アブとハチとは、見た目や大きさがよく似ています。しかし実は、それぞれの特徴や習性は大きく異なる昆虫です。この記事ではアブとハチとの違いや、遭遇した際の対処法などを紹介します。
アブとハチを見分けるときのポイントは?
アブとハチは羽根の数が違います。アブは2枚の羽を持つため上手く飛行のコントロールができず、飛んでいるところが一定ではありません。それに対しハチは2対の4枚羽で、飛行中にうまくコントロールして空中で止まる「ホバリング」ができます。
アブとハチに刺されたときの違いは?
アブは人に噛みついて血を吸います。アブに噛まれると2~3週間程度、痛みだけでなくかゆさにも襲われます。一方ハチは毒針で人を刺します。刺された場所が腫れるほか、アナフィラキシーショックを起こすと全身に症状が出て、最悪の場合は死に至ります。
アブとハチの分類の違い、見分けるポイントは?
アブとハチは見た目が似ていますが、体の特徴や飛び方などのポイントを押さえれば見分けができます。アブとハチの違いを解説します。
アブは、ハエやブユの仲間
アブは、ハエやブユの仲間です。
アブの中でも訪花性、捕食性、吸血性の3つのタイプに分けることができます。
訪花性(ほうかせい)のハナアブという種類は、花の蜜を栄養源にしています。花粉を媒介にして植物の受粉を助けるタイプです。
またハナアブの幼体は、肉食性でアブラムシを栄養として捕食します。これが捕食性です。
人に襲い掛かるのは、吸血性のアブ。栄養を得るために、かみついて吸血します。攻撃性が高いのが特徴です。
またアブの特徴は、目の間から短い触覚が生えており、全身が短い毛に覆われています。口は大顎と小顎が剣状になっていて、唇弁があるのが特徴です。
アブは2枚の羽を持ち、羽音が大きく、素早く飛びまわります。
ハチは蟻(アリ)は同じハチ目
意外かもしれませんがアリは、分類上はハチの仲間なのです。
ハチの特徴として、目が5つあります。2つの目の上部には3つの単眼があります。そして持ち目の間には触覚が生えています。
ハチはお尻にある針が特徴ですが、これは産卵管が発達したものなので雌にしかありません。巣や自身を守るために人を刺すハチは、働きバチである雌なのです。
またスズメバチのように毒性を持ったハチや、ミツバチのように毒性を持たないハチもいます。
集団行動するのがハチであり、夏場になると攻撃性が高くなります。
見た目がハチに似ている「アカウシアブ」
アブの中でも特に見た目がハチに似ているのが、アカウシアブです。日本で最も大きなアブになります。
赤褐色の体で腹部はハチと同じく黒と黄色のしま模様です。これはスズメバチに似せて天敵から身を守るためだといわれています。
牛や馬の周囲を飛びまわり、隙を見て吸血します。血を求めるのは産卵を迎えたメスだけですが、かまれると痛みが強く注意が必要です。
アブはハチと違ってしつこく付きまとうので、遭遇したら遠くに逃げましょう。
アブとハチとを見分けるポイントは?
アブとハチとの見分け方は体の模様、目の大きさ、そして飛び方です。
アブの見た目はアカウシアブ以外は黒っぽく、また比較的平べったい体をしています。
ハエは大きな目が特徴的で、アブも同じ大きな目をしております。
またアブは2枚の羽を持つため、うまく飛行のコントロールができず、飛んでいるところが一定ではありません。羽音も大きく音で気づきやすいです。
一方でハチは黄色と黒の縞模様が特徴的で、頭や腹で別れており、目も小さいです。
またハチは2対の4枚羽で、飛行中にうまくコントロールして空中で止まる「ホバリング」ができます。またハチは飛行速度が遅く羽音もアブと比べ小さいです。
どんなところに出現するの?活発な時期は?
アブとハチは実際どこに、いつ出現するのでしょう?
