家の合鍵を複製したいが、どれくらいの費用と時間がかかるのかわからない方も多いと思います。鍵の種類によって複製にかかる金額や時間は異なります。
この記事では鍵の種類別に詳しく解説をするとともに、作成可能・不可能な鍵の種類も紹介していきます。
合鍵の作成にかかる費用相場と所要時間
合鍵を作るときの費用や所要時間は、鍵の種類によって大きく変わります。防犯性の高い鍵ほど、複製も難しいからです。ピンシリンダーやディスクシリンダーであれば5~10分で約1,000円前後、ディンプルシリンダーなど防犯性の高い鍵であれば4,000~5,000円以上が相場です。
鍵の種類 | 費用目安 | 作成時間の目安 |
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ディスクシリンダー | 1,000円前後 | 5~10分 |
ピンシリンダー | 1,000円前後 | 5~10分 |
ディンプルシリンダー | 4,000~5,000円 | 30~60分 |
カードキー | 3,000円~ | 即日~数週間 |
電子キー | 5,000円~ | 数週間 |
車のイモビライザーキー、スマートキー | 10,000~20,000円 | 数週間 |
費用や、合鍵作成にかかる時間をまとめると上の表のようになります。
しかし合鍵の作成に制限がある鍵の種類もあるため、それらを以下で詳しく解説していきます。
ディスクシリンダーキー
費用相場 | 500~1,000円前後 |
作成時間 | 5~10分 |
依頼先 |
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ディスクシリンダーキーは、両側面がギザギザで鍵穴が縦に開いているのが特徴です。現在ではより防犯性の高い「ロータリーディスクシリンダーキー」が主流。
古いディスクシリンダーキーを家の玄関などに使っている場合、ピッキングに弱く防犯性が低いので、キー前(鍵全体)ごと別の種類の鍵に交換するのをオススメします。
ディスクシリンダーキー、ロータリーディスクシリンダーキーどちらでも、合鍵作成はおよそ500円~1,000円前後で依頼できます。
鍵の構造はシンプルなので、鍵屋やホームセンターなどどこでも複製可能です。鍵の複製自体は5~10分ほどなので、店が混み合っている場合でも即日中に受け取れることがほとんどです。
ただしロータリーディスクシリンダーは「MIWA(美和ロック)」だけが販売している鍵で、複製には技術が必要とされています。この場合、メーカーに純正キーを依頼するのがオススメです。
ピンシリンダーキー
費用相場 | 500~1,000円前後 |
作成時間 | 5~10分 |
依頼先 |
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ピンシリンダーキーは、片側面がギザギザな鍵のこと。おもに自転車や簡易的なロッカー、デスクやキャビネットなどに使用されています。ディスクシリンダーキーと同様にピッキングに弱く、防犯性が低いです。
ピンシリンダーキーは構造がシンプルなので、鍵屋やホームセンターなどどこでも作成できます。店が混み合っていなければ、10分程度で受け取ることも可能です。
また費用は高くても1,000円前後に収まるでしょう。
ディンプルシリンダーキー
費用相場 | 4,000~5,000円 |
作成時間 | 30~60分 |
依頼先 |
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ディンプルシリンダーキーは、表面に複数のくぼみがあるのが特徴の鍵です。くぼみの大きさや深さが鍵ごとに違い、億単位のパターンがあります。ピッキングに強く、防犯性が高いのが特徴。最近建てられた住宅に多く使用されています。
構造が複雑なので、特殊な機械を使わないと鍵を複製することができません。そのため依頼先は「ディンプルシリンダーに対応可能」と明記しているお店に限定されます。
基本的には大手の鍵屋に作成を依頼したり、メーカーから純正キーを取り寄せたりすることになるでしょう。実績豊富な個人店に依頼しても問題ありません。
費用相場はおよそ4,000~5,000円ほどですが、鍵の種類・メーカーによっては10,000円以上になることも。
お店で複製してもらう場合の作業時間は約30~60分ですが、メーカーから純正キーを取り寄せる場合は1~2週間かかることもあります。
カードキーや電子キーなど、特殊な鍵
費用相場 | 3,000~5,000円 |
作成時間 | 数週間 |
依頼先 |
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暗証番号式の電子キー、マグネットキー、カードキーなど、特殊な鍵を使用している場合には、基本的にメーカーからの取り寄せになります。
