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カツオブシムシの駆除方法!今後の発生を予防するポイントも解説

最終更新日: 2024年06月28日

カツオブシムシは衣類や食べ物に害を及ぼす虫です。放っておくと被害が拡大する恐れがありますので、適切な方法で駆除・予防しましょう。

カツオブシムシはどうして発生する?

カツオブシムシはおもに外に干していた洗濯物や外出時の洋服に付着して家の中に侵入します。特にカツオブシムシの成虫は白に引き寄せられるため、白っぽい衣類やタオルを干しているときは要注意です。その他の侵入経路も記事内で触れています。

カツオブシムシの駆除方法は?

カツオブシムシの成虫には、スプレーやくん煙剤などの殺虫剤を使うのが効果的です。幼虫には殺虫成分が効きづらいので、洗濯乾燥機で高温乾燥を行うと良いでしょう。

カツオブシムシの特徴と被害

カツオブシムシ

カツオブシムシは日本の家によく出る害虫です。適切に駆除するためにも、まずは見た目の特徴と主な被害を知っておきましょう。

カツオブシムシ科に属する昆虫

「カツオブシムシ」とはカツオブシムシ科の昆虫を総称した呼び名です。日本に生息する代表的なカツオブシムシには「ヒメマルカツオブシムシ」「ヒメカツオブシムシ」の2種類が挙げられます。見た目の特徴から判別しましょう。

ヒメマルカツオブシムシの成虫は体長2.5〜3mmほどで、白・黒・黄色の3色の毛が生えています。幼虫のときは約4〜5mmと成虫より大きく、白・茶色のまだら模様が特徴です。尾には鋭く長い毛束がありますが、毒はありません。

ヒメカツオブシムシは成虫で約2.5~5mmの大きさがあり、黒くて楕円形の体が特徴です。幼虫は体長7~10mmほどで細長い芋虫のような形をしており、赤褐色の毛で覆われています。ヒメマルカツオブシムシ同様に尾から毛束が出ています。

食品や衣類に害が出る

食品や衣類を食べて被害を及ぼすのは、カツオブシムシの幼虫です。成虫は基本的に花粉や花の蜜を食べて暮らしているため、直接的な害はありません。ただし家の中で卵を生んでしまう危険があるため、放置しないよう気を付けましょう。

幼虫が好むのは名前の由来になっているかつお節や、粉ミルク・ペットフードなど乾いた食品です。食いちぎる力が強く包装を破るため、異物として混入するケースも少なくありません。

カツオブシムシの幼虫が開けた穴から別の害虫が侵入してくる場合もあり、二次被害が懸念されます。

ウールや革・絹など、動物性の繊維でできた衣類・布製品も幼虫のエサになります。化学繊維でも汗や皮脂で汚れた部分は食べられる可能性があるため、保管方法に注意しましょう。

カツオブシムシの侵入経路

洗濯物

カツオブシムシはどこから家に入ってくるのでしょうか?入ってくるルートを特定できれば、予防策をとりやすくなります。侵入経路は主に「洗濯物」「外出後の服」「外にある花」の三つです。

外に干している洗濯物から

日中に活動するカツオブシムシの成虫は、外干しした洗濯物に付いて家の中に侵入します。

白や明るい色に引き寄せられる性質があり、衣類をエサとしない成虫も淡色の洗濯物には付きやすいのです。逆に黒や赤などのはっきりとした色合いは好まないため、外干しをしてもカツオブシムシが寄ってくる可能性は低いでしょう。

成虫は食品や衣類を食べませんが、室内に入れてしまうと幼虫が繁殖してしまいます。洗濯物を室内に取り込む前に成虫が付いていないかチェックすると、侵入を防ぎやすいでしょう。

外出した後の服から

草木が多い場所に行くと、カツオブシムシが服に付着する場合があります。特に成虫のエサとなる花の蜜や花粉が服に付いてしまうと、引き寄せやすくなるので注意しましょう。

カツオブシムシが好む淡い色や白色の服を着て出掛けたときも要注意です。成虫は小さいため、付着していても気づかず家に入ってしまうケースが少なくありません。

外出から帰ったときは室内に入る前に、しっかり服をチェックするのが侵入予防のポイントです。

屋外にあるキク科の花から

カツオブシムシの成虫は、マーガレットやタンポポ・ノースポール・ヒナギクなどキク科の植物を好みます。部屋に飾るために買った花に付き、室内に侵入するケースは多いでしょう。

生け花として部屋の中に生けるときも、カツオブシムシが付いていないか確認すると安心です。

また窓や玄関を開けたときやガーデニングの作業をしているとき、外から入ってくることもあります。ベランダや庭でキク科の花を育てている人は、窓やドアの開け閉めに注意が必要です。

