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大きな建物の写真を撮るコツ3つ!構図、アングル、光の見極め!

最終更新日: 2022年12月09日

大きな建物の写真を撮るコツ3つ!構図、アングル、光の見極め!

大きな建築物を撮る。photo by Mphoto
大きな建築物を撮る。photo by Mphoto

旅先では神社や施設、または巨大なオブジェや橋など大きな建築物はたくさんあります。それらを写真におさめた時、見た印象と違うことはありませんか?

大きな建築物をどう見せたいかは撮る人次第ですが、いくつかのコツを知っておけば写真をコントロールして見せることが出来ます。

大事なのは3つのコツです。覚えればすぐにできます。

◼︎大きな建物写真の3つのコツ

大きな建物写真のコツ3つ。photo by Mphoto
大きな建物写真のコツ3つ。photo by Mphoto

大きな建物を撮るには3つのコツがあります。それが①構図と②アングルと③です。

それは写真のコツとも言えるベーシックなものですが覚えておくとすぐに写真が上達します。

①「構図」についてのコツ

構図は、被写体をどう配置するのか、どう切り取るのかなどのフレーミングのことです。

大きな建物の安定感や躍動感、または立体感、そして人物とのバランスなどをコントロールする際に使います。

②「アングル」についてのコツ

アングルは被写体に対してのカメラの角度のことです。

正面やローアングル、斜めから見るのかで被写体の印象が変わってきます。

③「光」についてのコツ

光の話では、時間帯はいつにするのか、光の方角や太陽の高さ、またライトアップと空の関係などが挙げられます。

これら3つのキーワードを一つ一つ紐解いていきましょう!

◼︎大きな建物は構図が重要

三角構図で撮った斜張橋。
三角構図で撮った斜張橋。photo by Mphoto

建築物を撮る時は水平に撮ることがとても大事です。柱や屋根や地面に線を見つけて、水平に撮ることを心がけてください。

カメラの液晶にグリッド表示をすると、水平に撮りやすいので試して見てくださいね。

当然ながら大きな建物は動かすことが出来ませんので、自分がどう動くのか、そしてどう切り取るのかが重要になってきます。

それでは具体的に構図について見ていきましょう。

・三角構図

三角形構図三角形構図。画像提供 Mphoto
三角形構図。図提供Mphoto

画面のどこかに三角形を作ると安定感が出てきます。なんとなく絶妙なバランスでセンスがいいなと思う写真には、どこかに三角形が潜んでいることが多かったりします。

・日の丸構図

日の丸構図。図提供Mphoto

ど真ん中構図、日の丸構図です。素人構図と思われがちですが、実は立派な構図の1つです。

・二分割構図

シンメトリー構図(二分割法)
シンメトリー構図(二分割法)。図提供Mphoto

上下、左右がほぼ対称の構図は、とても整った印象を与えます。

・三分割構図

三分割構図。図提供Mphoto

これは写真を撮るうえで重要な構図。黄金分割ともいわれており、よく使われています。カメラにも撮影モニターに分割線(グリッド)を表示する機能があったりします。


画面を縦横の線で均等に3つに分けると、そこに4つの交点が出来ます。その交点を意識して被写体を配置するといった方法です。

・四分割構図

四分割法。図提供Mphoto
四分割法。図提供Mphoto

画面を縦横それぞれ四分割し、画面を16分割して考える構図です。

三分割法よりも外側に被写体を配置するので、その分スペースが生まれやすく、写真の表現の幅が広がります。

・放射線構図

放射線構図。図提供Mphoto
放射線構図。図提供Mphoto

画面内の1点から、複数の線が放射状に伸びていくような構図。

奥行きを感じることから、動きや躍動感、迫力を表現できます。

◼︎大きな建物はアングルが重要

ローアングルで近づいて広角で撮ると、大きさを表現できる。photo by Mphoto
ローアングルで近づいて広角で撮ると、大きさを表現できる。photo by Mphoto

アングルと建物写真の関係は密接ですが、そんなに数が多くあるわけではないので簡単に覚えられますよ!

