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外壁のクリア塗装とは?メリット・デメリット・通常塗装との違い!見た目や性能はどう?

最終更新日: 2023年03月31日

クリア塗装はその名の通り、透明の塗料を使った塗装のこと。通常の塗装に比べて、見た目や施工できる条件などが異なります

この記事ではクリア塗装に関する知っておきたい知識を幅広く解説します。

最近ではクリア塗装を選択する人が増えてきましたが、まだまだポピュラーな施工法ではありません。ぜひこの記事を参考にして、採用するかどうかを考えてみてください。

クリア塗装とは?見た目や機能的な特徴を解説!

塗料と塗装ローラー

クリア塗装とは「クリア塗料」という、従来とは少し違った塗料を使って行う塗装のことです。通常塗料は何かしらの色がついていますが、クリア塗料は無色透明。この「色の違い」が塗装におけるさまざまな違いにつながります。

クリア塗装で一番イメージしやすいのが車ではないでしょうか。車のボディはコーティングされたように艶(つや)がありますよね。あれは板金を塗装した後に、クリア塗装で仕上げているからなのです。クリア塗装を行う理由は、車の板金に着色した塗膜を紫外線から保護するためにあります。

ただし外壁にクリア塗装を施す場合、車とは少し違う方法を取ります。車は板金に通常塗装を行い、その上からさらにクリア塗装を行うのに対し、外壁塗装ではクリア塗装のみをするんです。

車と同じように施工すれば、より長持ちする外壁になるのでは?と思いますよね。しかし車と違って建物の塗装は塗装面が大きいので、工程や費用がかなりかかってしまいます。そのためいきなりクリア塗装を施すんですね。

クリア塗料と他の塗料の違い

クリア塗料と通常の塗料との最も大きな違いは、色の素である「顔料」が入っていないこと。そのためクリア塗料は無色透明なのです。

言い方を変えれば「顔料が入っていない」という点を除けば、他の塗料と違っている点はありません

クリア塗装の費用と耐用年数

上述した通り、クリア塗料と一般的な塗料の違いは顔料の有無だけです。つまりクリア塗装の耐久性は他の塗装と同じく、塗料の樹脂の種類で決まります。

一般的な塗料もクリア塗料も、樹脂の種類によって主に以下の5つに分かれます。

樹脂の種類 施工費用 耐用年数
アクリル塗料 1,000~2,000円/㎡ 5~7年
ウレタン塗料 1,500~2,500円/㎡ 10~12年
シリコン塗料 2,000~3,500円/㎡ 12~15年
フッ素塗料 3,500~5,000円/㎡ 15~20年
無機塗料 3,500~5,000円/㎡ 15~25年

※費用と耐用年数はあくまで参考値です。

一般的に下に行くほど、高価で高耐久になります。

たとえば「フッ素製は高い耐久性が期待できるものの費用がかかり、アクリル製は長くもたないかもしれないが安価」といったことが言えるでしょう。

クリア塗装のメリット

家の外壁塗装をするペンキ屋さん

クリア塗装には主に3つのメリットがあります。

メリット①:チョーキング現象が発生しない

チョーキング現象とは、外壁塗料の経年劣化により塗料が粉末化し、外壁に触れると粉がついてしまう現象のこと。チョーキング現象の原因は、一般的な塗料に含まれている「顔料」にあります。色の素である顔料が紫外線や風雨などで分解された結果、元の粉末に戻ってしまうんですね。

しかしクリア塗料は顔料を含んでいません。そのため顔料が退色し粉末化するチョーキング現象が起こらないんです。

メリット②:施工回数が少ないので費用が抑えられる

通常の塗装の場合は、まずシーラーやフィラーと呼ばれる下塗り材を塗ります。そして下地を整えてから中塗り、上塗りを行い、合計3回塗るのが一般的です。

しかしクリア塗装は下地をそのまま生かした塗装法なので、施工工程も中塗り、上塗りの2工程のみ。施工時間や使用する塗料の量も少なくなり、費用が抑えられるのです。

メリット③:外壁材そのものの魅力を引き出せる(デザイン性・艶感など)

クリア塗装は透明な塗料を塗るので、外壁そのもののデザインや色を保つことができます。

また無色透明のため、外壁材そのものに対して艶が出せる点もメリットです。

クリア塗装のデメリット・注意点

塗料と塗装ローラー

クリア塗装には主に3つのデメリットがあります。

デメリット①:塗装できる下地が限られる

一般的な塗装の場合はある程度傷やクラック(ひび割れ)があっても、補修してから塗ってしまえば隠すことが可能。着色した塗料で塗りつぶすからですね。

一方でクリア塗装は無色透明なので、下地材の状態が丸見えです。つまり劣化が激しく補修を必要とする下地の場合、クリア塗装に向いていないということです。一般的な目安でいうとクリア塗装は築10年未満で行うことが望ましいとされています。

