キボシアシナガバチは巣の色が特徴的な蜂です。比較的毒性が弱く益虫としての側面もあるものの、刺される危険性もあるため、巣が近くにあれば駆除を検討する必要があります。キボシアシナガバチの生態や毒性、刺された際の対処法を紹介します。
キボシアシナガバチとは?
生態や見た目の特徴など、キボシアシナガバチの基本情報を紹介します。蜂の区別に迷った際の参考にしましょう。
基本の生態
キボシアシナガバチは、漢字で「黄星脚長蜂」と書きます。巣のサナギ室が鮮やかな黄緑色であることから、この名前が付けられています。
主な活動時期は5~10月です。沖縄を除く日本全国の、平野部から低山にかけて生息しています。集団で生活するタイプの蜂です。
秋ごろに誕生した女王蜂は1匹で越冬します。暖かくなる春ごろから巣作りを始め、働き蜂が増えてくると巣や群れが大きくなっていきます。
キボシアシナガバチの幼虫のエサは芋虫や毛虫です。成虫が捕獲し、巣に戻って幼虫に食べさせます。成虫は花の蜜や樹液を食べることもあります。
見た目の特徴
体全体が茶色っぽい黒色をしており、背中に模様がないことが、キボシアシナガバチの見た目の特徴です。腹部には茶褐色の帯があり、背中の後ろ側には細く黄色いラインが入っています。
体長は約12~18mmと、アシナガバチの中でも比較的小さめのサイズです。 ほかのアシナガバチと同様、キボシアシナガバチのオスは顔が白っぽくなっています。
アシナガバチは見た目が似ているものが多く、ひと目見ただけでは区別がつきにくいでしょう。キボシアシナガバチは、背中・腹の模様や体長などで、ほかの仲間との見分けが可能です。
キボシアシナガバチは刺す?
キボシアシナガバチの毒性や攻撃性について解説します。刺されてしまった場合の対処法も覚えておきましょう。
毒性は比較的弱め
キボシアシナガバチは毒針を持っていますが、スズメバチなどと比べると毒性は比較的弱めです。ただし、蜂の中でも攻撃性が高い部類に属しているため、不用意に刺激すると攻撃を受けやすくなります。
毒性が弱くても、蜂に刺されること自体は危険です。アナフィラキシーショックを引き起こしてしまうと、体が深刻な状態に陥りかねません。
アナフィラキシーショックは、毒性の強弱に関係なく、体内に異物が入ることで引き起こされやすい症状です。巣に近づくなど、蜂に誤解を与えない行動を心がける必要があります。
刺された場合の対処法
1度攻撃したキボシアシナガバチは、仲間を呼ぶ可能性があります。刺されてしまったら、姿勢を低くして後ずさりしながら、速やかにその場を離れましょう。
安全な場所に退避できたら、患部の毒を指でつまみ出しながら、流水でよく洗い流します。腫れや痛みがある場合は、氷などで冷やすのも有効です。
水できれいに洗った後は、抗ヒスタミン系成分が含まれたステロイド系軟膏を塗っておきましょう。症状が軽い場合でも、決して自己判断に依らず皮膚科の受診をおすすめします。
キボシアシナガバチの巣を見つけた場合
キボシアシナガバチの巣を発見したら、どのように対処すればよいのでしょうか。巣の特徴や駆除方法を解説します。
巣の特徴
キボシアシナガバチの巣は、サナギ室のふたの色が黄緑色です。幼虫からサナギになる際に作られる繭も、同じく黄色になっています。
多くの場合、片側のみに向かって増築されていくのが特徴です。サイズが大きくなると、巣の背面は反り返ります。
葉の裏側や木の枝など、比較的低い場所を好んで営巣します。一般的に、巣の規模はあまり大きくなりません。
巣の駆除方法
キボシアシナガバチの巣を駆除する方法には、自力での駆除方法と蜂駆除業者へ依頼する方法の2パターンがあります。
費用を抑えて巣を駆除できることが、自力駆除のメリットです。ただし、身に着けるものや道具の準備に時間や手間がかかる上、蜂に刺される危険性があります。
一方、業者に依頼すれば、安全に巣を駆除することが可能です。費用はそれなりに発生しますが、手間や時間をかけずに済みます。
悪質な業者へ頼んでしまうのが心配なら、住んでいる自治体に相談してみましょう。担当の課で信頼できる業者を紹介してもらえます。自治体によっては、一定の要件を満たすことで補助金が出るケースもあります。
益虫であることも忘れないで
キボシアシナガバチの成虫は、幼虫のエサとして芋虫や毛虫を捕獲します。芋虫や毛虫は、作物を荒らす害虫の一種です。
家庭菜園やガーデニングを行っている場合、キボシアシナガバチは害虫を駆除する益虫としても働いてくれます。芋虫や毛虫から植物が被害を受けると、植物が全滅する恐れもあるため、キボシアシナガバチはありがたい存在ともいえるのです。
巣を駆除するかどうか判断に迷う場合は、巣の場所で決めるのがよいでしょう。生活圏やその近くに巣がなければ、誤って巣に触れてしまう危険性も低いため、蜂に注意して生活すれば巣を駆除する必要はないといえます。
キボシアシナガバチの生態を知って適切な取り扱いを
キボシアシナガバチは、巣や繭の色が黄色い特徴を持つ蜂です。毒性は比較的弱めですが、刺されると体に悪影響を及ぼしかねません。
生活圏内に巣を見つけたら、早めに駆除する必要があります。ただし、益虫としての側面もあるため、巣が遠い場所にあるならそのまま放置してもよいでしょう。
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