「アスファルトシングルという屋根材があるらしい!評判もいいみたいだけれど、実際の所どうなのかな?うちには合っているんだろうか?」。
このような方に、アスファルトシングルについて知っておきたい知識を幅広く解説していきます。
アスファルトシングルは費用が安く、デザイン性も優れているため人気があります。けれども知っておかなければいけないデメリットがあるのも事実。
そこでこの記事では、他の屋根材と比較してアスファルトシングルがどんな屋根材なのかを詳しくお話ししていきましょう。「新築の屋根に採用しようと考えている方」「リフォーム後の屋根に採用しようとしている方」、どちらも参考にしてください。
【特徴解説】アスファルトシングルとは?日本では新しい屋根材!
アスファルトシングルはアメリカ生まれの屋根材です。北アメリカ地域においては大変メジャーな存在で、家屋への採用率が8割とも9割とも言われています。日本では比較的最近になって導入されました。2007年の建築基準法改正によって、屋根材として使用することが許可されたからです。
最近の統計によると、日本におけるアスファルトシングルの使用率は4%弱。瓦やスレート屋根に比べまだまだシェアは低いのですが、以下の理由からじわじわと人気が出つつあります。
- 本体価格が安い
- 2007年の導入当初よりも、屋根材としての性能が上がっている(耐火性、耐風性など)
- 現代風・洋風建築に合う
アスファルトシングルの構造や素材を知ろう
アスファルトシングルは厚み4~6mm程度のシート状屋根材。大きく分けて次の3つの層が合わさってできている屋根材です。
構造 | 素材 | 備考 |
細粒状の彩色石 | 色の付いた石を細かく砕いたもの |
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アスファルト | 耐久性を上げたアスファルト |
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ガラス繊維のマット | グラスファイバーと呼ばれる、ガラス繊維でできたシート |
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アスファルトシングルの性能やメリット・デメリット!他の屋根材と比較しながら解説
アスファルトシングルは数々の利点が輝く屋根材ですが、安易な導入はNG。メリット・デメリットがはっきりしているため、それぞれをしっかりと吟味して選ぶことが大切です。
まずは屋根材の選び方の基本項目を確認していきましょう。屋根に重視すべき要素は大きく5つあります。
- 安全性(耐震・防火・防水性能が優れているか)
- 耐久性(屋根材の傷みやすさや、メンテナンスの頻度はどのくらいか)
- デザイン性(使用できる屋根の形、カラーバリエーション)
- 快適性(断熱・通気・防音性能が優れているか)
- 価格
アスファルトシングル以外の屋根材としては「瓦」「スレート」「金属板」があります。それぞれを比較してみましょう。
<屋根材ごとの比較>
アスファルトシングル | 瓦 | スレート | 金属板 | |
耐震 | ◎ | △ | ○ | ◎ |
防火 | △~○ | ◎ | ○ | ◎ |
防水 | ○ | ◎ | ○ | ○ |
耐久性 | △ | ○ | △ | ◎ |
デザイン性 | ◎ | ◎ | △ | ○ |
快適性 | ○ | ◎ | ○ | △ |
価格 (本体価格+施工費) |
◎ 5,500~8,000円/㎡ |
△
8,000~1万3,000円/㎡ |
◎
5,000~8,000円/㎡ |
△
8,000~1万円/㎡ |
メリット |
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比較的軽量かつバランスの取れた性能 | 頑丈かつ軽量で安全性が非常に高い |
デメリット |
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どの項目を重視するかによっても最適な屋根材は変わってきます。
次からは特筆すべきアスファルトシングルの特徴を見て行きましょう。
アスファルトシングルの安全性(耐震性・耐火性)
アスファルトシングルは比較的安全性の高い屋根材です。
最も大きなメリットは「耐震性」が高いこと。地震の多い日本にとっては嬉しい点ですね。アスファルトシングルは非常に軽い屋根材なので家屋に負担をかけず、倒壊の危険を防げます。また万が一下に落ちてしまった場合も、重たい瓦などとは異なり危険が少ないのです。
続いては耐火性能についてです。以前のアスファルトシングルは耐火性の弱さが指摘されていましたが、現在では改良された商品が増えています。瓦屋根や金属屋根に比べると若干劣りはするものの「耐火性に難あり」というほどではなくなってきました。耐火性能の高い商品については「おすすめメーカー2選」で解説しています。
アスファルトシングルの耐久性や耐用年数
アスファルトシングルの最も大きなデメリットとして上げられるのが耐久性の低さ。特に以下の環境では劣化や剥がれ・破れが起こりやすくなります。
- 強風
- 湿度が高く、屋根に日の当たらない環境(カビ・コケが発生する)
アスファルトシングルが劣化すると、表面の彩色石が「パラパラと落ちる」「まとめて剥離する」といった症状が現れます。※ただし設置後1年は余分に吹き付けた分の彩色石が落ちることが多く、その場合は異常ではありません。
劣化を放置すると剥離した彩色石が雨樋(あまどい)を詰まらせたり、雨漏りの原因になってしまったりします。そのため小まめに点検する必要があるのです。施工後は以下のタイミングでメンテナンスを実施しましょう。
- 5~10年ごと
- 破れや剥がれを発見した時
- 大きな台風や突風の後
アスファルトシングルの耐用年数は20~30年ですが、住んでいる環境や天候によっても、寿命は大きく変わります。実際の寿命は10~20年と考えておいた方が良いでしょう。
アスファルトシングルのデザイン性
デザイン性が高くおしゃれな雰囲気を表現できるのが、アスファルトシングルの魅力の一つです。特に以下の点が優れています。
- 色展開が多い(彩色石で微妙な色合いが表現できる)
- 柔軟で加工が容易(曲線の屋根や複雑な形状の屋根にも対応できる)
色を選べば洋風から和風、モダンな建築まで幅広く合わせることができます。
アスファルトシングルが向いているケースとは?こんな人におすすめ!
