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無落雪屋根とは?3種類の特徴や構造・リフォーム費用!注意点や仕組みも把握しておこう

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最終更新日: 2024年06月28日

無落雪屋根は雪下ろしが不要(またはかなり頻度を少なくできる)屋根です。3種類の形状があり、それぞれ特徴が異なります。

「無落雪屋根で本当に雪下ろしがいらなくなるの?」

「うちも無落雪屋根にすべきかな?」

そんな疑問を持つ方に向けて、無落雪屋根のメリット・デメリットからおおよそのリフォーム費用までを幅広く説明していきます。

無落雪屋根にする前に知っておくべき注意点もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

無落雪屋根とは?特徴や仕組み・メリット・デメリットを解説!

雪止めの役割
雪止めの役割

無落雪屋根とはその名の通り、雪を屋根から落とすことなく処理できる屋根のこと。以下の仕組みで雪下ろしの手間を極限まで少なくしています。

  1. 屋根の傾斜を緩やかにする・屋根の形状をM字にすることで、屋根に雪をあえて積もらせる
  2. 積もった雪を太陽光やヒーターなどで溶かす
  3. 雪解け水を、ダクトまたは狙った傾斜に流す

つまり無落雪屋根とは、雪を屋根の上で溶かして雪下ろしの手間を省くことができる屋根なのです。従来型の屋根は傾斜で雪を下に落とす構造になっているので、全く反対の性質を持っているといえますね。

無落雪屋根を検討する前に、まずメリット・デメリットを理解しておきましょう。

メリット ・雪下ろしがほとんどいらなくなるので、屋根から滑落する事故を減らせる

・屋根から雪が落ちることによる危険を減らせる

・雪下ろしにかかる時間と労力を圧倒的に削減できる

デメリット ・リフォーム費用は100万円以上かかるのが一般的

・リフォーム後のメンテナンスが必須

・建物の構造が弱いと、雪の重量に耐えかねて建物がゆがむ原因になる

これらを考慮すると、導入に適しているのは以下に当てはまる場合です。

  • 毎年1m以上積雪する日が頻繁にある地域に住んでいる
  • 日々の雪下ろしが肉体的・精神的な負担になっている
  • 雪下ろしの時に危険な目に遭ったことがある
  • 屋根からの落雪で、近隣住民とトラブルになったことがある
  • 住宅メンテナンスをきちんと行える

メンテナンス費用や100万円以上の施工費用をかけても、雪下ろしの手間・危険性を減らしたいと考えている

無落雪屋根には主に3つの種類がある!それぞれの特徴を解説

無落雪屋根

無落雪屋根には以下の3つの種類があります。

  1. M型屋根
  2. フラット屋根
  3. スノーストッパー屋根

※呼び方は微妙に異なることがあります。

それぞれ構造や利点が異なるので、詳しく解説していきますね。

種類①:M型屋根

M型屋根は無落雪屋根の中で最も主流となっているもの。従来の山形になった屋根と違い、屋根中心が谷になったMの形をしているため「M型屋根」と呼ばれます。

屋根中心の谷部分にはスノーダクトが取り付けられており、溶けた雪がダクトに向かって流れ込む構造。屋根の上に乗った雪を日光などで自然に溶かし、その雪解け水をダクトで排出する仕組みです。ダクト周辺には凍結防止のヒーターなどが取り付けられるケースが多いでしょう。

ダクト接続部分が漏水しないような施工が重要になります。

<メリット>

  • 雪解け水はダクトを通るので、軒につららができにくい
  • 隣家に雪や雪解け水を落とす心配が少ない
  • 無落雪屋根としての実績が最も多いため、信頼性が高い

<デメリット>

  • 屋根の中心にダクトがあるという特性上、さまざまなゴミがダクトに詰まりやすい
  • ダクトの施工がしっかりしていないと雪解け水や雨が屋根に染み出すため、業者の技術が問われる
  • 屋根としての外観に好き嫌いがある

