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社会保険の加入義務とは? 加入対象となる会社や従業員について解説

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最終更新日: 2019年07月16日

社会保険はこれまでに何度か加入条件が改正されています。そのため、かつては加入させなくてよかった人も、今では加入義務があることも。

また、現在では正社員やパートの他にも、派遣社員や外国人労働者など様々な働き方があります。働き方改革では副業も認められる会社も出てきていますね。

実際に自身の会社で従業員を雇うと、誰が社会保険の加入対象者なのか分からない、というときもあるのではないでしょうか?

今回は、会社や従業員の社会保険への加入義務と、加入義務があるのに未加入だった場合の罰則について確認していきましょう。

社会保険とは?

社会保険 加入義務
社会保険とは?

社会保険料が毎月の給与から引かれていることは知っているが、詳しいことはよく知らない、という方が多いのではないでしょうか。会社でも総務部の担当者などでないと関わることがありません。

そもそも社会保険と一括りにされているものは何なのかをみていきましょう。

詳しい保障内容は以下の通りです。

保険名保障内容
健康保険病気やケガなどで治療が必要な際に、医療費の3割負担で受診できるようにしたり、高額治療や入院の際に、収入に合わせて一定額以上はかからないようにする限度額認定や、
出産などであらかじめ決まった一時金を支給したりします。加入者全体で扶助し合う制度であり、国民皆保険制度のもと基本的に国民全員が加入します。
年金保険高齢になったとき、または何らかの障害を負ったときに生活を維持するために生まれた制度です。
国民皆保険のもと20歳~60歳のすべての国民が加入します。
介護保険40歳以上64歳までの方が義務付けられている制度。
介護が必要になったときに介護サービスにかかる費用を軽減してくれます。
雇用保険失業した際に基本手当を給付したり、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を自己負担で受講したときに、教育訓練にかかった経費(入学料や受講料など)の一部についてハローワークから給付金の支給を受けられるなど、失業中の生活を維持したり、再就職に役立つ能力を身につけることを支援するための制度です。
労災保険業務災害や通勤災害に見舞われた際に給付を行う制度です。労働者本人だけでなく、労働者が亡くなった場合は遺族に支払われます。程度に応じて、一時金の支給や年金での支給があります。

本記事では、医療保険と年金保険の2つを社会保険として扱います。

社会保険の加入義務のある会社とは?

社会保険 加入義務
社会保険の加入義務のある会社とは?

社会保険(医療保険、年金保険)の加入義務がある事業所には2つの種類があります。

  1. 強制適用事務所
  2. 任意適用事務所

名前のとおり、1は必ず加入しなければならない事業所です。そして2は従業員の過半数が加入を希望している場合に加入する事業所です。

企業形態加入義務の有無
株式会社加入義務あり
有限会社加入義務あり
合同会社加入義務あり
常時5人以上の従業員がいる
個人事務所
加入義務あり
※事業主は加入できない
常時従業員5人未満の個人事務所加入義務なし
※任意で加入できる

加入義務のある強制適用事務所

日本年金機構の発表では、

  • 株式会社
  • 有限会社
  • 合同会社
  • 一般社団法人
  • NPO法人
  • 従業員が常時5人以上いる個人事業所

全ての法人に社会保険の加入義務があるとしています。

企業形態と従業員数の関係

企業形態従業員数加入義務の有無
A株式会社100人以上法人のため加入義務あり
B株式会社経営者含め2人法人のため加入義務あり
C株式会社経営者のみ法人のため加入義務あり
D有限会社30人以上法人のため加入義務あり
E有限会社経営者のみ法人のため加入義務あり
F合同会社10人以上法人のため加入義務あり
G合同会社経営者のみ法人のため加入義務あり
H個人事務所常時7人従業員が常時5人以上いるため加入義務あり
I個人事務所経営者含め2人条件を満たさないため加入義務なし

起業したばかりで収益が安定しない間、会社の支出を減らすために社会保険に加入しないことは法令違反であり罰則の対象です。ただし、役員報酬0円の場合には加入義務はありません。もう少しいうと、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料を控除できない額の役員報酬の場合には加入義務が出ないので、役員報酬が月額15,000円くらいが、ぎりぎり加入を認められるミニマムのラインというところです。

また、個人事業所で従業員が常時5人以上いるケースでは、注意点が2つあります。

  1. 従業員は社会保険に加入しないといけないが、個人事業主本人は社会保険に加入できない
  2. 常時5人以上の従業員がいても、農林水産業、飲食業、旅館など宿泊業、クリーニング・理美容・銭湯などサービス業、映画などの娯楽業、法律・税理士事務所などのサービス業については加入義務はない

