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屋根瓦の漆喰は補修が必要?棟のずれ、瓦の歪みがはDIYで治せるのか?

最終更新日: 2020年10月27日
屋根瓦の漆喰は補修が必要?

家のメンテナンスで悩みが多いのが屋根です。内装や外壁は目の届く場所なので、劣化や破損があればすぐに気がつきます。しかし、屋根は目が届きにくく、確認する作業は素人だと危険が伴います。

瓦の漆喰が剥がれてしまっていることは、瓦のずれが起こるまで気づかないことが多いでしょう。しかし、これを放置しておくと雨漏りの原因になります。

この記事では、屋根瓦の漆喰について、その働きやメンテナンスの時期、方法について解説していきます。

屋根瓦に漆喰が使われている理由

屋根瓦に漆喰が使われている理由

「屋根瓦の漆喰の役割は?」「漆喰とは屋根のどの部分?」と聞かれて正確に答えられますか?漆喰の事を理解しないまま自分で補修してしまい、失敗してしまう方が多いのです。まずは、屋根瓦に漆喰を使う意味や漆喰の種類などを漆喰について詳しく見ていきましょう。

屋根瓦の漆喰とは?

三角屋根の家には面が二つあります。二つの面が突き当たる部分を棟(むね)、面が四面ある家であれば頂点の部分を大棟(おおむね)と言います。棟と呼ばれる部分は一番突出していて、雨に弱いのが欠点です。

スレート屋根であれば棟板金という部材を取り付けて雨水の侵入を防止します。瓦屋根の場合は棟瓦が雨水防止の役割をしますが、瓦は波状の形をしているので隙間を漆喰で埋める必要があります。漆喰を塗ることにより雨が降っても、棟に当たる水を中に入れずに屋根に流してくれます。

屋根瓦の漆喰にコーキング、セメントは代用できる?

漆喰は水の侵入を防ぎ、水の流れを作るという重要な役割であることがわかりました。漆喰が剥がれ落ちているのを見つけたら一刻も早く補修が必要ということになります。そこで、簡単に手に入る補修材として同じような働きをするセメントやコーキングが思い浮かぶのではないでしょうか?

漆喰の主成分は消石灰で、骨材や麻、海藻のりなどを混ぜて練り上げたものです。セメントは接着力がありますが繊維質が含まれていないので、短期間で瓦が割れたり、剥がれ落ちたりしてしまいます。では、コーキングはどうでしょうか?コーキングも接着力はありますが同じように繊維質が含まれておらず、通気性が悪いため腐食の原因になってしまいます。

屋根瓦の漆喰の種類

漆喰の種類はいくつかあり、知られている漆喰の名前といえば以下の4種類ではないでしょうか。それぞれの主な違いは成分です。成分によって用途も異なります。

本漆喰

一般的に漆喰と呼ばれているものは本漆喰です。海藻(フノリ)を炊き、塩焼き消石灰と「すさ」と呼ばれる麻の繊維を混ぜて昔ながらの製法で作られています。

土佐漆喰

塩焼き消石灰に3か月以上発行させた藁と水を混ぜて作られたものが土佐漆喰です。紫外線にあたると変色し、薄い黄色から茶色へと変化していきます。厚塗りで強度があることから床や壁、天井に使用します。昔はかまどにも使用されていました。

琉球漆喰

琉球漆喰はムーチー、ムチとも呼ばれ、沖縄の方言では餅を意味します。生石灰と藁と水を混ぜて作ります。土佐漆喰よりも藁の混入量が多いのが特徴。沖縄では屋根の瓦に使用されています。

既調合漆喰

メーカーが製造した既製品の漆喰製品です。塩焼き消石灰に麻すさ、粉末の海藻のりや炭酸カルシウムなどを配合して作られます。合成樹脂や化学繊維を使用した漆喰もあり、製品によって着色したものも販売されています。

屋根瓦の歪み、ずれ、欠けをみつけたらどうする?

瓦の漆喰の劣化
屋根瓦の歪み、ずれ、欠けをみつけたらどうする?

