ハリネズミは、小さくて可愛らしいペットですが、その寿命は5年〜10年程度と言われています。
大切な家族の一員としてハリネズミを飼っている人も多いと思いますが、いつかは別れの時が来てしまいます。
そんな時、ハリネズミを火葬してあげたいと考える人もいるでしょう。
しかし、ハリネズミの火葬についてどこに依頼すればいいのか、どれくらいの費用がかかるのか、火葬後の供養方法はどうすればいいのかなど、分からないことが多いかと思います。
そこで、この記事では、ハリネズミの火葬に関する基本的な知識や注意点を分かりやすく解説します。ハリネズミの火葬について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ハリネズミの火葬・葬儀の全体の流れ
ハリネズミが亡くなったとき、どのように死亡確認するのか、安置の方法はどうしたらよいかなど疑問や不安が生じる人も多いことでしょう。
ハリネズミの火葬や葬儀は以下のような流れになります。
- 死亡確認をする
- 安置する
- 火葬サービスに火葬を依頼する
- 火葬を実施する
- 火葬後正しく供養する
上記、それぞれについて解説していきます。
【火葬の前に】ハリネズミが亡くなった後に必要な処置・安置方法
ハリネズミが亡くなったら、どのように死亡を確認するのか、どう安置したら良いのか疑問が出てくることでしょう。
ここでは、ハリネズミが亡くなったときにやるべきことをまとめました。
- 死亡確認する
- 遺体を綺麗に拭く
- 安置する
死亡確認する
ハリネズミが亡くなった場合、下記の手順で死亡を確認することができます。
- ハリネズミの体を触ってみる:体が冷たいか、硬くなっていないか確認しましょう
- 呼吸を確認する:鼻や口から息をしているかを確認します
- 心拍を確認する:胸の部分を触って、心臓が動いているかを確認します
ハリネズミは死亡すると、すぐに死後硬直がはじまります。体が冷たく、硬くなっていたら死亡したと判断できるでしょう。
これらの手順で、ハリネズミの死亡を確認することができますが、自身で判断が難しい時は動物病院などに相談しましょう。
遺体を綺麗に拭く
ハリネズミは体の小さい動物なので、すぐに死後硬直が始まります。
死後硬直が始まると体を動かしにくくなるので、死亡確認が済んだらすぐに体を清めてあげましょう。
体を清めるときは、以下の手順を行います。
- 濡れたタオルで汚れを落とす
- 乾いたタオルで吹き上げ水分を残さない
- バスタオルなどにくるんで用意した箱に安置し、涼しいところに保管する
「ありがとう」の気持ちを込めて、体を優しくきれいに拭いてあげましょう。
汚れている部分を湿らせた布で拭き取り、体液が漏れている場合はガーゼなどを当てます。
濡れたタオルやガーゼで拭いたあと、乾いたタオルやガーゼで拭きあげて体の水分をしっかり取ってあげましょう。
しっかり拭き取ることで腐敗の進行を遅らせることができます。
体を拭いたあとは、バスタオルやおくるみなどに包んであげましょう。ハリネズミが持っているダニを広げないためにも適切にケアしてあげることが大切です。
ハリネズミのハリのケア
針はハリネズミの特徴的な部分なので、きれいに残してあげたいですよね。きれいな状態で残してあげるためにも、以下の2点に注意してケアしてあげましょう。
①針に触れないようタオルやガーゼで優しく拭いてあげましょう
ハリネズミの針は死後も、筋肉の収縮で動くことがあり、針に触れると刺さる危険があります。
②水分は残らないようしっかり拭きとりましょう
針に遺体の中の水分が針に染み出してくると腐敗の原因になります。針に水分が染み込むと針が腐ってしまい、抜け落ちてしまったり遺体の見た目が悪くなってしまいます。
針に触れると刺さるだけでなく、針に付着した菌や毒素が人の体内(傷口)に入ると感染のリスクになります。ハリネズミの遺体を拭くときは針に触れないように十分注意してください。
安置する
体を清めてあげたら、涼しい場所に安置しましょう。安置の方法や安置するときの環境などについて解説します。
安置に必要なもの
- 保冷剤、氷のう、ドライアイス
