各地でアライグマによる農作物への被害が拡大しています。害獣として駆除を考える人も多いかもしれませんが、凶暴で学習能力が高いため注意が必要です。アライグマへの対処法や駆除する際のポイントを把握していきましょう。
最終更新日: 2022年05月31日
アライグマの天敵はいる？
日本には大型肉食獣が生息していないため、アライグマの天敵となる動物は存在しません。またアライグマは狩猟の対象にならないため個体数が減る機会が少なく、結果として生態系が荒らされ始めているのです。
アライグマの対策のしかたは？
国内にアライグマの天敵である動物はいませんが、アライグマの嫌いなものを利用すれば追い払うことが可能です。例としては「木酢液(もくさくえき)」が挙げられます。
害獣として注意が必要なアライグマ
アライグマは北米原産の動物であり、アメリカでは国民的な人気があります。見た目のかわいらしさから、日本にも一時多く輸入されていました。
しかし現在はアライグマが繁殖を繰り返して野生化し、全国各地に生息するようになりました。アライグマはさまざまな悪影響を及ぼすため、注意が必要な動物です。
凶暴で学習能力の高い動物
アライグマは手を洗う仕草を見せることが、名前の由来といわれています。しかしその仕草とは裏腹に、凶暴で学習能力が高いため注意が必要です。
泳ぎも木登りも得意なため、農作物への被害が拡大しています。感染症を媒介する恐れがあることや、在来種の生物を捕食する恐れがあることなどから「特定外来生物」に指定されているのです。
農作物への被害が深刻
アライグマは日本国内の生態系に対する脅威であり、農作物への被害も深刻です。アライグマは年に1回繁殖を行い、その都度1～6頭を出産します。しかも国内には天敵がいないため、右肩上がりで個体数が増え続けているのです。
農林水産省の調査によると、2019年度のアライグマによる農作物被害額は約3億6000万円にのぼります。雑食のため野菜・果物・穀物・養殖魚など、さまざまな領域に被害が及んでいるのです。
参考：農作物被害状況：農林水産省
アライグマは天敵で退治できる？
アライグマによる被害を防ぐためには、何かしらの対策を講じる必要があります。一般的なものとして天敵で退治する方法が考えられますが、それはアライグマ相手にも可能なのでしょうか？
日本にアライグマの天敵がいない
日本には大型肉食獣が生息していないため、アライグマの天敵となる動物は存在しません。またアライグマは狩猟の対象にならないため個体数が減る機会が少なく、結果として生態系が荒らされ始めているのです。
近年は犬や猫が襲われるという事案も多発しています。アライグマは建物に穴を開けて侵入し、そこを住処とする習性があるため、犬や猫を飼っている人は特に注意が必要です。
嫌いなもので追い払おう
国内にアライグマの天敵と呼べる動物はいませんが、アライグマの嫌いなものを利用すれば追い払うことが可能です。一例としては「木酢液(もくさくえき)」が挙げられます。
木酢液とは「木材を燃やして炭にしたときに出た煙を冷やして作る液体」です。自然由来のもので植物の生育を助ける働きもあるため、庭木へ悪い影響を与えることもないでしょう。
焦げ臭さと酸っぱさが混じった独特のにおいを発するため、アライグマ除けとしても最適です。
アライグマを駆除したいときは？
アライグマの駆除は個人でも行えるのでしょうか？アライグマを駆除したいと思ったときに知っておくべき内容を確認しましょう。
自力での捕獲には制限がある
個人でアライグマの駆除を検討する人もいるでしょう。しかしアライグマを勝手に駆除することは法律で禁じられています。
日本の生態系を守ることを目的とした「外来生物法」で定める特定外来生物にはアライグマも含まれており、飼育・別の場所への運搬・放すなどの行為は法律違反に該当するのです。
またアライグマは「鳥獣保護管理法」の対象にもなっています。調査・研究・動物園などへの展示といった目的以外で捕獲することはできないため注意しましょう。
参考：外来生物法 _ 日本の外来種対策 _ 外来生物法
参考：鳥獣保護法の概要 __ 野生鳥獣の保護及び管理[環境省]
駆除は業者に頼もう
個人でのアライグマ駆除には制限があるため、駆除を行いたいときは業者に依頼しましょう。害獣駆除業者に依頼すれば、より確実かつ安全にアライグマを駆除できます。
依頼人は立ち会うだけでよいので、ケガをする心配もありません。また害獣駆除業者は専門知識を持っているので、再びアライグマが増えないよう予防対策も教えてもらえます。
アライグマ駆除にかかる費用
アライグマの駆除にかかる費用の相場は、10,000～20,000円ほどです。業者によりサービス内容は大きく異なるため、事前に見積もりを取ったほうがよいでしょう。
ただし1社だけに見積もりを依頼しても、提示された料金が適正なのか判断できません。複数の業者に見積もりを依頼し比較検討することが大切です。
ミツモアでは選択肢をクリックするだけで、最大5社のプロから提案や見積もりを受けられます。簡単に比較検討を行えるので、活用してみるといいでしょう。
天敵がいないアライグマにも対処は可能
国内にはアライグマの天敵となる動物はいません。しかし木酢液などアライグマの苦手なものを使えば追い払うことは可能です。
ただし自分自身でアライグマを駆除することは法律で禁じられているため、注意しましょう。アライグマを駆除するときは、害獣駆除業者に依頼するのがおすすめです。
