宣材写真は、顧客ないし取引先に見せる為の写真であり、一定程度長期に渡って使う写真です。
公募の為だけに使い、目立つ事やアピールを主軸としたオーディション写真とは違い、仕事に直結する写真となるので、リアルな本人像が求められます。
この記事では、宣材写真の撮り方やコツ、どういったポーズがベストなのか、などを紹介します。
宣材写真は、全身写真とバストアップ写真の2種類必要!
宣材写真には、バストアップのみならず全身写真も必要です。全身写真は、背格好の全体的なイメージのほか、スタイルやポーズも重要になります。
より良い宣材写真に仕上げていくためには、宣材写真において人はどこをみているのか、どういったポイントを重視するべきなのか、客観的に把握しておく必要があります。
バストアップ写真ではここがみられている
宣材写真に使うバストアップ写真では、主に「容姿」と、「雰囲気」が見られています。
バストアップ写真では頭から胸の辺りにかけてを写すので、まずは顔を中心とした容姿と、服装や髪型など全体的な雰囲気が中心的なポイントとなります。
バストアップ写真は、カメラの高さは唇の高さ近辺に合わせて撮影することで、構図的にバランスがよくなります。
顔の輪郭がはっきり見えるように、輪郭のラインを出来る限り隠さず、視線をカメラにしっかり向けて撮影しましょう。
全身写真ではスタイルが見られている
宣材写真においては、バストアップ写真と全身写真の両方を求められる場合が多いです。
全身写真においては全体的な背格好、手足や肩幅の長さ、何頭身かなどの全身のバランス、スタイルが主に見られています。
全身写真は、お腹の中心あたりにカメラを合わせることで、上半身、下半身のバランスがよくなり、全身のスタイルをバランスよく見せることができます。
宣材写真では、姿勢の良さも重要になります。背筋はしっかり伸ばして、胸を張りましょう。表情は笑顔でなくても構いませんが、自然な表情を心掛けましょう。
スタイルをよく見せるには、ポーズが重要!
スタイルを良く見せるためには、ポーズの取り方も非常に大切な要素となります。
宣材写真においては、直立不動もロボットのような雰囲気になって良くないですし、顎を引くのも頭でっかちになって宜しくないです。
ポーズはきっちりしすぎていても、だらしなすぎてもいけません。さりげなく、自然な姿勢を意識したポーズを取るようにしましょう。
宣材写真、ポーズのポイントは?
宣材写真にはポーズが重要と先程説明しました。証明写真などと違い、宣材写真はしっかりとした正しい姿勢を意識しすぎてはいけません。
体幹がしっかりしていることや、構図的なバランスは勿論大事です。しかしそうした基本的さえ要素を守っていれば、多少の遊びを入れるのもポイントです。
例えば、以下のようなポーズが考えられます。
前脚と後脚を少し重ねる
宣材写真で全身を撮る時には、足の位置を前後させつつ、前の脚、後ろの脚を少し重ねるようにして撮影するといいでしょう。
前後の脚を少しだけ重ねることによって、脚がより長く見える効果がありますし、全身のシルエットがより美しく写ります。
あまりにも位置が極端だと不自然になりますので、あくまでも自然に、少しだけ重ねることを意識しましょう。
重心をまっすぐとる
全体写真には、全身の構図的なバランスや、重心の掛け方も大事になってきます。
宣材写真に限らず、姿勢がだらしなく不自然になっていると大きなマイナスです。
重心を片側の脚にかけるなどちょっと崩すことも、軽度なものであれば有効に働きますが、崩す際にも体幹のラインはまっすぐな方向に纏まる範囲に保つことが重要です。
足をクロスさせるのも◎
ちょっとしたポージングとして宣材写真でよく使われる方法として、脚をクロスさせるポーズがあります。
脚を置く位置を前後にずらして、太腿辺りからクロスさせることによって、脚が長く見せられるだけでなく、太腿も細く見せることができます。
また、脚を軽度にクロスさせることにより、身体全体のラインもバランス良く綺麗に見せられるので、より美しく写ることができます。
カメラマンと相談しながら、いろいろなポーズを試してみよう
宣材写真においてよく勧められるポーズとして「S字ポーズ」があります。
頭、胸、腰から下腹部、膝上、膝下の描く曲線の方向をそれぞれ変えることによって全体的にS字のラインを描き、一般的には美しいとされるポーズです。
しかしこのポーズは初心者には難しく、無理矢理やってしまうと逆に体幹のラインが崩れ、アンバランスになってしまうなど逆効果になる場合もあります。
宣材写真で大事なのは、あくまでも自然な雰囲気、自然なバランスです。
無理のある姿勢を取るくらいなら、緊張感を緩めて直立していた方がまだ良いです。
カメラマンと適宜相談しつつ、自分なりに自然なポーズ感を大切に撮影に臨むべきです。
例えば、腕を直角に曲げて腰の前に置いてみたり、脇を締めて腕を曲げ、指の先が顎のあたりにくるようなポーズを取るなどが効果的です。
足の位置も不自然にならない範囲で工夫してみましょう。
宣材写真の撮影時のポイント!