以上の2つの個人事業所の場合は、以下で説明をする任意適用事業所になります。

日本年金機構は全ての法人に加入義務があるとしていますが、2019年4月現在は例外もあります。
それは、「従業員とは認められない人」を抱える事業所の存在。宗教団体や宗教法人などの、「労働」とは一線を画す組織のことです。毎月一定の給与はもらっているはずですが、宗教団体からすると労働者でも従業員でもありません。そのため、社会保険の加入義務ではグレーゾーンという状態が続いています。

日本年金機構は法人であるため加入義務があると主張しているものの、宗教団体では労働ではなく修行であるとし、加入促進は見送られているのが現状です。

企業形態常時いる人数加入義務の有無
J宗教団体修行者10人2019年4月現在、加入義務なし

例外だから待遇がいいのか?と言えばそうでもありません。悪質な宗教団体の中には信者は労働者ではないから労働基準法も適用外として、劣悪な環境の中で労働に従事させている団体もあります。これからの働き方改革もあり、どのように決着を迎えるのか注目されるところです。

加入義務のない任意適用事務所

常時従業員が5人以下の個人事業所は、社会保険の加入義務はありません。

しかし、社会保険に加入できないわけではありません。従業員の過半数が社会保険への加入を望めば、会社側は加入する義務があります。

任意適用事務所で社会保険に加入する条件は、

  • 過半数以上の従業員が社会保険への加入を望んでいる
  • 事業主が年金事務所から認可を受けている

以上の2つを満たすと任意適用事務所でも社会保険に加入できます。

ここで注意することが1つあります。それは、任意適用事業所の従業員が社会保険に加入しても、事業主本人は加入できないことです。事業主は国民健康保険などを継続することになります。

また、任意適用事務所で社会保険に加入しても何らかの理由で脱退したい場合は、被保険者の4分の3の同意で社会保険から脱退できます。

社会保険の加入義務のある従業員

社会保険 加入義務
社会保険の加入義務のある従業員

同じ会社の従業員でも加入条件を満たす場合、満たさない場合の両方が出てくることがあります。例えば、同じパートの従業員でも週の労働時間の差で加入義務が発生することもありますよ。

また、扶養の関係で社会保険の加入を望まない人もいることでしょう。よく確認しておくことをおすすめします。同意しなかった者も任意適用事業所に認可されたら被保険者となるという点に注意しましょう。

経営者または事業主

たとえ経営者一人の会社であっても、法人であれば強制適用事務所で加入義務があります。社会保険に加入しないと罰せられます。

ただし、個人事業所の場合は、常時従業員が5人以上いても事業主本人は社会保険には加入できません。

企業形態備 考経営者の加入義務
株式会社
有限会社
合同会社
経営者のみ
従業員1人~
法人のため加入義務あり
個人事務所常時従業員5人以上従業員は加入義務があるが、経営者は社会保険に入れない
個人事務所常時従業員5人未満従業員は任意で入れるが、経営者は社会保険に入れない

正社員

正社員雇用の場合は全員が社会保険の加入義務があります。

採用してから1か月~半年程度は試用期間を設けている会社があります。その間は社会保険に加入させない会社も中には存在します。しかし、それは法令違反であり、罰則対象となります。

役員

報酬が高いか低いかに関係なく、『常勤役員』は社会保険の被保険者となります。例えば、相談役や顧問、監査役など、毎月の報酬が低い方でも常勤役員の場合には、社会保険の被保険者となります。

常勤役員を『非常勤役員』に変更し、「一日の所定労働時間が正社員の4分の3未満」かつ「出社日数が正社員の4分の3未満」の両方を満たせば、被保険者ではなくなります。

『非常勤役員』の働き方としては「週5日出社するが、1日5時間以内」ですとか「1日8時間出社するが、1ヵ月15日以内」などが例として挙げられます。ほとんど出社していない役員が、常勤役員になっていないか、このタイミングで確認してみましょう。

アルバイト・パート

昔は加入義務のなかったアルバイトとパートですが、今では以下の2つのいずれかにあてはまる方は社会保険の加入義務があります。

  • 週の労働時間及び労働日数が正社員の4分の3以上ある
  • 週20時間以上勤務でも、社会保険の対象となるようなケースは下記に該当する方達です。
社会保険 加入条件
出典:厚生労働省