屋根瓦がずれていたり、歪んでいたりするのを見つけたらどうしますか?放置しておくと台風が来た時に心配です。「なぜ屋根がずれたり、歪んだりしてしまうのか」「どのくらいの期間が経てば劣化が始まってしまうか」「漆喰の補修のタイミングはいつなのか」疑問を解決してくれる漆喰の特徴を見ていきましょう。

漆喰の劣化の症状

漆喰の特徴は湿気を調節する高い機能を持つことです。湿度の高い状態の時は水分を吸い、湿度が低い時には水分を放出します。働きの秘密は漆喰の表面が多孔質であるため、湿気をコントロールできるからです。また、石灰が主成分としているため静電気が起こりにくく、ゴミやホコリを寄せ付けにくいのも漆喰のメリット。更に、燃えにくい素材で、防火対策として古くから蔵などにも使われてきました。

漆喰の劣化の主な症状は漆喰の剥がれや瓦のずれ。中には漆喰の一部が屋根から落下したり、瓦が欠けたりしているという症状もあります。なかなか自分の目で屋根の漆喰を見る機会がないので、軒先にコンクリートのようなものが落ちていて初めて落ちていたものが漆喰だと気づく人もいるでしょう。屋根におこる主な症状をまとめました。

瓦の破損、ズレ

瓦がずれるのは地震や台風が原因です。また、飛来物が当たることも考えられます。瓦が割れたところから雨水が入り、下地を傷め腐食が始まることも。ズレた瓦が落下すると怪我をする恐れもあるので危険です。

漆喰の崩れや剥がれ

棟と瓦を接着するための漆喰が剥がれることで、内部の土が流れ出る症状です。それによって棟が変形、またはズレたりしてしまうこともあります。少しの破損であれば漆喰を塗り直して補修できます。広範囲の破損は漆喰全体の塗り直しが必要です。

塗装の剥がれ

屋根の塗装が剥がれると見た目が美しくありません。粘土瓦であれば見た目だけで不具合は特にありません。そのため粘土瓦であれば特に塗装の必要がない瓦ですが、セメント瓦やモニエル瓦は塗装が必要です。セメント瓦とモニエル瓦の主成分はセメントなので、塗膜が薄くなることで水が染み込んできます。

棟瓦のビスの緩み

屋根のてっぺんの棟瓦はビスで固定されていますが、地震による揺れや風雨で浮いてくることがあります。

なぜ?漆喰は劣化するのか?寿命は?

漆喰の歴史は古く5000年も前から古代エジプトのピラミッドの壁などにも使用されてきました。日本では奈良時代や平安時代から使用されており、セメントが無い時代に漆喰は高級建材として扱われていたのです。急速に普及したのは江戸時代で、燃えにくさから防火の重要な役割を果たしてきました。

長い歴史のある漆喰が劣化してしまう原因は何でしょうか?漆喰は時間が経つとともに徐々に硬くなる性質があります。屋根に塗られた漆喰は長い期間、間雨風に晒され、気温が激しく変化する環境に置かれています。また、強風や地震によって瓦が揺れることによって漆喰が劣化するのです。

更に、屋根のてっぺん部分である棟が動き雨水が内部に入り、水分が中から漆喰を押し上げて剥がしてしまうことも劣化原因のひとつです。瓦の寿命は長くても50~60年と言われていますが、漆喰は20年前後で痩せて剥がれ落ちたり、劣化したりします。漆喰は定期的に点検とメンテナンスが必要です。

 瓦の漆喰を補修するタイミングは?

定期的なメンテナンスをしていない場合、20年くらいで補修が必要です。台風で瓦が一部飛んでしまったというケースでは、漆喰に問題がなければ補修する必要はありません。なぜなら、瓦の下の防水シートに破損がなければ雨漏りする心配はないからです。

棟に穴が空いてしまうと屋根裏にホコリや虫が入ってしまう可能性があります。見た目的にも良くないので、漆喰で補修するのがおすすめです。屋根に何かが当たった衝撃で破損したり、台風で瓦が飛んだという突発的なことが原因でなければ、定期的なメンテナンスを行うことで約20年は持ちます。

漆喰補修の方法と費用

瓦の漆喰と補修の方法と費用

瓦の漆喰が劣化や破損した場合、補修するのにどのくらいの費用がかかるか心配です。あらかじめ費用を把握していれば補修費として準備ができます。瓦の漆喰にはどのような工事があるのか、費用はどのくらいかかるのかを見ていきましょう。

漆喰の詰め直し

漆喰の詰め直し工事とは、古い漆喰をハンマーで叩いて剥がすことからはじめます。剥がすと漆喰の奥には棟の土台の役割をする葺き土が入っており、葺き土の表面を綺麗に整える作業をします。次に、専用のコテで新しい漆喰を詰めます。

補修費用は1mあたり4,000円~7,000円です。一般的な漆喰の長さは約60mなので240,000~420,000円となります。足場が必要な場合は、足場費用として150,000円~250,000円別途かかります。