宣材写真は今現在の本人のリアルで自然な姿を撮影します。一定期間に渡って使用されるため、仕事に繫げる大切な判断材料になります。
そうした自然な姿を表現するために、過度に派手な服装やメイクは邪魔になります。以下のポイントに注意して、ナチュラルな雰囲気を心掛けましょう。
服装は、体型がわかるすっきりとしたものを
服装において最も大切なのはサイズが合っていることです。
宣材写真においては、自分の体型に合ったちょうど良いサイズのもので、体のラインがわかりやすいシンプルな服装を心がけましょう。
ダボっとしたファッションも流行っていますが、宣材写真においては避けるのが無難です。
ナチュラルメイクが鉄則
メイクは、ナチュラルメイクに仕上げるか、薄めのメイクで自然な雰囲気を演出しましょう。宣材写真では本人の出来る限りそのままの姿が求められますので、過剰なメイクは控えたほうが無難です。
独特なメイクで知られる鳥居みゆきさんや椿鬼奴さんなどの宣材写真を見ると、持ち味はしっかり活かしつつも、バラエティ番組などで見せるような演出過剰なメイクは控え、自然な範囲でのメイクとなっています。
表情を自然に作れるように練習しておこう
宣材写真において、表情は肝と言って良いくらい大切な要素です。
服装やメイク、髪型、ポーズなども自然な雰囲気が大事と説明しましたが、表情においてもそれは当てはまります。
ただ、被写体となる人がどういった職業なのか、どういった雰囲気を売りにするのかによって、取るべき表情は変わってきます。以下に紹介する例を参考にしてみてください。
アイドルなら、笑顔で写ろう!
煌びやかな雰囲気を演出し、元気一杯な雰囲気が大切となるアイドルの場合は、とにかく笑顔が大事と言われます。
しかし満面の笑みを作ると、目が普段よりも細くなってしまい、自然な雰囲気を伝える宣材写真としては失格となってしまいます。
笑顔は大事ですが、「口は笑っていても目はあまり笑っていない」範囲に止めることが重要です。
モデルや俳優なら、口角をあげた控えめな笑顔で
モデルや俳優といった立場であれば、クールな雰囲気、シリアスな雰囲気も時には必要となります。笑顔が苦手な方もいるでしょう。
かといって、硬い表情、深刻な表情を作ってしまうと雰囲気が正しく伝わらなくなってしまいます。
モデルや俳優が宣材写真を撮るときは、控えめな笑顔を意識すると良いでしょう。
あまり力を入れすぎず、口角をちょっとあげるだけでも、控えめな笑顔を作ることができます。
男性の場合は?
