ハクビシンは運動能力が高く、電線や木の枝を伝って家屋に侵入してきます。一度棲みつくと食べ物を食い荒らすうえ、家屋の腐敗に繋がる可能性もあるので早急に対処しなければなりません。
この記事ではハクビシンを追い出すために効果的な駆除方法や、特徴・生態を解説。さらに被害の種類や予防策などを詳しく紹介していきます。
※ハクビシンは鳥獣保護法で保護されている動物なので、捕獲をしたり毒餌を使ったりする際は市役所に申請する必要があります。
申請書を提出後、捕獲が本当に必要かどうか審査され、通過した場合のみ捕獲許可証が交付されるのです。申請から最長4週間かかるため「すぐに自分で何とかしたい!」という場合は、捕獲や毒餌による駆除ではなく、追い出す方法を考えた方が良いでしょう。この記事では追い出す方法をメインに解説していきます。
自分でできるハクビシンの駆除方法!追い出しに有効な4つの方法を解説
自分でできるハクビシンの撃退方法は主に以下の4つです。
- 嫌いな臭い・忌避剤を使う
- 威嚇音・超音波を流す
- 食べ物や雑草を掃除する
順番に見ていきましょう。
方法①:嫌いな臭いのするものや忌避剤を使う
ハクビシンが嫌う以下のような臭いを散布し、追い出す方法です。
- 天敵の臭い:アライグマ、イタチ、イノシシなど
- 強烈な臭い:トウガラシ、ニンニク、石油など
潰したニンニクやトウガラシをペットボトルに入れて穴をあけ、夜中に足音が聞こえる場所(屋根裏など)に置いておきましょう。
ハッカ油や木酢液(木炭を焼いた煙から生成した液)など臭いが強いものも嫌がるので、スプレーにしてよく出る場所に噴きかけるのもおすすめ。水や無水エタノールを一緒に入れると綺麗に混ざりますよ。木酢液も無水エタノールもドラッグストアで売られているので、ぜひ試してみてください。
また農作物など屋外で被害に遭っている場合は、忌避剤を使うのも良いでしょう。
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害獣が嫌がる唐辛子成分が練り込まれているので、ハクビシンにも効果的です。火をつけて6時間程度置いておけば良いため、気軽に取り入れられますよ。
方法②:威嚇音・超音波を流す
ハクビシンは聴覚も発達しているので、うるさくて激しい音や機械音が苦手。発砲音や掃除機、モーター音、ブザー音を流すのが効果的です。
しかし追い出すためとはいえ、流し続けていると近隣に迷惑がかからないか気になりますよね。その場合は人間に影響のない超音波を使いましょう。
例えばYoutubeにはハクビシン撃退用の超音波を流せる動画がアップロードされています。Bluetoothでスピーカーなどに接続し、天井裏や床下に設置しましょう。
方法③:食べ物や雑草を掃除する
食べ物が豊富に揃っている環境には、ハクビシンが寄り付きやすくなります。エサのある場所の近くに寝床を作るので「気付いたらハクビシンの巣だらけになっていた」なんてケースもあり得るのです。
ジュースの空き缶や、廃棄された果物や野菜などもエサになります。こまめに処分し、保管する際も蓋つきのゴミ箱に入れておきましょう。
屋外に置きたい場合は、専用のダストボックスを使うのがおすすめ。蓋のロック機能付きや頑丈な素材でできているものなら、雨で水浸しになったり風で飛んでいったりする心配もありません。
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雑草が生い茂っていて隠れる場所があると、ハクビシンが近寄りやすくなります。定期的に抜き取り、落ち葉や枯れ枝が溜まっていたら掃除しましょう。
注意!燻煙剤(バルサン)を使った駆除は被害が悪化する恐れがある
ハクビシンの駆除には燻煙剤(くんえんざい)という煙を使った方法もあります。「バルサン」という商品が有名ですね。