- 遺体を入れる箱(ティッシュやお菓子の空き箱など)
- 箱に敷くタオル、新聞紙
- ガーゼ
- お気に入りのおもちゃやおやつ
遺体をきれいな箱や段ボールなどに寝かせ、ガーゼやハンカチに包んだドライアイスや保冷剤で遺体を冷やします。
お腹にドライアイスや保冷剤を当てることで腐敗の進行を遅らせることができます。
身体の小さなハリネズミは、腐敗の進行が早いのでこまめに保冷材を交換するなど適切な方法でケアして火葬に備えましょう。
安置期間はしっかり冷やすこと、濡らさず湿気を防ぐことが大切です。
直射日光が当たらず、エアコンの風が届く涼しいところで安置してあげましょう。
湿度が高くなる夏場はとくに注意が必要です。
他にも、目や口、肛門などから体液や排泄物が出てくることがあります。
都度きちんと処理をして、ご遺体をきれいな状態のまま保つよう心がけましょう。
ただ、しっかり安置をしたとしても、夏場は1〜2日、冬場は2〜3日が限度です。
腐敗がすすまないうちに、早めに火葬について調べ、どこに依頼するか決めましょう。
ハリネズミの火葬・葬儀の方法
ここでは、ハリネズミの火葬・葬儀の方法について解説します。
ハリネズミの火葬方法には下記の5つがあります。
それぞれの特徴をまとめましたので参考にしてください。
- 個別火葬
- 合同火葬
- 訪問火葬
- 自治体の火葬
- 土葬・埋葬
個別火葬
個別火葬とはペットを個別で火葬する方法のことで、一任火葬と立会火葬の2種類があります。
個別一任火葬
ペットを個別に火葬できます。お別れの後、火葬業者に遺体を引き渡すため立ち合いやお骨上げはできません。
個別に火葬されるので、希望すれば返骨してもらうことができます。費用相場は20,000〜30,000円です。
個別立会火葬
ペットを個別に火葬できる点では、個別一任火葬と同じですが、火葬の立会からお骨上げまで飼い主が行うことができる火葬方法です。
火葬後、飼い主が収骨し返骨してもらうことができます。「思い出の場所で家族だけで見送ってあげたい」、「手厚い供養がしたい」という飼い主に適した火葬方法です。
費用相場は30,000円〜50,000円です。火葬・葬儀を手厚く行い、飼い主も参列することができることがメリットですが、その分費用が高くなる点がデメリットと言えます。
合同火葬
ほかのペットと一緒に火葬し、供養してもらう火葬方法です。1人では寂しいのでほかのペットたちと一緒に火葬してあげたいという飼い主におすすめです。
合同でほかのペットと一緒に火葬するので、返骨はできません。ご遺体を業者に引き渡したあとは、すべて業者が行うので立会やお骨上げなども飼い主は行うことはできません。
費用は個別火葬に比べて抑えられますが、お骨上げや返骨できないというデメリットがあります。費用相場は、10,000円〜20,000円です。
火葬のあとは、そのまま共同墓地に埋葬されるのが一般的な流れです。
訪問火葬
訪問火葬とは、火葬炉を搭載した車でペット葬儀業者が自宅まで訪問し、ペットを自宅などで個別火葬が行えるサービスです。
自宅以外では、駐車場や自宅近くの公園など飼い主が指定した場所で火葬を行うことができます。火葬の様子を最後まで見守り、お骨上げもできるため、ペットとの最後の時間を大切にできる点がメリットと言えます。
ペット専用の火葬車は、密閉できる構造で煙や匂いが漏れづらい仕様になっているため近隣に迷惑をかける心配もありません。
家族だけで静かにお見送りをしたい方、一緒に過ごした自宅で最後のお別れを行いたい方などに人気です。
また、自宅まで来てくれるので、「ペット霊園までの交通手段がない」という方にも向いています。火葬を見届ける所から、お骨拾いまで立ち会うことができるので旅立つ最後の時間を一緒に過ごし、お見送りをすることができます。
自治体の火葬
住んでいる地域によって対応は異なりますが、各市町村の自治体に火葬を依頼することもできます。民間業者より安い費用で遺体を引き取ってもらうことが可能です。
費用は無料〜数千円程度ですが、返骨はできません。野生動物などの処分と同時に行うことも多いため、供養というよりは処分という感じになります。
