塗料の種類の中にセラミック塗料があります。主に住宅の外壁塗装に使用され、高い意匠性や耐熱性などを加えられる人気の塗料です。
セラミック塗料の概要やメリットを紹介します。併せて業者を選ぶ際の注意点なども見ていきましょう。
セラミック塗料とは
セラミック塗料は一概にこれがセラミック塗料だという定義はありません。他の塗料に比べ知識がないと選択しづらくなるでしょう。セラミック塗料の概要を説明します。
主成分の樹脂にセラミックを混ぜたもの
セラミックとは無機系の鉱物であり陶器やガラス、コンクリートもセラミックの一つです。大小さまざまな大きさの石や砂利も含まれます。
セラミック塗料は正確に言うと塗料の主成分である樹脂に、セラミックを配合させたものです。セラミック自体でできた塗料ではありません。
そのため業者によっては「セラミック配合塗料」と呼ぶこともあります。
セラミックの種類や配合割合はさまざまであり、商品によって性質や品質が異なります。
例えばセラミックが多く含まれていると紫外線からセラミックが守ってくれるため、耐久性が高くなるでしょう。
知っておくべき大事なポイント2項目
セラミック塗料と言うとよく誤解される知識があります。正確な情報をしっかり把握した上で選択を検討すると良いでしょう。
セラミック塗料において誤解されやすい大事なポイントを2点紹介します。
セラミックはグレードを示すものではない
塗料にはグレードがあり一般的にアクリル塗料・ウレタン塗料・シリコン塗料・ラジカル塗料・フッ素塗料の順に品質が高くなります。
セラミックは塗料となる樹脂に添加するものであり、これらのグレードを示すものではありません。
アクリル塗料であれフッ素塗料であれセラミックが配合されていれば、セラミック塗料と呼ぶのです。
セラミック自体が硬く頑丈であるため配合されていれば耐候性が高くなる効果はあります。
樹脂が主な塗料の性能を表すベースとなり、セラミックは補助的な役割を果たすものだと捉えてもいいでしよう。
耐用年数は樹脂の種類で決まる
塗料にセラミックが含まれているからといって、その塗料の耐用年数がセラミックに左右されることはほとんどありません。
特にセラミックを少し混ぜただけのセラミック塗料は、主成分の樹脂と耐用年数はほぼ同様になります。
塗料に含まれるセラミックの成分によっても耐久性は変わり、一概にセラミック塗料の耐用年数は定義できません。
では頑丈なセラミックが大量に含まれる塗料は、耐用年数が高くなるのでしょうか。答えはNOです。
セラミックは硬度が高いため、ひび割れしやすい特徴を持ちます。塗装に亀裂が入るとそこから劣化してしまうでしょう。
セラミック塗料の種類
セラミックの種類によって塗料の特徴が変わります。さまざまなメリットをもたらすセラミックの種類を紹介します。
汚れにくい塗料
特殊なセラミックビーズが含まれた親水性の高いセラミック塗料は、汚れが雨で洗い流されやすいメリットがあります。
親水性とは水が吸着しやすい度合いを示します。塗膜と汚れの間に水が入り込みやすくなり汚れを流し落としてくれるのです。
この特徴は特殊なセラミックを微量含むだけで実現できるものもあり、親水性はセラミックの量に比例するわけではありません。
外壁が汚れにくければメンテナンスする手間や費用も抑えられるでしょう。
断熱効果のある塗料
セラミック成分は真空を作りやすいので断熱・遮熱効果が期待できます。塗料の粒子が空洞化すれば熱伝導率は限りなく0に近づき、外気の影響を受けにくくなるのです。
そのため夏は強力な日差しから家を守り、冬は熱が逃げるのを防いでくれるでしょう。家の中は快適な温度を保ちやすくなります。エアコンの効きも良くなり、電気代も抑えられるでしょう。
塗料を劣化させる紫外線に対してもセラミックは強く、耐候性が高い特徴があります。塗膜の劣化を抑えれば塗装が長持ちするでしょう。
石材調に仕上げる塗料
塗料にセラミックを混ぜると意匠性が高くなります。例えばさまざまな色をした陶磁器や天然石といったセラミックであれば、塗装のデザイン性を高められるでしょう。
耐久性を高める目的ではなく、意匠性を取り入れるためだけにセラミックが利用される場合があります。
