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屋根瓦にはどんな種類がある?素材と形状別の種類や値段も解説

最終更新日: 2021年08月11日

屋根瓦のリフォームを検討しているものの、屋根瓦の種類をどうすべきか迷うという人は多いのではないでしょうか。そこで屋根瓦の種類とそれぞれの特徴を紹介していきます。

また屋根瓦の施工方法や費用・リフォームの際のポイントについても解説します。

素材で分ける屋根瓦の種類

青空と瓦屋根の家

屋根瓦に使われる代表的な素材は五つです。各素材の特徴を把握して、最適な屋根瓦を選びましょう。

最も一般的な「陶器瓦」

成形した粘土に釉薬(ゆうやく)をかけて窯で焼き上げる「陶器瓦」は、最もポピュラーな屋根瓦の一つです。別名「釉薬瓦」とも呼ばれ、多くの住宅に採用されています。

耐久性・耐熱性に優れており寿命が長いのが特徴で、瓦が傷みにくいためメンテナンスはほとんど必要ありません。また防音性も優秀です。

釉薬を変えることでさまざまなカラーバリエーションを実現できるのもうれしいポイントでしょう。加えて光沢の表情も幅広くコントロールできます。

機能性とデザイン性の両方を重視したい人におすすめの素材です。

伝統のある「いぶし瓦」

焼き上げた瓦をさらに蒸し焼きにする、伝統的な手法で造られた瓦です。これにより他の瓦にはない独特のツヤと色合いがでます。

吸水性が高く雨上がりには打ち水のような効果があるため、夏は涼しく過ごせるでしょう。表面だけでなく内側にまで色が付いており、少しくらいの欠けでは外観を損ないません。雨風にも強い素材です。

ただし色ムラ・汚れ・コケなどで外観を損なう可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要になります。

加えて外気が下がり過ぎると内側で水分が凍って割れてしまうケースも少なくありません。寒冷地ではいぶし瓦を選ぶ際は注意が必要です。

色合いが特徴的な「素焼き瓦」

「素焼き瓦」は釉薬を塗ったり蒸し焼きをしたりはせずに、窯で焼いた素の状態で完成するシンプルな瓦です。

他の瓦と比べて粘土そのものの素朴な風合いが強く、赤くて明るい色合いから「赤瓦」と呼ばれる場合もあります。和風建築よりも洋風建築、特に南欧風の住宅との相性に優れます。また複数の色を混ぜる「混ぜ葺き(まぜぶき)」にも適しており、デザイン性の高い瓦です。

瓦表面に炭素などが付着しにくいため、長持ちする瓦といえるでしょう。耐用年数は30〜50年ほどです。吸水性も高く、湿気対策にも効果を発揮します。

ただし日の当たらない場所ではコケが発生しやすい点、寒冷地で瓦が割れてしまうリスクがある点はデメリットです。

量産しやすい「セメント瓦・コンクリート瓦」

「セメント瓦」と「コンクリート瓦」はどちらも施工しやすく、安価で量産に向いている瓦素材になります。

セメントと水を混ぜて成形するのがセメント瓦、セメントに砂利を混ぜて成形するのがコンクリート瓦です。小口が平ら(セメント瓦)か、凹凸がある(コンクリート瓦)かという違いもあります。

どちらも色合いや形を自由に選ぶことができるので、好みに合ったデザインを追求できるでしょう。

ただし雨水・紫外線・温度変化などの影響を受けやすく、経年劣化による雨漏りやひび割れの可能性があります。瓦の定期的なメンテナンスは欠かせません。

また現在は普及率が減少しており、新しい瓦の調達がしにくいのも難点です。

形状で分ける屋根瓦の種類

瓦

屋根瓦は素材の他に形状でも三つの種類に分けられます。それぞれの形状の特徴を解説していきます。

自然な曲線のJ型「和瓦」

「和瓦」は陶器で造られた中でも、和風建築とマッチする自然な曲線の形の瓦です。Japanの頭文字をとって別名「J形瓦」とも呼ばれますが、洋風建築に使われるケースも少なくありません。