男性の宣材写真の場合は、アイドルでない限りは笑顔はあまり重要視されません。
男性が意識するべきなのは目力ですが、あまり睨みつけるような写真を撮ってしまっても威圧感を与えてしまってあまりよろしくありません。
真剣さや誠実な性格が伝わる目力を意識しつつ、自然な笑顔を作ると効果的です。
ヒゲについては、生えていても剃っていても良いですが、清潔感を心掛けましょう。鼻毛や眉毛も不恰好にならないようしっかり整えましょう。
血色があまり良くない場合は男性でもメイクをする必要があります。ファンデーションは肌の色にあった自然な暖色で、目元や眉毛を中心に、少しだけ、自然な範囲でメイクをするとよりシャープに、綺麗に写ります。
宣材写真はどこで撮る?撮影方法を値段と内容で比較
宣材写真を撮るにも、様々な方法があります。「宣材写真」という言葉尻からはスタジオで撮るイメージが強いです。もちろん、多種多様な職業の人に向けた宣材写真を撮影できるスタジオも多くあります。
しかし必ずスタジオで撮影しなければならないわけでもありませんし、撮影のスタイルは千差万別です。以下に、詳しくみて行きましょう。
家族や友人に撮ってもらう
宣材写真は自然な雰囲気が重要になるので、家族や友人に撮ってもらうというのも一つの方法です。
家族や友人であれば、気軽に頼めますし、何より無料、あるいはご飯を奢る程度の出費で済ませられるのが大きなメリットです。
しかし、多くの場合家族や友人はその手の専門家ではないので、コンパクトデジカメやスマートフォンなどでの撮影になるでしょう。
そしてヘアメイクや衣装、ポージング、照明など、写真に関するあらゆるディレクションを全部自分でやらないといけません。
自撮りはNG
勿論、写真ですので、自撮りで自分を撮ることも可能ですが、宣材写真においては、自撮りは絶対にNGです。
主な理由としては、撮影からポージング、表情の作り方までを全部自分でやると、どうしても不自然な角度になってしまいます。
三脚を組んでセルフタイマーで撮影するにしても、客観的な視点がないので、失敗する可能性が飛躍的に高まります。
結果撮り直しに多くの時間が割かれることになりますし、全身の写真を丁度いい構図で撮影するのも至難の業です。
写真スタジオで撮る
宣材写真を撮るとき、最も一般的なのが写真スタジオでの撮影です。
プロのカメラマンが常時勤務している写真スタジオであれば、経験豊富なプロの技を発揮してもらうことができます。照明やレフ板といった設備も豊富に用意されています。
多くのスタッフが表情作りに協力してくれますし、場合によってはヘアメイクから衣装まで用意してくれるところもあります。
ただ、しっかりとした設備の整った写真スタジオで撮影すると費用は高額になりますし、カット数も最低限となり、カットを増やすと追加料金がかかる場合が多いです。
格安で撮影できるスタジオも
貸しスタジオなど、格安で撮影できるスタジオもあります。
格安といっても、基本的な照明や三脚、レフ板、背景紙などの設備は整っていますし、自然光を活かしたスタジオであればよりナチュラルな雰囲気の写真を撮ることが可能です。
ただ、格安のスタジオの場合、スタジオのスペース自体がかなり狭いところも多く、白ホリの小さなスタジオだと、ワンルーム程度の広さしかなく、設備も最低限の物しかない、という場所も少なくありません。
宣材写真、結局どこで撮るのがベスト?
宣材写真をどこで撮るかについて、一般的なパターンを紹介しました。それぞれにメリットがあり、デメリットもあります。予算や家庭の事情を考慮しながら決めるのが良いでしょう。
しかし理想としては写真スタジオで撮影するのがベストです。
格安スタジオにしろ、写真スタジオにしろ、撮影用のスタジオでの撮影であれば、完璧な光の具合で撮影できます。仕事につながる宣材写真ですから、活かせるものは全て使えるに越したことはありません。
しっかりとした照明を当ててもらって、プロカメラマンの技術を生かして撮れば、魅力は最大限に、ナチュラルな雰囲気の写真が生まれます。
まとめ 宣材写真撮影もプロカメラマンに依頼してみよう
以上、宣材写真で見られるポイントや、ポーズの選び方のコツ、オススメの撮り方などを一通り紹介しました。
予算に応じて、やりやすい環境で写真を撮影できるのがベストですが、それにクオリティが追いつかない場合も多々あります。自分では自信がない、という人も少なくないでしょう。
そうした時は、プロのカメラマンに依頼するのも一つの手です。多くの登録プロカメラマンを擁するミツモアには、宣材写真に特化したプロカメラマンも多く存在します。
ミツモアでは予算や目的に応じたプロカメラマンとのマッチング、見積もりを基にチャットで相談できるなど、これだ、というカメラマンを見つける為の効果的なシステムが揃っています。
最大5件まで、複数のプロカメラマンの見積もり額提示もできますので、ミツモアでプロカメラマンを探してみてはいかがでしょうか。