ヤスデは時期によって大量発生するため、駆除するのが大変な害虫の一種です。人を咬むことはありませんが、刺激により悪臭を放つ体液が分泌されるなど不安な部分もあります。ヤスデの特徴や危険性があるか、また発生の予防法も解説します。
ヤスデの効果的な駆除方法は?
殺虫剤でもヤスデは駆除できますが、薬剤による他への影響が気になる場合は「瞬間冷却スプレー」を使用するのがよいでしょう。また家の周囲に「毒エサ」をまくのもおすすめです。
ヤスデの危険性は?
ヤスデは毒性のある体液を体表に出します。皮膚に付着すればヒリヒリと痛みを感じるでしょう。 しかしこれは身を守るためで、不用意に手で触ったり、踏み潰したりしなければ害はありません。
ヤスデとは
無数の足を持つ小さな虫「ヤスデ」は鈍速なため、駆除するのは難しくありません。
しかし時期によっては大量発生することもあり不快度が増します。どのような生態なのか、ヤスデの特徴や代表的な種類を押さえていきましょう。
ヤスデの生態
ヤスデは体長20mm、幅2mmほどの多足類で、細長い体と無数の足が特徴です。その不気味な見た目に嫌悪感を抱く人も多く、一般的には「不快害虫」として扱われます。
落ち葉や腐葉土に潜む真菌類をエサとしているため、地中や物陰でよく見られます。小さい頃に昆虫採取で石を退けて、ヤスデを発見した経験を持つ人も少なくないでしょう。
ヤスデはミミズと同様に倒木や落ち葉を分解する役割を担っているため、自然界では益虫として扱われているのです。
発生時期は4〜11月頃で、湿った土があるところを好むため家の庭でもよく見られます。9月頃に産卵し、幼虫で越冬して翌年の6〜7月頃には成虫になります。冬や梅雨時期に集団を形成するため、大量発生が目にすることもあるでしょう。
雨での溺死を回避するために家の外壁や屋内に侵入してきますので、山間部など住んでいる環境によっては思いもかけない場所でヤスデを見つけることもあるでしょう。
日本に生息するヤスデの種類
日本では250種類以上のヤスデが生息しており、日本全国の至るところに分布しています。
特に以下の3種類が代表格で、不快な見た目に加えて、大量発生するなどの影響があります。
- ヤケヤスデ
- キシャヤスデ
- ヤンバルトサカヤスデ
「ヤケヤスデ」は主に黒や褐色の体で、個体差も大きい種類です。指で突くなど刺激を与えるとクルンと丸くなる習性を持っています。
「キシャヤスデ」は7年かけて成虫になるのが特徴で、体長は35mmほど、体の色は肌色〜朱色をしており、時期が重なれば大量発生する厄介な種類です。
また台湾から沖縄に入ってきた外来種「ヤンバルトサカヤスデ」は、静岡県や神奈川県などでも見られており、屋内に侵入しているケースもあります。
ムカデとヤスデの違い
無数の足がある虫といえばヤスデ以外にも、ムカデが有名です。
サイズに違いがありながらも、ヤスデはムカデに似ているため、「咬まれないか」「毒を持っていないか」と不安を抱えている人もいることでしょう。
そこでここからはムカデの生態に触れながら、ヤスデとの違いについて解説していきます。
ムカデの生態について
ムカデは体長80〜130mmほどの虫で、退化した目を補うために触覚で移動・狩りを行います。真っ黒な体にオレンジ色の尾が特徴的で、小さな昆虫や蜘蛛、ミミズをエサにしているのもヤスデとは大きく異なる点です。
日中は落ち葉や鉢植えなどの物陰に潜んでいますが、夜になるとエサを探すために活動をはじめます。エサとなる蜘蛛は家の中にいることもあるため、つられてムカデも居間やトイレなどで発見されることがしばしばあるのです。
また歩き方も独特で、蛇のようにクネクネと蛇行します。一方でヤスデは無数の足を巧みに動かしてまっすぐ前進するので、歩き方でもムカデとヤスデの見分けは容易でしょう。
人を咬むか咬まないか
ムカデはエサとなる虫を捕獲するため、強力な毒アゴを持っています。外敵から身を守るときには咬み付き、毒を注入します。そのためむやみに触らず駆除するときも要注意です。
ムカデの毒は神経細胞に作用する神経毒のため、咬まれた箇所を水洗いしてもしばらく痛みが続く場合があります。
一方ヤスデは人を咬むことはありませんので、これも明確な差です。
ヤスデの危険性
細かな足がうごめく様子を不快に感じる人の多いヤスデは、ムカデのような強力な毒は持っていません。しかし有害な体液を分泌することもあるので、駆除は慎重に行う必要があります。
