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庭の木を切ると不幸になる?伐採時のお清め・お祓い方法や切ってはいけない日などの言い伝え

最終更新日: 2024年12月09日

庭の木を伐採して撤去したいと考えたときに、気になることの1つが言い伝え。「庭の木を切ると不幸になる」という噂を聞いて、伐採を躊躇している方もいらっしゃるかもしれません。

なぜそのような言い伝えがあるのか、庭木を切るときどんなことに気を付ければよいのかを解説します。

庭の木を切ると不幸になるといわれる理由

「庭の木を切ると不幸になる」と言われている理由は、主に以下の3つです。

  • 木に神様が宿るという信仰が残っているから
  • 風水的に気のバランスが崩れる可能性があるから
  • 伐採時の事故や伐採後の環境変化のリスクがあるから

信仰的な理由もありますが、木の伐採による物理的な危険への注意喚起も含めて、このような言い伝えが根付いたと考えられます。

木に神様が宿るという信仰が残っているから

日本では古くから「万物に神が宿る」という信仰があります。特に自然界で昔から身近な存在である樹木はその対象として見られやすく、古い木や大きな木には強力な神様が宿っており、むやみに切ると神様を怒らせ、祟られると考えられてきました。

現代では必ずしも信仰に基づいて物事を判断するわけではありませんが、先祖代々から根付いた考え方は簡単には消えないので、

風水的に気のバランスが崩れる可能性があるから

風水では、庭木は家の気のバランスを整える重要な要素とされています。そのため、庭木を伐採することで、このバランスが崩れ、住人に悪影響を与える可能性があるとされています。

風水は、環境を整えることで運気を向上させるための知恵です。庭木の伐採は、家の気のバランスに大きな影響を与える可能性があるため、気になる方は伐採前に風水的な観点も考慮すると良いでしょう。

伐採時の事故や伐採後の環境変化のリスクがあるから

庭木を伐採する際には、事故や伐採後の環境変化といったリスクが存在します。安全に配慮せずに行うと、重大な事故につながる危険性もあるため注意が必要です。

伐採時の主なリスクとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 木が倒れる方向の誤算による、家屋や近隣への損害
  • チェーンソーなどを使う際の怪我
  • 高所作業による転落事故

また、伐採後の環境変化も無視できません。庭木は、日差しや風を遮る役割も担っているため、伐採後に以下のような変化が起こる可能性があります。

  • 日差しを遮るものがなくなり、部屋の温度が上がりやすくなる
  • 強い風が吹き込むようになる
  • 近隣の住宅への日当たりや風通しが変化する

庭木を伐採するときのお清めとお祓いの方法

庭木を伐採する際、神様への感謝と敬意を表すため、お清めやお祓いを行いましょう。方法は大きく分けて、自身で行う場合と、神社に依頼する場合の2種類があります。

自分でやる場合:塩と清酒を用意してお祈りする

自分で行う場合は、まず塩と清酒を用意しましょう。塩は浄化、清酒は神様へのお供え物という意味があります。

木を囲む四つ角に塩と清酒を少量まきます。その後、木に向かって手を合わせ、これまでの感謝の気持ちを伝えましょう。

依頼する場合:神社にお清めやお祓いをしてもらう

丁寧に祓い清めたい場合は、神社に依頼して自宅で儀式を執り行ってもらうことも可能です。近くの神社に連絡を取り、以下のような情報を伝えて依頼しましょう。

  • 伐採する日時
  • 自宅(木がある場所)の住所と所有者名
  • 伐採業者名
  • 当日の参列人数

初めてで勝手が分からない場合も、わかっている情報を伝えて神主さんに相談してみましょう。

お祓いにかかる初穂料や時間は神社によって異なりますので、事前に確認しておくと安心です。お祓い当日は、神主さんの指示に従って儀式を進めてもらいます。

木を切ってはいけないとされる日【2025年版】

古くからの暦の言い伝えで、「土用の日」と「つちの日」には木の伐採を含む土仕事をしてはいけないといわれています。「土公神(どくしん)」と呼ばれる土の神様が土の中にいらっしゃる期間と考えられているからです。

