庭や畑に生えてくるクズ(葛)。クズは生命力と繁殖力が高く、被害に悩まされている方も多いのではないでしょうか。
クズは一度生えてしまうと駆除が難しく、放置していると瞬く間に繁殖してつるが広がってしまいます。
「知らない間にクズが繁殖してしまっていた…」
「どんどん広がってしまって、どのように駆除すれば良いのか分からない…」
本記事ではこのようなお悩みを抱えている方に向けて、クズの特性や効果的な駆除方法について解説します。被害を受けやすい場所や再発を防ぐための対策までわかりやすくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
つるの放置はNG!クズの特性とは?
クズの駆除を行う前に、まずは特性について理解しておきましょう。クズは繁殖力が高く、とても厄介な雑草として知られています。クズの特性は主に以下の2つです。
繁殖力が非常に高い
クズは、その強靭な生命力から「グリーンモンスター」とも呼ばれる厄介な植物です。
根に豊富な栄養を蓄えているため、次々と新芽を出して成長していきます。地上部を刈り取っても、根に蓄えられた栄養によってすぐに再生してしまうため、なかなか根絶することが難しいのです。地上部だけでなく根からしっかり駆除しなければ、完全に除去することができません。
駆除するのが大変
クズは駆除が大変だとされる雑草のひとつです。
クズの駆除が難しい理由の一つに、一般的な除草剤が効きにくいという点があります。通常の除草剤では、地上部を枯らすことができても根が生き残ってしまい、再び芽を出してしまうことが多いのです。
適切な手法で正しく除草しなければ、クズを完全に駆除することは難しいでしょう。
クズの被害を受けやすい場所
クズはさまざまな場所で繁殖しますが、特に以下の場所で被害が多く発生しています。
農地
農地にクズが発生すると、作物と栄養を奪い合いながら成長していきます。そのため、深刻な被害が出やすくなります。クズのつるが作物に絡みつき、生育を阻害したり、収穫がしにくくなってしまったりすることがあります。
庭や花壇
家庭の庭や花壇でクズが繁茂すると、農地と同様に他の植物の成長が妨げられてしまいます。美しく手入れされた庭も、クズの繁殖が進めば台無しになってしまいます。
太陽光パネル
太陽光パネルの設置場所は切土面が多いため、日の当たる場所を好むクズの繁殖にうってつけの環境です。クズが繁殖して太陽光パネルを覆ってしまうと、日光が遮られてしまい、電力生産量が著しく低下してしまう恐れがあります。
クズの駆除方法3選
雑草駆除には様々な方法がありますが、ここではクズに効果的な3つの方法をご紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
除草道具・草刈り機で引き抜く
除草道具や草刈り機を使って、クズを物理的に引き抜く方法です。除草スコップやねじりガマ、草刈り鎌などを使うと便利です。
広範囲に渡って絡みつくクズを一気に刈り取ることができる点がメリットですが、一気に根までを完全に除去することは難しいため、定期的に繰り返し除草を行う必要があります。
作業時はクズのつるが絡まないように注意して、できるだけ根元から刈り取るようにしましょう。
除草道具についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
除草剤を使って駆除する
クズは一般的な除草剤では効果が薄いため、クズ専用の除草剤や多年生雑草向きの除草剤を使用することをおすすめします。特に、地下茎に直接アプローチして根から絶やせるタイプの除草剤は効果的です。
適用できる範囲が広く、効果が持続しやすいものを選ぶようにしましょう。
なお、除草剤にはスプレータイプと粒剤タイプがあります。スプレータイプの場合は雨に流されないように晴れの日に使用するのがおすすめですが、粒状タイプの場合は土が少し湿っている雨上がりなどのタイミングで使用すると効果的です。
また、安全面にも考慮が必要です。使用の際は必ず手袋やマスクを着用し、風向きに気をつけて散布するようにしてください。
熱湯を使って駆除する
環境に優しいクズの駆除方法として、熱湯を使った駆除方法もあります。沸騰したお湯をクズの根元にゆっくりと注ぐことで植物組織を破壊し、その後の成長を抑制できます。