瓦の積みなおし

漆喰の詰め直しよりも大がかりな補修が瓦の積みなおしです。漆喰が剥がれている、瓦のズレや歪みがある場合は瓦の積みなおしが必要です。瓦の積みなおしは既存の棟瓦を解体し、耐震用金具やビスなどを固定し、下地を補強します。費用は棟に使用されている瓦の数で工賃が変化します。一般的なのし瓦(屋根の棟に据えられる瓦)で、5mまで約38,000円です。5mを超える分には1mにつき8,000円が目安になります。

瓦の葺き直し

屋根の葺き直しとは屋根瓦を一旦取り除き、防水シートや野地板を補修したり、交換したりする工事です。その際、一部分だけ新しい屋根材を補充するケースもありますが、瓦の葺き直しの場合は既存の屋根材も再利用します。屋根の葺き替えとは新しい屋根材をすべて使用する工事で、葺き直しとは異なります。

費用は1平方メートルあたり約10,000円が相場です。工事期間は約10日で40平方メートルの屋根なら約450,000円となります。

主な補修費用の一覧とその他補修費用

補修一覧とその他補修 価格相場
漆喰の詰め直し 1mあたり4,000~7,000円
瓦の積みなおし 5mまで約38,000円
瓦の葺き直し 1平方メートルあたり約10,000円
瓦の入れ替え 1枚あたり10,000〜50,000円
塗装補修 30坪の住宅で400,000〜700,000円
葺き替え 30坪の住宅で180,000〜260,000円

瓦の漆喰はDIYで補修することができる?

瓦の漆喰はDIYで補修することができる?

瓦の漆喰が剥がれていることに気づいたとき、DIYで補修できるのでしょうか?できるのであれば、どのような材料を準備すれば良いのでしょうか?

瓦の漆喰をDIYで補修して大丈夫でしょうか?

実は、瓦の漆喰を自分で補修してはいけない理由があるのです。してはいけない理由を紹介します。

瓦の補修を自分でやらないほうがいい理由

漆喰をDIYで補修する材料としてあげられるのが、セメントやコーキングです。なぜセメントを使用して失敗してしまう人が多いのか?それは「雨漏りしているのは瓦の隙間から雨水が入っているからそれを塞げばよい」と単純に考えるからでしょう。

しかし、素人が屋根の仕組みを理解せず補修すると、必要な瓦と瓦の隙間までセメントで塞いでしまう事態に。雨水を排出するのに必要な出口を塞ぐと、雨漏りを悪化させる原因にもなります。コーキングも同じで雨水を流すための隙間が塞いでしまう失敗が多いのです。

雨漏りしている場合は調査が必要

雨漏りしている場合は、屋根の専門業者に点検してもらいましょう。台風や地震などで雨漏りした際、火災保険に入っていれば保険が適用できる業者を選びましょう。屋根を点検費用は5,000円〜15,000円が相場です。 屋根の修理もお願いすることを前もって決めていれば調査費用が無料のケースも。点検のみ依頼する場合は多くの場合、費用が発生します。

雨漏りの原因究明にはいくつか方法があり、それぞれ費用が発生します。躯体の中で起きていることをはっきりと究明せず、見えると箇所の修理だけでは治らないことがあります。

屋根瓦専門の業者、雨漏り専門の施工会社に雨漏り調査を依頼して修理するようにしましょう。

瓦の補修業者の選び方

瓦の補修業者の選び方

屋根を修理してもらう時に迷うのが業者選びです。膨大な数の中から業者を選ぶのは大変。そこで、屋根の補修を請け負う業者の選び方のポイントや依頼の方法、業者の資格や実績の確認の仕方などを見ていきます。業者によって特徴があるので、どこへ依頼するかの基準にしてください。

瓦業者に依頼する

瓦の工事を依頼できるところはいくつかあります。

  1. 地元の工務店
  2. 屋根修理の専門業者
  3. 瓦工事専門会社
  4. リフォーム会社
  5. 家を建築したハウスメーカー

1.地元の工務店

昔から地域にある工務店であれば、近所の方に利用したことがあるという方も。実際の評判を聞くことで安心して依頼できます。細かい要望に応えてくれることもあり、近所なら何かあった時にすぐに駆け付けてくれます。

2.屋根修理の専門業者

屋根修理の専門業者は、屋根に関する専門的な知識や技術を持っています。大手のハウスメーカーにお願いしても、下請けの屋根修理の専門業者が行うこともあります。それだけ屋根修理を専門にしているので実績も豊富で、屋根修理に関して精通しているのです。屋根の補修のみを依頼するなら屋根修理の専門業者がおすすめです。

