。
アブラムシやコガネムシの大量発生に注意
もみの木ではアブラムシやコガネムシが大量に発生するケースがあります。その際はもみの木にダメージがない殺虫剤で見つけ次第、駆除してください。殺虫剤を吸い込んでしまうと危険なのでマスクやゴーグルなどを付けて散布すると良いでしょう。
業者にもみの木の剪定を依頼する場合の費用相場
剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は2パターンあります。
日当制の場合は職人の単価×日数で金額が計算されます。日当制の相場は1日あたり1万5000~2万円です。職人のレベルや経験によって単価は大きく異なるのでチェックしておきましょう。
単価制の場合1本あたりの木の大きさで料金が変わります。たとえば高さ3m以下なら1,000~5,000円、4~7mであれば8,000~2万円が相場です。
また剪定を依頼する際は果樹の剪定経験が豊富なプロなどに依頼すると良いでしょう。また見積もりはミツモアなどを使って、複数業者からもらい、サービスや費用を見比べながら決めるのがオススメです。
もみの木の剪定に困ったらプロに依頼を
「もみの木の芯止めを依頼したい」「樹形が悪くなってきたため整えたい」といった方はプロに依頼して剪定をしてもらうのがオススメです。依頼者は労力と時間の節約になるうえ、もみの木に大きな負荷を与えてしまう心配も少ないでしょう。
安くてクオリティの高い業者を選ぶならミツモアを使ってみましょう。簡単な質問に答えるだけで、近くにいる優良な業者の見積もりが最大で5件届きます。見積もりを出した業者の口コミも見ることができるので安心して依頼を任せられるでしょう。