M型屋根はダクトが詰まりやすい上、水漏れ防止のため防水性能を維持する必要があります。必ず年1回以上のダクトメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

種類②:フラット屋根

フラット屋根は、ほぼ平らな形状をした無落雪屋根。屋根上に雪をため、太陽光などで雪を溶かして少しずつ屋根外に流していく仕組みです。「フラット」とはいえ微妙な傾斜が付いており、徐々に下に向かって水が流れるようになっています。

M型屋根とは異なりスノーダクトがないので、雪解け水は屋根から直接地上に落ちていきます。

<メリット>

  • スノーダクトがないため、メンテナンス頻度が少なくていい

<デメリット>

  • 雪解け水が軒から垂れる構造上、つららができやすくなる
  • 屋根の傾斜方向によっては、隣家や住宅機器に雪解け水が落ちてしまう
  • 形状が平らな分雨水をためやすく、雨漏りやサビの原因になりやすい

フラット屋根の場合、屋根の防水対策が重要。サビ止め塗装の定期的な塗り直しが必要になります。

種類③:スノーストッパー屋根

通常の勾配屋根に、スノーストッパーという雪止めが付いたタイプの無落雪屋根。スノーストッパールーフやステイルーフとも呼ばれます。

雪止め部分に雪をとどめておき、雪解けを待つ仕組みです。溶けた水は勾配(屋根の斜面)に沿って下に流れていきます。

<メリット>

  • 三角屋根の構造を変えずに無落雪屋根に変更できる

<デメリット>

  • 積雪可能量が他の方式に比べて少ない
  • たまった雪の表面がまとめて落ちてくる可能性がある
  • 風などで雪がせり出す「雪庇(せっぴ)」や、つららができやすい
  • ストッパーにたまった水が屋根に染み出してくる「すが漏り」が起こりやすい

洋風の家らしい三角屋根を残したい場合に最適な選択肢です。ただし雪止めの力は他の方式に比べて弱め。積雪量によっては、ある程度の雪下ろしが必要になります。

無落雪屋根へのリフォーム費用相場!高くなるケース・安くなるケースも

屋根に取り付ける雪止めって何?後付けできるの?費用はいくら?
屋根に取り付ける雪止めって何?後付けできるの?費用はいくら?

無落雪屋根へのリフォーム費用は、100万~300万円が相場です。価格に幅がある理由は、以下の条件によって施工価格が上下するから。

  • 屋根の大きさ
  • もとの屋根の形状
  • 変更後の屋根タイプ

例えばもともと山の形をしていた屋根をM型屋根に改修する場合、屋根の構造ごと変えなければならないため高額になります。300万円ほどかかると見込んでおいた方が良いでしょう。

一方三角屋根の形状は変えず、スノーストッパー屋根に変更するリフォームの場合はより安価に施工可能。100万~150万円ほどで実施できる場合もあります。

ただし料金は屋根の面積や不随する作業などによっても変わるので、施工業者に相談して確認するのが確実です。

雪止めや融雪システムの導入など、無落雪屋根リフォーム以外にも費用がかかることも

屋根そのもののリフォーム以外にも、融雪を効率よく行うための設備を導入する場合があるでしょう。単体で使うこともあれば、無落雪屋根と組み合わせて使用することもあります。

方法 費用相場 価格変動の要因
雪止めの設置 10万~40万円 ・足場の要否

・屋根の広さ

・屋根の形状(複雑な形状だと費用が高くなる)

融雪設備の設置 50万~300万円 ・使用する設備

・設置範囲や個数

融雪設備には以下のようなものがあります。

  • 水道水散水設備(水道水をまいて雪を溶かす)
  • 電気ヒーター(電気ヒーターを使って雪を溶かす)

電気などを使う場合は、リフォーム費用だけでなくランニングコストがかかるため注意が必要です。どの方法が最適か業者と相談して決めましょう。

また無落雪屋根のリフォームでは、足場を組んで作業しなければいけないケースも多いでしょう。その場合は足場設置費用として800~1,200円/㎡程度がかかるので注意してください。