また中にはクリア塗料が定着しづらいとされている下地も。例えば光触媒塗料やフッ素塗料などの特殊な塗料でコーティングされた下地。そのほか金属系サイディングやモルタル等の外壁とも相性はよくありません(全く塗れない訳ではありませんが)。

このようにクリア塗装は、塗ることのできる下地が限定されてしまうというデメリットがあるのです。

デメリット②:チョーキング現象が発生しない

メリットとして取り上げたチョーキング現象ですが、あえてデメリットでも取り上げたいと思います。

チョーキング現象は「顔料が経年劣化により分解され、塗装が退色し粉末化していく現象」だと説明しました。しかしこのチョーキング現象はある意味、塗膜の劣化具合を知るサインにもなるのです。

クリア塗装はチョーキング現象が起こらない分だけ、素人には塗膜の劣化状況を予測しづらいんですね。そのため劣化を見逃してしまい、大きな問題につながってしまう可能性もあるのです。

クリア塗装はこんな人におすすめ!

新築住宅

以上の解説を踏まえて、クリア塗装は以下のような方におすすめです。

  • 自宅の外壁のデザインや美しさをなるべく保ったまま、綺麗に仕上げたいという方
  • 新築から10年以内で下地がそこまで劣化しておらず、今のうちに安価な塗装をしたいと考えている方

最近の窯業系サイディング外壁は、オシャレでデザイン性の高いものも増えてきています。それなのに通常の塗料で塗りつぶしてしまうと、せっかくのデザインが隠れてしまいますよね。

それが嫌だと感じる方は、ぜひクリア塗装を検討してみてください。もちろんサイディング以外の外壁でも同様です。

外壁塗装でクリア塗装をする際に気を付けるべき点

住宅点検

クリア塗装をするなら知っておきたい注意点がいくつかあるので、詳しく解説していきます。

注意点①:シーリングの上からクリア塗装は推奨されていない

シーリング

クリア塗料については、多くのメーカーがシーリングの上に塗装することを推奨していません(通常の塗料であれば、シーリングの上から塗装することもあります)。

メーカーが推奨していないだけなので、耐久性アップのためあえて施工するという業者もいるかもしれません。しかし問題なのは「施工業者がどこまで特性を理解して施工しているか」です。

まず外壁塗装時に、シーリングの上から塗装をするのか、それとも塗装後にシーリングを充填(じゅうてん)するのかを確認しましょう。前者だった場合はどういった意図があるのかを聞くようにしてください。

注意点②:知識の薄い業者は下地の状況を正しく判断できない

外壁塗装の見積もりをする営業マン

中にはクリア塗装に適していない下地にもかかわらず「お客様の要望だから」と施工してしまう業者もいます。

上述した通り、クリア塗装は下地にひび割れなどがあった場合、それを隠すことができません。そのためせっかく塗装したのに外観が見苦しいままということもあります。また既存塗膜が既にチョーキングを起こしている場合は、クリア塗装を行うと顔料がダマになってしまい、見栄えが悪くなります。

さらに特殊なコーティングがされている下地に対して、クリア塗料はしっかりとした塗膜を張ることができません。施工知識のない業者が下地の状態だけ確認して塗装を行った場合、数年で塗膜がポロポロ剥がれてきてしまいます。

注意点③:塗り残しが判別しづらい

塗装工事

通常3回塗らなければいけない下塗りを省いたり、塗っていない箇所があったりなど、ずさんな施工を行う悪徳業者は残念ながら存在します。

通常の塗料であれば、着色の有無や色ムラ等で判断しやすいでしょう。しかしクリア塗装は無色透明なので、一部塗り残しがあっても分かりにくく、また指摘できない可能性があります

信頼できる施工店であれば問題はないのですが、クリア塗装は悪徳業者がごまかしやすい塗装法であることも覚えておいてください。

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クリア塗料のおすすめ・人気商品

ピュアライドUVプロテクトクリヤー 日本ペイント株式会社

大手塗料メーカーである日本ペイントのクリア塗料です。サイディングへの塗装を想定しており、高機能な製品となっています。

材工価格(塗料と作業代込みの価格) 2,980円~/平方メートル
適用下地 サイディング各種

※光触媒が施されたサイディングボードには適用できません

艶有り、3分艶有り、艶消し
耐用年数 公表無し(10~12年程度と推測)

※艶は光の反射率のこと。「艶有り」は最も強い艶があります。

プレミアムUVクリヤーF エスケー化研株式会社

こちらも大手メーカーであるエスケー化研の製品です。同じくサイディングパネルへの塗装を想定しています。主要構成要素はフッ素で、高い耐久性が期待できる製品となっています。

材工価格 2,900円~/平方メートル
適用下地 意匠性デザインサイディングの改修

※光触媒の表面コーティングが塗装されているサイディング板、金属サイディングには適用できません

艶有り、3分艶
期待耐用年数 15~20年

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