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標準報酬月額とは? 決定方法と社会保険料の計算

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最終更新日: 2019年06月26日

社会保険の加入事業所では、事業所や事業者と折半で健康保険料や厚生年金保険料などの社会保険料を支払っています。社会保険料は、被保険者個人の報酬額に応じて区分ごとに設定された標準報酬月額によって決められています。

今回は、標準報酬月額についてどのように算定されるかや、社会保険料の計算方法などについて詳しく解説していきます。

標準報酬月額とは?

社会保険 標準報酬月額
標準報酬月額とは?

標準報酬月額とは、社会保険料を決定するために区分(等級)ごとに設定されている金額で、社会保険の被保険者ごとに決定されます。厚生年金の標準報酬月額は、被保険者の報酬月額によって31の等級に分かれています。

また、同じ社会保険保険でも健康保険の標準報酬月額は、さらに細かく50の等級に分かれているのです。

社会保険料を決定する「標準報酬月額」

標準報酬月額を算定する最大の目的は、社会保険の被保険者の厚生年金保険料や健康保険料を決定することです。社会保険料の算出方法は、厚生年金保険料の場合は31段階の等級の標準報酬月額にそれぞれの保険料率を掛けます。

また、健康保険料も同様に、50段階の等級の標準報酬月額にそれぞれの保険料率を掛けて算出します。標準報酬月額は、等級が大きければ大きいほど報酬が高いため、高収入の人ほど社会保険料を多く払っているということになります。

ただし、厚生年金の31等級と健康保険の50等級は報酬月額の上限がないため、最高等級の人は報酬月額にかかわらず厚生年金保険料や健康保険料は一律になります。

標準報酬月額の決定の基本は「定時決定」

標準報酬月額は、基本的には毎年4月から6月の3ヵ月間の平均給与を元に算出される定時決定という方法で決定されます。定時決定は1年に1回行われ、標準報酬月額を毎年変更するために提出する書類が算定基礎届という書類です。

定時決定の基本ルールや詳細につきましては、以下で事項ごとに説明していきます。

定時決定の際の基本ルール

社会保険 標準報酬月額
定時決定の際の基本ルール

社会保険料の標準報酬月額を決定する基本的な方法として、1年に1回行われる定時決定という方法があります。定時決定は、被保険者の実際に受け取っている報酬と標準報酬月額との差が大きくならないために毎年行われています。

ここでは、定時決定を行うための基本的なルールなどについて解説していきます。

基本的な報酬月額の算定方法

定時決定で行われる基本的な報酬月額の算定方法は、その年の4月から6月の3ヵ月の給与を平均して算出します。定時決定の対象者は、7月1日に事業者に雇用されている被保険者全員です。

定時決定では標準報酬月額の見直しを行い、 算出された平均給与額などを算定基礎届に記載して事務センターまたは管轄の年金事務所に提出します。定時決定により変更された標準報酬月額は、基本的にはその年の9月から次の年の8月まで適用されます。

報酬には何が含まれるの?

標準報酬月額を算定する報酬には、基本給はもちろんですが、通勤手当、家族手当、住宅手当、役職手当などのあらゆる手当が含まれます。ただし、臨時に受けとる金銭や3ヵ月を超える期間ごとに受けとる金銭などは報酬には含まれません。

また、通勤定期券、制服や作業服でない衣服、社宅、食事などの現物支給も報酬に含まれます。なお、食事の現物供給与額のうち3分の2以上を被保険者が負担している場合は、現物支給は無いものとしています。

住宅等の現物供給与の場合は、3分の2以上を被保険者が家賃として負担していても現物支給として報酬に組み込まれます。

支払基礎日数とは?