無落雪屋根のリフォーム費用をなるべく安く抑える方法

金属系の雪止め

無落雪屋根のリフォームをなるべく安くしたいなら、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。

前述の通り無落雪屋根には3種類ある上、どれを採用するかによって費用が変わります。また費用に幅のあるリフォームなので、1社にしか話を聞かなかった場合それが適正な提案なのかが判断できませんよね。

そのためいくつかの屋根リフォーム業者に問い合わせて、内容を比較するのがおすすめです。

地域の屋根リフォーム業者を比較する際は、ぜひミツモアを利用してみてください。ミツモアはあなたの地域や求めるサービス内容を入力するだけで、複数の屋根リフォーム業者からおおまかな見積もりを無料で提案してもらえるサービスです

手間や時間をかけずに複数の業者を比較できます。またチャットで相談することもできるので「今何に困っているのか」「予算はいくらなのか」などを伝えてみるのも良いでしょう。

屋根の葺き替え見積もりを依頼する

無落雪屋根のリフォームに補助金が出ることも

なお自治体によっては「雪対策リフォーム」費用に補助金が出るところもあります。例えば旭川市では、過去に10万円の補助金制度を実施していたことがあります。

  • 地域に補助金をもらえる制度がないか
  • 自分の家やリフォームはその制度の対象になるのか
  • 期限内に間に合うのか

などを確認してみてください。

無落雪屋根を導入する前に知っておきたい注意点!

建物の屋根に積もった雪の雪庇

豪雪地帯に住む人々にとっては非常に便利な無落雪屋根。しかし便利な半面、理解のないまま導入するとトラブルに発展する可能性も。こんなはずじゃなかった!とならないよう、無落雪屋根の導入にあたって必ず知っておきたいこと3点を押さえておきましょう。

注意点①:技術力のある業者に依頼する

無落雪屋根は比較的最近になって増加した屋根の形式。北海道や東北ではある程度歴史がありますが、それ以外の地域ではまだまだ導入実績は少ないのが現状です。そのため導入する場合は、無落雪屋根施工実績のある業者を選ぶようにしましょう。

理由は屋根接着部の施工が甘いと、雪解け水が屋根に染み出す「すが漏り」の原因になるから。施工技術の高さや、地域の雪の特性を知った業者であることが重要になるのです。

前述の通り、できればいくつかの業者を比較して決めるのが良いでしょう。できるだけ簡単に比較したい場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。

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注意点②:積雪量に耐えうる住宅構造が必須

無落雪屋根は屋根の上に雪を乗せておくという性質上、家に相当な荷重がかかります。建物自体に適切な強度を確保しておかないと、窓やドアが開かなくなるなどのゆがみが生じることも。そのため雪荷重の規定をしっかり守らなければいけません。

雪荷重を算定するのに必要な「垂直積雪量(積雪深)」が自治体の条例などでも決まっています。屋根を無落雪屋根にリフォームする際には、問題がないかを施工業者に確認しておきましょう。

ちなみに無落雪屋根に変えた後、積雪荷重を超える積雪があった場合は適宜雪下ろしが必要になります。特に雪庇(せっぴ)が発生した際は、建物にゆがみが生じやすくなるため早めに取り除くようにしましょう。

注意点③:無落雪屋根は塗装や掃除などのメンテナンスが必須

無落雪屋根に定期的なメンテナンスが必要なことは、冒頭に解説した通り。必要なメンテナンスとしては以下の内容があります。

  • スノーダクトがある場合は、ダクトまわりの清掃や点検(1年に1回)
  • 無落雪屋根に使用されている金属屋根のサビ止め塗装や点検(5年に1回程度)

清掃を業者に依頼した場合は、1回1万円前後の費用がかかります。こういった定期的に必要なメンテナンスの手間や費用も考慮しなければいけません。

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