キク科でなくても白い花や黄色・ピンクなど明るい色の花は、成虫が付きやすくなります。室内や家の近くにどのような花があるのか、気を付けて見てみましょう。

カツオブシムシの駆除方法

害虫をスモークで駆除

カツオブシムシが発生した場合の駆除方法は、主に「殺虫剤の使用」「高熱処理」「業者に依頼」の三つです。状況に応じた方法を選びましょう。

成虫には殺虫剤も有効

成虫になったカツオブシムシには、液状の薬剤を噴射する「エアゾール剤」や煙状の薬剤を行き渡らせる「くん煙殺虫剤」が効果を発揮します。

畳の下などスプレーが届きにくい場所に潜んでいる虫には、くん煙タイプの殺虫剤が有効です。タンスの引き出しやクローゼットの扉を開けて、煙を隅々まで行き渡らせましょう。

ただし幼虫は殺虫剤に対して感受性が低いため、成虫対策にのみ有効だと考えておいた方が無難です。侵入した成虫が卵を産む前に、殺虫剤を使用するのがおすすめです。

熱を使った駆除は幼虫にも効果あり

カツオブシムシの幼虫は65℃以上の高熱に耐えられないため、アイロンや乾燥機の熱を使って駆除しましょう。

まとめて駆除したい場合は、コインランドリーの乾燥機を利用するのがおすすめです。コインランドリーの乾燥機は約80℃の高温で回転しながら乾燥させるため、効率的に幼虫を駆除できます。

コインランドリーの使用料はかかりますが、大量の衣類をきれいにできます。大型の乾燥機であれば、布団などの大きいものに付いた幼虫も駆除できるでしょう。

ただし乾燥機に対応していない製品もあるため、事前に洗濯表示をチェックしておいた方が安心です。

カツオブシムシの発生を防ぐには?

タンスの服を害虫から守る

カツオブシムシは自力での駆除が難しい害虫です。退治の手間や出費を減らすためにも、日頃から予防を心掛けましょう。代表的な予防策を三つ紹介します。

防虫剤や防虫シートを使う

衣類を収納する際に防虫剤や防虫シートを使用すると、カツオブシムシが寄り付きにくくなります。防虫剤にはさまざまな種類があるため、収納場所に合わせて選びます。

効果が十分に発揮されるよう、使う前に使用期限が切れていないか確認することが大切です。交換時期が分かりやすく作られた商品もあるので、小まめにチェックしましょう。

タンスに防虫剤を使用するときに衣類を詰め込みすぎると、防虫剤が引き出し全体に行き渡らず本来の効果を得られません。クローゼットの場合は、扉を閉めると薬剤が行き渡りやすくなります。

部屋や衣類を清潔に保つ

エサとなるホコリや食べかす・虫の死骸などがあると、カツオブシムシが発生しやすくなります。キッチンやベッド周り・窓のサッシなどの汚れやすい場所は、小まめに掃除をしましょう。

衣類に汗や皮脂が付いた状態で収納すると、化学繊維でも幼虫の被害に遭ってしまいます。衣替えでは長期間しまっておくことになるため、一度洗濯をしてからタンスに入れるのがポイントです。

長く収納しない場合でも、被害を最小限に抑えるため衣類は清潔に保っておきましょう。自宅で洗えない衣類は早めにクリーニングに出しておくと安心です。

乾物は密閉して保存する

幼虫のエサになりやすい乾物は、侵入できないよう密閉容器で保存します。ビニールの袋では破られてしまう恐れがあるため、缶やプラスチック・瓶など硬い材質のものがおすすめです。

密閉保存しておけば、カツオブシムシだけでなく他の害虫の食害も防げます。多くの害虫は乾燥と低温に弱い傾向にあるため、密閉した状態で冷蔵庫に入れるのがベストです。

容器に入れるのが難しい食品は冷蔵庫の野菜室か、室温の上がらない場所で保管しましょう。

被害が大きくなる前に適切な駆除を

カツオブシムシから衣服を守る

カツオブシムシを放置すると、食品や衣類への害が広がってしまいます。正しい駆除方法を知り、早めの対処が必要です。

成虫には殺虫剤が有効ですが、幼虫にはあまり効果を期待できません。アイロンや乾燥機で65℃以上の熱を加えるか、業者に駆除を依頼するのがおすすめです。

発生を予防するには小まめな掃除・食品の密閉保存の他に、防虫シートや防虫剤を使う方法もあります。普段から予防対策をしっかり行い、衣類や食品をカツオブシムシから守りましょう。

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