支払基礎日数とは、給与計算の対象となる日数のことをいいます。定時決定による標準報酬月額の算定に利用する支払基礎日数の数え方は、給与形態によって変わってきます。

  • 欠勤控除がない月給制の場合は、支払基礎日数=暦日数(月により30日や31日など)です。
  • 欠勤控除のある月給制の場合は、支払基礎日数=所定労働日数-欠勤日数です。
  • 日給制や時間給制の場合は、支払基礎日数=出勤日数です。

定時決定では4月から6月の3ヵ月間の平均給与を算出する時に、正社員の場合は支払基礎日数が17日以上の月を算出対象としています。支払基礎日数が17日未満の月がある場合は、17日未満の月を除いた残りの月の平均で算出します。

例えば、平均給与を算出する3ヵ月のうち17日以上の月が4月しかなかった場合は、4月だけで報酬月額を算出します。3ヵ月とも17日に満たなかった場合は、従前の報酬月額を利用します。

定時決定における賞与の取り扱い

定時決定とはその年の7/1を起算日としていますが、起算日までの1年間の間に年4回以上の賞与の支給があった場合は、報酬月額を算出する報酬として含まれます。一方、年3回以下の賞与の支給は、報酬月額には含まれません。

社会保険料の計算方法

社会保険 標準報酬月額
社会保険料の計算方法

社会保険適用事業所や事業者に勤務する被保険者は、厚生年金保険料や健康保険料(40~64歳の人は介護保険料を上乗せ)を支払う必要があります。社会保険料は、厚生年金保険料も健康保険料も標準報酬月額×それぞれの保険料率で算出できます。

また、賞与の時に支払う社会保険料は、標準賞与額×健康保険、厚生年金それぞれの保険料率で算出されます。どちらの場合も、社会保険料は事業所や事業者と被保険者が折半しますので、算出した社会保険料の半分を支払うことになります。

本項では、例に基づき、実際に社会保険料の計算をしてみます。

社会保険料の具体的計算

例)東京都の会社に勤める28歳の会社員で、月給が4月:250,000円、5月:270,000円、6月:260,000円の人

上記の例の標準報酬月額は以下になります。
月の平均給与が260,000円のため報酬月額が250,000円~270,000円の範囲内に入り、厚生年金では17等級、健康保険では20等級になります。この等級での標準報酬月額は260,000円になりますので、260,000円に東京都の厚生年金の保険料率(18.3%)と健康保険の保険料率(9.9%)を掛けて算出します。

健康保険料

標準報酬月額260,000円×保険料率9.9%÷労使折半2=12,870円

厚生年金保険料

標準報酬月額260,000円×保険料率18.3%÷労使折半2=23,790円

平成31年度4月現在の料率については以下のリンクで確認可能です。

平成31年度保険料額表(平成31年4月分から)|全国健康保険協会

定時決定以外の標準報酬月額の決定方法

社会保険 標準報酬月額
定時決定以外の標準報酬月額の決定方法

定時決定は、毎年1回標準報酬月額を実際の報酬と大きな差がなくなるように調整します。しかし、定時決定は1年に1回のため、被保険者の月給が大きく変化した場合などに、リアルタイムで標準報酬月額の変更をすることができません。

このような時に定時決定以外の方法で標準報酬月額を変更させることにより、標準報酬月額と実際の報酬の差をなるべく小さくすることができます。定時決定以外の標準報酬月額の決定方法としましては、資格取得時の決定や随時改定や産前産後休業・育児休業等終了時の改定などがあります。

ここでは、その一つ一つについて詳しく解説していきます。

資格取得時の決定

入社などで新規に社会保険の被保険者になった人は、定時決定を待たずに標準報酬月額を決定しなければなりません。その時の標準報酬月額の決定方法を資格取得時の決定といいます。

資格取得時の決定は以下の通りに決定されます。

  • 月給、週給などの一定期間によって定められている報酬は、報酬の額を月額に換算した額が報酬月額とする。
  • 日給、時間給、出来高給、請負給などの報酬は、被保険者が勤務する事業所で前月に同じような業務に従事し同じような報酬を得た人の報酬の平均額とする。
  • 上記の方法で報酬月額が決定できない場合は、資格取得の月前の1ヵ月間に同じ地方で同じような業務に従事しかつ、同じような報酬を得た人の報酬の額とする。
  • 月給、週給または日給、時間給、出来高給、請負給などの2つ以上に該当する報酬を受けている人は、それぞれの方法によって算定された額の合計額とする。