ただし、熱湯除草は小規模な範囲での駆除に向いていますが、広範囲での使用は労力がかかるため現実的ではありません。また、クズだけでなく周囲の植物にも影響を与える可能性があるので、使用する際は注意が必要です。「ピンポイントな場所に発生したクズを駆除したい」という場合にのみ検討すると良いでしょう。
なお、熱湯除草について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
クズの再発防止策
クズを駆除した後、再発を防ぐためには以下の方法が効果的です。
防草シートで抑制する
クズを根元から刈り取った後、防草シートを敷くことで光を遮断し、新芽の成長を抑制します。
防草シートは十分な厚みのあるものを選び、耐久性もチェックしましょう。地面に隙間なくしっかりと敷き詰めてから、端の部分はコンクリート釘で押さえることで固定します。
登攀(とうはん)防止ネットで抑制する
壁やフェンスなど、クズが這い上がりやすい場所での被害を防ぐには、登攀(とうはん)防止ネットの使用もおすすめです。
クズのつるが通り抜けられないような、細かい目合いのネットを設置することで、クズの拡散を防ぐことができます。
目地シートで抑制する
目地シートとはタイルやブロックの隙間を埋めるためのもので、コンクリートの隙間などから生えてくるクズに効果的です。ただし、クズの繁殖力は非常に強いため、目地シートだけでは完全な防除は難しい場合があります。
そういった場合は防草シートや登攀防止ネットとの併用をすることで、より効果的にクズの繁殖を防止できます。
クズの駆除は業者への依頼を検討しよう
繁殖力の高いクズを自力で完全に駆除することは想像以上に大変です。クズの駆除に手を焼いている方や、すでに被害が広範囲に及んでしまった場合は、専門業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか。
プロの技術と経験を活用することで、効果的かつ迅速な駆除が期待できます。
業者へ依頼するメリット
クズを専門業者に駆除してもらうには多くのメリットがあります。
大変な作業をするには時間と手間がかかりますが、プロに頼めば豊富な経験と高い技術により効率的に作業を進めてもらえます。自分で行うよりも短時間で効果的な駆除が可能になるだけでなく、クズを根絶できる可能性も高まるでしょう。
クズは非常に強靭な生命力を持つため、徹底的な駆除を行えば、再発のリスクを最小限に抑えることができます。また、業者によっては駆除後の管理方法や再発防止策についてのアドバイスをもらえる場合もあるかもしれません。
見積もりは無料で行っている場合が多いため、クズを自分で駆除することが難しいと感じた場合は専門業者に相談してみましょう。
業者へ依頼する際の費用
草むしり・草取りを業者に依頼する際の一般的な相場は、1㎡あたり300~2,000円、1回の作業で10,000~30,000円ほどです。ただしクズは通常の雑草よりも駆除が難しいため、これより高額になる可能性があります。
実際の料金は、クズの繁茂状況や作業範囲、地形、追加作業の有無などによって大きく変動します。正確な見積もりを得るために、まずは複数の業者に相談するのがおすすめです。
また、多くの業者は防草シートの敷設や登攀防止ネットの設置など、クズの再発を防ぐための追加サービスも提供しています。長期的な視点で考えると、再発防止のためのオプションを含めた総合的な対策を検討するのも良いでしょう。
オプションの内容 | 料金 |
---|---|
除草剤の散布 | 50~100円/㎡ |
整地・防草シート施行 | 500円/㎡ |
防草シート代 | 150~800円/㎡ |
砂利敷き | 1,500円/㎡ |
砂利代 | 30~100円/L |
草むしりのゴミ回収 | 500~3,000円 |
適切な方法でクズを根本から駆除しよう
クズの駆除方法について解説しました。クズの駆除は大変ですが、適切な方法と継続的な対策を講じることで、発育を防止できます。本記事で紹介した駆除方法や再発防止策を参考に、状況に応じて最適な対策を選んでみてください。
また、大規模な被害や駆除が難しい状況の場合は、早めに専門業者へ相談してみましょう。プロの力を賢く借りることで、効率よく美しい庭や農地を取り戻すことができます。エリアや業者によって費用が変動する可能性があるため、複数の業者を比較検討して選ぶと良いでしょう。