3.瓦工事専門会社

瓦工事専門会社は、瓦屋根ふき工事やストレート屋根ふき工事、金属薄板屋根ふき工事、屋根の断熱工事を行います。屋根工事の専門業者には、瓦なら瓦葺工や瓦葺職人などが在籍しています。中には屋根工事以外に外壁工事や板金工事にも対応できる業者もあり、瓦工事のついでに施工してもうことも可能です。瓦については専門家ですので日本様式の瓦を見てもらいたいという方におすすめです。

4.リフォーム会社

リフォーム会社は小さな規模の会社から大手の企業まで多数あります。小さなリフォーム会社が心配ならば、知名度の高い大手のリフォーム会社に頼むのも良いでしょう。しかし、大手のリフォーム会社は、工事をする下請け業者を抱えていることが多く、中間マージンとして仲介料が費用に加算されており、工事の代金が高いという欠点も。その反面、多くの施工実績があるので口コミなどの評判が確認しやすいでしょう。

5.家を建築したハウスメーカー

家を建築したハウスメーカーであれば、アフターフォローとして点検を無料で行うことも。アフターサービスの内容を今一度確認してみましょう。実際に屋根の工事を行う場合、工事をするのは別の会社で中間マージンが発生する可能性もあります。

資格、実績を確認する

瓦を工事する際には3つの資格があります。資格を持っている職人さんがいることも業者選びの判断材料のひとつになります。

  • かわらぶき技能士(1級、2級)
  • 瓦屋根工事技士
  • 瓦屋根診断技士

かわらぶき技能士(1級、2級)

瓦葺きに関する知識や技術を習得するための国家資格です。学科と実技試験にパスしたものが有しています。受験するには2級が2年以上の経験、1級は7年以上の経験、もしくは2級を取得してから2年以上の経験が必要です。

瓦屋根工事技士

瓦屋根工事の管理者の資格です。構法、施工、設計、品質管理など幅広い知識が必要。かわらぶき技能士は工事を行う職人が有する資格ですが、瓦屋根工事技士は主に事業主に求められる資格です。受講資格は実務経験が3年以上必要です。

瓦屋根診断技士

瓦屋根の診断における専門的な技術や知識を習得するもの。かわらぶき技能士と瓦屋根工事技士の両方の資格を有したものしか受講することができません。講習と学科試験が必要です。

見積もり、工程の説明が詳しく、コミュニケーションが取りやすい

複数の業者で迷ったら、見積もりを取り比較してみましょう。葺き替え工事の場合、下記が見積もり項目の一例になります。

【撤去費用】 既存材料の撤去をする費用
【処理費用】 撤去した廃材や産業廃棄物の処理費用
【下地補修費】 下地材(野地板、コンパネ)を補修する際の費用
【防水シート施工費用】 新しく貼りつける防水シートの費用
【仕上げ材本体の施工費用】 新しい屋根材の費用
【その他部品の施工費用】 仕上げに設置する軒先、棟など本体以外の部品費用
【足場代】 足場を設置した際の足場代
【諸経費】 運搬費、交通費、事務費、管理費などの必要経費
【消費税】 10%

見積もりを取った際に価格に差がでるのは次の項目です。

  1. 原材料の単価
  2. 仲介手数料の有無
  3. 施工方法の違い

まずは、見積もりで差が出るのは原材料の価格。大手の業者の場合、一括で大量に材料を仕入れるため単価が安いことがあります。もちろん、高い材料を選ぶとそれだけ見積もりは高くなります。

次に、仲介手数料ですが、地元の業者であれば仲介料はかかりません。大手のリフォーム会社やハウスメーカーでは、仲介手数料が加算されていることもあるでしょう。

施工方法とは屋根の補修をする際、既存の屋根をそのまま修復するパターンと、別の工法に替えてしまう方法があります。別の方法にすると施工料金は変わってきます。

見積もりの中で疑問点や不安なことがあれば業者に質問しましょう。施工内容や見積額について質問したことに答えられるかを見極めるのも大切です。

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瓦の漆喰の重要な役割がお分かりいただけましたか?放置しておくと大切な家が腐食したり、雨漏りしたりする危険性があります。台風や地震はいつくるかわかりません。屋根の瓦が気になる、漆喰が崩れているかもと不安な方は、一度点検することをおすすめします。

ミツモアでは屋根の専門家が多数在籍しているので、ご希望の業者が見つかります。見積もりは無料です。まずはお見積りのご依頼から。

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