耐久年数は100年以上ともいわれるほどに強度があるため、メンテナンスは表面にヒビが入ったときなど最小限で済みます。断熱性にも優れており、季節を問わず1年中快適に過ごせます。

陶器の持つ独特の重厚感・風合いがあり、カラーバリエーションも豊富なため、塗装をせずとも美しい外観を実現できるでしょう。また傾きが大きく雨漏りがしにいくいのもメリットです。

ただし平均45kg/㎡と他の屋根瓦に比べて重量があり、大きな地震の際には崩壊の可能性があります。

洋風建築にも合うF型「平板瓦」

「平板瓦」は波形の凹凸が抑えられている長方形の屋根瓦で、Flat(平らな)の頭文字をとって「F形瓦」とも呼ばれます。

飾り気のないシンプルな形状から、洋風建築に取り入れられるケースも目立ちます。とはいえスタンダードなタイプであれば、基本的にはどのような家にもマッチするでしょう。高級感のあるデザインを実現したい場合におすすめの屋根瓦です。

また「防災型平板瓦」「緩勾配型平板瓦」などのバリエーションがあり、ニーズに合わせて選択できます。

防災型平板瓦は瓦と瓦を組み合わせて耐震強度・耐風性を高めた屋根瓦です。対して勾配が緩やかな「緩勾配型平板瓦」は雨漏りをしにくいという特徴があります。

大きな波が特徴のS型「スパニッシュ瓦」

「スパニッシュ瓦」は横から見ると緩やかなS字カーブを描いている屋根瓦です。Spanish(スペイン)の頭文字をとって「S形瓦」と呼ばれる場合もあります。

立体感・高級感があり、南欧風の風合いがあるため洋風建築との相性が抜群です。カラーバリエーションも豊富で、特に赤土色など温かみのある色合いによくなじみます。個性的なデザインを目指したいという人にはおすすめの屋根瓦といえるでしょう。

また波形部分に空気が含まれるため、保温性・通気性が高く、暑い地域でも寒い地域でも快適に過ごせます。

瓦屋根はどうやって施工する?

瓦屋根職人

瓦屋根をリフォームする際の施工方法にはどのような種類があるのでしょうか。具体的な施工方法として「葺き替え(ふきかえ)」と「葺き直し(ふきなおし)」を紹介します。

下地から新しく交換する「葺き替え」

「葺き替え」は下地の野地板ごとまとめて交換をする施工方法です。屋根瓦も既存のものは処分して新しい瓦を導入します。

屋根全体を補修できるため、経年によって屋根にたわみや歪みが生じている場合におすすめの施工方法といえるでしょう。

屋根材の機能回復は、家全体を長持ちさせるのにも効果的です。また屋根瓦を一新すれば外観のイメージチェンジをはかれる上に、より軽い屋根瓦を採用して耐震性も向上させることが出来ます。

ただし工事の規模は大きくなり、相応の工期と費用がかかるのがデメリットです。

既存の屋根瓦を再利用する「葺き直し」

「葺き直し」は下地のメンテナンスと防水シートの交換だけを行い、既存の屋根瓦をそのまま再利用する施工方法です。

屋根材全体を交換をする葺き替えと比べて工事を短期間に抑えられ、費用も安く済みます。和瓦など寿命が長い屋根瓦には特におすすめの方法といえるでしょう。

ただし屋根瓦は同じものを使うため、デザインの一新や機能性の向上などはできません。また築年数50年以上の建物など現在は取り扱いの少ない屋根瓦が使われているときは、葺き直し自体ができないケースもあります。

瓦屋根のリフォームにかかる費用は?