・正面

建築は正面や入口が派手に作られているものが多いです。ですので正面から撮れば、グラフィカルに撮りやすいです。

正面で撮る時はしっかりと水平が垂直が取れていないと、なんだかキマらない写真になってしまうので注意してください。

正面で撮る時のコツはなるべく離れてズームで撮ること。大きな建物の場合は離れるのが難しいことも多々ありますが、離れてズームで撮れば遠近感がなくなり歪みを抑えられます。

その時、可能であれば人物を点景で入れると対比によって建物の大きさが伝わりやすくなります。

・近づいて広角&ローアングル

正面で撮る場合は、なるべく離れてズームで撮ると歪みがなくなるとお話ししましたが、それだと平面的で大きさが伝わりにくいという難点があります。

大きな建物を大きく写す撮り方は、近づいて広角で撮ることです。

近づくことで遠近感がキツくなり、歪みが出てきますがその歪みこそが大きさを伝える要素になります。実際に真下にいて見上げている感じを出せるので、大きさを伝える時は調整しながら近づいて撮りましょう。

神社やお寺の撮影の際は、ローアングルで見上げることで、大きさプラス威厳を出すこともできますので試して見てくださいね。

それと定番なのが、大きい建物と人物を同時に入れたい時は、アングルは下から狙うとおさまりやすいです。

・斜め

建物を正面でなく斜めから見ることで、建物に存在感と立体感をプラスすることが出来ます。

その時、建物の側面の装飾などがポイントであればさらに良い感じに仕上がるのではないでしょうか。

◼︎大きな建物は光が重要

夕暮れ時のシルエットと空の表情を狙った。photo by Mphoto
夕暮れ時のシルエットと空の表情を狙った。photo by Mphoto

ここでは時間帯や天気によって変わる太陽の光の見極め方や、夕景、夜景についてお話しします。

・日中の高くて強い位置からの光

太陽が一番高い位置にいる昼時の光です。よくある光の位置ですが、注意点として影です。

当然真上からの光は真下に影が落ちます。太陽の光が柔らかかったり曇りの日であれば問題ないのですが、強い太陽光線だった場合は影で建築物の表情を邪魔してしまうことがありますので、影に注意して撮影しましょう。

さらには屋根があるところだと、屋根と軒下のコントラストがつきすぎてしまうことがあります。屋根や外観に露出を合わせると、軒下は暗くなり過ぎてしまい内観がほとんど写らず、逆に軒下に露出を合わせると今度は外観が白く飛んでしまいます。

こういうことは本当によくあるのです。

そんな時は時間帯をずらすか、外観は外観として割り切って撮影し、内観は内観として分けて撮影することをお勧めします。

・朝焼けから午前中の光

午前の光は綺麗撮れることが多いです。

午前はまだ※ガスってないですし、朝焼け等の低い位置からの光は、劇的に綺麗に撮りやすいです。ですので、建物の撮影はこの午前中をお勧めします。

しかし、建物の向きや方角も関係してきますので、自前に方角を調べておくと良いでしょう。午前は逆にシルエットになってしまうこともありますので。

ちなみに、建物を青空で撮るには順光で撮ることです。順光とは、カメラの背後から被写体に向かって光源の光が差している撮影条件のこと。

これが青空バックで建物を写す撮り方です!!

※ガスる・排気ガス等空気が濁ること。

・午後、または夕陽

午後になるにつれて光が弱まってきます。その弱いときが丁度いい場合もあります。

外観と内観をバランスよく撮りたい場合は、光が弱まっている時を狙いましょう。

建物のアウトラインが美しい場合は、思い切ってシルエットで撮ってもありかもしれません。

・マジックアワー

日が落ちても光の余韻で空が薄く明るい時間帯があります。その時間帯のことをマジックアワーと言います。マジックアワーは時間にして 15分くらいでしょうか。本当にすぐに過ぎてしまいます。

