見た目が気持ち悪く、厄介な毒を持つチャドクガは真っ先に駆除すべき害虫です。
チャドクガの生態や毒性、刺されたときの対処法や効果的な駆除方法など、気になる情報を解説します。場合によっては駆除業者に依頼するのも得策です。
チャドクガとは?
庭仕事をしていたら一度は目にするチャドクガについて解説します。気になる毒性やよく発生する場所、刺された際の対処法などを覚えておきましょう。
特徴と発生しやすい場所
名前からして毒々しいチャドクガは、チョウ目ドクガ科に分類される蛾の一種です。成虫は翅を広げた状態で約25~35mm、全体に黄色を帯びていますが、オスは黒褐色の個体が多くなります。成虫は7~8月もしくは9~10月が主な出現時期です。
幼虫は体長が約25mm、ツバキやサザンカなどツバキ科の植物を好んで食します。庭木や生垣、街路樹などに発生する場合が多いですが、もともとはお茶の木によく見られるケースが多く、チャドクガ(茶毒蛾)の名前の由来にもなっています。
毒針毛がある危険な害虫
チャドクガが厄介なのは、卵から幼虫(毛虫)、さなぎ、成虫に至るすべての段階で、毒を持った毛(毒針毛)を持つことです。さなぎになる直前の幼虫には、なんと50万本もの毒針毛があるといわれています。
毒針毛は長さが0.1mmしかなく、顕微鏡で拡大しないと見えないほど微細な毒針です。いわゆる毛虫の表面に見える毛とは異なります。
成虫が卵を産み付ける際に毒針毛が付着するため、卵から孵化した幼虫の段階で毒針毛を備えているのが特徴です。毒針毛は死骸にも残っており、毒性を維持しているため注意しましょう。
刺されたときの対処法
もし毒針毛に刺された場合、直後からかゆみを伴う腫れが見られ、1~2日後には強いかゆみとともに赤い発疹ができます。チャドクガの毒性は、同じく毒持ちで知られるドクガより弱めとされていますが、かゆみは2~3週間は続くのが通常です。
対処法はまずセロハンテープなどで刺された周辺部をそっと押さえ、毒針毛を除去してください。さらに強い流水で患部を洗い流します。かゆみがあってもかくと症状がほかの部分に広がり悪化するため、患部に触れないようにしましょう。
チャドクガの毒はヒスタミンを含んでおり、抗ヒスタミン成分や炎症を抑えるステロイドを含んだ軟膏が有効といえます。ドラッグストアで買うよりも、皮膚科で処方してもらったほうが、保険適用で安く入手できるためおすすめです。
チャドクガの生態とライフサイクル
刺されたら害のあるチャドクガだけに、生態を知ることは重要です。卵から幼虫になり、成虫に至るまでどんなライフサイクルを辿るのか、解説しましょう。
チャドクガの成虫と産卵時期
チャドクガの成虫のオスは黒褐色をしており、メスは黄色い身体に小さな黒い点が2つあるのが特徴です。昼間は飛んだり、家の壁やコンクリート塀にとまっていたりする場合がありますが、夜は街灯など灯りの多いところに集まります。
成虫の毒針毛は幼虫のときほど強い毒性がないといわれますが、かぶれる可能性もあるため、素手で触らないようにしましょう。
成虫は7~8月もしくは10月あたりに産卵を行い、一度に100個くらいの卵を産み付けます。綿毛が集まったような毛の塊が葉の裏にくっついていたら、高確率でチャドクガの卵です。
幼虫が発生するのは年2回
チャドクガの卵は4~6月もしくは8~9月ごろに孵化します。遅めに産卵された卵は越冬し、孵化するのは春です。
1年に複数の孵化するタイミングがあるため、チャドクガは繁殖力が強い種類といえます。生まれた幼虫はたくさんの個体が葉に集まり、やがて木全体に移動するのが特徴的です。
幼虫がとまっていた葉は表皮を残しながら食害され、やがて葉の裏表にびっしりと集まり食べ尽くしていきます。幼虫の段階から6~7回の脱皮を行い、集まっていた個体は分散して地面に降りていき、さなぎになるのです。
チャドクガの駆除方法
チャドクガは幼虫になる前に駆除するのがおすすめです。最適な駆除方法や専門業者の探し方など、チャドクガに困っている人は必見の情報を解説します。
孵化する前に卵を除去する
チャドクガの駆除は卵のうちに行うのが鉄則といえます。チャドクガは卵、幼虫、成虫のどの段階でも毒を持ち続け、かつ幼虫の状態が最も被害が大きいからです。
幼虫になる前の卵なら、動かないため除去も簡単にできます。早めの駆除で成虫に至るサイクルを断ち切りましょう。
きちんと駆除するには、卵が孵化する前の4~5月と7~8月に薬剤を撒くのがおすすめです。卵は葉の裏に産み付けられるため、葉の裏側に薬剤をかけてください。薬剤の成分を吸い込んだり身体に付着したりしないよう、風上側に立って作業を行います。
幼虫に殺虫剤は効果はある?
幼虫は一般的な園芸用殺虫剤で駆除が可能です。ゴキブリ用など家庭用の殺虫剤でも効果はありますが、樹木にかかった場合に木が傷む危険があるため、使わないほうがよいでしょう。
葉や木にとまった幼虫に殺虫剤を噴霧すると、弱った幼虫が落ちてくる場合もあるため、触らないように注意してください。
作業時は長袖・長ズボン、帽子や手袋などをしっかり装着し、肌が露出する部分をできるだけなくすのが重要です。殺虫剤で死んだ幼虫にも毒針毛は残っており、触ると害があるため注意しましょう。
あらかじめ枝を剪定しておくと毛虫の駆除もしやすいですし、チャドクガ自体も発生しにくくなるため一石二鳥です。
専門業者に駆除を依頼する
チャドクガは厄介な毒を持っているため、駆除はできれば業者に任せたほうがよいでしょう。害虫駆除の専門業者なら、費用はかかりますが素人とはレベルの違う仕事をしてくれますし、再発保証などアフターサービスにも配慮されています。
「どんな業者があるのかわからない」「評判のいい業者に頼みたい」といった場合は、一括見積もりサービスのミツモアを利用しましょう。ミツモアならたくさんの駆除業者から、要望にあった企業をしっかりと選んでくれます。
害虫駆除に関して不明点や疑問があれば、業者と契約する前にチャットで相談できますし、一度に5社から無料で見積もりが取れるため、じっくりと比較検討が可能です。
チャドクガは毒に注意して早めの駆除を
卵や幼虫、成虫のすべてに毒を持つチャドクガは、刺されるとひどい湿疹を引き起こす厄介な害虫です。1年に2回も孵化するため繁殖しやすく、葉を食い荒らすため早めに駆除しないと被害が大きくなります。
チャドクガの駆除は卵のときに行うのが基本です。園芸用の殺虫剤で死滅しますが、死骸の毒針毛にも毒性が残っているため、取り扱いには注意しましょう。