また、パートの中には配偶者の社会保険の扶養枠に入っている人もいます。年間の収入の見込みが130万円を超えてしまうと扶養から外れてしまうのです。なお、失業給付や出産手当金を受給中の期間も健康保険上の扶養から基本的に外れますので、ご注意ください。

企業側にとっては社会保険で負担が増えてしまう現実もあります。パートの方にはあらかじめ社会保険への加入を望むかどうかを確認上でシフトなどを調整するといいでしょう。手取りが減ってしまうような感は否めませんが、将来もらえる年金が以下のように増えます。

厚生年金保険に加入すると、全国民共通の基礎年金に加えて、在職中の給料の額に基づいて計算される「報酬比例」の厚生年金を受け取ることができます。

厚生年金
出典:厚生労働省
出典:厚生労働省

外国人労働者

国籍問わず条件が揃えば社会保険の加入義務があります。条件は日本人のパートやアルバイトと同じです

  • 週の労働時間及び労働日数が正社員の4分の3以上ある

外国人の場合はビザなどの関係で一時的に帰国することもありますね。もし、帰国期間が長く、住まいなどの解約する場合は、厚生年金の加入(支払)期間が6か月以上あれば、脱退一時金を請求できます。

日本に住所を持たなくなってから2年以内に日本年金機構に請求する必要があります。

脱退一時金で注意する点は、年金の受給権などをすでに持っている方の分は請求できないことです。たとえ国籍は違えど、日本の年金を受給する資格を持っている方は、日本人を同じように将来、年金を受け取る資格があるのです。

なお、「保険料の二重負担」を防止する、保険料の掛け捨てとならないために、「社会保障協定」という制度があり、締結国籍の外国人の方は、申請により、考慮されます。以下の国の外国人を雇用している場合は、「社会保障協定締結国」ですので、社会保険労務士に申請を相談した方が、外国人従業員の方にとっては、異国の地の年金の制度まで知らない中、自分が将来母国に帰った時にも良いよう取りはからってくれる企業には帰属意識・満足度アップにも繋がります。

出典:日本年金機構
出典:日本年金機構

二つ以上の会社に従事・経営している人(ダブルワーカー)

昨今の働き方改革もあり、これからは副業される方も多いと思います。そんな方たちの社会保険の条件はアルバイトやパートと変わりません。ただ、2か所以上で加入条件をクリアしている場合には、それぞれの事業所で社会保険の手続きをとります。それに加えて、健康保険・厚生年金二被保険者以上事業所勤務届を従業員本人に提出してもらう必要があります。

この書類を提出する際に保険手続きをどの事業所で行うのかを選択できます。

その後手続きが終わると、従業員の収入の合計額で計算された保険料が、事業所負担分として通知されるのです。

加入条件

  • 週の労働時間が20時間以上あり、月の賃金が8万8千円を超えている。
  • 1年以上の勤務が見込まれる

日雇いバイトの場合

ほとんどの日雇いバイトは加入義務がありません。

加入義務がある場合は、2か月以上そのうち26日以上働くことが条件です。

社会保険に未加入だと罰則がある

社会保険の加入義務があるにも関わらず未加入だと意図していなくても法令違反になります。
ちなみに加入義務はあっても加入していない会社は未だに多く、

  • 条件の改正を知らなかった
  • 会社の負担を減らすために加入しなかった

以上の2つの理由が多いようです。

また、チェック体制がなく、万が一加入漏れしていても危険です。

それでは、未加入時の罰則について見ていきましょう。

社会保険に未加入だと遡り加入になる

加入義務があるにも関わらず加入していないと、過去2年にわたり遡って請求されます。社会保険総額が請求され、会社負担分と従業員で折半をします。高額になりますので、従業員とのトラブルに発展する可能性もあります。

社会保険に従業員を加入させないと罰則はあるの?