随時改定

社会保険の被保険者の標準報酬月額は、基本的には定時決定までは変更されません。しかし、実際の報酬額が標準報酬月額と著しく差ができた場合に、標準報酬月額を改定できるようになっています。

この臨時の変更のことを随時改定といいます。随時改定は以下の3つの条件をすべて満たした時に、固定賃金の変動があった月から4ヵ月目に標準報酬月額の改定が行われます。

  • 固定的賃金に変動があった時
  • 固定的賃金の変動月から3ヵ月間の平均給与を標準報酬月額等級区分にあてはめた場合、現在の標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた時
  • 固定的賃金の変動月から3ヵ月間の支払基礎日数が3ヵ月間ともに17日以上ある時

産前産後休業・育児休業終了時の改定

産前産後の休業や育児休業が終了して職場復帰した後も育児等の理由で報酬が低下した場合、被保険者が事業主経由で保険者に申出した場合は標準報酬月額の改定を行うことができます。標準報酬月額は、産前産後の休業や育児休業の終了日の翌日の属する月以後の3か月間の平均給与により決定されます。

保険者算定とは?

社会保険 標準報酬月額
保険者算定とは?

保険者算定とは、定時決定や随時改定などの被保険者の標準報酬月額を決定方法では標準報酬月額を算定するのが困難な場合や著しく不当である場合、保険者が算定する金額を標準報酬月額とするものです。ここでは、どのような場合に保険者算定になるのかや算定方法について解説していきます。

3月以前の報酬が遅れて支給された場合

給与の遅延などは労働基準法で禁止されていますが、現実には会社事情などにより遅延が発生するケースがあります。このような場合に3ヵ月の平均給与を算出することができません。

定時決定のために平均給与を算出する4月、5月、6月に給与の遅延があった場合は、遅延がなかった1ヵ月、2ヵ月の報酬額の実績により推定して決定されます。

休職で通常より低額の報酬が支給された場合

定時決定のために平均給与を算出する4月、5月、6月に休職により通常の賃金より低い賃金を得ていた場合、低い賃金の月を含めて平均給与を算出すると標準報酬月額も低くなってしまいます。このため、3ヵ月とも休職だった場合は従来の報酬月額により算出し、休職が1ヵ月、2ヵ月だった場合は当該月を除いて報酬月額により算定します。

月の途中入社の場合

4月、5月、6月のいずれかの月の途中に入社した場合は、入社月の給与が通常の月に比べて低い場合があります。この場合も、通常の月に比べて報酬が低い月は含めずに標準報酬月額を算定する場合が多いでしょう。

3ヵ月の平均額と年の平均額に2等級以上の差が生じる場合

定時決定のために平均給与を算出する4月、5月、6月が繁忙期だったり、もしくは仕事がない時期だったりする場合にその時期だけ極端に給与が多かったり少なかったりするケースがあります。このような場合に、年の平均額と2等級以上の差が生じていた場合は、年の平均額を標準報酬月額とするケースがあります。

まとめ

このように、社会保険の被保険者の標準報酬月額の決定の仕方は、単純なものではありません。様々なケースに応じた対応が必要になります。

そのため、社内ですべてをまかなうには、スキルを持っている人がいなければかなりの時間を要してしまうことが想像できます。このような複雑で難しい作業は、社会保険のプロである社会保険労務士に依頼してみてはいかがでしょうか。プロにまかせれば、間違えもなく時間の短縮にもなりますのでおすすめです。

この記事を監修した社労士

ドラフト労務管理事務所 - 大阪府大阪市東成区

関西弁で丁寧に対応する社会保険労務士事務所です。 ●重点取扱分野 労務相談/過労等の疾病・過労死の労災申請・障害年金申請代理 派遣元責任者講習講師/労働局・労働基準監督署等の監査立会業務 派遣業・職業紹介業の許可申請業務 ●働き方改革推進支援センターアドバイザー/教えて!goo・Yahoo!知恵袋 認定専門家/経済産業省後援ドリームゲートアドバイザー。 ●ドラフト労務管理事務所 代表社会保険労務士 鈴木圭史 JR玉造駅から東へ徒歩3分
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