その時間帯はライトアップも空の群青も同時に狙える希少な時間です。何を撮っても綺麗な浮遊感のある風景になるのでおすすめです。

テストを撮りながら本番に臨みましょう。出来たら三脚があると良いですね。

・夜景と建物

これは三脚が必須ではないでしょうか。

手持ちの場合は、やはり感度を1000~4000くらいまで上げるしかないでしょう。

綺麗に撮りたい場合は、三脚またはどこかの台にカメラを据えて、スローシャッターで狙うしかありません。

感度は基本は100です。これくらいの感度が一番色を豊かに出してくれます。

感度が上がるほど明るく撮れますが、ノイズの発生やグラデーションを拾いづらくなるので、可能であれば三脚&スローシャッターで撮影することをおすすめします。

◼︎レタッチとレンズ選び

レタッチイメージ。photo by Mphoto
レタッチイメージ。photo by Mphoto

・レタッチ

先ほど光の話の時に、外観と内観の明暗差についてお話ししましたが、それを回避する手段としてレタッチという手段があります。

今は色々なソフトがあり、スマホで簡単に補正もできますが、私はやはりPhotoshopをおすすめします。

そして加工を前提とする場合はRawで撮影するといいでしょう。明るさや、歪み、角度、シャープネスなどを比較的自由度のある状態で調整することが可能です。

レタッチを最初から視野に入れて撮る場合のポイントは3つです。

  1. 露出は少し暗めに
  2. 画角は広めに
  3. そして明るさ違いで数枚撮影しておくことです。

PhotoshopにはCamera Raw というrawデータ専用の調整ソフトがあります。そのソフト内で調整する場合は・・・

明るさを編集するならここ↓

Camera RAW(Photoshopのオプションソフトで、RAWデータ専用です)での編集画面。
Camera Raw(Photoshopのオプションソフトで、rawデータ専用)での編集画面。

歪みの調整はここ↓

Camera Raw(Photoshopのオプションソフトで、rawデータ専用)での編集画面。

シャープネスの調整はここ↓

Camera RAW(Photoshopのオプションソフトで、RAWデータ専用です)での編集画面。
Camera Raw(Photoshopのオプションソフトで、rawデータ専用)での編集画面。

Camera Raw(Photoshopのオプションソフトで、rawデータ専用です)での編集画面です。

ここで直せば、丁度いい明るさや画角に調節できるはずですので、色々と試してみてください。必要な場合はPhotoshopで二枚の画像を合成しますがここではその方法については割愛させていただきます。

詳しい方法を知りたい場合は、レタッチの記事を参照ください。ただもっとスピーディーに編集を行いたい方は、撮影の段階では暗めに広めに撮っておいてスマホの編集ソフトで後から明るく、そしてトリミングするくらいで良いかでも十分かと思います!

・レンズ選び

レンズ選び。photo by Mphoto
レンズ選びも重要です。photo by Mphoto

レンズは歪みがなるべく少ない単焦点の広角レンズがおすすめです。例えば17mmや14mmなど。

広角であるほど、※パンフォーカスで撮りやすいのも特徴です。建物の場合は、ボカして雰囲気よく撮るのもいいですが、全てにピントを合わせてディティールを表現したい時もあります。広角の方が、ボケ感が薄まるので精細に表現しやすいのです。

絞りを11や16くらいで撮れば、かなり詳細に写せるはずです。

※パンフォーカス・・手前から奥まですべてにピントがきている状態のこと。

◼︎大きな建物写真は著作権や商用利用に注意

写真の撮影または利用は慎重に!! photo by Mphoto

ここまで建物の写真の撮り方についてお話ししてきましたが、実は大きな建物の写真はトラブルが多いのです。

まずは法律を見てみましょう。

・著作権法

第46条「公開の美術の著作物等の利用」

美術の著作物でその原作品が前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、次に掲げる場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