またセラミック塗料は顔料を含まないので褪色しづらく、いつまでも塗りたての新鮮な色を保ちやすくなるのです。
外壁の見た目をかっこよくおしゃれに見せたい場合は、デザイン性を重視したセラミック塗料を使用すると良いでしょう。
外壁に使用するときの注意点
セラミック塗料を外壁に使用する際は注意が必要です。場合によっては納得のいかない施工で高額な料金を支払わなければならないこともあります。
セラミック塗料を選択する際の注意点を紹介しましょう。
悪質な業者が存在する
戸建て住宅に住むと、悪徳セールスマンが訪問してくる場合があります。特に耐久性を高めるためにセラミック塗料を勧めてくる場合がありますが、このような業者には要注意です。
セラミック成分が耐久性に影響する可能性は低く、知識のない素人をだましてセールスしている可能性があります。
またセラミック塗料には配合率などの定義がないため、微量のセラミックを含む塗料をセラミック塗料とうたい品質の悪い商品を売り付ける恐れもあるでしょう。
セラミック塗料はひび割れしやすいデメリットを抱えます。このようなデメリットを説明しない業者にも注意して下さい。
職人の技術や経験も必要
一般的に、セラミック塗料はスプレーガンで吹き付けるように塗装していきます。
そのため出来栄えは職人の技術に左右される可能性が高くなり、場合によっては塗りムラや色ムラが生じることもあります。
また広範囲に塗料が飛散するのでしっかり養生しないと、関係のない箇所にも塗料が付いてしまうでしょう。
業者を選ぶ際はセラミック塗料の経験年数や、知識の有無を質問してみるとよいでしょう。
言葉で確認しづらい場合は一級塗装技能士などの資格を有する社員がいるか聞いてみるのも一つの手段です。
代表的なセラミック塗料の価格と耐用年数
セラミック塗料には信頼性の高い代表的な商品があります。初めてセラミック塗料を検討する人はこれらの商品を参考にしてみてはいかがでしょうか。
おすすめできる商品の価格や耐用年数を紹介します。
日進産業「ガイナ」
セラミック塗料のガイナは吹き付けだけでなく、コテやローラーなど幅広い道具で塗装できます。そのため出来栄えや質感も好みに合わせて塗装可能です。
防カビ抗菌仕様なのでアレルギーの心配も要りません。カビの繁殖を防ぎ清潔でキレイな外観を保てるでしょう。
基本色が52種類もあり、お気に入りの色が見つかりやすい特徴があります。意匠性も高いので、デザインを重視する人でも納得のいく出来栄えに期待できます。
危険性のある物質を使用していない水性塗料です。小さな子供やペットがいる家庭でも安心して使用できるでしょう。
- 商品名:ガイナ
- 公式:商品ページ
日本ペイント「ファイン4Fセラミック」
塗料の老舗である日本ペイントが開発した「ファイン4Fセラミック」も有名です。耐候性が高く、経年劣化による塗り替えまでの期間が長くなります。
下地をほとんど選ばずに塗装できるので、塗り替えもしやすい特徴があります。
防カビ・防藻性能を備え、じめじめしたロケーションに効果を発揮するでしょう。
一般的にこれらが付着すると緑っぽくなり古い外壁に見えてしまいますが、ファイン4Fセラミックを使用すればキレイな外観を長く保ってくれます。
住宅だけでなく倉庫や商業施設にもおすすめできる商品です。
- 商品名:ファイン4Fセラミック
- 公式:商品ページ
外壁塗装は信頼できる業者へ依頼しよう
セラミック塗料は、あくまでも主成分の塗料にセラミックを加えたものです。セラミックを含めるとデザイン性を高めたり、付着した汚れを落としやすくしたりする効果を付加できます。
しかしセラミック塗料は配合率に定義がないため、少量のセラミックを含めた粗悪な商品をセラミック塗料として売り付ける業者もいます。
セラミック塗料を検討する際は、このような業者に気を付けなければなりません。またセラミックに対する知識や経験が乏しい業者もいます。
外壁塗装はこれらの業者に注意し、後悔のない選択をして下さい。
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