では具体的にどのような危険性があるのか、詳しく解説していきます。
不快害虫と呼ばれる
ヤスデは小さい虫でありながらも、ムカデに近い見た目をしていることもあって「不快害虫」と呼ばれています。不快害虫とは外見上の見た目などを理由に人に精神的なダメージを与える虫を指し、他にもゲジゲジやハエ、アリなどが例として挙げられます。
ヤスデは滅多に家に現れることはありませんが、降水量が多い梅雨の時期には溺れないよう大量のヤスデが家まで上がってきますので、梅雨時期は駆除対策を考えておきましょう。
毒性のある体液
ヤスデは不快害虫としてだけではなく、毒性のある体液を体表に出します。これは身を守るためで、不用意に手で触ったり、踏み潰したりしなければ害はありません。
注意したいのはヤスデの体液には有害物質が含まれており、皮膚に付着すればヒリヒリと痛みを感じるようになります。またヤスデの体液は悪臭を放つので、嫌な臭いを感じたときは要注意です。
土壌動物として生態系に良い面もある
人にとっては害であるヤスデですが、自然界にとっては有益な虫です。前述したとおり、ヤスデは落ち葉や倒木を分解する土壌動物で、森林生態系の一端を担う重要な存在といえます。
ヤスデは真菌類を食べて糞をしますが、その糞もまた土壌に住む微生物にメリットをもたらしてくれます。
家や庭に発生するヤスデは厄介な存在ですが、豊かな生態系を支えてくれますので、必要以上に駆除をしないようにしましょう。
ヤスデの駆除方法
ヤスデを潰すと体液を出すので、駆除方法に困っている人も多いことでしょう。
そこでヤスデを安全かつ確実に駆除する方法を2つ紹介します。
瞬間冷却スプレーを使用する
市販されている殺虫剤でもヤスデは駆除できますが、薬剤による他への影響が気になる人は「瞬間冷却スプレー」を活用しましょう。
瞬間冷却スプレーは文字通り、急激な冷却でヤスデの動きを一時的に奪います。ムカデやカメムシなどの威嚇行動を取る虫に有効なため、ヤスデにも試してみましょう。
ただ殺虫効果はありませんので、ヤスデが動かなくなったらホウキなどで取り、ゴミ袋に密閉してから処分するのも忘れないようにしましょう。
家の周囲に毒エサをまく
ヤスデが発生する春頃は、家の周囲に「毒エサ」をまくのもおすすめです。毒エサは殺虫剤のような即効性はありませんが、直接スプレーをかける必要がないため、「虫が苦手」「毎日のように敷地に侵入する」といる人にはよいでしょう。
ヤスデは土壌で生活をしていますので、庭を中心にまくと効果が見込めます。ただし雨が降ってしまうと毒エサの成分が流れてしまうことになり、雨の多い季節は頻繁に対処する必要があります。
ヤスデの予防方法
毎年のようにヤスデを駆除している人は予防方法も考えていきましょう。
適切に対処することで、家に入ってくるヤスデの数を減らすことも難しくありません。
忌避剤を使用する
害虫の嫌う薬剤を設置して家への侵入を予防する「忌避剤」は、ヤスデにも効果があります。
窓際や玄関、外壁などのヤスデの姿をよく見る箇所を中心に散布すれば、ヤスデの発生を軽減できるでしょう。
ホームセンターやドラッグストアなどで販売されているので、まずはどのような種類があるのか確認してみましょう。
商品によって効果の継続期間が異なるため、購入前に確認が必要です。
周辺のこまめな清掃を行う
庭でガーデニングをする人は腐葉土や落ち葉などを放置せず、こまめに掃除することも発生を抑えます。
ヤスデにとって腐葉土が大量にある環境は絶好のすみかになるため、そのままにしていれば大量発生の原因にもなりかねません。
また鉢植えなどのわずかな土の中にもヤスデは入り込みます。使わなくなった鉢植えはきれいに洗い片付けておくなど、日頃から周囲の清掃を心掛けましょう。
ヤスデを大量発生しないために予防と駆除を徹底しよう
ヤスデは直接手で触れない限り、大きな被害にはなりません。しかし不気味な見た目をしているため家への侵入は防ぎたいところです。
梅雨の時期は大量発生しやすいので、冷却スプレーを買っておいたり、毒エサをまいたりする対策を講じていきましょう。
こまめに掃除をして庭を常にきれいな状態にキープするだけでも、発生が抑制できるでしょう。
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