しかしこの方法はあまりおすすめできません。ハクビシンに子どもがいた場合、次のような行動を取って余計に被害が拡大することがあるからです。
- 親が子どもを守るため、煙の届かない壁の中に子どもを落とすことがある
- 親が不在中の場合、子どもが散らばり屋内のどこかで死んでしまうことがある
使用後に壁の中から鳴き声がする、腐敗した死骸を見つけたなど悪化する可能性もあるのです。
ハクビシンを確実に駆除するなら業者に依頼しよう
これまで紹介した方法は一時的な対処に過ぎません。また捕獲や毒餌以外の方法なので、効果が薄いこともあります。
ハクビシンの被害を防ぎたいなら、徹底的に駆除するのが一番。専門業者に依頼すれば以下のような作業を行ってくれます。
- 現地調査(被害規模や侵入口を見極める)
- 薬剤を散布して追い出す
- 罠を仕掛けて捕獲する
- 死骸があれば処分する
- 清掃や消臭をする(糞尿、食べかす、ノミやダニの駆除など)
- 再発防止策を行う
特に駆除後の消臭や殺菌は重要なポイント。蓄積した糞尿には病原菌や寄生虫の卵が含まれていることもあり、衛生的にも問題があるからです。糞尿につられてやってきたノミやゴキブリ・ウジなどの害虫も、薬剤を噴霧して駆除してくれるので安心ですよ。
また建物全体を調べ尽くしたうえで、再発防止策を行って侵入されにくい環境にしてもらえます。一度害獣に巣を作られたら、安全で住み心地の良い場所と認定されたようなもの。しっかり対策しないと再発の可能性が高くなります。
ハクビシン駆除の費用相場は7万円~16万円ほどで、半日~1日かかる場合が多いです。建物の面積や被害状況・ハクビシンの数・作業難易度などの要因によって金額は変わってきます。事前にしっかり調査してもらったうえで、詳しい見積もりを出してもらいましょう。
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ハクビシン駆除の前に知っておきたい生態や特徴
ハクビシンの生態や特性を理解することで、より適切な対策が分かります。
ハクビシンは一見可愛らしいですが、全国で農作物の被害が増加しており有害鳥獣にも指定されているほど。近年ではタヌキよりも数が多く、都会でもたびたび目撃されています。
特徴①:ハクビシンは夜行性で雑食
ハクビシンはもともと関東や四国に多く見られましたが、現在では日本全土に生息。
夜行性なので昼間は巣穴や木の穴・屋根裏などに潜み、夜になると食料を求めて活動を始めます。体長は約90~110cm、体重は約3~4kg。30㎝以上もある長い尻尾が特徴です。
雑食なので小動物や鳥の卵、昆虫など何でも食べますが、特に甘い果実や作物を好みます。生ゴミや農作物を漁ったり、池の金魚などを食べたりするケースもあるのです。そのため痕跡を見つけたら早い段階で駆除しましょう。
特徴②:運動神経抜群で簡単に侵入してくる
ハクビシンは運動神経が非常に高い動物です。1m以上ジャンプでき、電線や木の枝に飛び乗ります。そのため、屋根や壁に隙間があれば簡単に屋内に侵入されてしまいます。6cm程度の穴があれば入り込めてしまうのです。
特に築40年以上の建物は注意。侵入される可能性が高いと言われています。劣化して穴があきやすく、屋根の組み合わせに隙間ができているケースがあるからですね。一度業者に無料点検を依頼し、問題ないか見てもらうと安心ですよ。
特徴③:繁殖力が高く被害が拡大しやすい
ハクビシンは繁殖力も高く、一度に1~5匹を出産します。
生後10ヶ月で大人になり、妊娠期間が2ヶ月程度と早いのが特徴です。そのため放置しておくとどんどん数が増え、被害が拡大していくことも。
特に薄暗く暖かい場所を好み、家屋では天井裏や床下を棲み処にします。そのうえ一度糞尿したら同じところにし続ける習性があるので、以下のような被害に発展してしまいます。
- 臭いが家中に充満する
- 天井や床にシミができる、カビが生える