リフォーム設計図

瓦屋根をリフォームする場合にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。費用の目安について、具体的に解説をしていきます。

屋根瓦の種類別の価格

瓦屋根のリフォームにかかる費用は、葺き替えの場合、どの種類の瓦を使用するかによって異なります。それぞれの屋根瓦を施工する際の費用は以下の通りです。

  • 陶器瓦:5,500〜16,000円/㎡
  • いぶし瓦:8,000〜13,000円/㎡
  • 素焼き瓦:5,000〜9,000円/㎡
  • セメント瓦・コンクリート瓦:5,000〜10,000円/㎡

戸建て建築の一般的な屋根面積は80〜120㎡のため、相場は400,000〜1,920,000円ほどになるでしょう。ここに既存屋根の撤去費・下地補修費・防水シートの費用・足場費用などが加わります。

施工方法別の費用相場

施工方法が葺き替えか葺き直しかによっても、リフォームの際の費用相場は異なります。

下地と瓦をまるごと交換する葺き替えの場合、屋根瓦の施工費用に下記費用を加えた総額がおおよその目安になるでしょう。

  • 既存屋根の撤去費:1,500~3,000円/㎡
  • 下地補修費:2,000~3,500円/㎡
  • 防水シートの費用:500~1,500円/㎡
  • 足場費用:600~1,500円/㎡

例えば屋根面積が100㎡の住居で陶器瓦に葺き替えを行う場合、かかる費用は1,010,000〜2,550,000円ほどです。

対して施工方法が屋根瓦を再利用する葺き直しの場合には、屋根瓦の施工費用がかかりません。屋根面積が100㎡であれば、費用は460,000〜950,000円ほどが相場になります。

瓦屋根をリフォームする際のポイント

瓦屋根修理現場

屋根瓦をリフォームする際にはどのような点に注目すればよいのでしょうか。リフォームをするときの具体的なポイントを紹介していきます。

屋根瓦の種類を変える際の注目点

葺き替えで屋根瓦の種類を変える際には、デザインと耐用年数を基準にして屋根瓦を選ぶのがおすすめです。

まずデザインを見るときのポイントとしては、できるだけ住宅に合った素材・種類・色の屋根瓦を選びましょう。例えば日本建築であれば「いぶし瓦」が、洋風建築であれば「陶器瓦」「素焼き瓦」がマッチします。

また耐用年数の長い屋根瓦は、リフォームの回数を少なくできるためコストパフォーマンスが優秀です。特に和瓦は100年とかなり長持ちなのが特徴です。耐用年数にこだわりたい人は検討してみてはいかがでしょうか。

業者選びは「一括見積もり」がおすすめ

屋根瓦のリフォーム費用は決して安くありません。費用に関するトラブルを避けるためにも、施工の際はできるだけ信頼のできる業者に依頼をしましょう。

費用感はもちろん実績や口コミも参考にして、業者を見極める必要があります。

とはいえ業者を1件1件調べるのは手間と時間がかかります。そこでおすすめなのが、最大5件の業者から一括で見積もりがとれる「ミツモア」です。

ミツモアなら2分ほど選択肢をクリックするだけで簡単に依頼ができ、業者とのやり取りもチャットで気軽に行えます。実績・口コミも豊富なため、スムーズに理想的な業者とで荒れるでしょう。

費用相場は葺き替えであれば1,800,000円から、葺き直しであれば500,000円からと良心的です。どの業者を選ぶべきか迷っている人はチェックしてみてはいかがでしょうか。

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住宅に適した屋根瓦を選ぼう

瓦屋根の家

屋根瓦は素材や形状によっていくつもの種類があり、それぞれに機能性やデザイン・価格などが異なります。選ぶときはデザインが住宅にマッチしているか、どれくらいの耐久年数があるかを基準に検討するのがおすすめです。

屋根瓦をリフォームする際には施工方法が葺き替えか葺き直しかによっても費用が左右されます。予算に合わせて最適な方法を選択する必要があります。

ただし中には悪徳業者も存在するため注意です。一括相見積もりで複数の業者の費用感や実績・口コミを比較して、信頼できる業者を選びましょう。

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