雑草除去にはさまざまな方法がありますが、「雑草に熱湯をかけて除草できる」と聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。熱湯で除草ができれば環境にもやさしく、費用も抑えることが可能です。


しかし一方で、「本当に除草できるの?」と疑問に感じている方もいることでしょう。
結論、熱湯での除草は可能ですが、いくつかデメリットや注意点もあります。
この記事では、熱湯除草の効果や注意点を詳しく解説し、他の除草方法も併せて紹介します。お庭や駐車場などの雑草対策に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
熱湯で除草はできるが手間がかかる
熱湯除草は雑草対策として活用できます。雑草を熱湯で除草する方法は、植物が高温で細胞死する原理を利用したものです。
具体的には50℃以上の温度になると、細胞膜の構造が変化して細胞の中身が漏れ出し、その状態が続くと細胞死に至るとされています。
そのため、ただ熱湯をかけるのではなく、時間をかけてゆっくり熱湯をかけることが推奨されます。
土に直接薬剤をまく除草方法と比べるとシンプルなため、「本当に効果があるの?」と思いがちですが、周囲の植物への影響も少なく、簡単に効果が期待できる点がメリットです。ただし、熱湯の温度やかけ方によっては効果にばらつきが出ることもあるため、やり方を押さえた上で除草することがポイントです。
熱湯での除草はどんな場合に向いている?
熱湯による除草がおすすめなのは、主に以下のケースです。
- 狭い範囲を除草したい場合(小さな庭や家庭菜園など)
- 広い範囲の場合は高圧洗浄機がほぼ必須(ただし費用がかさむ)
- 他の防草方法や対策と併用できる場合も有効(防草シート、砂利など)
限られた狭い範囲を安全に除草したい場合
熱湯を用いた除草は原則、家庭で除草をする際に有効な方法です。しっかりと除草するためには大量のお湯(6L以上が目安)を用意する必要があります。
広大な庭や土地、畑などを除草したい場合は、熱湯除草だと多くの手間や時間がかかってしまうため向いていません。例えば小さな庭の一角、家庭菜園で食べ物を育てている場所などの限られた範囲の除草にはうってつけです。
とにかくお金をかけずに除草したい場合
熱湯を用いた除草は、水道代とガス代のみでほとんどお金がかからない点がメリットの一つです。お湯を大量に用意し手作業するのはかなりの手間ですが、それでも費用面を重視するのであれば有効な除草手段といえます。
ちなみに近年は高圧洗浄機を用いて熱湯で除草する方法もありますが、莫大な費用がかかります。家庭用に取り入れるのは現実的ではないでしょう。
他の防草方法・対策と併用できる場合
熱湯の除草は、他の防草対策との併用ができる場合にもおすすめです。
すでに防草シートを用いたり砂利を敷いたりなどの防草対策をしているなら、除草作業も最小限で済みます。
熱湯で除草するメリットは3つ
熱湯を用いて除草する具体的なメリットは、主に以下の3つです。
人と環境にやさしい
熱湯除草は薬剤を使わないため、人体や周囲の環境に優しいのも特徴です。除草剤のような化学薬品を使わないため、特に小さなお子さんやペットがいる家庭にとっても安心です。
また熱湯のみを使うため、周囲の環境への影響も少なく、土や水質汚染への影響もありません。自然の力を使った除草法として、エコである点も嬉しいポイントです。
除草剤よりも費用を抑えられる
熱湯除草の魅力は、特別な器具や薬剤を必要としないため、ほとんど費用をかけずに除草できることです。日常的に沸かしたお湯を使えば良いだけなので、除草剤のように都度買い足す必要がなく、無駄がありません。
また、ピンポイントな除草であれば、やかんや鍋、ポットなど自宅にある道具で除草できます。薬剤が混ざる心配もないため、キッチン用具を使っても問題ありません。
根本から除草できる
除草には雑草を直接刈り取る方法もありますが、根が残って再生してしまう場合が多く、何度も除草を繰り返さなければなりません。
熱湯を雑草にかけると地中に浸透した熱が根にも届き、根本からの除草が期待できます。刈り取るだけでは手間と時間がかかりますが、熱湯なら効率よく根まで除草できます。もちろん、しぶとい雑草の場合は何度か繰り返し行う必要がありますが、再発を防ぎやすいことは大きなメリットといえるでしょう。
熱湯除草のデメリットやリスクはある?