以上の項目を踏まえると、アスファルトシングルが向いているのは以下のケースです。
- 「屋根の日当たりが良好」「台風被害の少ない地域」など、劣化の要因が少ない環境にある
- 屋根がドーム型など、曲線が多用されていて特殊
- 色の美しさを重視したい
- メンテナンスを面倒とは思わない
- 地域内にアスファルトシングル施工・メンテナンス実績のある業者がいる
どの屋根材を選ぶにしてもメリット・デメリットがあるので、完璧な屋根材を選ぶことはできません。自分にとって必要なものの優先順位を決め、それをできる限り満たした屋根材を選ぶのがおすすめですよ。
ただし上記のおすすめケースに当てはまる場合でも、最終決定は施工業者と相談してから下すことをおすすめします。その際は必ずアスファルトシングルに関する知識・経験のある業者を探しましょう。
アスファルトシングルに関する知識・経験のある業者を選ぶには?
アスファルトシングルは屋根材としてのシェアが低く、まだまだ業者の施工経験は少ないのが実情です。そのため経験や専門技術がある業者を選ぶのが難しいという問題があります。
屋根は長期的なメンテナンスが必要になるもの。以下に当てはまる業者を選ぶことが、後悔しないためのポイントです。
- 最初の施工だけではなくメンテナンスも行ってくれる
- アスファルトシングルの施工実績がある
- アスファルトシングルについての質問、相談に乗ってくれる
とはいえ「どの業者に相談すれば良いのか分からない」「探し方も分からない」という方も多いでしょう。そんな時はぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアは郵便番号や求める条件を入力するだけで、最大5社の施工業者から見積もりが取れるサービスです。
各社の金額やサービス内容・実績・口コミなどを比較できるため、上記の要素を満たしたところに本格的な調査や施工をお願いできます。見積もりは無料なので、ぜひ一度使ってみてください。
アスファルトシングルの施工方法・手順について
アスファルトシングルは他の屋根材とは設置方法が異なります。設置の手順や注意点を簡単に確認しておきましょう。
アスファルトシングルを屋根に張る時は、専用の接着剤と釘を使用し以下の手順で行います。
- 防水用の下地を張る
- アスファルトシングルを適切な大きさに切断する
- アスファルトシングルを1段ずつ張っていく
- 棟(屋根の山になっている部分)にアスファルトシングルを張る
なおアスファルトシングルは勾配(角度)が付いた屋根向きの商品です。水平の屋根や勾配が緩い屋根の場合、設置できない可能性があります。設置可否については施工経験のある業者に問い合わせてみましょう。
アスファルトシングルに必要なメンテナンス
アスファルトシングルを設置した後も、定期的な(少なくとも5~10年に1回の)メンテナンスが必要です。メンテナンスには以下の4種類があります。
1.補修
一部分だけ剥がれた場合は、その部分のみを張り直せば補修できるケースがあります。
2.塗装
色あせがひどい場合に行います。ただし表面の剥がれ方がひどい場合は他の工法が必要になることも。アスファルトシングルに詳しい業者に見てもらってから、塗装で済ませるかの判断をした方が良いでしょう。
なおアスファルトシングルは石油由来の素材を使用しているため、使えるのは水性塗料のみ。具体的には以下3種類が主流です。
- フッ素系
- シリコン系
- ウレタン系
色だけでなく遮熱や断熱性能を加えられる塗料もあります。
3.カバー工法
アスファルトシングル部分のみが傷んでいて、下地は無事な場合に使用できる工法です。上から新しい屋根材を貼り付けるため撤去費用がかかりません。
アスファルトシングルは厚みが少なく軽いので、カバー工法のしやすい屋根材です。
4.葺き替え(ふきかえ)
下地まで剥がし全てを張り替える工法です。撤去費・設置費共にかかるため、全てのメンテナンス方法の中で最も費用がかかります。
メンテナンスの費用に関してはこちらの記事も参考にしてください。
アスファルトシングルの屋根にするなら商品選びも大切。商品によって色展開や性能が異なるからです。家屋の安全性や後のことを考えると「保証の長さ」「耐火性」の良いものを選ぶことをおすすめします。
アスファルトシングルおすすめのメーカー2選!見た目の画像もチェック
今回は「保証の長さ」と「耐火性」に着目して、おすすめのメーカーを選びました。各商品のパンフレットには実際の建築の画像が載っています。ぜひチェックしてイメージをつかんでみてくださいね。
おすすめメーカー①:田島ルーフィング
- SINGLE
国土交通省から耐火認定を受けているシリーズ。カラー展開が豊富で、デザイン性も抜群です。独自の接着技術により強い耐風性を持っています。
- LOFTY
「SINGLE」と比較すると耐久性が2倍になった高耐久モデル。なんと耐用年数は25年です。SINGLEよりカラー展開は少ないものの、メンテナンス頻度を抑えて長く使用できる商品です。
おすすめメーカー②:旭ファイバーグラス
- リッジウェイ
風速46m/sの強風にも耐えるアスファルトシングル商品です。飛び火認定試験をクリアした十分な耐火性能を保持しており、商品に10年保証が付いている点も魅力。洋風建築にぴったりの高級感ある色合いがポイントです。
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