ペットの供養という点ではあまりおすすめはできませんが、どうしても費用を抑えたいという方に適しています。引き取りや火葬の方法について詳しく確認してから依頼するか決めるようにしましょう。
土葬・埋葬
火葬以外なら、土葬や埋葬も可能です。埋葬の場合、自身の所有する私有地にのみ埋葬することができます。
埋葬する穴は十分な深さまで掘る必要があります。30㎝以上掘るようにしましょう。
穴が浅いと、遺体が土に還る前に異臭が出たり、虫やカラスや鳥などの動物に荒らされてしまうことがあります。
私有地に埋葬するので費用がかからないメリットはありますが、適切な方法で行わないと異臭や虫が湧くなどのデメリットの方が大きいです。遺体が土に還るまでは長い時間がかかりますので、ハリネズミの埋葬を希望するときは、火葬後の遺骨を埋葬するようにしましょう。
ハリネズミを見送る方法に正解はありません。飼い主さんの気持ちや考えが大切ですので、どんな形で見送りたいか考えながら、最適な方法を選びましょう。
ハリネズミの火葬費用
ハリネズミの火葬費用は、火葬の種類によって、内容や金額が異なります。また、業者によってもサービスや料金体系が異なります。
ハリネズミの火葬費用や特徴について表にまとめましたので参考にしてください。
火葬方法 | 費用 | 特徴 |
---|---|---|
個別一任火葬 | 2万円~3万円 | 遺体を引き渡したあとは業者側に一任。
立会、お骨上げはできない。 希望すれば返骨してもらえる。 |
個別立会火葬 | 3万円~5万円 | 人間と同じように葬儀ができる。
火葬の立会、お骨上げができる。 返骨してもらえる。 費用が高くなってしまうのががデメリット |
合同火葬 | 8,000~15,000円 | ほかのペットと一緒に火葬。
火葬後は合同で墓地に埋葬される。 費用は抑えられる。 |
訪問火葬 | 13,000~50,000円 | 専用の火葬車に自宅や希望の場所まできてもらえる。
時間や場所を選べる自由度が高い。 立会、お骨上げ、返骨ができる。 |
自治体の火葬 | 0円~数千円 | 遺体を自治体に引き取ってもらえる場合がある。
費用はおさえられるが、供養というより処分となってしまう。 立会、お骨上げ、返骨はできない。 |
ハリネズミの火葬後の供養とお別れの仕方
火葬が終わり返骨されたら、供養してあげましょう。ペットの供養方法に決まった様式はありません。
飼い主が、愛するペットを想ってご自身に合った方法で供養してあげることが一番大切です。
しかし、決まった方法がないからこそ、どのように供養したらいいのかわからないと悩む人もいるでしょう。
ペットの供養方法には一般的に以下の4つがあげられます
- 手元供養
- 霊園や納骨堂に納骨
- 埋葬する
- 散骨する
手元供養
手元供養とはペット用の仏壇で遺骨を供養したり、ペンダントなどのアクセサリーに遺骨の一部を入れたりして自宅や自身の手元で供養することです。
ペットと一緒の時間を過ごしたい、ペットを近くに感じていたいなどの方に選ばれる方法です。
自宅で供養するので費用を抑えられることがメリットですが、遺骨にカビが生えてしまう恐れがあるなどのデメリットもあります。
四十九日が終わるまでは自宅で手元供養して、その後ペット霊園に埋葬する人も増えています。
霊園や納骨堂に納骨する
火葬後に遺骨をペット霊園や納骨堂に納めて供養する方法です。一定期間、霊園や納骨堂の管理者が家族に代わって、ペットの遺骨を管理してくれます。
納骨堂はペット火葬ができる葬儀社が提供してくれる場合がほとんどですので、火葬後すぐに遺骨を預けることができます。
「手元に置いておくか、お墓を作るか迷っている」「気持ちの整理がつくまで、一時的に預かってほしい」という方におすすめです。
ペット霊園や納骨堂には、ほかのペットと一緒に埋葬される共同墓地や、個別に入れる個別墓地、屋内型のお墓である納骨堂などの選択肢があります。
ペット霊園で墓地に埋葬された場合には、定期的に掃除してきれいにしてもらえたり、お盆などは合同供養をしてもらえるなどがメリットです。
納骨堂に納骨する場合は合同棚や個別棚があります。