鍵屋に依頼する場合、店に在庫があれば対応してもらえる可能性もありますが、在庫が無ければメーカーから取り寄せるのに数週間かかるでしょう。
およそ3,000~5,000円前後で複製可能です。
車のイモビライザーキー、スマートキーなど
費用相場 | 10,000~30,000円 |
作成時間 | 即日~数週間 |
依頼先 |
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車の鍵を複製する場合、機能がついていないシンプルな鍵なら、ふつうのディスクシリンダーキーなどの作成と変わりません。およそ1,000円前後で、10分~30分あれば複製できるでしょう。
ただし盗難防止用にIDが設定されている「イモビライザーキー」や、鍵が近くにあるだけで開キー・施キーできる「スマートキー」の場合には、最低でも10,000円はかかってしまいます。
車の正規ディーラーに依頼するのが確実ですが、その場合は取り寄せに数週間かかります。
急いでいる場合は、鍵屋に依頼することで即日対応してもらえるでしょう。ただし鍵屋のなかでも、イモビライザーキーやスマートキーに対応可能な技術・道具を扱える店を選ぶ必要があります。
合鍵の作成に制限がある鍵の種類
一言に合鍵を作るといっても大きく2パターンが存在します。マスター鍵から合鍵を作るケースと合鍵から合鍵を作るケースです。
またディスクシリンダーキーやピンシリンダーキーのように、比較的合鍵の作製が簡単なものもありますが、構造が複雑なために合鍵の作成に制限がある鍵の種類もあります。
このように鍵の作製辞自体は可能ですが、構造が複雑なために対応していない業者も多いです。
合鍵を作製できるかどうかは、業者の方にしっかり確認を取りましょう。
オートロックと自室の両方を解錠できる鍵
オートロックマンションでは、共用エントランスの出入口など、特定の箇所が自動的に施キーされるシステム(オートロック)が採用されており、鍵なしでは外から入ることができません。
共用エントランスには「逆マスター」と呼ばれる仕組みがあります。この仕組みでは、マンション内のどの部屋の鍵でも共用エントランスを開けることができます。そのため、マンションの住人は、1本の鍵だけで共用エントランス部分と自分の部屋を解錠することができます。
もし合鍵を作製する場合は、必ず管理会社や物件のオーナーに許可を得ましょう。
登録制シリンダーキー
またディンプルキーの中でもさらに特殊な種類の鍵があります。それが登録制シリンダーです。これはメーカーが鍵番号を管理しているため勝手に合鍵を作ることができなくなっています。
登録制シリンダーの合鍵が欲しい場合には、シリンダーの持ち主がメーカーの専門注文用紙に登録情報を記入しないと作れません。名前などの個人情報に加えて、登録時に自分で決めたパスワードが必要になります。もし鍵が盗まれたとしても、パスワードを知っていないと複製ができないため防犯性能が高い鍵です。
合鍵の作成を依頼できる業者の選択肢4つ
合鍵を作成できる場所はいくつかありますが、自分の状況に合わせて依頼先を選ぶのがオススメです。
鍵の専門業者 |
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ホームセンター |
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インターネット上の鍵業者 |
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鍵メーカーや正規ディーラー |
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それぞれの依頼先について、ここから詳しくメリット・デメリットや注意点を解説していきます。
ちなみに自転車の鍵を複製したい場合は、自転車を購入したお店でも対応してもらうことができます。
鍵の専門業者
メリット |
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デメリット |
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鍵の専門業者に合鍵作成を依頼すると、遅くても即日中には受け取ることができます。また出張対応してもらえるお店もあるので、家で直接サービスを受けたいときには便利です。
倉庫や金庫、ロッカー、自転車などあらゆる場所の鍵に対応できるので、「近所のお店に出張サービスを依頼したい」という人にオススメ。