事前にアブとハチがいる可能性がある場所を認識しておき、アブやハチの被害を避けましょう。
アブは特に湿った地に生息、夏は危険
アブは川や水田、沼などの湿った地域や場所に発生することが多いです。
そのエリアにある葉っぱの裏などにたくさん卵を産み、1週間後にふ化します。
アブは4月から発生する種類もありますが、アブの被害が増えるのは6月から9月にかけてです。夏にキャンプやバーベキュー川釣りなどの夏レジャーに出かけるときは十分注意しましょう。
アブにとって18℃以上の気温が適温と言われていますが、30℃を超えると、暑さで活動が低下すると言われています。また昼行性のため、昼間がもっとも活動的です。
レジャー先で「ちょっと休憩として車を一時停止したときにアブが寄ってきた」という経験をした人もいるでしょう。これは、アブが車のエンジンの熱や排気ガスに反応して集まって来たからです。
もしアブが車に寄ってきたら、車の外に出ずに、エンジンを切ってからしばらく待ちましょう。エンジンの熱がおさまれば他の場所に移動して、その場からいなくなります。
ハチは自然の多いところに生息、秋口がピーク
ハチは草木や森の中、比較的人目につかないところに生息しています。
しかし最近は都心でも、ハチの殺傷被害が報告され、近年住宅街での駆除依頼が増加傾向にあります。
ハチは巣作りを4月から始める種類もありますが、巣づくりから始めるため、活動がピークになるのは7月から10月の間です。
またハチもアブと同様に昼行性であるため、太陽が時間帯はとくに活発。夏場にアウトドアにいくときは注意が必要ですね。
攻撃性や危険度の違いは?
吸血性のあるアブとハチはどちらも人に危害を加える可能性のある昆虫です。しかし攻撃の仕方には明確な違いがあります。
攻撃性や危険度の違いからどのように異なるのか解説します。
アブは噛みついて血を吸う
アブは毒針がありませんが、鋭い歯でかみついて吸血します。一度かまれると血が止まらなくなる成分を分泌するため、かまれた場合は傷口から成分を押し出して、ステロイド系の薬を塗りましょう。
朝方や夕方によく活動し水辺の近くに生息しています。おもに豚や牛などの家畜にまとわりつきますが、血を求めて人間を襲うこともあるのです。
アブにかまれると痛みだけでなくかゆさにも襲われます。2~3週間ほど症状が続くため、かゆみに耐えきれずかきむしり悪化することもあるでしょう。
アブにかまれたら早めの治療をおすすめします。
ハチは毒針で刺す
アブと違い、スズメバチ科などのハチが人を襲う際は毒針で刺してきます。刺されるだけでも痛いうえに、毒によりアレルギーを起こす場合もあるので危険です。
このアレルギーをアナフィラキーショックといいます。刺された場所が腫れるだけでなく、全身に症状が出る恐ろしいアレルギー反応です。
場合によっては死に至ることもあるため、刺された場合はすぐに病院に診察してもらいましょう。
特にオオスズメバチやキイロスズメバチなどは、毒性も攻撃性も強く危険です。刺されてから異常がなくとも数分後に症状が出始める場合もあるため、もしものことを考え1人きりの状態にならないようにしましょう。
野外で遭遇した場合は?
キャンプやハイキングなどのアウトドアに出かけた際は、アブやハチと遭遇する可能性が高くなります。野外で出会ったときの対処法を紹介します。
アブへの対処法
アブに遭遇した際はじっとせずにその場から逃げましょう。そのままでいるとアブにかみつかれてしまいます。
一方でハチの場合だと、急な動きをすると攻撃と認識されてしまい、逆に襲われることがあります。吸血性のアブは栄養を得るために吸血するのが目的なので、積極的に人や動物にとびつきます。その場合は迷わず振り落としてください。
駆除スプレーがあれば噴射するのも有効です。ただし屋内に入ってきた場合にスプレーを利用すると部屋が汚れてしまいます。窓を開けてなるべく外に追い払いましょう。
ハチへの対処法
ハチは自分や巣を守るために人を攻撃します。そのため敵ではないことを示すことが重要です。手で振り払うなどの行為は敵として認定されてしまうため、かえって危険です。
ハチに遭遇したら頭を下げてゆっくり後退しましょう。ある程度距離を置いたら全力で遠くに逃げてください。
スズメバチなどの危険なハチは、数十メートルも追いかけてくる習性があります。しっかりと離れるようにしましょう。
また蜂の巣は土の中や閉鎖的でみえづらいカ所に作られるものです。
気付かずに巣に近づいた場合は、ハチが周囲を飛び回ったりカチカチとあごを鳴らしたり威嚇のサインを出すため、これらに気づいたらすぐにその場を離れましょう。
刺されたときは?ハチとアブの応急処置方法