合同棚はほかのペットの遺骨と一緒に安置されます。個別棚は、ロッカーのようにスペースが区切られており、そこに写真やお線香、おやつ、おもちゃなどをお供えできます。
納骨堂は永代供養をしてもらえることがメリットですが、管理費用がかかることがデメリットです。
ただし、納骨堂に納められるのは3年・5年などの一定期間ですので、そのあとをどのように供養するか考えておく必要があるでしょう。
埋骨・散骨する
ペットの遺骨を自宅の庭などに埋めて供養する方法です。「自然の中で供養してあげたい」「自然に還してあげたい」という方に向いています。
残念ながら、ペットの遺骨は法律上廃棄物の扱いとなりますので、ペットの遺骨は庭に埋葬しても問題ありません。
埋葬できるのは、自身の私有地のみなので公園などには埋葬しないようにしましょう。
また、海や山などに遺骨を散らして供養する方法もあります。海や山に遺骨を散骨を希望する場合は遺骨をパウダー状にする必要があります。
散骨の希望がある場合は、火葬後に遺骨をパウダー状に粉骨してくれる業者もありますので、事前に確認しておきましょう。
ハリネズミの供養の方法に正解はありません。
どの方法がハリネズミにとって良い方法なのかは飼い主の気持ちや考え方によって代わってきます。
自分の気持ちに素直になって、ハリネズミに感謝の気持ちを伝えてあげましょう
ハリネズミの火葬に関するよくある質問
ハリネズミの火葬に関しては、以下の質問がよく聞かれます。
- ハリネズミを火葬した場合、遺骨や針は残せますか?
- ハリネズミの火葬依頼から何日ほどで火葬できますか?
- ハリネズミの火葬にはどれくらいの時間がかかりますか?
上記の質問の回答を紹介していきます。
ハリネズミを火葬した場合、遺骨や針は残せますか?
ハリネズミの火葬後、遺骨は残りますが、針は残りません。針は体毛がまとまって硬くなったものです。
硬く骨のようにも思えますが、体毛であるため燃えてしまい残ることはありません。
遺骨は小動物専門の業者であれば、専用の火葬炉で丁寧に火葬してくれますので、きれいに残すことができます。
ハリネズミの針は燃えてしまい残りませんので、針を残しておきたい時は、きれいに体を拭いたあと、火葬前に数本取っておきましょう。
ハリネズミの火葬依頼から何日ほどで火葬できますか?
ハリネズミの火葬は依頼を受けてから1日〜3日で行うのが一般的です。ペット葬儀業者によって異なりますが最短で当日、最長で数日となっています。
個別立会火葬や訪問火葬の場合は、場所や時間選択の自由度が高いため当日に対応してもらうことできます。
合同火葬や個別一任火葬の場合は、火葬の日や供養日が決まっていることがありますので葬儀プランと合わせて日程ついても確認しておきましょう。
ハリネズミの火葬にはどれくらいの時間がかかりますか?
ハリネズミの火葬時間はだいたい10〜20分です。
個別火葬の場合は、お焼香やお別れの時間、お骨上げの時間などが含まれますので、葬儀全体では1時間〜2時間かかるでしょう。
個別火葬で火葬後に納骨式を考えている場合は、その分長くなります。
このように、火葬の種類や供養方法、業者により火葬時間は異なりますので火葬を依頼するときに確認しておきましょう。
ハリネズミの火葬を依頼するサービスは比較して選ぼう
ハリネズミの火葬を行う際には依頼するペット葬儀業者を比較し選定することが大切です。
火葬方法や遺骨の取り扱い、火葬後の供養方法などサービスに様々な違いがあるからです。
自身の希望や予算に合ったサービスを選ぶことで、最愛のペットとのお別れを納得の行く形で行うことができます。とはいえ、どのサービスを選んでよいか、迷ってしまうことも多いです。
その場合は、「ミツモアのペット火葬見積比較サービス」がおすすめです。かんたんな情報を登録するだけで、おおよその見積もり目安や他に考えるべきことをプロが確認してくれます。
自分で決めるのがなかなか難しい方は、ぜひミツモアのペット葬儀見積比較サービスをご利用ください。
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