ただし対応できる鍵の種類に限りがあるケースも多く、とくにディンプルシリンダーキーや車のイモビライザーキーなどを複製したい場合には、対応可能な業者を選ぶ必要があります。
注意点としては、出張サービスを受ける場合には出張費がかかってしまう点が挙げられます。また特殊キーを複製する場合には純正キーが必要になるケースもあり、その場合は取り寄せに時間がかかるということを覚えておきましょう。
ホームセンター
メリット |
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デメリット |
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カインズやコーナン、ナフコといった大きなホームセンターで合あれば、合鍵作成サービスを受けられるケースがあります。目安の料金としてコーナンは440円~、ナフコ450円~です。
メリットは、即日中に合鍵を受け取ることができること。最短の所要時間は約15分程度です。家の近くのお店で、お買い物と一緒に済ませられるケースもあるでしょう。
デメリットは、複製できる鍵の種類が限られてしまうこと。ピンシリンダーやディスクシリンダーなら対応できる場合が多いですが、ディンプルシリンダーなど複雑な鍵だと断られてしまうケースも。
またホームセンターは鍵の専門店ではないので、他の業者に比べて技術力が劣ってしまうというリスクもあります。合鍵の精度が低いと、鍵穴から抜けなくなってしまうなどの不調が起こるかもしれません。
結論としてホームセンターでの合鍵作成は「デスクや簡易ロッカーなど、比較的簡単な鍵をすぐに複製したい」場合にオススメです。
インターネット上の鍵業者
メリット |
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デメリット |
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合鍵作成の専門サイトを使えば、インターネット上だけでやり取りして、鍵を郵送してもらうことができます。
キーナンバーやメーカー、鍵の表裏の写真を送るだけで簡単に合鍵を作成できるうえ、自分で鍵を持ち込む必要がないので、忙しくてお店に行けない人にオススメの方法です。
目安の料金は、鍵の種類によって異なりますが500〜3,000円程度です。ただし送料が加算されるので注意しましょう。また手元に届くまで1~2週間かかるのもデメリット。時間に余裕がある場合に依頼するのがよいでしょう。
鍵番号の悪用リスクに注意
鍵には固有のキーナンバー(鍵番号)があり、インターネットでの注文時にはこの情報を送る必要があります。
キーナンバーとは、鍵に刻印されたメーカー名・アルファベット・数字の組み合わせのこと。この番号が分かると簡単にネットで鍵を注文できてしまいます。
キーナンバーを知った第三者がキーを複製し、不法侵入するリスクがあるので、注文時に使った鍵の写真などは破棄しておきましょう。
過去には実際に、キーナンバーを使って鍵を複製し、女子大学生が住むマンションに男が侵入した事件も発生しているのです。
鍵メーカーや、車の正規ディーラー
メリット |
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デメリット |
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鍵メーカーや車の正規ディーラーに依頼することのメリットは、純正キーを作ってもらえること。合鍵と違って、鍵の形に差がでないので、シリンダー内部を傷めることがありません。
また車の盗難防止システムが使われている「イモビライザーキー」や、「スマートキー」「キーレスキー」など、特殊な機能を使っている鍵はディーラーを通して注文するのが確実です。
このように「特殊キーを複製したい」という場合や、「使っていた純正キーを失くしてしまった」という場合に、メーカーやディーラーへ依頼するのがオススメです。
ただどうしても、メーカー依頼のほうが他の合鍵業者よりもコストが高くなり、また複製に時間がかかってしまいます。確実性よりも、「安価に、手早く」鍵を複製することを重視しているなら、鍵業者への依頼がオススメです。
合鍵を作るときに必要なもの
合鍵を作るときには、以下のようなものが必要です。
- 純正キー
- 身分証明書
- 車の場合は車検証など
- セキュリティカード
- 鍵登録システム証明書
証明書類は、本人以外が鍵を複製するのを防ぐために、防犯目的で使用されます。おもにディンプルキーや、車の鍵を複製するときに提示を求められるケースが多いので注意しましょう。
オリジナルの純正キー(元鍵)