「土用」は立春・立夏・立秋・立冬の前18日間ほどのことです。「つちの日」には「大つち」「小つち」がそれぞれ7日間ずつあります。

これらの時期に木を切ると虫が入りやすく、腐りやすいといわれています。ただし意味合い的には、伐採した木を建材として加工する場合に気にすべきであり、除伐であればあまり関係ないという見方もできます。

大つち 小つち 土用
1月 1~7日 9~15日 17~31日
2月 1・2日
3月 2~8日 10~16日
4月 17~30日
5月 1~7日 9~15日 1~4日
6月 30日
7月 1~6日 8~14日 19~31日
8月 29~31日 1~6日
9月 1~4日 6~12日
10月 28~31日 20~31日
11月 1~3日 5~11日 1~6日
12月 27~31日

「大つち」「小つち」の中日である「間日」には、土仕事をしても構いません。

切ってはいけない木がある?

庭の木を切る行為自体にも縁起が悪いという言い伝えがありますが、特に縁起物とされている庭木に関しては、切ってはいけないと噂されることもあります。

例えば南天は、その名前の読み方から「難(なん)を転(てん)じる」という言葉と掛けられ、縁起物として扱われてきました。魔除けとして庭に植えられているケースもあります。また、松は1年中緑色の葉をつけ、寿命も長いことから、「永遠の命」「不老長寿」のイメージと掛けられて、こちらも縁起の良い木とされています。

このような縁起物である庭木を切ると、災いが起こるのではないかと心配される方も多いです。

これらの言い伝えは、必ずしも科学的な根拠に基づいているわけではありません。実際に言い伝えをあまり気にせず伐採してしまう方もいます。ただし心理的に抵抗がある場合は、きちんとお清めやお祓いを済ませてから切ることをおすすめします。

お清めやお祓いをせずに木を切ってしまったときの対処法

お清めやお祓いをせずに庭木を伐採してしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。

基本的には気にしなくても良い

多くの場合、過度に心配する必要はありません。日本には古くから木に神様が宿るという考え方が存在し、木を切る際にはお清めやお祓いをする風習が根付いてきました。しかし、現代社会において、必ずしもそれらの儀式を行わなければならないというわけではありません。

切った跡に塩と清酒をまく

気になる場合は、切り株の周りに塩と清酒をまき、切ってしまったことへの謝罪とこれまでの感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。塩には浄化作用、清酒には神様へのお供え物としての意味合いがあるとされています。

本来は伐採前にお清めとお祓いを行いますが、切ってからでもやらないよりは木への敬意が伝わるはずです。

神社に相談する

不安が拭えない場合は、神社に相談することをおすすめします。神主さんから適切なアドバイスをもらえるはずです。

いずれの場合も、伐採してしまったことを過度に気に病む必要はありません。大切なのは、庭木に感謝の気持ちを持つことです。

庭木の伐採はプロの庭師・造園業者に依頼しよう

ここまで庭木を切ることと縁起の関係を解説してきました。

基本的には、縁起を気にしすぎて伐採をあきらめてしまう必要はなく、今暮らしている家族の生活のしやすさを優先しても大丈夫です。ただし気になるようであればお清めやお祓いを執り行ったうえで伐採をすることをおすすめします。

また、伐採をするときはなるべく自分で切り倒そうとせず、プロの業者に依頼しましょう。伐採作業はただ木を切るだけに見えて素人には難しく、ケガをしたり周りに危害を加えたりする危険性があります。

庭木の伐採にかかる費用の目安

庭木の伐採をプロに依頼したときの料金は、以下が目安です。

木の高さ 料金目安
低木(3m未満) 3,000~5,000円
中木(3~5m未満) 15,000~18,000円
高木(5m以上) 25,000~30,000円

さらに残った切り株の抜根作業に6,000~35,000円、切った後の木の処分に3,000~20,000円ほど追加費用がかかります。

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