運悪くアブ・ハチに刺されてしまったときは、早急に応急処置を行いましょう。アブに刺されたときと、ハチに刺されたときそれぞれについて、症状と応急処置を説明していきます。
アブに刺されたときの症状と応急処置
アブはハチと異なり、刺されても命の危険につながることはありません。
しかしアブが人を刺して吸血するときには、皮膚を傷つけます。刺された箇所には痛みと腫れ、かゆみまた発熱といった症状があらわれるのです。
噛まれたとき発熱などの症状が出るときは、患部から細菌などが入り込んだ可能性があります。そのため応急処置はしっかり行うことが重要です。
アブに噛まれたときは以下の手順で応急処置を行ってください。
- 刺された患部を水でしっかり洗う
- 抗ヒスタミン薬を刺された患部に塗る
- 保冷剤などで冷やす
刺された患部を水で洗う時、アブに皮膚を傷つけられたときに細菌などが傷口に入り込まないように3分、4分程度しっかり洗い流す必要があります。
またアブはスズメバチなどとは異なり、刺されたとき毒の影響は心配ありません。しかし腫れや痛み、かゆみ、発熱の症状が悪化していく場合、病院に言って診てもらいましょう。命の危険につながらないとはいえ、無理は禁物です。
ハチに刺されたときの症状と応急処置
ハチに刺されると、毒性の場合最悪死にいたることもあり、早急に応急処置が必要です。
基本的には、アブに刺されるときと同じような手順で、応急処置できます。
しかし毒を持っているスズメバチ科のハチに刺されたときには、解毒する必要があります。毒を持ったハチに刺されたときの応急処置の手順は以下です。
- ハチの針が残っていたら針を抜く
- ポイズンリムーバーや爪で毒を絞り出す
- 刺された患部を水でしっかり洗う
- 抗ヒスタミン薬を刺された患部に塗る
- 保冷剤などで冷やす
アブに刺されたときと違ってハチに刺されたとき、毒を絞り出すことが重要です。たまにハチの針が残っている場合もあり、そのときは針を抜き出すこともアブに刺されたときとの違いですね。
応急処置が終わったら、毒の影響も気になるので、すぐ病院に行って診てもらいましょう。
またハチに刺された軽度の症状として蕁麻疹(じんましん)や激しい痛み・腫れがあげられます。
しかしハチの毒で「意識がもうろうとする」、「息ができない」といった症状を発症することがあります。このような症状は、アレルギー反応でも重度な「アナフィラキシーショック」を引き起こしているかもしれません。
アナフィラキシーショックを引き起こしていると、最悪の場合には命を落とすこともあるため、無理に動かず、救急車を呼びましょう。
アウトドア必須!アブ・ハチ対策のオススメアイテム
アウトドアに出かけるときにアブやハチが寄ってこないオススメアイテムを紹介します。オススメ商品は以下の2つです。
- 北見ハッカ通商 「ハッカ油」
- フマキラー「天使のスキンベープ プレミアム」
「ハッカ油」は天然成分でできており、「天使のスキンベープ プレミアム」は子供の肌にも優しい成分でできています。これからそれぞれの特徴を説明していきます。
アウトドアに出かけるときに、対策アイテムを持って安心して楽しい時間が過ごしましょう。
北見ハッカ通商 「ハッカ油」
ハッカ油は虫が嫌がる香りなため、虫よけに効果的です。
北見ハッカ通商の「ハッカ油」はスプレータイプの小さい瓶でハッカ油を販売しており、アウトドアなど外出するときに持ち運びが便利なのが特徴です。
ハッカ油は薄荷(ハッカ)という植物から抽出した天然成分でできており、人体への影響はありません。幼い子供がいる方には、虫よけスプレーよりハッカ油がオススメです。
しかし効果は2時間ほどしか持続しないため、こまめにスプレーをする必要があります。
またハッカ油は気持ちをリフレッシュするアロマ効果も持っており、虫よけ以外にも使えて便利ですね。
フマキラー「天使のスキンベープ プレミアム」(ミストタイプ)
フマキラーの「天使のスキンベープ プレミアム」は、イカリジンといった人の肌に優しい成分を配合しており、薬剤を子供の肌にも安心して使用することができます。
また「天使のスキンベープ プレミアム」は一度肌にかけてから最大8時間程の持続効果です。レジャーの季節で長時間外にいる人にはオススメの商品です。
「天使のスキンベープ プレミアム」にはエアゾールタイプ、ミストタイプ、ジェルタイプの3つがあります。どれを使っても同じ効果が見込められますが、服の上からでも使えるミストタイプがオススメです。
家で使うなら?ハチやアブに効果があるオススメアイテム
アウトドアに行かなくてもハチやアブが家で出たケースが
ここでは、家で使えるハチやアブに効果的なオススメアイテムを2つご紹介させていただきます。
- アース製薬「ハチ アブ マグナムジェット」
- フマキラー「ハチ・アブ バズーカジェット」