合鍵を作るときには、もともと鍵を設置したときに3~4個ついてくる「純正キー」を複製しましょう。
通常、合鍵を作る場合にはブランクキーという無地の鍵型を削って、オリジナルの鍵の形を複製します。それでも微妙に形に差異があるため、鍵穴内部のタンブラーを傷つけてしまうのです。
いわばコピー印刷をしたときの劣化のようなもの。コピーした印刷物をさらにコピーしていくと、徐々に文字が読みづらくなってしまいますよね。
鍵の形が少しずつずれていくと、鍵穴から抜けなくなったり、施キー・開キーがしにくくなったりといった不調が起こるリスクがあるので注意しましょう。
店舗によっては合鍵から合鍵の作製を断る店舗もあるので、必ず元の鍵から作るようにしましょう。
【純正キーの見分け方】
純正キーの場合は、代表的な鍵メーカーのロゴが刻印さてています。「MIWA」「GOAL」「SHOWA」などが代表的です。 「FUKI」や「GSS」、「四葉のクローバーのマーク」や「MISTER MINIT(ミスターミニット)」と刻印されている場合は、それぞれのメーカーのブランクキーから作成した合鍵です。 |
元鍵がない場合の対処法
合鍵を作るとき、基本的には純正キーを複製するのがベストです。しかしどうしても純正キーや元鍵がない場合、合鍵からの複製も可能。
またスペアキーも含めすべての鍵を失くしてしまったときには、鍵業者に依頼すれば、鍵穴の形を調べることで複製することもできます。
ただしこの場合、どの依頼先でも費用は10,000円以上になることを覚悟しておきましょう。
身分証明書や、車の車検証
合鍵をつくるとき、最も注意すべきは「第三者の悪用を防ぐ」ことです。そのため防犯目的で、業者から身分証明書などを提示することを求められるケースがあります。
業者によっては、「顔写真つき」でなければ認められないこともあるので、運転免許証やパスポートを用意しておくとよいでしょう。
また車の鍵を複製するときには、その車の所有者であることが分かる書類が必要です。車検証も用意しておきましょう。
セキュリティカードや、鍵登録システム証明書
ディンプルキーなど防犯性の高い鍵は、一部メーカーが独自の「所有者登録システム」を採用しているケースがあります。
鍵を発行したときに、所有者であることの証明書が渡され、複製するときにはこの書類を提示しないといけません。
第三者による悪用を防ぐという意味ではかなり安心ですが、もし証明書を無くすと鍵を丸ごと再発行する必要があり、費用がかさんでしまうので要注意です。
鍵のセキュリティカードや登録システム証明書は、大事に保管しておきましょう。
合鍵を作る前に知っておきたい基礎知識と注意点
必要以上に合鍵を作製しない
防犯性の観点から、必要な数だけ合鍵をつくることが大切です。スペアキーは1本あれば十分であり、作りすぎると紛失・盗難のリスクが高まったり、管理も難しくなります。
普段はスペアキーを持ち歩き、元鍵は保管するのがオススメ
賃貸の場合でも持ち家の場合でも、家の鍵は複数所持している場合が多いですよね。「どれでもいいや」と適当な鍵を持ち歩くより、きちんと「保管する元鍵」を分けておくのがオススメです。
前述したとおり、合鍵は複製すればするほど形がズレていってしまいます。いざというときにはオリジナルの純正キーが必要になるので、しっかり保管しておくのが大切なのです。
外出時には元鍵ではなく、スペアキーを持ち歩いておけば安心できます。
賃貸で合鍵を作るときは大家さんの許可と退去時の返却が必要
賃貸物件に住んでいる人で合鍵を作成をしたいと考えている人もいるでしょう。この場合は、大家さんや管理会社に許可を取る必要があります。
特にマンションのオートロックキーなどは、他の居住者の安全に関わる鍵ですので、合鍵作成には慎重に検討しましょう。
もし許可を取らずに合鍵を作成し、盗難や住居侵入などのトラブルが発生した場合は、大家さんなどから損害賠償を請求される可能性があります。
また、賃貸物件から退去するときは、合鍵を含めて返却する必要があります。そのときに合鍵の費用は返ってこないので注意しましょう。
合鍵作成は専門の鍵屋に依頼するのがおすすめ
メーカーによる純正キーの複製は、当然鍵のクオリティが一番高い分、費用も高額になります。また安さを求めるなら、ホームセンターの利用がおすすめですが、対応できる鍵の種類が少ないです。
そのため合鍵作成をするには、鍵専門のプロ業者に依頼するのが安心です。ミツモアなら、質問に答えるだけで自分の作りたい鍵タイプに対応している業者から見積もりをもらうことができます。
安く済ませたい、早く合鍵を作って欲しい、合鍵以外にも鍵の相談したい、といった自分のニーズに合った事業者を見つけましょう。
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