熱湯での除草は確かに手軽で効果的ですが、どんな場合にも適しているわけではありません。ここでは、熱湯除草のデメリットを確認しておきましょう。
それぞれについて解説していきます。
広範囲の除草は大変
熱湯除草は、狭い範囲には向いていますが、広範囲になると大幅に効率が下がってしまいます。広い庭や大きな駐車場などの除草には不向きです。
特に家庭で熱湯除草を実施する場合、ポットややかんで熱湯をかけ続けるのは手間と時間がかかります。また、広範囲で均一に除草するのは難しいため、熱湯除草はピンポイントの雑草対策として割り切るほうが無理がないでしょう。
やけどのリスクがある
熱湯を扱うため、やけどのリスクにも注意しましょう。約100℃の熱湯を使うため、不注意で自分や他人にかかってしまうと危険です。なお、特に秋から冬はお湯が早く冷めやすくなるため、よりスピーディーに作業しなければなりません。
特に子どもやペットのいるご家庭では、除草中には近づかないように気を付けましょう。厚手の手袋を使用したり、作業場所を事前に決めて行うなど、安全対策を忘れずに行うことが大切です。
手作業で熱湯除草をする方法
ここからは、熱湯除草を自宅で行う際の具体的な手順をご紹介します。大まかな流れは以下の通りです。
それぞれについて解説していきます。
1. 沸騰したお湯を用意する
しっかり効果を得るために、雑草にかけるお湯は沸騰させ、すぐに利用するようにしましょう。温度が低いと、雑草に浸透する前に冷めてしまい、効果が薄れることがあります。
やかんや鍋、電気ポットなどを利用して、すぐに使用できる状態で準備するのがポイントです。
2. 雑草にゆっくりお湯をかける
お湯をかける際は、なるべく根元からゆっくりと行います。目安としては1メートルあたり約30秒を目安にかけていくことです。効果を出すためには時間をかけてゆっくりとお湯をかけることが重要なポイント。
このとき慌てて広範囲に撒くと、効果が分散してしまいます。一気に除草しようとするのではなく、時間をかけて1~2歩ごとに移動しながら熱湯をかけていきましょう。狙った雑草の一つひとつにしっかりと熱湯を行き渡らせることが大切です。
3. 1〜2を繰り返す
一度で必ずしも細胞死するわけではないため、熱が行き届くよう2回以上かけるのが効果的です。数日空けて、強く残った雑草や新たに芽が出てきた場合も、再度熱湯をかけることで枯らしやすくなります。
ただし、周囲に大事な植物がある場合は、お湯が飛び散らないよう注意しながら作業を進めてください。
高圧洗浄機(ケルヒャーなど)で熱湯除草をする方法
引用:ケルヒャージャパン
近年では、熱湯を用いた除草がより手軽に行える高圧洗浄機が普及し始めています。
高圧洗浄機は、ボイラーなどで温めた熱湯を機械で吸い上げながら散布します。中でもケルヒャーの温水高圧洗浄機は「温水除草システムⓇ」として登録商標にもなっていて、雑草を安全に、より少ない労力で駆除できます。
高圧洗浄機は使用時や使用時にかさばりやすいこと、導入する際の費用が割高になってしまうことが難点ですが、広範囲を環境にやさしい方法で確実に除草するのにおすすめです。
パスタや野菜のゆで汁を使った除草はNG!
パスタや野菜のゆで汁を除草に再利用するアイデアを耳にしたことがあるかもしれませんが、これは避けたほうが良いでしょう。ゆで汁には油や塩分などが含まれるため、土壌に悪影響を及ぼす可能性があります。
特に塩分が多いと他の植物に悪影響を与える恐れがあるため、熱湯除草では純粋な水道水を使用するのが望ましいです。
熱湯以外の除草方法は?