「ハチ アブ マグナムジェット」は飛び回っているハチやアブも狙いやすく変形し、一方で「ハチ・アブ バズーカジェット」は遠くにいるハチやアブが狙えるのが特徴です。
アース製薬「ハチ アブ マグナムジェット」
アース製薬の「ハチ アブ マグナムジェット」の最大の特徴は、狙いやすさ。
ハチやアブを狙いやすい理由は、このスプレーは、銃のように構えることができるガンタイプだからです。銃のように狙いを定めることができるので、飛び回っているハチやアブに的中させるのに向いています。
また一般的なハチやアブ殺虫スプレーだと、即効性がないものもありスプレーをかけられたハチが余力で反撃してくるときがあります。
しかしこのスプレーにはハチの神経を狂わせ、反撃する意欲をなくすことができる成分が含まれています。そのためスプレーをしたハチから反撃される恐れはありません。
即効性がある殺虫成分だけでなく、ハチ除けに効果がある成分も含まれていて、忌避効果は1ヵ月ほど持続します。巣が出来やすい場所にこのスプレーを散布しておくことで、巣作り防止もできるのです。
フマキラー「ハチ・アブ バズーカジェット」
フマキラーの「ハチ・アブ バズーカジェット」は、速攻殺虫成分と羽ばたき停止成分、行動停止成分が配合されています。これらの成分が配合されていることで、スプレーに掛かったハチやアブは飛ぶことができなくなって床に落ちるのです。
またこのスプレーは巣にかけておくと、巣に戻ってきたハチにも効果が発揮され、巣に属するすべてのハチを駆除することができます。
一般的なスプレーだと、そのとき巣にいなかったハチには効果がないので、しっかりと巣ごと駆除するにはオススメの製品です。
また1ヵ月の巣を防止する効果があり、ハチの被害を防ぐことができ安心ですね。
ブユ(ブヨ・ブト)、蚊、ヌカカとの違いは?
ブユ(ブヨ・ブト)、蚊、ヌカカはアブやハチと活動時期や人の血を刺したり、危害を加えるも似ています。
また活動時期だけでなく、アブと似たように人の血を吸う特徴があり、刺されたときの症状も痛みやかゆみだあります。
以下にそれぞれの特徴を説明していきます。
ブユ(ブヨ・ブト)
ブユは日本全国にみられる虫。地方によってはブヨやブトと呼ばれることもありますが、正式名称は「ブユ」です。
ブユは森林や渓流沿いなど、キャンプ場が多いところに生息しています。アブと同じように、人を刺すときは皮膚をかじって血を吸います。
ブユに噛まれると猛烈な痛みを感じるのが特徴。患部にはかゆみや腫れをともなうこともあり、症状は1週間ほど残ります。
またブユの唾液には、スズメバチの毒成分にも含まれている「酵素毒」が含まれています。そのため、ブユに噛まれるとアレルギー反応を引き起こすことがあり、最悪アナフィラキシーショックを引き起こすことも。
蚊(カ)
蚊(カ)は、山や川のある地域だけでなく、住宅街でもよく出現します。夏になると蚊に刺されて不快な思いをすることが増えてくるものですよね。
ブユやアブとは異なり、蚊はストローのような形のした口を、人の皮膚に刺して吸血します。
蚊に刺された時は、痛みこそないものの、少し立つと刺された皮膚が赤くなり、かゆみを感じます。
また、まれに「蚊アレルギー」を引き起こすことがあります。蚊アレルギーの症状は、刺された個所がひどく腫れあがったり、発熱を引き起こしたりといったものです。
蚊アレルギーは、ウイルスを持った蚊に刺され、そのウイルスに感染した人のごく一部が引き起こします。
ヌカカ
「ヌカカ」はおもに水辺の近くに生息しています。渓流沿いで被害に遭うことが多いので、気を付けましょう。
ヌカカの吸血方法は蚊とほとんど同じ。刺されたときは痛みを感じません。しかし蚊と比べると、症状が出るのが遅いという特徴があります。
ヌカカに刺された患部は、最長で「1日後」くらいから腫れはじめます。また蚊に刺されたときよりも強いかゆみを感じると言われ、症状は約1週間ほど続きます。
人の服に入り込んで、1箇所だけでなく複数箇所を刺すことが多いので、服の下にたくさんの刺し痕があるならヌカカのせいかもしれません。
アウトドアでは虫対策を万全に
アブとハチは見た目こそ似ていますが、ポイントを押さえれば見わけられるものです。害を与える目的や手段も異なるので対処方法も変わります。
ハチは自分の身や巣を守るために攻撃してくるのに対し、アブは栄養を得るために吸血します。
そのためアブに遭遇した際は積極的に振り払うようにしましょう。逆にハチは攻撃すると逆上しやすいので静かに逃げてください。
山中などのアウトドアではアブやハチに遭遇しやすくなります。虫対策を万全にして自然を楽しみましょう。
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