法人としての罰則は、

  • 6か月以下の懲役
  • または50万円以下の罰金が課せられます。

実際には、それ以上に社会的信用を失う行為です。法人の口コミサイトやSNSを通して、罰則を受けたことが知れ渡る危険性もあります。

最近では「ホワイト企業か」という視点や、「きちんとしている会社か」という点を給与・職務以上に見ている応募者が増加しています。

目先のわずかな利益に騙されず、加入義務は順守しましょう。

社会保険の加入期間と申請手順

社会保険 加入義務
社会保険の加入期間と申請手順

加入義務について理解した次は加入申請を行わなくてはいけません。申請するにしても必要な書類を用意したり、申請期間が短かったりと日々の業務を考えると、けっこう面倒なものです。

入社、退職、扶養の入れ替え、保険証の紛失など手続きは多いので、社会保険労務士にお任せをして、業務に専念するのも一つの手です。

社会保険労務士の顧問費用は従業員数が10人未満の場合、手続き込みで月額20,000円程度~となっています(事務所によって金額は異なります)。労務関係に投じている時間(調べ・申請・後処理)にかける人件費や、労務相談・労務メンテナンスまでしてもらえることを考えると「餅は餅屋」といった時代になってきているとも言えます。

社会保険の加入期間はいつ?

加入期間は従業員を採用してから原則として5日以内です。扶養などの手続きも共に行いますので、速やかに処理を行う必要があります。

社会保険は保険証が発行され、従業員の手元にとどくまでに10日~2週間を要します。また、4月など入社シーズンだともう少し時間がかかることも。

社会保険加入への手順と必要な書類

必要な書類は5つあり、日本年金機構から様式をダウンロードできます。

  1. 健康保険・厚生年金保険 新規適用届:事業所の登録を行う書類
  2. 被保険者資格取得届:加入する被保険者の書類
  3. 被扶養者異動届:扶養者がいる場合に提出する書類
  4. 保険料口座振替納付申出書
  5. 法人の登記謄本など事業を証明する書類

申請手順は、

  1. 申請書類と事業を証明する書類一式を日本年金機構に提出
  2. 審査等が終わると保険証等が会社宛てに届く
  3. 保険証を個人に渡す

書類等に不備がなければ。基本的にスムーズに終わります。

従業員のマイナンバー・年金手帳のコピー、扶養妻子のマイナンバー・扶養奥様の年金手帳のコピー、扶養の場合には住民票等を頂くようにしましょう。

従業員を新しく採用した、退職した、休職した、扶養増減などその都度書類を提出しますので、面倒な場合は社会保険労務士に相談されるとよいでしょう。

参考:日本年金機構 健康保険・厚生年金保険適用関係届書・申請書一覧

まとめ

会社に勤めている人のほとんどが加入する社会保険。ほったらかしにしていると罰則を受ける怖い存在です。

申請期間も短く、入社シーズンなどは他の仕事が忙しく加入手続きが遅れるかもしれません。社会保険は入退社や扶養の出入りなど手続きが多くなりがちなので、社会保険労務士に一任することをお勧めします。

この記事を監修した社労士

ふくろう社会保険労務士事務所 - 東京都目黒区目黒

昭和57年東京都目黒区生まれ。青山学院大学卒業後、創業約5年の約100名規模のベンチャー企業にて、商品企画・開発・販売促進・広告・コールセンター・物流・経理・総務業務を経験する。その経験を活かし、業務推進グループにて予算を担当し、予算達成へ向けて、各部門との調整を進める。 その後、「働きやすさを改善すれば、企業はさらに発展する。」ことへの強い思いから、社会保険労務士試験を受験、合格。その間の2か所の社会保険労務士事務所にて、それぞれ、事務手続き・給与計算、顧問先への労務コンサルティング担当経験を経て、開業。 経験した業種は、製造・保育・教育・運送・派遣・介護・医科・歯科等多岐にわたる。従業員様の人数が10名未満のところから100名以上の規模も含め、オーダーメイドでの親身な対応を心掛けている。大切にしている思いは「気持ちに寄り添うこと」。 社長が一人で抱えている様々な課題に寄り添いながら、「会社を守り、従業員様が続けられる制度の醸成および周知」「煩雑な給与計算・手続きのアウトソーシング」をはじめとして、会社の発展につながる社労士でありたいと思います。 「経営者の方に、もっと身近に社労士に相談してほしい。そして、その会社で一緒に働く方達が、大変な時があってもこの会社でなら頑張れる、この会社のためなら頑張りたいとより思ってくれる会社にしたい。」という思いから開業しました。 働く上で、労働時間や休暇の制度・賃金等は、続くかどうかに直結しています。そして、会社に対して、積極的に会社をより良くしたいという思いを持ってもらえるかにも直結しています。 また、昨今、頻繁に煩雑な改訂が入り、種類も多く、要件も細かい、助成金の制度ですが、御社にあった助成金をふくろう社労士事務所がご提案・申請手続きをすることで受給へとつなげていきます。 資格 社会保険労務士、介護労務管理アドバイザー、国家資格キャリアコンサルタント
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