熱湯を使った方法以外にも、さまざまな除草方法があります。
除草方法 | 費用 | 安全性 | 手軽さ |
手作業での除草 | ◎ | 〇 | △ |
除草剤を使用 | 〇~△ | 〇~△ | ◎ |
防草シートの設置 | △ | ◎ | △ |
草焼きバーナー | 〇 | △ | 〇 |
状況に応じておすすめの方法は異なるため、お庭や敷地の状況に合わせて適切な方法を選びましょう。
手作業での除草
鎌などを利用して草刈りをする方法です。草刈り道具以外の特別な道具が不要で、細かい作業ができます。道具は1度買うだけで済むため、費用面を重視するなら圧倒的におすすめな方法です。
鎌を使って少しずつ作業するので、広範囲に及ぶ場合や根が深い場合は体力が必要な点に注意が必要です。
除草剤を使用
広範囲の除草を比較的短時間で行えるほか、薬剤を使用するため効果が持続しやすいです。確実性や時短したい場合には最も確実な方法です。
除草剤は薬品のため、その都度お金がかかるだけではなく、他の方法よりも環境や人体への影響が懸念されます。使用前に説明書きなどをしっかり確認して正しい方法で使用しましょう。
また、環境によっては「枯らしたくない植物も駄目になってしまう」事態が起きやすい点にも注意が必要です。
防草シートの設置
防草シートは、除草した後の雑草の発生を抑えることができるため、長期的にメンテナンス作業が短く済むことが最大のメリットです。薬品を使わないため熱湯の消毒と並んで安全な方法といえます。
とはいえ防草シートは、あくまで予防の手段です。雑草が生えた状態のまま使っても意味がないので、先に他の手段で除草を行わなければ意味がありません。また、防草シートを設置する作業には時間と手間が発生します。
草焼きバーナー
草焼きバーナーを使うと、炎で雑草を焼き払えるほか短時間で広範囲の雑草を処理できる・害虫駆除も同時にできるなどのメリットがあります。
とはいえ、取り扱いを間違えるとやけどをする可能性がある点・煙が上がったり臭いが発生したりなどでご近所間のトラブルにつながる可能性がある点などには注意が必要です。取り扱い方法をしっかり確認したり、あらかじめ作業前に根回しをするなどしておけばリスクを減らせるでしょう。
熱湯の除草に関するよくある質問
熱湯を用いた除草について、寄せられることの多い質問をまとめました。
本当に熱湯だけで雑草を枯らすことができるの?
熱湯による除草は可能ですが、ご自宅の庭の一角などの狭い範囲で行うのがおすすめ。というのも、雑草を枯らすためには50℃以上の熱湯(沸騰しているとよりベスト)が最低6リットル以上必要だからです。
広い範囲を確実に除草したい場合は熱湯の除草が向いていないので、他の方法を検討したほうが良いでしょう。
熱湯の除草はどれくらいの頻度で行うのが良い?
雑草の種類や環境によるため一概には断言できません。ただし、公共の場所で熱湯除草を実施したところ、10日ほどで枯れ始めた後10ヶ月以上雑草が生えてこなかったという実験結果も確認されています。家庭では、数ヶ月に1度を目途に確認をして、雑草が目立ち始めたら再度熱湯をかけると良いでしょう。
参考:国土交通省関東地方整備局「見沼代用水路における温水を用いた除草の適用性」
広い範囲の雑草を熱湯消毒する方法はある?
広い範囲の除草を手作業で行うのは難しいため、高圧洗浄機(ケルヒャーなど)を用いる必要があります。
ただし、大がかりな機械で費用が割高になりやすいため、一般家庭で導入するのはあまり現実的ではありません。農作業の仕事などで広範囲を定期的に除草する必要がある場合は、安全かつ確実に熱湯除草ができるので導入を検討しても良いでしょう。
熱湯以外にも安くて自然にやさしい除草方法はある?
熱湯以外の除草方法には、手作業による草刈りや防草シートの設置などが挙げられます。なお、パスタや野菜のゆで汁を除草に再利用すると、かえって土壌に悪影響になるのでやめましょう。
広範囲にわたる除草は業者へ依頼するのもおすすめ
熱湯除草は手軽に行える除草方法のひとつですが、広範囲を一気に除草することは難しいです。そのため、除草したい場所が広範囲にわたる場合は、業者への依頼がおすすめです。
それぞれ解説していきます。
除草を業者へ依頼するメリット
以下に、除草を業者へ依頼するメリットをまとめました。プロに依頼することで手間暇いらずで除草できることはもちろん、業者に任せれば体を痛める心配もありません。
- 手間暇をかけずに効率よく除草できる
- 身体への負担がかからない
- 根本から除草できる
- 庭づくりのアドバイスやガーデニングの情報を得られる
「何度も除草することに疲れている」「自分のやり方で合っているのか不安」といった場合には、一度プロに任せてみてはいかがでしょうか。
除草を業者へ依頼する際の費用
業者へ依頼する場合、除草方法によって相場が異なります。
例えば、手作業で根っこから抜く「草むしり・草取り」の料金相場は1㎡あたり300円~2,000円、または1回あたり10,000円~30,000円ほどです。
ただし、作業範囲や難易度、追加作業の有無などによっても実際の料金は異なります。実際に依頼をする際は、かならず複数の業者から相見積もりを取りましょう。
防草シートの施工や芝の整地を依頼することも可能なので、オプションも合わせて検討してみると良いかもしれません。