- 糞尿で害虫が寄ってくる
「ハクビシンを放置していたらダニやゴキブリをよく見かけるようになった」とならないためにも、嫌がる臭いを使って追い出しましょう。
ハクビシンの被害とは?食害や皮膚病、家屋が腐るリスクも
ハクビシンが棲みつくとさまざまな被害に遭うリスクがあります。見た目が可愛らしくても、餌付けしたり触ったりなどは絶対にやめましょう。
食害される | 畑を荒らされる、家庭菜園の草花が食べられるなど。桃、ミカン、ブドウ、トウモロコシ、イチゴ、サツマイモなどを育てている農家や家庭は注意です。 |
家屋が腐敗する | 糞尿が蓄積することで木材が傷み、耐久性が弱まることがあります。 |
断熱材に巣を作られる | 断熱材を食いちぎって巣を作る場合もあります。断熱材がボロボロになると断熱効果がなくなり、熱さ/寒さに弱い家になってしまうことも。
※断熱材とは熱の伝わりを絶つ建築材のことで、天井裏や床、壁に使われます。 |
アレルギーを発症する | ハクビシンに寄生したノミ/ダニによってアレルギーを発症し、咳やくしゃみの原因になることもあります。 |
皮膚病にかかる | ハクビシンの中には、ヒゼンダニが寄生し疥癬(かいせん)という皮膚病を発症している個体がいる場合があります。人間に感染すると全身に湿疹ができ、猛烈な痒みに襲われます。 |
特に皮膚病は重症化するケースも。体調が悪かったり免疫力が低下していたりする人は、絶対にハクビシンやその糞尿に触れないようにしましょう。ペットがいる家庭も近づけさせないように注意。
万が一噛まれた場合は感染症のリスクもあるため、すぐに病院で受診してください。
ハクビシンを寄せ付けない3つの予防対策!
ハクビシンの被害に遭わないためには、寄せ付けない方法を知ることが大切。効果的な予防対策は次の3つです。
- 侵入経路をふさぎ、建物に侵入させない
- 食料や雑草を放置しない
- 撃退器を設置して追い払う
対策①:侵入経路をふさぎ、建物に侵入させない
ハクビシンは登れるものや隙間があれば簡単に侵入してしまいます。次の2点を行い、侵入経路を断ち切りましょう。
- 家に向かって長く伸びている枝を切る
- 通気口や換気口をふさぐ
ふさぐときは「パンチングメタル」という、穴のあいた薄い鉄板を使うのがおすすめ。
- あらかじめ必要なサイズに切断する
- 手袋や軍手を装着する
- 取り付けたい場所の周辺にハクビシンがいないことを確認する
- 端の穴や隙間ができないように通気口などに取り付ける
- ネジやビス(小さいネジ)でしっかりと固定する
ハクビシンが中にいる状態で封鎖すると、餓死して死体が腐った場合に片づけが大変になります。まずは臭いや超音波などで追い出してから行うと良いでしょう。
「どこが侵入口なのか分からない」という方は、無理に探さず業者に相談がおすすめです。
対策②:食料や雑草を放置しない
これは駆除方法のところでも解説した通りです。ペットフードなども狙われるため、ペットの食事が済んだあとはすぐに容器を下げるようにしてください。
また敷地内に果樹がある場合は早めに実を収穫するか、防獣ネットなどを設置しましょう。
農家や家庭菜園がある家なら、長期的に被害を防ぐためにもネットの使用がおすすめですよ。50m・2,000円程度で通販やホームセンターで購入できます。
対策③:撃退器を設置して追い払う
これも駆除方法のところで紹介した内容と同じです。ハクビシン以外にも有効な機器を使うと、一度に複数種の害獣予防ができますよ。
ハクビシンの駆除は業者に見積もりを依頼しよう
可愛らしい見た目ですが、ハクビシンは家に入り込んで様々なトラブルを引き起こす害獣です。
存在に気が付いたらなるべく早めに対策を取り、手に負えない時には放置せずにプロに駆除依頼を出しましょう。
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