一  彫刻を増製し、又はその増製物の譲渡により公衆に提供する場合

二  建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合

三  前条第二項に規定する屋外の場所に恒常的に設置するために複製する場合

四 専ら美術の著作物の複製物の販売を目的として複製し、又はその複製物を販売する場合

禁止行為として法で定められているものは、そっくりそのまま同じデザインや同じ意匠の建築物をつくってしまう行為、またはミニチュアのような複製物を作って、公衆に対して提供する行為だと明記されています。

つまりこれ以外の目的であるのならば、自由な利用が実は著作権法で認められています。ですので写真を撮影することも、本当は問題ないということです。

・施設管理権

ただ、いくつか注意をしなくてはならないポイントがあるのです。

まずは撮影場所です。撮影場所が建物所有者、または管理者、管理団体の許可を受けずに撮影していた場合には要注意です。

個人の家の敷地内部での撮影は当然無許可で撮影してはいけませんよね。それと同じでどんな場所でも建物所有者等の「施設管理権」が優先されることがあります。

・様々な権利

今のは施設管理権の話ですが、ほかには雑踏を行き交う人達の肖像権、さらにはビルなどの看板のロゴマークの商標権。

また、大型ディスプレイに映されたタレントやアーティストのパブリシティ権、それから建物の著名度を勝手に利用して利益をあげる行為(フリーライド)も問題になる可能性があります。

それから、法的には問題がなくてもクレームが入ることがあります。実は各地の象徴的なタワーや商業ビル、記念館や学校、美術館などの公共施設などの多くは自由な写真使用を認められないと言っても過言ではありません。

例えば横浜のみなとみらい一帯は本当に厳重に管理されているみたいで、知人のカメラマンはみなとみらいでモデル撮りをしていたところ、急に市役所の方がやってきてストップがかかったことがあったみたいです。

アパレル関係の撮影だったので、気軽にモデルさんに歩いてもらってパシャりなんて考えていたら、結局何も使えず・・・なんてこともあるので市役所や管理団体に、前もって申請を必ず出しましょう。

仕事で撮影する場合は、どんな些細な場所でも必ず許可や確認を取らなければなりませんし、自前にリスクを回避していく必要があります。

建物や風景写真はとても曖昧なグレーゾーンを含んでいることも頭に入れておきましょう。

ボカしやブレを入れたり、フレーミングで看板を外したりなど、様々な方法でリスクを回避し、あとは撮影場所の許可取りなどのきちんとした手順を踏んで撮影に臨みましょう!

そして現代はインスタグラムなどのSNSでも写真は多用されています。それが商用でなくとも極力リスクを回避して、気持ち良く撮影や写真を楽しむべきではないでしょうか。

◼︎カメラマンに撮影依頼をしよう!

今回は、写真の撮り方から著作権まで幅広くお話しましたが、いかがだったでしょうか。

写真を撮るのであれば、やはりみんなから褒められたいですよね。少しでもこの記事が役に立つと幸いです。しかしながら、仕事で撮るとなるとどうでしょうか。もちろん失敗はできないですし、機材も少し心寂しいなんてことはありませんか。

・カメラマンに撮影を依頼するメリット

そんなときはミツモアで建築写真のプロにお願いしてみてはいかがでしょうか。きっと撮り方や機材選びに困らず、許可取りの段取りについても知っているはずです。一度検討してみてください!

見積もりもすぐに出せるので、計画も立てやすいはずです。

・撮影の相場費用

プロカメラマンに頼もうと考えたとき、まず気になるのが料金ではないでしょうか。

撮影のカットにもよりますし、状況によって変動はありますが、1時間1~3万円ほどが相場です。1日の拘束時間は4~10万円ほどになります。

この幅は撮影場所の距離や、待機時間、撮影場所の移動など踏まえた上での幅です。

それに加え、許可撮りや、ロケハンなども加わるとさらにプラスになる場合もあります。

こうお話してしまうと、やたら料金が上乗せされていってしまう印象があるかと思いますがそんなことはありません。撮影はすべてオーダーメイドなので、すべてケースバイケースなのです。

ですのでやはり個別に相談されることが一番良いかと思います。

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